2017年07月22日

各種ペイントワーク

最近エンジンネタが続いたので塗装ネタですが、
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何気にお問い合わせが多いのに今まで一件も作業に踏み切ることが無かったショック&ダンパー系ですが、少し前にオザワR&D様より前回セラコート仕様のFCRキャブレターを製作させていただいたGSX-R750のN様用のオーリンズのステアリングダンパー他を再度ご依頼いただきまして、やっとダンパー系の実例処理を行うことが出来ました^^

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で、ちょくちょく「作業出来ますか?」とお問い合わせを頂く割りに作業依頼まで踏み込んでいただけないこのダンパー&ショック系ですが、多分、ピロボールやロッド周りにサンドブラストによるメディアの影響を懸念されているのか?、または焼付け時の温度を気にされているのか・・・。
費用的にはそんなに高いこと言ってないと思うんだけどなぁ・・・

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などとそんな事を考えながらオーリンズステアリングダンパーのセラコート仕様 第一号の完成です♪ あとは納品後にOHLINSのステッカーを貼って仕上げていただければバッチリです^^

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マスキングレベル的にはこのような仕上がりとなりまして、普段のキャブレターのマスキングからするとだいぶ楽な部類となります。

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焼付け時の温度も通常車体にセットされてエンジンからの熱で熱せられる温度よりも低い60度で焼付け処理を行いますので、オイルシールなども傷付けずに施工が可能ですが、低温といえども一応焼付け処理を行いますのでガスダンパーなどは安全策として焼付けを必要としないCシリーズでの施工となります。

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そしてこちらはショック本体はハイパープロ製のブラックボディでノータッチですが、今回は新品時に黒かったスプリングをパウダーコートで白く塗り直しをご希望されての作業で、

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白いものは黒く!黒いものは白く!そうゆう拘りと個性ってやはり大事ですよね^^
それにしてもこのスプリングのパウダーコートを頼まれた時にどうやってスプリングを外すかなぁ・・・と悩んでサス関係といえばコーイチさんだな。と、コーイチさんの所に持っていこうと考えていたタイミングで丁度コーイチさんが仕事の途中で寄ってくれて、お願いをするとササッと道具も使わずにその場で分解してやり方を教えてくれたのですが、組み付け時に一人逆手順でトライしたら思いっきしスプリングに指を挟んで深夜に一人ガレージで悶絶。。。 
改めて自分のセンスの無さを感じましたw

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そして先ほどのショックのオーナー様のホイールも同時に塗らせていただいたのですが、今回のご希望が若干赤みのあるシャンパンゴールドをご希望されていたのでセラコートやガンコートでは再現が出来ないと判断をして、一般的な通常のウレタン塗装にて希望に近づくよう調色をして施工をさせていただきました。

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そしてタイヤを組み付けてホイールをセットすれば一件落着です^^

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フロント

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リア

そして先日このペイントワークの上がった車両をMID-KNIGHTの代表である金子様が引き取りにいらしてくれたのですが、その時に乗ってきてくれたマシンがかなり個性的でカッコいいんです^^

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それがこちらのハコスカ仕様な軽トラですが、フロントフェイスだけでなく、

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サイド〜リア周りまできっちり全て製作されていて、

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特に驚きだったのがこれらの外装部品がFRPなどで製作された量産品やキット物ではんく、全て職人さんが鉄板から叩き出したワンオフ品ということで、ものづくりジャパンの凄さを改めて感じました^^:
そしてこのマシンは何処かで見たことがあるんだよなぁ・・・と思ったら、カスタムカーという雑誌の年末付録のカレンダーの1ページに採用されていて、それで見覚えがあったようです^^
ちなみに現在FOR SALEとのことですので気になる方は MID-KNIGHT さんにお問い合わせをしてみては如何でしょうか^^

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そして明日は富士で行われるアメフェスにて今年初のドラッグ ” 観戦 ” ですw
今回、何時もお世話になっている岡山のリバーフィールドパフォーマンスの川田様にアメフェスの観戦チケットを頂いたので久しぶりの気晴らしがてら仲間と応援に行ってきます♪
いつもと違うアメフェスで、V.D.A 戦以外にも以前にピットに遊びに行かせていただいたGPM RACINGさんのTOP FUELの走行の他にL型の雲上人が集うG-WORKS クラスがあったりJD-STERで活躍している国産バイクが走ったりと久しぶりの参戦しないのんびりとしたドラッグ観戦、今から非常に楽しみです^^

akane380 at 07:21|PermalinkComments(2)ガンコート&結晶塗装 

2017年07月15日

メタル選定 勘合表と実測値

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前回とその前くらいにオーナーさんへの現状報告も兼ねてメタル選定の話を書きましたが、何だか反響があった?というか、バイク屋さん関係からマニュアル通りの勘合表じゃダメなの?と若干有耶無耶に誤解をされてしまっているようなのでそうゆう話じゃないんです。という事と、以前にオイルクリアランスを合わせると書いた時になるようにしかならないんだから合わせられないでしょ?という事があったので、今回は軽く触り程度にネタにしてみます。

一般的にエンジンのメインメタルやコンロッドメタルなどを選ぶ時にはサービスマニュアルを見るとどうやって選べば良いかが載っているのですが、今回は先日部品取りとしてジャーナル径を測ったV-MAX1200のエンジンを例にしてみます。
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で、こちらが勘合の識別マークの記載ですが、このクランク側に刻印されている番号(1)と、エンジンケースに記載されている番号(2)を・・・

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このように引き算をして(3)、算出された番号を選んで組んでくださいね。(4)と、エンジンケースやクランクなどはそれぞれ個体差があるので、ジャーナルの内径サイズや外径のサイズで識別番号が割り振られて本来ならマニュアル通りに選べば基準値内のオイルクリアランスが得られるというものですが、実際に勘合表を使ってメタルを選んでみます。

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で、自分は下積み時代に勘合表なんか使うなと教わってきたので今までもあまりこの刻印を意識してこなかったのですが、まさかのリューター手書きでヤマハもなかなかワイルドだなとビックリしました。。。
とりあえずケースの刻印は「5766」ですが、ややこしい事に正面から見てしまう事になるので右から J4J3J2J1( J=ジャーナル )となります。

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そしてクランクの刻印は「1212」ですが、こちらは左から J1J2J3J4となりますので、先ほどのケースの刻印とクランクの刻印を各ジャーナル毎に引き算をして得られた数値が右上に記載されているメタルの識別番号「5-4-6-3」という数字と色になります。


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この識別番号と色によってメタルの厚さを識別しているのですが、まずは先ほど勘合表で割り出したメタルの厚みを元に実際にエンジンに組み込んだ際のクリアランスのチェックをしてみます。






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例としてJ1を元に計算をしてみますが、計算は至って単純でして、それぞれ計測をして得られたクランクジャーナル内径数値からクランクジャーナル外径数値を引いた数(クリアランス)に・・・




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先ほどの勘合表で出たメタル厚、この場合は黄の1.503〜1.506mm (平均で1枚あたり1.5045mm で、上下で2枚必要となるので ×2=3.009mm )を先ほど得られたクリアランス 3.051mm から引きます。
そして出た数字「 0.042mm」が勘合表を元に実際にメタルを組んだ際の理論上のオイルクリアランスという事になります。


ということで・・・




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J1〜J4 までを計算した結果がこちらですが、V-MAX1200の親メタルのオイルクリアランス基準値は0.020〜0.038mm となりますのでJ1とJ4はクリアランスが0.038mmを超えて許容範囲外となるので厳密に言えばアウトです。
以前にも書きましたが全ての部品が新品とかなら勘合表も役に立つのかもしれませんが、使用して消耗や磨耗した状態ではマニュアル通りじゃ合わない部分が出てきてしまいます。
なので下積み時代に「勘合表なんて一度使ったエンジンには合わないんだから使うな!」と教わった訳ですが。
でもまぁ、実際このくらい良いじゃん!って言われれば自分の作業じゃないしそうっすね!って話なのですがw
で、実際ここで気にする部分はクリアランスがほんの少しオーバーしているからもうダメ!とか揚げ足を取るような話ではなく、このオイルクリアランスのバラつきがあると一部のジャーナルに部分的に負荷が掛かってしまったり、コンロッド側のピンに回る油量にバラつきが出てしまう恐れがあります。
今回の場合で言えば基準値を超えるクリアランスのJ1とJ4に比べて基準値下値に近いJ2とJ3は抵抗も大きく、これでは全体での均等なバランスが取れません。
中にはもしかしたらアタリエンジンと言われるような勘合表でバッチリOKな個体もあると思います。 ですが、今回のV-MAXのように初年度は30年も前とかなると高確率で勘合表では合わなくなってきてしまいますので個人的には勘合表は使わない・・と書いた次第です。
ですのでダメとかそういう事ではありませんので間違ってもこんなところに書いてあることをいちいち気にしないでください^^:



で、話を戻してじゃあどうすんだよ?って話ですが、
例としてまた先ほどのJ1を例えにしますが、J1の内径と外径のクリアランスが3.051mm でしたが、今回は仮説としてオイルクリアランスを0.030mmに合わせる方向で行くとします。
その場合に3.051−0.030=3.021mmとなりますので、その3.021mmをメタル上下2枚分に割ると1.510mmとなりますので、メタル厚さ1.509〜1.512mmの茶色のメタルを選べば平均値でオイルクリアランスは仮説で設定した0.030mm ジャストとなります。


ということでまた・・・




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J1〜J4はこのような結果となります。
先ほどの勘合表で合わせた際には100分台のバラつきがありましたが、こちらでは仮説のオイルクリアランス0.030mmを目標にしてさらに精密に最小値 0.029〜 最大値0.033mm と前後幅1000分の4mm以内で揃えることが出来ました。
このような感じで任意の理想とするオイルクリアランスを求めてメタル選定を行っている訳ですが、これは基本的な面で応用や技的、条件的な事も結構あったりしますのでもっと深いのですが、そこは恥ずかしいので秘密にしときます^^:




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ということで、この差がエンジン性能に現れると思いますか?現れないと思いますか・・・というか、この数値が先日のV-MAXの数値だったら良かったのに・・と改めて悲しくなってきました。。。
ふと、もし仮に前回のV-MAXの腰下ケースを勘合表を元にメタル選定をして組んだ場合には最悪クランクが動かないか、メタルトラブルを起こしてエンジンが壊れます・・と書こうとしたら、考えてみたらメタルトラブルが原因で入庫しているのでした^^:
でもそうゆうことを踏まえても実際に測るのは良いですよ・・、実際に各部を詳細に測ることで立体的に状態が把握できますし、前回作業をした時の内容や手順や思想、レベルなども部品を通じて見えてきますので^^

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ちなみにこの話をする上でトルク管理も非常に大切ですって書こうとしていたのですが忘れてますた。。。

akane380 at 06:20|PermalinkComments(9)V-MAX1200エンジン製作 

2017年07月06日

至上命題 9sec!! VMAX計画

夏目前でイベント関係の作業が多く、動かすことの出来ない納期の作業達を無事にこなしてやっと肩の荷がおりました。。。

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そんな中、先日いつも何かと自分の身体のことを気遣ってくれる山形の Iさんからさくらんぼを頂きました♪
山形のさくらんぼは名産品だけあって本当に美味しかったです!ご馳走様でした^^
とりあえずお返しを考えるも山形は酒も魚も空気も美味しいとのことで、関東の人間が何を御返しに送れば良いのやら・・・。 逆転の発想でこんな不味いもの今まで食ったことが無ぇ・・・ってくらいマズイ物を送ってみるべきか・・・w

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それと先週ガレージに遊びに来てくれた九州のケンタロウさんとの東西ひよこ合戦は未だに続いているようでw 、今回もNew バージョンの抹茶ひよこご馳走さまでした^^
それから遊びに来て頂いたHさんからもお土産を頂きましてガブの分のお土産まで頂いてしまって本当にいつも皆さんお気遣いありがとう御座いますm(_ _)m
最近「今日何食べたっけなぁ・・・」とその日に食べたモノすら覚えておらず記憶力がヤバイなぁ・・・とか思いながら寝るときにふと ” あ、思い出すもなにも俺 今日なんも食ってねーんじゃん。。。 " と頻繁に食うことを忘れて生きているのでありがたく美味しくいただきます^^

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ついでに、いつも走る場を提供してくださっている2輪ドラッグレース団体を運営するJD-STERさんが 7月16日(日)開催のJD-STER Rd.3 の会場を更に盛り上げるべく スポンサーのハラダ製茶さん主催のトークイベントを当日開催するそうです。 生でドラッグの走りを見つつ、生でお笑い芸人さんを見れるチャンスですので是非この機会に遊びに行ってみてはいかがでしょうか?
また JD-STER さんのホームページ ではSPEED NEWSと題してレースの詳細やその他の動画なども多数アップされておりますので興味のある方は覗いてみて、覗いたらその勢いで是非参加をw
初めてだと緊張するし・・・という場合には多分当日はお昼に体験走行なども無料で行えたと思いますし、ルールやスタートの仕方、走り方などは事前に初心者講習もありますので深く考えず興味本位の軽い気持ちで遊びに行っても十分楽しめると思います^^



そしてここから本題ですが・・・、




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前回シリンダーブロック上面の面研を行おうとしたところライナーがデッキから飛び出した状態で固定されていた問題で、一度ナプレックさんの方で押し込んでみてもらったところ押し込んでも入らず、この状態で固定されてしまっているのかが不安で一度ライナーを抜いて確認をしていただいた訳ですが、結果、ライナーを固定するエポキシ系の接着剤が間に挟まった状態で固着していたようで、それらを綺麗に取り除いて一件落着かと思いきや、今度はライナーとブロックとのクリアランスが若干不足気味で圧入してもカッチリと固定が出来るかどうかの不安が発生してしまいどうするか?でまたしても作業が一旦停止していたVMAX1200のエンジン作業ですが、

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最終的にナプレックさんの方でカッパー系のスプレーをライナーに施してしっかりと嵌めていただいて、

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その後シリンダー上面を指定量面研していただき、やっとシリンダーブロックの加工が無事に終わりました^^:

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そしてメーカー欠品だった純正のバルブガイドも当初2月に発注して3月に入荷の予定が5月の末に延期になりで、もしかしたらまた延期か・・・。と危惧していましたが、なんとか5月の末に生産されて手元に届きました^^

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そしてその間にメタルトラブルを起こしたクランクの代わりとなる部品取りE/g から取り出した1200のクランクもジャーナルとピンを磨き仕上げを行いまして、

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こちらも寸法への影響を最小限で良い感じに仕上がりました^^

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まだ腰上の話に触れていませんが腰上も実は問題が山積みだったのですが、それらも含めて先日やっと現状明らかになっている問題がクリアーになり、これでやっと欠品部品も無くなり、それぞれ問題のあった部品なども対策したり修正したり探したりでやっとメタルの選定に入れる♪ と山無し谷ありの連続を経てやっと一般道に出られた的な安堵感が^^
あとはメタルの選定が終わればメーカーに部品を発注して、表面処理が必要な部品には表面処理を施して・・・そして全て下準備が整ったら一気に組み上げて完成だ♪ とゴールがやっと見えt・・・。って思っていたのですが、何だかおかしい。。。

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必要なメタルの選定をするのにクランクケースのジャーナル径を測ってみるとこのエンジンは何だか普通と違う・・・。

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普段ジャーナル内径を測る時には1つのジャーナルに対してオイル溝を挟んだ左右( ↓◆縫献磧璽淵襪粒3方向を測ってそれぞれの平均値を出すのですが、今回計測をしてみたところオイル溝を挟んだ隣り合う,鉢△妊リアランスに100分台で大きく開きがあって、規則的に一定の方向にそれぞれ末広がりにテーパーが掛かっている。。。

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とりあえずこのV-MAXも生産開始から30年も経つ古いバイクなので、当時のヤマハが何か狙いがあってジャーナルにテーパーを掛けたのかな?と。 もしかしたら規定のトルクで組み付けた時にしっかりと芯が出るような仕様なのかを確かめるべく、プラスチゲージを使って一度チェックを・・・。

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で、規定のトルクで閉めこんでプラスチゲージの潰れ具合を確かめるとやはり隙間の広さが左右で偏っている。

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ただ、全体を通してみるとある一定の法則があるのですが、,鉢△隆屬悩垢有ってテーパー状になっているのは大外の左右#1と#4 のみで、逆に真ん中の#2 と#3 は左右の,鉢△藁イ譴討い覆い大外の#1 と #4 のクリアランスと比べるとやけに狭く、大外の二箇所はラインナップされている最大厚のメタルを使ってオイルクリアランス基準値の上限0.038mm にギリギリ追い付けるかどうかで、真ん中の二箇所はラインナップされている最薄のメタルを使ってオイルクリアランス基準値下限の0.020mm ギリギリ(正確には0.0195mmなのでアウトw)と、この状況ではメタル選定の選択の余地無し。。。
というか古い中古のエンジンなのに何でクリアランスが広がっているんじゃなくて狭くなっているんだ?と。
クランクのジャーナルも磨きを施しているのでなお更クリアランスが広がるハズなのに・・・。

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もしかしたら年式で仕様が違っていて自分の持っているサービスマニュアルの数値ではこのエンジンには合わないのか・・・? このV-MAX1200のサービスマニュアルには使用上限値の記載がなく、どのような状態でもオイルクリアランスが0.020mm 〜0.038mm の間で確保が出来ていればジャーナル径やピン径を気にすることは無くて良いという考えのようで余計に判断が付けづらい。。。
で、大型のヤマハのエンジンなんて20年近く前に自分の乗っていたAE86の4A-Gをイジっていた時以来触っていないし、ジャーナルにテーパーが掛かっている仕様は2輪ヤマハの特徴的なそうゆう仕様だったりするのかな?と他のV-MAX1200のケースのジャーナル径を測って確認してみたのですが、

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はやり本来,鉢△呂曚榮運値に収まるようで、この数値を元にオイルクリアランスを計算してみると選択幅もあり、純正部品として調べてもケースに年式の違いは見受けられずやはりあのケースのジャーナル径がオカシイんだな・・・と。

で、ここに来るまでに色々な部分で問題が発生して乗り越えてきたので、流石にこの部分では問題の起こしようが無いだろう・・・と疑う心を持っていなかったので完全に見落としてしまったのですが、
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よくよくケースを確認してみると原因は以前にオーバーホールした時にオイルストーンでガリガリ削ってしまった事によるケース合わせ面の狂い・・・。
もう本当にガッカリというか、グッタリというか、もうしなくて済むだろうと思っていた「またトラブル発生です。。。」の報告をオーナーさんにする羽目に。

よくエンジンの話題になった時に ” なにそんな神経質なこと言ってんだよ ” って反応をされますが、実際にここで問題になっているクリアランスは0.02mm〜0.03mmと100分の2mm とか3mmの話なのですが、100分の2mm とか3mmって言われてもピンとこないかと思いますので分かりやすく身近な物で例えると、通常のコピー用紙の厚みが 0.09mm なのでペラペラなコピー用紙をさらに薄く三等分にスライスした1枚分以下 の厚みのクリアランスを求める部分の話で、そのような細かなクリアランスを求める部分ですので、これだけ荒い砥石でガリガリ研磨をしたのではあっと言う間に本来のクリアランスが奪われて面の平行なども狂いが生じてしまいます。
ただ、この手の作業は作業者によって考えも十人十色でしょうからこれが本当に間違いなのかを判断する事は出来ませんので否定も出来ませんが、ただ純正でラインナップされているメタルの厚みの一番薄いモノを使用してオイルクリアランスの最小値ギリギリで選択の余地が無い事と、ケースジャーナル径の芯が狂ってしまっている点を踏まえればジャーナルを介してコンロッド側に流れる油量や油圧にも影響を及ぼしますので性能を上げるうえで良い判断だとは思えません。
古いバイクなどでローラーベアリングを使ったタイプのエンジンを除いて、仮にオイルストーンを掛けるのであれば砥石にもサンドペーパーなどと同じように番手がありますので、このような繊細な部分に使用する場合には仕上げ用などの極細目など目の細かい砥石を使うのがベターかと。
今は3Mからスコッチなど砥石よりも扱いやすいものが出ていますので、古い液ガスなどを落とす用途であればスコッチの#1200くらいにオイルを浸して磨けばクリアランス的にも1000分台くらいしか影響せず良いかと思います。

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ちなみにこのバランサーシャフト側のデッキ部分の面は相当気前よく行ってしまったようで、

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既に面が崩れて凹んでバランサーシャフトのオイルクリアランスも最低なことに・・・。
やればやるほどスタートラインから後退してチョロQならゼンマイが壊れてるんじゃないか?って位にとことん一歩進んで二歩下がるを繰り返していますが、その巻きに巻いたゼンマイを解き放って勢いよく走ってくれるようにする為にも、このV-MAX1200 エンジンの苦難はもう少し続きそうです。。。

akane380 at 02:50|PermalinkComments(10)V-MAX1200エンジン製作 

2017年06月22日

V-MAX1700 ターボ製作

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現在、自分の12R以外にもドラッグでタイムを狙うべく2機のエンジン製作を進めさせて頂いているのですが、自分の12R の仕様がNOS仕様で8秒台を目標に、V-MAX1200がNAでシャフトドライブのままエアシフターも使わずフレームも補強せずのエンジンパワーとライダーの腕だけでV-MAXのNAでは誰もまだ成し得ていない9秒台を目標に、そしてもう一機のV4のV-MAX1700はターボ仕様でタイム目標はまだ立てておりませんが、タービンをしっかり回してブーストを掛けてまともに走れる仕様を・・・のNA、NOS、ターボと三者三様の仕様をそれぞれにメニューを考えて作業を進めているのですが、

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とにかく今回のV-MAX1200&1700はいろいろな場面でそれぞれつまずく事多しで、一歩進んで二歩下がるな状況が続いていましたが、ここにきてやっと作業も順調に進められる状況になったので改めてこの辺の作業も個別に紹介していきたいと思います。

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で、今回のV-MAX1700の作業はウチで一から製作する訳ではなく、以前にショップさんで作られたマシンに対するご相談を受けまして、ここでの細かい詳細と内容は避けますがいろいろ問題がお有りとのことで、とりあえずエンジンも一度バラして不良箇所を洗い出しつつ、しっかり組み直しましょう。と分解点検をしたところ、ターボ仕様に合わせてキャリロのHビームとローコンプの鍛造ピストンが組まれていたのですが、

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この純正に対して強化されたコンロッドとピストンのセットが純正比で非常に重量増に繋がっておりまして、V4 E/g でこの重量増は如何なものか?と、このピストンとコンロッドのセットに対するクランクのバランス作業をいつも内燃機加工をお願いしているナプレックさんにお願いをしたのですが、

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ナプレックさんでも今までにV4 180度クランクの?扱いが無いとのことで作業は困難を極めまして、

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こうして書くとあっと言う間の出来事のようですが、バランスの計算をして頂いて計算を元にダミーウェイトとなるボブウェイトを新規で製作し、やっとバランスマシンに掛けられる!という状態に来るまでに約1年^^:

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その後、クランクシャフトから取り外せないギアなどの関係でバランスマシンにセットが出来ないという問題が発生してどうするか?で一度作業が中断したのですが、バランスマシン側を改造することで対応していただけるということで巨大なベアリングを用意していただいて、

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それをこれまた今回の為に製作していただいた冶具にセットして・・・

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紆余曲折を経てやっとバランスマシンにセットすることが出来て何度も山あり谷ありの連続だったのでこれで全ての問題は切り抜けたと一安心。

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その後、バランスマシンにて精密バランスを取っていただき、
画像は NAPRECさんのこちらの記事より 拝借しております

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結果的に純正のバランスホールを埋めたり新しくバランスホールを開けたり、カウンターウェイトを切り落としたり・・・

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と、このような長い時間を費やしていただいてやっとクランクのバランス取りが完成して戻って参りました。

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その後、前回の12Rと同じようにレコードラインの出ているクランクピンを、

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綺麗に磨き仕上げを行いまして、

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何だかんだで一年以上掛かってしまった1700ターボ用のクランクがついに完成しました^^
今回非常に長い時間を掛けてお付き合いくださり製作していただいた名古屋さん率いるナプレックさんには感謝の気持ちで一杯ですが、それ以上にこの長い時間を文句の一つも言わず催促の一つも仰られずこちらを信じて寛大な気持ちで待っていて下さったオーナー様には本当に感謝しております m(_ _)m
ここからメタル関係の選定〜エンジンの組み付けを経て、モーテックECUによるフルコン制御などなど、まだまだ山ありですが、1200と違いメーカー部品の欠品もなく、ここからは順調に進めて行きたいと思います^^

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そしてもう一機のV4クランクの1200もなかなかの紆余曲折ぶりを発揮しておりまして、次回はそちらをご紹介していきたいと思います。

akane380 at 05:43|PermalinkComments(8)TrackBack(0)V-MAX1700 ターボ製作 

2017年06月14日

オイルクリアランス自己研究

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以前に自分の12Rのオイルパンの加工をしなきゃ・・・と書いたものの未だやれていません・・・。

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というのも普段乗りでストリートでも使用するマシンなので単純に底を切って貼ってじゃオイルトラブルを起こし兼ねないので、容量を確保しつつ、オイルの偏りや油圧トラブルを起こさない対策も兼ねて加工するつもりで、

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材料のアルミ板も用意しているのですが、とりあえず他のマシンを先行しないと自分のマシンは着手できないので妄想だけに留めて現在作業停止中です。

で、オイル管理といえばやっとというか、前回富士の走行でミッションブローを起こして終了した12Rのエンジンを分解して各部をチェックしてみたのですが、SBR_4513
いつも使っているシルコリンオイルの相性の良い使い方を探して毎回オイルクリアランスを変更したり、組み付け時のトルク管理を変えてみたり、組み付け後の慣らし方、表面処理などなど、言うは易しで実際にやってみないと判らない・・と、ここまで実験的に何年掛かったのやら・・・。

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で、今回エンジンを分解してメタルのアタリの確認をしてみたところ、やっと綺麗なメタルのアタリが確認できました^^

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参考までに以前のアタリがこちらですが、若干アタリが強い印象でした。

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毎回分解する度に剛性不足を疑いたくなるケース側のメタルのアタリも今回は均一で、やっとアホみたいにNOSを噴射してエンジンをぶん回す際のシルコリン Pro4 × オイルクリアランスの答えが見えてきた感じです^^

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ただ唯一カムチェーンで常に力の掛かる#5 のアッパーケース側のメタルの進行方向側だけはやはり若干アタリが強いのですが、

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普段同じような強めのアタリが毎回出ていた#1 側のアタリは今回は非常に良かったので、新しいエンジンでもこの時の選定基準と組み付けを施してもう一度トライして試してみたいと思います。

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ちなみにロアーケース側は普段からそこまで変なアタリは無いのですが、今回はそれ以上に良い状態で、今回クランクケースとクランクを新しいモノに交換しなければ続投可能な状態でした♪
ということで今年のNew エンジンは安泰か♪ といえばそうでもなくお陰で一つ悩みが・・・。
実は今回バラしたエンジンのメタル類は普段ならWPC処理を施して組み付けるのですが、前回の組み付け時は時間の関係で表面処理は無しの無加工の新品状態で組み付けたもので、今回の結果はWPC処理をしなかった事も影響しているのかなぁ・・・?と。
以前に某テレビ局の番組でWPCの活躍などを見させていただいてその効果も発揮されていましたし間違ってもWPC処理を否定するわけではありませんが、以前にホンダがF1に参戦していた頃にホンダが独自に相性の良いDLC膜を作るのに苦労をしたという記事を読んだことがありまして、WPC処理やDLC加工といった表面処理は万能ではなく相手や状況によって相性の良し悪しが大きく変わるのね・・・?なんて考えておりまして、メタルにWPC処理を施すことで表面に微細なディンプルを形成し、そこにオイルが溜まることで油膜を保持するという事ですが、必要以上の油膜保持は粘性的に逆にフリクションの増大にならないのだろうか?と。
たまにWPC処理やDLC加工を施したベアリングなどをシャーっと回してこれだけ回転の持続時間が延びました的な映像を見ますが、あれ完全に脱脂をしたドライじゃなくエンジン内部と同じように湿式条件でオイルを付けた状態でやったら逆に吸着して普段以上に動かないんじゃないか?と。
「上記は完全な一個人の勝手なイメージです、上記は完全な一個人の勝手なイメージです、上記は完全な一個人の勝手なイメージです」大切なことなので3回言いましたw が、そのようなイメージが以前からあったので今回エンジンを分解してメタルをチェックした時にやはりなんとなくそんな事も関係してるのかなぁ・・・なんて考えて想像を膨らませていると、いや、やっぱり違うのかなぁ・・・なんて感じで自分の中でも考えが二転三転してしまい、このトライボロジーの分野を専門に勉強している本職の人の意見は実際どうなんでしょうかね^^:

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そして今までクランクシャフトもWPC仕様、DLC仕様と両方の仕様をテストしていますが、こちらもやはり元々設計段階から最終処理をWPCやDLCに設定して製品を作る場合と、中途半端に使用済みの純正量産部品に施工する場合じゃ当然部品との相性や仕上がり、効果のほども知れているのではないかと。

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そんな経緯もあって、現在の自分の12Rのクランクのベストな仕様は単純にピンの面精度を上げる磨き仕上げで、

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このようなピン部分に発生したレコードラインを

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ピン径に支障のない範囲で綺麗に磨いて、最後にダイナミックバランスを施して仕上げを行ない、量産部品の中古ベースでも精度を上げて新たに仕上げ直す考えで、最近は磨き仕上げを気に入って毎回取り入れています。

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中古でピン径が基準値ギリギリとか聞くと ” それっていいの? ” って話ですが、マニュアル通りに組むなら新品を入れた方が勘合表に照らし合わせやすくて良いかもしれませんが、どの道マニュアル通りには組まないのでピン径が変わっても中古を仕上げてそれに合わせた方が結果的に精度の高いエンジンが組める。と新品を買えない貧乏人は服の裾を嚙み締めながら贅沢は敵だ!と考えておりますw

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ちなみにこちらはホンダが昨年販売した2千万円を超えるRC213Vの組み立て現場の拾い物画像ですが、手前に見えるカムシャフトの面圧の掛かるカムローブにはDLC加工が施されていますが、ジャーナル面はわざわざマスキングを施して別の表面仕上げを採用しているのが分かり、きっとホンダもお金が足りなかったんですね。とか言ったらぶっ飛ばされそうなのでやはり表面処理は適材適所なんだなぁ・・と。

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でも以前にDLCを施して凄く結果が良かったのがピストンピンに続いてこちらのミッションアウトプットシャフト側のオイルシール部分のカラーですが、

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この部分だけはミッションを交換する際にも付け替えて毎回使用していますが、面が綺麗なのでオイルシールへの攻撃性が無く、お陰でオイル滲みもなく、旧車などのこうゆう部分には最適じゃなかろうかと。

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このオイルシールは毎回使い回していますがリップ部分のダメージも見られず実験的に今回も再投入する予定です。

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と、話が纏まらずですが、とりあえず専門性のある理論的な考えが出来ないので今回もまた親子メタルにWPC処理を施し、次回分解時にまた違う結果が得られるのかどうか?気長に実験をして結果を得てみたいと思います^^

akane380 at 04:08|PermalinkComments(14)TrackBack(0)DRAG RACE 製作記