2014年02月22日
シリンダーゲージの使い方
今回はちょっとこちらのシリンダーボアゲージの使い方の件でご質問を頂いたので、メールで長々と書いたら容量的にアレだったらしいのでこちらで失礼します・・・w
で、早速ボアゲージの基本的な使い方ですが・・・
まずボアゲージを手にいれて早速測ってやるぜ〜!と対称となるボア径に合わせて付属のアンビルという矢印の棒をチョイスして・・・、
このようにボアゲージ先端に・・・
セットしまして・・・
いざ対象物のボア径を測ってみたら・・・
ナンじゃこりゃーっ!? と、 予想以上に計測結果の数値が大きくて「 このゲージ壊れてんじゃねーの?」と不思議になってしまうパターンに陥っているのではなかろうか?w と思うのですが、この手の比較測定器は使う前に他の計測機器にてしっかりセッティングしないと正確な機能は果たせませんので・・・、
まずはダイヤルゲージの基本的な扱い方として単純に理解しやすいように長針を ” 0 ” に合わせる形で各部の動きを説明しますが、
この手のダイヤルゲージの針は基本的にフリーの状態では時計で言うところの10時〜11時の位置に長針がくるように作られていますので・・・
シリンダーゲージの外筒にダイヤルゲージを差し込む際に、ダイヤルゲージの測定子を中の押棒に軽く押し当てて、長針が真上にくるようにセットしたら動かないように首元の止めねじを回してしっかりロックして・・・
外枠の目盛盤をスーっと回し・・・
長針の位置に ” 0 ” がくるようにセットします。
この一連の流れの応用で実際に使用する際のセットを行うのですが・・・
先程も書きました通り、シリンダーゲージは基準となる寸法との差を比較し計測する比較測定器なので実際にシリンダーゲージをセットする際にはマイクロゲージを使用しないと正確に機能させることが出来ません。
そしてこの基準となるマイクロゲージが一番重要なポイントになるのですが、マイクロゲージを如何に精度を詰めて0調整するかでその後の測定誤差が大きく異なってしまいますので、ここはしっかり基準棒を使って0調整を行いますが、これがクランクジャーナル内径やコンロッド大端内径など1/1000mmの精度を要する単位ではちょっとした力加減で1/100mm単位での誤差が発生してしまうので非常に難しくコツや癖などの慣れが要ると思いますが、自分の場合は「本当に合ってるか?」と疑ってしまうタイプなので常に上と下の複数のサイズの基準棒を使用してそれぞれで確認作業を行ってからセットに入ります。
そしてマイクロメーターの0調整が済んだら今回測ると仮定した内径40mmに合わせてマイクロメーターをセット(画像のマイクロメーターは25mm 〜50mmの測定用なので25mm + 15mm=40mmということになります)しまして、その開いた測定面の間にシリンダーゲージを入れてシリンダーゲージのダイアルゲージ側を振り子のようにユラユラと左右に振ると・・・
ゲージの長針が最大値付近で前後して針が振れますので・・・
その中での最大値をターゲットに先ほどと同じように外枠の目盛盤の0を合わせれば「目盛の0=40mm」となりセットは完了です。
あとは対象物にシリンダーゲージをセットして・・・
先ほどと同じように左右に振って最大値を出したらその数をセット値(画像の場合はセット値40から出た数値0.10)を引けば(40−0.10=39.90)という結果になります。
※ 今回は1/1000mm単位の機械式ダイヤルゲージを持っていなかったので ” 仮 ” で1/100mm単位のダイヤルゲージを使用して説明しています。 また計測内容も実際の計測値ではありません。
ということで、先程も少し触れましたが、クランクジャーナル内径やコンロッド大端内径、シリンダー内径などなど、エンジン部品の場合は計測クリアランスが1/1000mm単位の部分が殆どですので、
赤線で示したダイヤルゲージの計測範囲に注意が必要です。
0.01=1/100
0.001=1/1000
またこちらのプラスチゲージは数値を測るような細かな計測には向いておらず目視を目的とした確認用として使われますが、オートバイのような剛性の低いケースの場合1/100mm単位で誤差が現れますし、クランクの振れ幅にも大きく左右されますので正確性の面から熟練の慣れが必要に思います。
一応番外編で自分の使っているデジタルダイヤルゲージの場合の紹介も兼ねて一連の流れですが、先ほどと同じようにマイクロメーターでシリンダーゲージの測定部分の寸法を測り・・・
あとはその値をそのままポチポチセットして・・・
温度による膨張や収縮誤差を避ける為に対象物の温度が計測に適した基準の20℃になっていることを確認したら・・・
クランクジャーナルの内径を測り測定値の40.005mmをメモして・・・
※ 実際には一箇所だけの計測で済まさず、最低でも対角線上で時計でいうところの12時⇒6時方向、2時⇒8時方向、4時⇒10時方向の複数方向を測って平均値を算出します。
クランクのピン外径も測って結果36.996mmということは・・・
40.005mm−36.996mm=3.009mm
その3.009という数値から先に規定値なり独自論のオイルクリアランス分を引いて最後に2で割れば必要なメタルサイズが出ます。画像は単純に2で割っただけの数字ですが・・・ってこの記事超長いっすねw
そりゃメールで送れない訳っすw
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この記事へのコメント
1. Posted by oneoff 2014年02月22日 10:35
コメント受け付けてもらえません。
2. Posted by Gabu 2014年02月23日 02:27
>one offさん
ホントこのブログバカですいません。・゚・(ノД`)・゚・。
あ、自分もバカでしたw ( ;∀;)
ホントこのブログバカですいません。・゚・(ノД`)・゚・。
あ、自分もバカでしたw ( ;∀;)
3. Posted by K 2014年02月23日 08:43
いや〜、知識と経験がすんごいですね。自分も知りたかったことなので勉強になりました。かと言ってマネできませんけどね。タハハ
前回の記事も興味深かったです。A型を作ったカワサキに市場に出す前にもうちょっと何とかして欲しかった、と思いますね。
ま、そのテキトーさがいいんでしょうか。
そういえば、春から地元仙台に戻ることになりそうです。
前回の記事も興味深かったです。A型を作ったカワサキに市場に出す前にもうちょっと何とかして欲しかった、と思いますね。
ま、そのテキトーさがいいんでしょうか。
そういえば、春から地元仙台に戻ることになりそうです。
4. Posted by Gabu 2014年02月24日 02:54
>Kさん
お疲れ様です!
まだまだ自分など日々勉強で日進月歩です^^:
そういえば例のコンロッドメタルの問題に個人的な結論が出たのですが、「高負荷の時にコンロッド大端が変形を繰り返してしまい、結果的にメタルの張力が失われてバラした際に落っこちる」という見解になりました^^
春から仙台に戻られるんですか?
それは良かったということ・・です・・よね?
ではピンク12Rでの参戦をお待ちしております!ww
お疲れ様です!
まだまだ自分など日々勉強で日進月歩です^^:
そういえば例のコンロッドメタルの問題に個人的な結論が出たのですが、「高負荷の時にコンロッド大端が変形を繰り返してしまい、結果的にメタルの張力が失われてバラした際に落っこちる」という見解になりました^^
春から仙台に戻られるんですか?
それは良かったということ・・です・・よね?
ではピンク12Rでの参戦をお待ちしております!ww
5. Posted by tms 2015年06月17日 22:18
グーグル検索からこちらのページを見つけ、拝読させていただきました。
豊富な写真を有効に使った大変わかりやすい説明でとても参考になりました。
ありがとうございます
豊富な写真を有効に使った大変わかりやすい説明でとても参考になりました。
ありがとうございます
6. Posted by Gabu 2015年06月18日 09:34
>tmsさん
初めまして^^
ご丁寧なコメントを頂きましてありがとう御座います。
少しでもお役に立てたのならば光栄です^^
初めまして^^
ご丁寧なコメントを頂きましてありがとう御座います。
少しでもお役に立てたのならば光栄です^^