2016年04月29日

engine

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去年の暮に分解して懐かしんだKZ550とは別のカワサキ空冷ミドルエンジンのオーバーホール作業を今年に入って新たに承った際のネタですが・・・

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カワサキの空冷ミドルエンジンは部品点数も少なくて単純なので、登載する写真点数も減らせてダラダラと長い記事にならないで済むし、年に何件か「エンジンの仕組みを勉強したいんだけど何か中古で適当なエンジンでも買って自分でバラしてみようかなぁ・・・」みたいな興味ありな話になる事があるのですが、丁度いい機会ですのでこちらのエンジンを題材にして組む際の一連の流れでも記事としてアップしてみようかな?・・と思い付いて作業の下準備を始め・・・、

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ケースにミッションを載せてチェンジドラムの動きを確認したら思いのほか動きが渋くて、組んでバラしてと当たりの確認などをしていたらそんな予定をすっかり忘れて勢いに任せてここまで組んでしまってました^^:
そのくらい部品点数も少なくシンプルですので、再使用目的以外の興味の範疇で ” バラしてみたい&組んでみたい ” 方にはサイズ的にもカワサキ空冷ミドルはお勧めなエンジンかと思います^^

で、今回のこちらのエンジンは自分のところに持ち込まれた段階でパッと見で外見も綺麗で、分解していくと所どころ部品も綺麗で ” 組んだばかりか? ” という状態でしたが、ヘッド側の作業で単純なトラップに引っかかって間違えた選択で組まれており「これじゃまともに走らなかっただろうな。。。」という組み方がされていて、うちに依頼して下さったショップさんがお客さんに話を伺ったところ、やはりつい最近腰上のオーバーホールを地元のご友人関係間で行ったらしく、その後も調子が悪いということで今回巡り巡ってうちに入庫してきたのですが、この手の古いエンジンなどは既にマニュアル通りに素組で組めないような部分も発生していることも多々で、きちんとマニュアルの指示に従ったつもりが単純なトラップに引っ掛かったりと少し面倒な部分もありますよね^^:

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そんな中の一つが既にメーカーで廃盤となってしまった部品の調達などですが、今回の作業で一番参ったのがこちらのピストンで、他の部品は2バルブのゼファー400などとの共通部品が多いのでまだ入手困難などの状況には陥っていないのですが、ピストンやコンロッドなどはゼファー系と設計が違うので既に生産がされておらず販売中止となっていて、今回のオーバーホールのコンセプトは ” 出来るだけ当時のままの状態で乗りたいので純正キャブに純正ボアで ” という制約があったのでボアを広げる選択も選べず、少し当たりのキツイピストンを社外のリプレイス品に交換しようかな?と一瞬考えるも、このピストンが既に純正じゃないような気がしてならないのですが・・・、果たしてこのARTの刻印がこんなにもリズミカルな感じに打たれているのはART正規品も同じなのでしょうか・・・?

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試しに当時自分のゼファーをボアアップする為に片っ端から流用目的でピストンを買い漁っていた頃の在庫を引っ張り出して調べてみたのですが、Z400FXよりも前に生産されていたZ650 の純正ピストンは綺麗に整列したARTの刻印が・・・その他のピストンもネットで画像検索をして調べてみても皆ARTの文字は整列している物ばかり・・・。

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現状このピストンは前回組まれたばかりだというのに当たりが強く、ピンボスなどもだいぶやられてしまっていて、

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ピストンピンも面精度が荒くて摩擦が大きくピンボスを攻撃する助長となっていますが、ピストンのサイズも小さいので冷却用のオイルが届きにくく、ミニバイクや2ストなどで多くみられるピン焼けの痕もクッキリと・・・。
もしART=アート金属工業で作られている正規品ではなく、ロゴを真似た模造品だった場合に全く同じサイズで作ってあったとしても、金属の材質が違えば膨張率などの問題から全く違う性能となってしまいますし、そもそも通常の強度が確保されているのかさえも謎でどこまで信じて良いモノやら・・・。
で、とりあえずこのまま組むのは嫌だし、リプレイス品を買って同じモノが届いたら悲鳴モノだし、ボアは広げちゃダメだし参ったなと・・・。

ただ不幸にも既にピストンには現物合わせ的に強い当たりが付いてしまっているので今更と言われてしまうとそれまでなのですが、今回は色々なリスクを考えた結果、この状態から症状の悪化が加速しないよう対策を打つ方向で、
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ピストンには荒れた表面を改質させる目的でWPC処理を施し延命処置を、

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たぶん前回の修理時に購入したリプレイスピストンにセットで付属されてきたであろうピストンピンも既にメーカーからの販売は終了してしまっているので、こちらも再利用するとして、ピストンピンには表面精度を上げてピンボスへの攻撃性を減らす為にDLC処理をそれぞれに施して対応してみました。
決してこれで完璧という訳ではありませんが、現状で出来る選択肢の中で一番費用的にも効果的にも有効な手段だと思いますので、今回はこの仕様で組み付けを行いました。

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そして組み付け時に無理に組んでしまったであろう変形していたピストンリングはメーカーから純正品が出たのでこちらは新品に交換。

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ピストンリングの合口隙間のチェックも一応・・・結果はやはり。。。
純正ボアを維持の制約があって仕方がないとはいえ無念っす。

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以前にも書きましたが、ピストンリングを組む時にグイグイやってしまうとリングが変形したり、リングのエッジでピストンを引っ掻いて傷付けてしまいますので、ピストンリングコンプレッサーなど専用工具が無い場合にはこんな感じでシックネスゲージなどを使って靴ベラの要領でクルっと入れると無理に力も掛からずいい感じに作業が捗ります。

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その後ヘッドを組んで、バルブクリアランスの調整を済ませますが、この時期の気温は計測するのに適温なのでわざわざブース内に移動して温度管理をしなくてもダストの混入さえ注意すればどこでも条件が同じなので作業がやりやすくて良いですね^^

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で、バルブクリアランスの確認が終了したら各カバー類を付けて、セルを一定の電圧で回してエンジンをクランキングさせて分解前とO/h 後の圧縮圧力差などをチェックして作業終了です。

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こうやって見ると小さくてもやはりZなんだなぁと改めてしみじみ。
このような旧車の場合はオーバーホールして各部の部品を新品に変えたといっても全体的にクリアランスが広めになってしまっているので決して新車時と同じとはなりませんので、今後使用していただくオイル粘度なども計測したオイルクリアランスを元にアドバイスさせていただいて納品を済ませました。
あとは慣らし中一回目のオイル交換時に一度熱の入ったシリンダーボルトの締め付けチェックを行えば作業終了です^^

そしてブース内の温度を上げなくても計測に最適な季節になったのでSBR_7292
お次は部品に悩まされることはないけど加工に悩まされるであろうお愉しみなこちらです^^
が、こちらは内燃機加工などに時間が掛かるので夏以降になりそうですが、オーナーさんと共に拘りのV4の制作を頑張ります♪

akane380 at 01:26│Comments(6)TrackBack(0)作業記事 

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この記事へのコメント

1. Posted by oneoff   2016年04月30日 08:03
こりゃー楽しそうですねー

ガレージにこもって黙々とやってるガブさん
の姿が目に浮かびますわいw

「王者のフレーム」と呼ばれるフレームを
うっかりオクで落札してしまいそうなので
またお知らせします.......

日章旗とフレアパターンと......

塗装するってレジェンドたちに言うと、死ね!と温かいお言葉をいただきましたw
2. Posted by 砂粒   2016年04月30日 23:52
ぐぉぉぉ・・・
GABUさん以前「自分で組むのが一番」との事でしたが
やはり、任せようかと思わざるを得ない記事だ。
3. Posted by Gabu   2016年05月02日 13:13
>one offさん

奥さんにヤフオクのID乗っ取られた件ウケましたw
完全監視下に置かれましたねw

とりあえずレジェンドさん達の気持ちを察しつつ、ゲス派手目指して頑張ります!w
4. Posted by Gabu   2016年05月02日 13:19
>砂粒さん

お疲れ様です^^

「自分で組むのが一番」はあくまでも極論ですが、ああして高い費用を払ってあの結果であれば、個人がDIYで頑張って組んだ方がマシな気がしたもので・・・^^:
そんなこと言っても早々上手く行くか?って話ですが、お金を払って上手くいかないとイラ付きますし問題ですが、自分でやれば失敗もまた人生の一部として楽しいのもですので(死ななければですが)^^


5. Posted by SYU-   2016年05月09日 09:44
5 今度はVMAX1200ですか?我が家にも一台転がっているので興味津々です。

DRAGシーズンに入りました。どこぞでお会いしましたらよろしくお願いします。
6. Posted by Gabu   2016年05月10日 04:32
>SYU-さん

お疲れ様です^^

こちらは現行のVMAX1700のエンジンになります^^
自分もこちらのエンジンは非常に楽しみなエンジンです♪

D&Sに行けるかまだ微妙なのですが、またDRAG会場でお会い出来ましたら宜しくお願いいたします^^

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