2014年02月19日

やっと決まった・・・

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相変わらずな優柔不断さで悩みに悩んだメタル選定ですが、今回の新しいB型ケースと自分のクランクとの相性が微妙で親メタルと子メタルのクリアランス値の狙いが合わず、今年から試験的に使用するオイル粘度を変えようかと計画していたのでその部分で納得が行かず悩みに悩んでやっと決まりました。。。

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で、例の子メタルがズレてしまう問題ですが、「何で動くんだろ・・・」とずっと考えているのですが、現実的にエンジン稼働時に子メタルがズレたら確実にジャーナルにもそれなりの傷が入ってるよなぁ・・・と。

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でもいつも自分の以外の12Rも含め、コンロッドキャップのボルトなりナットなりを緩めると、「カラン・・」とメタルが自然に落ちてロッド側かキャップ側のどちらか一方にこのようにズレた状態のメタルが残されているんですよね・・・。
単純に考えられる事といえば、強度不足によりメタルとジャーナルの隙間に入ったオイルで滑りやすくなっている状態でコンロッドをバラそうとキャップの締め付けを解除した際に、メタルに作用していたクラッシュハイトの張力で一方が押し出されて一方がズレる・・・って言ってもあそこまでテンション掛かってないわな。。。と ^^:
もしくはHビームタイプでも関係なく同じ症状が発生するということは、コンロッド自体の強度の問題とかではなく、逆にクラッシュハイトの張力が足りないなどメタル側のトラブルがあるかもしれんな・・・と。

で、ちょっといろいろ試してみようかな・・と試験的に使うベースメタルをかき集める為に部品取りのコンロッドからメタルをバラしていたところ・・・

な、なんとっSBR_5525
後期型から対策が施され、怪しかったメタル溝のサイズと形状がしっかり変わっているという衝撃の事実を発見w

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当然、メタル側の爪もしっかり嵌るように同寸で作られてる訳ですが・・・

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比較してみるとジャーナル面へのオイルの流入もメタルが回らなくなったからか?前期型に比べると格段にオイルの流入痕が少なくなって改善されてるのが分かりますね・・・。
この子メタルの問題は以前から気になってパワーを出した際に信頼性が悪いし12Rの泣き所だなぁ・・・と思いつつも、メーカーが平成の時代にこんなミスを犯すのか?何か別の狙いが?という疑問や期待もありましたが、結果的に形状が変更されたということはメーカーサイドで「やっちまったなぁ〜」 な結論だったのでしょうかね^^:
アレもコレもと12Rの初期型って要対策箇所の固まりみたいなバイクに見えてきました・・・。
逆をいうとB型はその分洗練されてますねw

ちなみに自分の使用しているキャリロのコンロッドも基本の設計は初期型をベースとしているのでこりゃお手上げですか・・・ね? でもなんだか以前からモヤモヤ気になっていた場所の答え合わせが出来たようで一つスッキリと、尚且つ変に諦めがつきましたw

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ちなみに今回バラしたエンジンですが、コンロッドメタルが初っ端から全て一番厚いブルーが組まれた状態で新車一発目からクリアランス全開崖っぷちってどんな精度でモノ作ってんだ?とw


ちなみに12Rのデビューが2000年で、カワサキがバイクレースの最高峰に20年振りに復帰を果たすべくZX-RRの開発に着手したのが2001年で、その時に撮られたドキュメンタリーがこちらですが、↓これを見ると12Rは開発期間も入れればこれより遥かに前の話な訳だし、常に沢山の引出しを持ってるホンダやヤマハと違って色々問題があるのは仕方ないのかなぁ・・・と変に納得できる内容ですw
逆にレースに参戦することで熟成を重ねて技術をフィードバックしたZX14Rとかは本当に凄いんだろうなぁ・・・。というか、12Rよりも排気量の大きな14Rの方がエンジンがコンパクトで高性能って凄いジェラシー感じますよねw


akane380 at 03:29│Comments(4)│ │DRAG RACE 製作記 

この記事へのコメント

1. Posted by oneoff   2014年02月19日 18:48
A型は散々な評判でしたが、ぶっ飛んでる感じは好きですw

サーキット走ったらSSにバンバン抜かれるのでモヤモヤがマックスになりますね!


あえてイバラの道を行くガブさんが見たいですw
2. Posted by Gabu   2014年02月20日 02:42
>one offさん

12Rも販売されてから既に14年ですもんね^^:
それを忘れて現行の感覚でイジるとビックリすることが多いですw

14年型落ちという時点でなかなかな茨の道のハズですので深みに嵌るような事は勘弁してください・・・w
3. Posted by 低フリクションマルテンサイト   2017年07月10日 12:23
島根大学の客員教授である久保田邦親博士らが境界潤滑の原理をついに解明。名称は炭素結晶の競合モデル/CCSCモデル「通称、ナノダイヤモンド理論」は開発合金Xの高面圧摺動特性を説明できるだけでなく、その他の境界潤滑現象にかかわる広い説明が可能な本質的理論で、更なる機械の高性能化に展望が開かれたとする識者もある。幅広い分野に応用でき今後48Vハイブリッドエンジンのコンパクト化(ピストンピンなど)の開発指針となってゆくことも期待されている。
4. Posted by Gabu   2017年07月12日 03:51
> 低フリクションマルテンサイトさん

このたびはご教授いただきましてありがとうございますm(_ _)m
パワーよりも低燃費を求めるハイブリッドの出現で結果的により良い技術が生まれているんですね。
自分のようなエンドユーザーが今以上に良い技術の選択肢が得られるように専門の研究者さんや技術者さん達の技術革新に今後も期待しておりますm(_ _)m

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