2010年03月03日

FCRキャブ 〜加速ポンプ不調編〜

IMG_5541
今回はFCRキャブネタついでに、FCRキャブの装着車両で長いこと乗らなかったり、キャブレターをオーバーホールした際に稀に起こる症状の加速ポンプ不調のトラブルシューティング(定番編)としてですが、4気筒ある中の何箇所かの加速ポンプから燃料が噴射されない、勢いが無くジワッとしか出ない、全く出ないなど定期的なメンテナンスをしていなかったりで出る症状も様々です。

そこでまず、原因を探るためには相手を知ろうということで、FCRキャブの加速ポンプの仕組みを簡単にご紹介します。
IMG_5772
まずキャブボディーを引っくり返すと下側に加速ポンプのカバーがボルト3本で留まっているので、これを六角レンチなどを使って取り外します。

IMG_5791
すると、中からダイアフラム(黒い円盤)とスプリングが出てきますので、これは置いてあるだけなので指で摘まんで取り外して・・・

IMG_5769
あとは何も無く終わりですw こんな感じで構造は至ってシンプルです。

そして加速ポンプの動きですが、
IMG_5798
アクセルワイヤーの繋がるスロットルシャフトにリンクレバーを介して加速ポンプ用のロッドなどが付いており、スロットルの動きに連動して加速ポンプを働かせる仕組みになっています。

IMG_5794IMG_5782
そして先ほどバラした加速ポンプの台座中央部に矢印で示したポッチがありますが、あれが上の画像のスロットルシャフトとリンクしているロッドで、アクセルが閉じている通常の状態ではロッドは押されていないので画像右のダイアフラムも凹の状態ですが、

IMG_5795IMG_5780
アクセルを開けて加速ポンプレバーが作動すると、右画像のようにロッドが台座から飛び出して左画像のようにダイアフラムがロッドに押されて凸っとなり、ポンプカバー内に圧力が掛かり、その圧力をうけて燃料が加速ポンプジェットに圧送されるといった感じなのですが、仕組み的には単純に自転車の空気入れや注射器と同じで「押す⇒出る、引く⇒吸う」ですw
なので仕組みさえ分かれば難しく考えず対処も単純で、FCRキャブの加速ポンプが不調になった場合の大体の原因は、

1ダイアフラム
2加速ポンプリンクレバー周辺
3燃料通路

の3点の確認で大体片が付くので、あとは各パートを消去法で原因追求するだけです。


IMG_5503
そしてダイアフラムで一番多い症状が放置期間が長かったり、オーバーホール時に使用するケミカル類の一部きつい成分などにより劣化してしまって硬くなり柔軟性が無くなってしまうパターンなのですが、画像のダイアフラムは両方とも同じ向きで置いてありますが、右のプニプニと柔軟性がある良品に対して、左のダイアフラムは行ったら行きっぱなしで柔軟性がありません。

IMG_5505
個人的な経験ですが、加速ポンプ不良の場合、大体の原因がこのようなダイアフラムの劣化による症状が多いと思います。
その次がダイアフラムの裏表の逆付けや取り付け時のミスなどですが、

IMG_5802
また、ダイアフラムに多少の柔軟性があっても劣化していたり痛んで多少硬くなってくると、画像矢印のリンクレバー部分のトーションコイルSPが硬いダイアフラムを押す前にスプリング側が伸びて力を逃がしてしまい、ダイアフラムを押し切れない場合もありますので、定期的にこのロッド周りを目視してチェックしてみるのも良いかもしれません。
ということで、多気筒キャブで全部の加速ポンプジェットから燃料が出ない、またはジワッとしか出ない場合には、ここまでのダイアフラムやリンク周りの不良が特に怪しいと考えられますが、一箇所だけ出ないなどという場合にはその気筒に対する燃料通路などの詰まりを疑います。

また、矢印のリンクレバーに付いている切り欠き部分のクリアランスを広げたり狭めたりして加速ポンプの噴射タイミングを調整できるのですが、雑に扱ったりしてここを変形させてしまうと加速ポンプが正常に動かなくなりますので注意が必要です。

ということで残るは燃料通路の説明だけですが、どうせだから燃料通路の流れも順を追って紹介しようとしたら無駄に記事が長くなってしまい、睡魔に勝てなそうなのでまた次回に続きます・・・。



トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔