2014年10月05日

キャブレターへのペイントサービス開始

ついに技術的問題を克服して完成しました♪
以前にマシンをイジるうえで外装やエンジン、ホイールなどに個性を与えるように、キャブレターにも個性やマシンとの統一性が与えられないものか?とFCRキャブへの塗装を試み
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結果的に見た目は非常に良くても通常のウレタン塗装では耐ガソリン性の面で問題があり、検索してあの記事に辿り着いた方々から何度か興味を頂いて質問のお問い合わせを頂くも、技術的な面で今は作業を受けられません。とお詫びのメールを返信しつつ、そのようなお問い合わせを頂く度に何とかせねばと、
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下地処理をどうするか?を考えオリジナルで拘った自分仕様のブラストキャビネットを作り、

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一番の問題であったガソリンにも負けない強固な塗膜作りを目指して特殊塗料にも対応出来る焼付け乾燥炉も準備して、

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下地作りからマスキング、そして塗り工程まで一つ一つの作業に時間を掛けてトライ&エラーを繰り返し、一番初めに興味をもって作業に取り掛かってから5年近い年月を経て・・・
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技術、設備、材料、知識共にやっと理想的な作業環境を確立することが出来ました^^

ということで簡単に作業手順のご紹介ですが・・・SBR_8644
まずはキャブレターを分解して作業に邪魔なモノを全て取り除きます。

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そしてクリーニングも兼ねた下地作りですが、通常キャブレターにサンドブラストを当てると後々に各所に入り込んだメディアが通路を塞ぐなどの悪さをする可能性があるのでこの場合はウエットブラストを掛けるのが一般的だと思うのですが、もともと板金塗装も行う側の個人的な見解として、ガラスビーズを使ったウェットブラスト後の表面は梨地仕上げで表面積が少なく、肌質も光沢が得られる程なだらかなので塗膜の密着性で考えると理想としてはサンドブラスト処理での粗目で複雑なギザギザな肌質の方が表面積も増えて向いていると思うので何とかサンドブラスト処理を簡易的に上手くキャブレターに施せないものか?と、この部分で何度も行き詰まって散々考えさせられて試行錯誤をしましたが、

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幾度と無く試しては失敗・・・。を繰り返し煮詰めた結果、やっと気密性バッチリで簡易的にマスキングを行える治具が製作出来たので、やっと安心してギリギリまできっちりブラストを当てることが出来るようになりました^^

そして作業の流れとしてクリーニングも兼ねたブラスト処理を行って下地作りを終えたら一旦綺麗に洗浄して、SBR_9351
塗装前の肌質をさらに上げるために特殊な溶剤に浸けてさらに塗膜の密着性をよくさせるのですが、これは自動車の製造ラインの塗装工程で一番初めに塗装の密着性を上げるために薬品のプールに車のボディーがドボンと浸かるのと同じ工程で、これを行うことによって更に塗膜の密着性が向上します。
※ この薬品はゴムやアルミ、真鍮などに対して無害ですが、塗装工程では油分などを嫌う為、ベアリングなどをバラさない場合及び、キャブレター内部の状態によってはマスキングを施してのスプレーによる塗付など状況により作業方法は異なります。

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そして薬品に浸けたら直ぐに高温の炉で一気に薬品を飛ばして強制乾燥させて下地作りは完成です^^

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その後、熱が冷めたら炉から取り出してオリジナルのマスキングキットで不要な部分をマスキングして・・・

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GUNコートを使用して塗り分けて焼き上げれば待ち望んだカスタム塗装のキャブレターが完成します♪

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前回のウレタン塗装と違ってGUNコートは性能を出すために塗り方が特殊で結果的に塗膜が非常に薄くなるので厚塗りベタ塗り感一切なし^^

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ウレタン塗装ではガソリンに侵されて溶けるのが怖くて塗りきらなかった部分まで今回はしっかり色を入れているので、細部の仕上がりはこのような感じになりました^^

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そして今回はスピゴットもGUNコートにて真鍮っぽく塗ってみましたが、スピゴットの削り出されたツルっとした内側にも今回はサンドブラストを当てて、そのブラスト処理によって表面積を増やしつつ、加速ポンプなどで内壁についた液状のガソリンをより気化しやすいように・・・そんな気持ち程度の効果も狙ってみました^^

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ということで消耗品を交換しつつの組み付けですが、

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普段12Rや250TRに乗っている自分にとって正直このFCRでは手首が疲れますw
なので今回はアクセルのリターンスプリングを現状の販売時の左の120%仕様から真ん中の100%仕様に変更しようかと思ったのですが、悪ノリで右の75%仕様にしたら逆に軽すぎて街乗りだと轍や振動などでアクセルが微妙に動いてしまいギクシャクして逆に疲れるという・・・w
とりあえず何事も経験ってことで近々100%仕様に戻します^^:

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というわけで、ついに実用的なカスタムペイント仕様のFCRキャブ 第一号が完成致しました♪

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構想から考えたら多分、10年以上ですが w、紆余曲折を経てやっと人と違ったキャブレターの新しい遊びを提案出来るようになって、これからはお問い合わせに対しても以前と違ってしっかり答えることが出来る♪ って思うとあまりにも嬉しくてダウンドラフト仕様もイメージしてみたり^^

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そして早速車体に組み付けて仕上がり具合のチェックですが、チラ見せな赤いファンネル含め、エンジン周り、外装共に赤黒で一体感が出てかなり引き締まったと思うのですが如何でしょうか^^

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個人的にはこの画像を見ると早くフロントフェンダーも作らなきゃ。。。ってそっちに気が行ってしまいますがw 、パッと見ノーマル風で一見人とは違った遊び要素もあって個人的には大満足です^^

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ちなみに遊び要素ついでに今回は塗装する際に元々貼ってあるステッカーを剥がさないといけないので、代わりにこんなオリジナルステッカーも作って貼ってみましたw

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そしてカラーバリエーションは無限大にありますのでエンジンの色に合わせたり、外装の色に合わせたりした場合に一体どんな感じの色やデザインが作れるのか?また、どこまで作業することが可能なのか?を、実験的にイメージして試した作品を参考程度に次回にでもアップしてみます^^

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この記事へのコメント

1. Posted by oneoff   2014年10月05日 17:52
いいすねー!いいすよー!記事読みながら鼻の穴がムフムフなるっすよー!

バイク持ってないすけどwww


あ、カブがあるか! ガブさん、チタンいけるんですか塗装?いつかチタンフレームにしようと思いよるんすわーその時は!グフフ☆
2. Posted by Gabu   2014年10月06日 08:42
>one offさん

自分もこりゃいいわ〜って完成した時はムフムフしてましたw

チタンも行けますよ!<多分、炉に入らないかもしれませんが・・・w>
その時は是非^^ <きっと炉に入らないかもしれませんが・・・ww>
3. Posted by NOBU   2014年10月06日 20:50
ん〜なかなか気になる。
オーバーホールもしてくれて、色も塗ってくれるて感じですよね?
御値段が気になる。
4. Posted by Gabu   2014年10月07日 01:58
>NOBUさん

人と違った事が好きなカスタム好きな人のさらに一歩その先のカスタムをお手伝い出来たらなぁ・・・と、以前から考えていたので今回こうして納得した形でリリース出来て嬉しいです^^

それと今回はオーバーホール込みで料金を決めると部品代や作業内容で値段がまちまちになってしまい分かり難いので、カスタムペイント作業として受け付け、オーバーホールとは別の作業プランとしてリリースします。

ちなみに画像のニンジャ用に塗った今回の4連のFCRの作業で62,000円ですが、スピゴットやステーは塗る場合と塗らない場合があると思うのでオプション扱いとしましたので、キャブ本体のみなら55,000円で、さらにオーバーホール中など既にオーナーさん側で分解した状態で送って頂いた場合(分解組み立て作業無し)はさらにそこから−6,000にて作業を受けようかと思います^^

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