2021年06月15日

2021 JD-STER Rd.2

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先日行われたJD-STER Rd.2にてV-MAX1200のオーナーさんがスタートの練習がてら参加をするとの事で、日曜日に観戦がてら会場に足を運んでみました。

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朝方は空もどんよりしていて意外に涼しい一日になるんじゃない?なんて思いましたが、

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日が昇り始めると気温がグングン上昇して、アスファルトに囲まれている事も有り、外気温も30度を超えてマシンにとっても人間にとってもかなり厳しい一日でした。

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そして今回も前回同様、こちらは指示を出さずにオーナーさん自身でセッティングなどを考えてもらい、現場の状況に合わせる現場力を養ってもらう方向で頑張って頂きました。

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という事でオーナーさんは土曜日の前日練習日から参加して走り込んで感覚を掴んできたとの事で、フロントを軽くリフトしての加速も慣れてきたようで、

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イベントの後半で60ftの区間タイムを1.6秒台前半まで詰める事が出来たようです^^
そして今回の参戦はスタートの練習が目的で気温的にもタイムは狙えないだろうなと、そんなつもりだったのですが、トーナメントでターボやNOSが付いた車両達が犇めくBクラスに入れたようで結果的に上出来だったのではないでしょうか^^


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ちなみに前日の練習走行日に自己ベスト更新とまではいかなかったようですが、R/T=リアクションタイム(反応速度)を加算したR/T+ETのタイムでも9秒台に入れる事が出来たようで、中にはこのR/T+ETが真のゼロヨンタイムだ!と拘る方もいるので、これで文句を言わさず完全な形での9秒入り達成ですね^^





二輪のドラッグレースに興味のある方向けに参考程度に当日参加をされていた車両の一部を貼り付けておきます。
※画像に関しまして、被写体のご本人様はご自由にお持ちいただいて、何かに使えそうなら好きなようにお使いください。



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akane380 at 03:08|PermalinkComments(2)│ │V-MAX1200エンジン製作 

2021年06月05日

FCRキャブレターのご先祖様救済

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こちらの画像は少し前にもアップさせて頂きました製作前のビフォーと、

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アフターの画像ですが、

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一機だけ見た目が変わっていないこちらのFCRキャブレターはオーバーホールのご依頼で入庫した個体で、


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加速ポンプのリンクレバーがデュアルで装備され、

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加速ポンプの噴出量をジェットの変更で調整出来るという非常に個性的な仕様をしているこちらのFCRキャブレターは、Kawasakiから25年前に発売されたZX-7RRに純正採用されたFCRキャブレター(FVKD41)となります。

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このZX-7RRで採用されたFCRキャブレターが改良されて現在の汎用FCRキャブレターへと進化していったはず(自信なし)ですが、当時はTPS的な開度センサーに単純なマイクロスイッチ(ON / OFF機能のみ)を採用していたり、現行のFCRキャブレターと寸法の違う箇所なども多々あり、普段作業をしているFCRキャブレターとの違いなどを探しながら興味津々に作業を行わせていただきましたが、微妙に寸法の違う部品の調達などで若干手こずってしまいました。

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そしてこちらのFCRキャブレターは今回ご依頼いただく前に、8耐などにも参戦している有名なショップさんで一度オーバーホールをして頂いたそうで、その作業から戻ってきたらアイドリングが不安定で元の状態より更に調子が悪くなってしまったとの事で、今回はセカンドオピニオン的な形で気になる症状などの話を聞いた上で、そのショップさんでの作業時に非分解部分のOリングを痛めつけた事が原因と踏んで、下記の方法にて非分解部分の状態を確認する作業からスタートとなりました。



非分解部分のOリングの確認方法は下記の動画で紹介をしています。
    ⇓             ⇓
     


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そしてチェックの結果、やはり非分解部分のOリングがダメになってしまっている事が確認出来たので、現状を動画にてオーナーさんに伝えた上で、改めて非分解部分の分解を行わせて頂きましたが、やはり前回のオーバーホール時に市販のキャブクリーナーなどを使用してしまった事で、逝きかけていた非分解部分のOリングにとどめを刺してシール性を失ってしまった事が不調の原因でした。

オリジナルOリングセット
という事で、貴重なZX-7RRの純正FCRキャブレターを救うべく、オリジナル製作してラインナップしている高耐久なOリングキットを投入して復活をさせますが、


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細かな作業内容は下記URLにて細かく紹介をさせていただいておりますので今回は端折ります。





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25年前に生産されたキャブレターを綺麗に復活させるべくウェットブラストなどを使用して綺麗に整えて、

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消耗部品などを交換して組み付けたらFCRキャブレターのご先祖様の復活です♪
組み付け後に新品のキャブレターと並べてみましたが、25年前の当時と遜色ないレベルで仕上げる事が出来たのではないかと思います^^

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そして納品からしばらくしてオーナー様よりご連絡を頂き、元々気になっていた部分や調子が悪くなった部分なども含めて全て快調に気持ちのいい乗り味になったとの事で、貴重なZX-7RRを蘇らせる事が出来て一安心すると共に、貴重な体験をさせて頂き誠に有難うございました^^





2021年05月27日

燃焼室容積の測り方

今回は以前からアップしておきたかった燃焼室容積の作業内容をアップします。

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極稀に個人で燃焼室の容積測定を行ったところ、毎回計測値が異なるというような話を聞きますが、今回は燃焼室の容積測定の流れとポイントをご紹介します。


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まず使用する器具ですが・・・

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使用するビューレットは倒しても割れる心配が無く、一年ほど使うとビューレット内に洗浄で取りきれなかった油分などが凝固して容積が変わって正確性に欠けてしまうので、年一で買い換えられる安価なサンプラテック製のPPビュレットの一目盛りが0.2佞離皀里鮖藩僂靴討い泙垢、ガラス製と違って絶対的な正確性は劣りますが、圧縮比の計算に使用するだけで研究所レベルの作業を求めている訳ではありませんので数%の誤差は許容範囲としています。


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メスシリンダーは有っても無くても構いませんが、ビューレットに溶液を移す際に楽なので使用していますが、無ければ適当な紙コップなどでも構いません。

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ちなみにオイルなどをブレンドする時や正確な数値を必要とする時にはガラス製のメスシリンダーを使いますが、ガラス製なので非常に気を遣い、倒して割れたらショックなので基本代替え出来るような不要な場では使いません。

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そして蓋の役目をする材質もガラスではなくアクリル板を切り出したモノを使用しています。
この時に薄いアクリル板を使用するとペコペコ撓んで正確な容積が測れませんので、5舒幣紊慮みの物を使用します。

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そして有ると便利なのが、測る容積に合わせた注射器ですが、流し終わった溶液の回収に使用します。

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まず作業前の準備ですが、計測には灯油やパーツクリーナーなど石油製品を使用しますので、何度も繰り返して使う内に文字が消えて読み取れなくなってしまいますので、

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計測の際には透明なテープを貼って保護をしています。

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そして目盛りから上の余計な部分をカットして手返し良く計測が行えるようにしています。

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密閉する為のアクリル板には溶液が入り易く、尚且つ空気が抜けやすいよう2か所に穴を開けておきます。

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測定液ですが、測定後に油面が変化してしまう水やガソリンのような揮発性の高いモノは使わず、蓋にしているアクリルの隙間から漏れ出ない浸透性の悪いほんの少し粘度がある液体を使用したいので、自分は普段測定液は適当に余っているエンジンオイル2:灯油1くらいの若干シャバシャバな混合液を使用しています。
測定専用の溶剤も売っていますが、計測誤差±0.2ccを目標としているのでウチでは使用しません。

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画像は一人で撮影した関係でビューレットが垂直ですが、本来測定液となる溶液を入れる際にはなるべくエアーの混入が無いようにビューレットを少し寝かせて(飲食店で見るビールをジョッキに注ぐ光景のような感じで)入れるとエアーの混入が少なく、補充後の脱泡待ちの時間が短縮できます。

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補充後にビューレット内に気泡が入って入ると正確な数値が測れませんので、測定液の粘度に合わせて補充後は直ぐに使わず、脱泡するまで一定時間放置すると脱泡されてビューレット内の油面が安定しますので、

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そうしたらビューレットの栓を緩めて先端部分のエアー抜きを行いつつ、

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油面の位置を目盛りの ” 0 ” に合わせればビューレットの準備は完了です。

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次に測る対象の準備ですが、注入した溶液が栓の間から漏れ出てしまわない様に薄くグリースを塗って、

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アクリル板を密着させます。

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もし燃焼室の容積合わせ中などでバルブを取り外している場合はいちいちバルブを本組していると途方もない時間が掛かりますので、

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こちらも薄くグリスを塗って密着させれば問題ありません。

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そして全ての準備が整ったら測定液の注入ですが、エアの抜けが良くなるようにエア抜き穴側が上になるように角度を付けておくとストレスなく測定液が注入出来ます。

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画像ではエアーが完全に抜けきっていませんが、完全にエアが抜けたタイミングでビューレットの栓を締めて計測値を読み取りますが、

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実はこの注入が終わってすぐの数値は正解ではありません。
オイルの粘度によってビューレットの壁面に着いてじわじわと下がって来る分の測定液がありますので、測定液の粘度にもよりますが、一番初めは小一時間ほどこの状態で放置をして、どの位初期値から増えるかを把握して癖を掴むと作業効率が上がると思います。

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先ほどの状態から10分ほど放置をした状態ですが、ビューレット内の壁面から垂れてきた溶液によって0.2ccほど計測結果に変化が現れました。
こちらの数値が正確な数値となりますので、次からは計測結果の速報値+0.2ccと考えて計測を繰り返していきます。

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ちなみに初めに紹介した不要な部分をカットしたのもこの壁面の液垂れを待つ時間を短縮する為で、これだけでも手返しよく作業が出来て、作業効率はかなり良くなります。

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そしてオイルの注入が済んだらビューレットの油面が落ち着く間に後片付けですが、

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注入穴から注射器で吸い出すと測定液が再利用出来て掃除も簡単です。

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そして一回一回、パーツクリーナーで綺麗に洗浄を行って、プラグ内の溶液などもしっかりとエアブローをして取り除きます。

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ちなみに今回一番初めに形状を決める際に、想定する圧縮比を元に目標の容積は決まっていたのでその容積ジャストの時に理想の燃焼室形状になるよう、少し削っては容積を確認して、少し削っては容積を確認して・・・と、最初の一気筒目の形状を決めるのに朝の9時に作業を始めて決まったのが23時頃と、ぶっ通しで14時間も掛かりますが、容積合わせは根気の要る作業なので、とにかく手返し良く行う事が大事かと思います。
※ NA車両の場合には単純に容積を増やしてしまうと馬力の低下に繋がりますので、総合的な計画の組み立てが必要です。

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ちなみにこちらは1佞陵得僂鯤かり易くしたモノですが、

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ピストンやコンロッドの1gを削る作業も大変ですが、燃焼室などの1佞鮑錣觝邏箸發覆なか大変だったりします。
作業を行う場合にはそれぞれの容積やサイズ感をしっかりと把握しておくとその先の展望が見やすくなるかと思います。

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ポート内の容積合わせの際も1番&4番、2番&3番で同じように計測を行いますが、

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4Vなどの場合には分岐した各容積も相反した気筒間で合わせるように計測を行います。
非常に地道な作業で精神力が試されますが、このような一連の作業が結果に繋がりますので、コツコツと地道に作業を行います。

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そして計測した各容積を元に圧縮比の計算ですが、ここに計算式を記載するよりもグーグル先生に「圧縮比 計算」などと打ち込めば色々な自動計算サイトが出てきますので、そちらに各数値を打ち込んでご自身の圧縮比を調べてみてください^^

という事で、個人レベルで燃焼室容積を測る際のポイントですが、
・測定液の粘度に気をつける(エンジンオイル2:灯油1)
・ビューレットの脱泡や油垂れによる油面の変化を意識する
・栓となる材質はペコペコと撓まないモノを使用する
・目盛りの細かいビューレットを使用する 
・数をこなして作業に慣れる


です。





akane380 at 03:16|PermalinkComments(6)│ │燃焼室の容積測定 

2021年05月20日

結果を出すといえば・・・

昨年の暮れに掛けて体重が急激に増加してしまい、ピーク時には体重74kg、ウエストが93cmでベルトの穴が最大までいってしまい、腹が出過ぎてサスペンダーが無いとズボンが垂れ下がってしまう有様で、これはヤバい。と、今年の年始めの抱負で4月の健康診断までに痩せると書きましたが、結果は・・・

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リバウンドが怖いので運動などで無理に痩せずに間食を避けてしっかり決まった時間に野菜多め+糖質少な目な食事を採る事で、何とか3ヶ月掛けてゆっくり体重約-10kg、ウエストを-13cm絞る事が出来て、こちらも結果を残す事が出来ましたw


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念のため先ほど体重を測ってみたところ更に体重が減っていたので、そろそろ我慢していたキャラメルコーンを死ぬほど食ってやろうと思います^^

で、先日仲間と話していて「結果を出すって言えば、あの隼ターボはどうなったの?」と。SBR_0351
あの隼ターボとはこちらのTさんの隼ターボですが、

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こちらの車両の中身は元々はバイク用アパレルブランドのプロモーションの一環として米国のレーシングチームに製作を依頼して、2007年に国内に持ち込み仙台ハイランドにて国内で初めてストリートスタイルで8秒台を叩き出した由緒あるマシンで、

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ポテンシャルで言えば、今でも国内なら最前線でトップ争いが出来るパフォーマンスは有るものの、米国のレーシングチームが製作した専用車両を国内の複数のショップさんが各部の数値などを記録しないまま分解してしまい、元に戻せぬままサービスマニュアル通りに組み付けられてその度にバランスを崩して調子を崩し、その不調を直す為にまた他所でバラされて更にバランスを崩して調子を崩して・・・と、日本にやって来てベストタイムとなる8.6秒台を記録してから僅か数年で8秒台から脱落し、その後はどんどん遅くなる一方で、

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最終的にはレース時に全開で1/4mile を走っても10秒台で走るのがやっとな完全に壊れている状況を横目に見ていて、せっかくの良い車両が勿体ない・・・。と、たまたま隣のピットだったのでその場で車両を診させて頂くとエキマニが割れてタービンが脱落し掛かっていたりで、これは完全に手に負えてないな・・・と。

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そこで当時の迫力ある走りをもう一度見せて頂きたい!という事で、車両を預かって仲間に手伝ってもらって無償でサポートをさせて頂き、割れてしまったエキマニの補修から調子の悪いエンジンの修正など短時間で出来る限りのメンテナンスは行ったものの、当時で既に各部の劣化が進んでいたので現状で8秒台を目指して走ったとしてもハイリスク・ローリターンな、時既に遅し状態かもしれませんが、

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サポートにて修復をさせて頂いてパワー感も以前の状態に戻ったと喜んでいただいたものの、一度だけイベントで走ってパワースライドさせた姿を見たきりなので、1/4mileが復活したJD-STERさんでリトライしないかね?なんて仲間と話つつも、本来のライフサイクル以上の使い回しでエンジン壊れても怖いしね〜なんて話をしていましたが、サポートさせて頂いて唯一結果が出ていない案件なだけに自分の作業の評価も出来ずで少し心残りがあるなぁ・・・なんて。

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そして対照的に先日コーイチさんのマシン用にセラコート処理させて頂いたクラッチカバーですが、

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先日開催されたテイストオブツクバに早速装着して頂けまして、

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練習走行の際に転倒をしてしまい傷が付いてしまったとの事で、正直こちらとしてはありがとう御座います!な話で、サポートにもいろいろな目的があると思いますが、うちの場合はとにかく自分の技術が最前線で通用するか?を知りたい事が目的ですので、ガンガン走って過酷な条件をテストしてもらえるだけで技術革新に繋がりますので非常に有難く思います。
また近々クラッチカバーを預かって修復させて頂きたいと思います^^



akane380 at 02:09|PermalinkComments(2)│ │セラコート 

2021年05月12日

「結果を出せ」の難しさ

「先ずは結果を出した方が良いんじゃない?」
「結果を出さなきゃ信じてもらえないだろ」
「結果を出してから書いた方が良い」

上記は数年前によく仲の良いショップさんや先輩から言われていた言葉です。


このブログでエンジンの事やメカ的な事をよく書いていましたが、そのような専門的な事を書くなら結果を出して技術力を示した方が良いんじゃない?というアドバイスとして言って頂けたのだと感謝しておりますが、結果を出すと言っても何をすれば結果を出した事になるのだろうか・・・と、この言葉を言われるたびによく考えていました。

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例えば12Rで1/4mile( ゼロヨン ) 8秒台を目指してやっていましたが、あの活動の目的は色々な仕様を試しながら8秒台に近付けて行く実験がメインな活動だったので、じゃあ一気にすっ飛ばして8秒台を出します!と言って単純に8秒台を出しても他の人も既に8秒台で走っている以上、他の人が出来る事を行った所で難易度として結果を出したとは言えないよなぁ・・・と考えたりで、相手を納得させるだけの結果を出すって難しいな。。。と考えていました。

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そのような事を心の中にずっと持ったままの頃に、V-MAX1200のオーナーさんからドラッグレースで9秒台に入れたい!との相談を受けて話を聞くと、V-MAX専門店で長い事お世話になっても成し得ず、今までそれなりの数のV-MAXがドラッグレースに参戦して誰も成し得た事が無いという厳しい条件下での1/4mile 9秒入りという目標を掲げた挑戦で、仮にその挑戦を受けて無事にクリアーすればエンジニアとして結果を出す事になるのではないか?と。

その条件とは前回も書きましたがV-MAX1200ベースに於いて、
・クイックシフター
・エアシフター
・NOS
・ターボチャージャー&スーパーチャージャー
・フレーム補強(サブフレーム)
・トラクションコントロール等の電子制御
・チェーンドライブ化

上記装備一切無しの条件で、簡単に言ってしまえばエンジンのパワーだけで今まで誰も成し得なかった1/4mile タイムアタックでの9秒入り、

それにプラスして更に厳しい条件となる、

・個人的に一度も触った事の無い未知数なV-MAX1200のV型エンジンでの挑戦

・製作したエンジン性能の比較がし易いよう、以前にこのエンジンを制作したショップさんがチョイスした10年物の骨董品のような中古ピストンを再利用して、排気量を変えてはいけないという条件付きでのエンジン制作。

・仙台ハイランドのような条件の良い専用コースが無い事による不利。

・オーナーさんのライダーとしての技術的側面

・車検を所得した状態でのナンバー付き車両である事 ←個人的な拘り


これら自分にとってのぬるま湯となる好条件が一切無いこの挑戦を受けて結果を残せたなら

「結果を出す」

になるのではないだろうか?と。

ただ、当時V-MAXでのドラッグレースで有名な専門店さんが制作したエンジンでもクリアー出来なかった事を、V-MAXを触った事の無い自分が果たしてクリアーする事が出来るのか?という疑問も当然あったので、出来ない事を出来ると言う訳にもいかず、先ずは一度も触った事の無いV-MAX1200のV型エンジンを分解して可能性を探る事にしました。

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他の作業の合間に夜な夜な部品を検証して、計算して・・で、何だかんだで一年近く検証などをして、このエンジンって結構パワーが出せるかも・・・。という事で、

決して金儲けの為に受けた仕事ではないので時間が掛かる分、信頼してもらう為にも個人的なオーナーさんとの約束として、
・万が一、9秒台が出せなかった場合には、部品代と内燃機加工代以外の全ての費用や諸経費を一切請求しないと事前に約束。

・責任を持ってやりきる為にもV-MAX1200とV-MAX1700を走らせるまで自分だけレースを楽しまぬよう個人的なレース活動の自粛も約束。


更にオーナーさんにプレッシャーとなるので伝えてはいませんでしたが、個人的な決め事として、
・9秒台に入って記録を残すまではこのブログでメカ的な詳細や専門的な内容の持論の自粛。

この条件を更に追加して挑戦を開始する事としたので、このV-MAX1200のエンジン製作の詳細や、もう一台のV-MAX1700ターボの製作内容の作業記事も書かないようにしていました。

そして作業を開始して直ぐにJD-STERさんが1/8mile(200m)競技に変更となってしまい、1/4mileで9秒入りをさせるというチャレンジをする場所が無くなった事によって先行きが見えない中、作業を進めればそれだけコストが掛かりますので、オーナーさんの負担を減らす為にも一年近く作業を中断する事もありました。
その当時には「出来もしないのに金目当てで作業を受けたんじゃないか。」とか、まぁ色々陰で言われていたようですが、結果を出す自信は有ったので、とりあえず結果を出せば噂好きな人達も黙るだろうと、寧ろそのような事を聞かされたオーナーさんに申し訳ないと感じていました。

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ちなみに今回9秒台を記録したV-MAX1200のエンジンの仕様ですが、純正から50馬力以上出力を上げてありますが、内容としまして・・・

ピストン:再利用の社外品 83 1428cc
クランクシャフト:ノーマル
カムシャフト:ノーマル
コンロッド:ノーマル
ミッション:ノーマル
シム:インナーシム化
INTバルブ:ノーマル
EXHバルブ:ノーマル
シートリング:ノーマル
バルブガイド:ノーマル
バルブリフター:社外流用
バルブスプリング:ノーマル
リテーナー:チタンリテーナー


嘘のような本当の話、実は殆どの部品が中古純正部品の再利用でお安く出来てます^^:
高価な社外の強化パーツをこれでもか!! と列挙して書ければワクワクしてもらえたかもしれませんが、好奇心のままにこの業界に入って27年間ずっとエンジンの事ばかり考えてきた結果、料理と一緒で素材を生かせば素朴な材料でも良い物は作れると証明した方がチャレンジ難易度もより一層上がるかな?という考えもあっての事ですが。
それをオーナーさんに知ってもらう為にもオーナーさんにも手伝って貰ってセコセコ磨いて、実際に磨く前との違いを体感して驚いてもらったりもしました。
このように殆どの部品がノーマルですが、それぞれの部品には経験を元に下記のような独自の考えで味付けをしています。

ピストン:WPC処理+リング1st DLC 2nd WPC オイルクリアランス独自
ピストンピン:軽量化 DLC
クランクシャフト:ジャーナルラッピング メタルWPC オイルクリアランス独自
カムシャフト:ジャーナルラッピング オイルクリアランス独自
コンロッド:メタルWPC オイルクリアランス独自
ミッション:シャフトWPC シフトフォークWPC フォークシャフトDLC
シム:インナーシム化
INTバルブ:ノーマル 有効面積拡大
EXHバルブ:ノーマル 有効面積拡大
シートリング:当たり変更
バルブガイド:リーマー修正
バルブスプリング:セット荷重合わせ
バルブタイミング:独自
リテーナー:チタンリテーナー
リフター:WPC オイルクリアランス独自
燃焼室:オリジナル形状 容積合わせ
シリンダー:指定面研
ヘッド:指定面研
ポート:オリジナル形状 容積合わせ
各部締め付けトルク:独自
インマニ:オリジナル加工D/D
キャブレターセッティング:独自


このような内容で、基本的にはフリクションロスの低減を主目的に個人的な経験則に基づいてV-MAX1200では誰もやっていないであろう独自の考えに基づいたポート〜燃焼室の整形を行い、充填効率と燃焼効率の向上を狙った味付けを行って、今回の記録達成という結果に繋げてみました。
なので今回のエンジンはあくまでも基本ベースであり、ここから更に今風の軽量なピストンに変えつつボアを広げたり、カムシャフトの変更などでもう一段上が目指せる保険を掛けた仕様となっています。

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そんなこんなで・・36年前に生産されたV-MAX1200をベースに当時のままの部品を使用して、エンジンのパワーのみでオーナーさんと共に国内初となるゼロヨン 9秒台入りという結果をもってブログを観て頂いている方に技術的な面を信用して頂けるかは分かりませんが、公の場でのブログを書くいちエンジニアとして誠に勝手では御座いますが、一つの技術的な ” 結果を示した ” とさせて頂ければと思います。

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という事で、目標を達成して自主規制的な縛りも無くなったので、ちょうど3年前の2018年の5月11日から止まっている自分の12Rの作業記事も近々再開して、とりあえず心機一転もっと明確な結果を示す為にも国内最速を狙おうかとゴソゴソ寸法取り用のフレームも引っぱり出してきました^^
年内は厳しいかもしれませんが、冗談か本気か?国内で二度と誰にも更新されないようなタイムを目指して来年からアタックを開始出来るよう頑張ります^^





akane380 at 02:00|PermalinkComments(6)│ │V-MAX1200エンジン製作