2017年06月14日

オイルクリアランス自己研究

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以前に自分の12Rのオイルパンの加工をしなきゃ・・・と書いたものの未だやれていません・・・。

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というのも普段乗りでストリートでも使用するマシンなので単純に底を切って貼ってじゃオイルトラブルを起こし兼ねないので、容量を確保しつつ、オイルの偏りや油圧トラブルを起こさない対策も兼ねて加工するつもりで、

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材料のアルミ板も用意しているのですが、とりあえず他のマシンを先行しないと自分のマシンは着手できないので妄想だけに留めて現在作業停止中です。

で、オイル管理といえばやっとというか、前回富士の走行でミッションブローを起こして終了した12Rのエンジンを分解して各部をチェックしてみたのですが、SBR_4513
いつも使っているシルコリンオイルの相性の良い使い方を探して毎回オイルクリアランスを変更したり、組み付け時のトルク管理を変えてみたり、組み付け後の慣らし方、表面処理などなど、言うは易しで実際にやってみないと判らない・・と、ここまで実験的に何年掛かったのやら・・・。

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で、今回エンジンを分解してメタルのアタリの確認をしてみたところ、やっと綺麗なメタルのアタリが確認できました^^

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参考までに以前のアタリがこちらですが、若干アタリが強い印象でした。

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毎回分解する度に剛性不足を疑いたくなるケース側のメタルのアタリも今回は均一で、やっとアホみたいにNOSを噴射してエンジンをぶん回す際のシルコリン Pro4 × オイルクリアランスの答えが見えてきた感じです^^

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ただ唯一カムチェーンで常に力の掛かる#5 のアッパーケース側のメタルの進行方向側だけはやはり若干アタリが強いのですが、

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普段同じような強めのアタリが毎回出ていた#1 側のアタリは今回は非常に良かったので、新しいエンジンでもこの時の選定基準と組み付けを施してもう一度トライして試してみたいと思います。

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ちなみにロアーケース側は普段からそこまで変なアタリは無いのですが、今回はそれ以上に良い状態で、今回クランクケースとクランクを新しいモノに交換しなければ続投可能な状態でした♪
ということで今年のNew エンジンは安泰か♪ といえばそうでもなくお陰で一つ悩みが・・・。
実は今回バラしたエンジンのメタル類は普段ならWPC処理を施して組み付けるのですが、前回の組み付け時は時間の関係で表面処理は無しの無加工の新品状態で組み付けたもので、今回の結果はWPC処理をしなかった事も影響しているのかなぁ・・・?と。
以前に某テレビ局の番組でWPCの活躍などを見させていただいてその効果も発揮されていましたし間違ってもWPC処理を否定するわけではありませんが、以前にホンダがF1に参戦していた頃にホンダが独自に相性の良いDLC膜を作るのに苦労をしたという記事を読んだことがありまして、WPC処理やDLC加工といった表面処理は万能ではなく相手や状況によって相性の良し悪しが大きく変わるのね・・・?なんて考えておりまして、メタルにWPC処理を施すことで表面に微細なディンプルを形成し、そこにオイルが溜まることで油膜を保持するという事ですが、必要以上の油膜保持は粘性的に逆にフリクションの増大にならないのだろうか?と。
たまにWPC処理やDLC加工を施したベアリングなどをシャーっと回してこれだけ回転の持続時間が延びました的な映像を見ますが、あれ完全に脱脂をしたドライじゃなくエンジン内部と同じように湿式条件でオイルを付けた状態でやったら逆に吸着して普段以上に動かないんじゃないか?と。
「上記は完全な一個人の勝手なイメージです、上記は完全な一個人の勝手なイメージです、上記は完全な一個人の勝手なイメージです」大切なことなので3回言いましたw が、そのようなイメージが以前からあったので今回エンジンを分解してメタルをチェックした時にやはりなんとなくそんな事も関係してるのかなぁ・・・なんて考えて想像を膨らませていると、いや、やっぱり違うのかなぁ・・・なんて感じで自分の中でも考えが二転三転してしまい、このトライボロジーの分野を専門に勉強している本職の人の意見は実際どうなんでしょうかね^^:

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そして今までクランクシャフトもWPC仕様、DLC仕様と両方の仕様をテストしていますが、こちらもやはり元々設計段階から最終処理をWPCやDLCに設定して製品を作る場合と、中途半端に使用済みの純正量産部品に施工する場合じゃ当然部品との相性や仕上がり、効果のほども知れているのではないかと。

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そんな経緯もあって、現在の自分の12Rのクランクのベストな仕様は単純にピンの面精度を上げる磨き仕上げで、

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このようなピン部分に発生したレコードラインを

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ピン径に支障のない範囲で綺麗に磨いて、最後にダイナミックバランスを施して仕上げを行ない、量産部品の中古ベースでも精度を上げて新たに仕上げ直す考えで、最近は磨き仕上げを気に入って毎回取り入れています。

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中古でピン径が基準値ギリギリとか聞くと ” それっていいの? ” って話ですが、マニュアル通りに組むなら新品を入れた方が勘合表に照らし合わせやすくて良いかもしれませんが、どの道マニュアル通りには組まないのでピン径が変わっても中古を仕上げてそれに合わせた方が結果的に精度の高いエンジンが組める。と新品を買えない貧乏人は服の裾を嚙み締めながら贅沢は敵だ!と考えておりますw

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ちなみにこちらはホンダが昨年販売した2千万円を超えるRC213Vの組み立て現場の拾い物画像ですが、手前に見えるカムシャフトの面圧の掛かるカムローブにはDLC加工が施されていますが、ジャーナル面はわざわざマスキングを施して別の表面仕上げを採用しているのが分かり、きっとホンダもお金が足りなかったんですね。とか言ったらぶっ飛ばされそうなのでやはり表面処理は適材適所なんだなぁ・・と。

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でも以前にDLCを施して凄く結果が良かったのがピストンピンに続いてこちらのミッションアウトプットシャフト側のオイルシール部分のカラーですが、

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この部分だけはミッションを交換する際にも付け替えて毎回使用していますが、面が綺麗なのでオイルシールへの攻撃性が無く、お陰でオイル滲みもなく、旧車などのこうゆう部分には最適じゃなかろうかと。

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このオイルシールは毎回使い回していますがリップ部分のダメージも見られず実験的に今回も再投入する予定です。

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と、話が纏まらずですが、とりあえず専門性のある理論的な考えが出来ないので今回もまた親子メタルにWPC処理を施し、次回分解時にまた違う結果が得られるのかどうか?気長に実験をして結果を得てみたいと思います^^

akane380 at 04:08│Comments(14)TrackBack(0)│ │DRAG RACE 製作記 

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この記事へのコメント

1. Posted by エンドルフィン   2017年06月14日 19:38
5 過剰なのはやっぱりフリクションになる気がしますよね。バイクでは無いですがミリタリー銃なんかはバラしてグリスやオイルの類いを綺麗に除去したあとで品質のイイ物を刷毛でなるべく薄く塗って組むとそれだけでパワーやサイクル上がりますもんね。バイクにも当てはまるかって言われると分かりませんが^_^; なかなか難しいですね。
満足いくエンジン出来るとイイですね!祈るくらいしか出来ませんが思っクソ祈ります(`_´)ゞ
2. Posted by 砂粒   2017年06月15日 01:39
裾を噛みしめるGabuさんを思い起こしたら・・・w
そう言えば、もう一人のガブさんはどうしているのでしょう?
参戦する12Rを楽しみにしております。
3. Posted by Gabu   2017年06月15日 03:26
>エンドルフィンさん

お疲れさまです^^

ミリタリー銃ですか?!
最近自分の周りで銃の話をよく聞くのですが、本当に流行っているのですね^^
本物の火薬を使用した銃と違ってガスガンだと弾も軽い分、オイルの抵抗は無視できない条件ぽいですね。
銃として考えてみたらライフルなんかでもライフリングを施すことで飛距離や命中精度が格段に上がって戦の場で戦況に大きな差が出たなんて話を以前に聞いたことがありましたが、そうゆう戦況を優位にするアドバンテージをWPCやDLCはもっているのかを改めて検証してみます^^

良い結果にしろ悪い結果にしろどちらかの結果を得られるよう頑張ります!^^

4. Posted by Gabu   2017年06月15日 03:31
>砂粒さん

お疲れ様です!

お陰で持っている服は全て裾がボロボロです(笑)
ガブも相変わらず帰宅後の癒し隊長として元気に活躍してくれてます^^
今後ろでメシを寄越せ!と講義の声をあげております(笑)

12Rはある程度結果は分かっているので、今年はV-MAXメインで頑張ります!^^
5. Posted by oneoff   2017年06月15日 16:40
素敵なアレをありがとうございました!

週末頑張ってきやす!エースチームのアシストなんですけどねw

県トップ9たちとチーム戦ができるのは大きな糧になりますので勉強させてもらいます!

一瞬バラバラに切断されたカーボンフレームが入ってるのかと思ってドキドキしましたw
6. Posted by エンドルフィン   2017年06月16日 03:59
5 特に電動ガンの内部(メカボックス)のギヤなどは効果等に興味あります。それにしてもGabuさんって色んな知識があって驚かされます!ライフリングによる飛距離・集弾性の話などが出るとはΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
7. Posted by Gabu   2017年06月16日 06:48
>one offさん

無事に届きましたか?w
以前に頂いたジビエカレーの御返しです^^
それにしてもチームのアシストでもone offさんはガンガン次のステージに着実に進んでいて凄いですよ!
週末の異次元バトル楽しんでください!^^

あ、次はフレームを送りますw

8. Posted by Gabu   2017年06月16日 07:03
>エンドルフィンさん

お疲れ様です^^
電動ガンでメカ的な内部抵抗を減らせればバッテーリーの持ちも良くなるかもしれませんね。
自分もミリタリー系は少し興味があってフューチャーウエポンとかよく見てました。
実銃だと以前にサイパンでハンドガン〜M16とかショットガンくらいまでは撃った事がありまして、小学生の頃にM16のガス銃にロケットランチャーを付けたのなんかも持ってました^^
いつかRPGではなく米軍などで採用されている最新式の携行ランチャーを撃ってみたいのが夢です^^:
9. Posted by エンドルフィン   2017年06月17日 00:39
本物まで撃った事が!(◎_◎;)素晴らしい‼︎ 近代兵器ぶっ放して見たいですねー!
10. Posted by Gabu   2017年06月19日 11:49
>エンドルフィンさん

怪我で右目の視力が落ちて照準が合わせられなくなってそのまま離れてしまいました^^:
ランチャーなら対称も大きく照準が合わせられると思うのでランチャーか、もしくはヘリからガトリングで機銃掃射の真似事をしてみたいです(笑)

11. Posted by 難しいけど面白い   2017年06月23日 00:58
島根大学の客員教授である久保田邦親博士らが境界潤滑の原理をついに解明。名称はCCSCモデル「通称、ナノダイヤモンド理論」は開発合金Xの高面圧摺動特性を説明できるだけでなく、その他の境界潤滑現象にかかわる広い説明が可能で、更なる機械の高性能化に展望が開かれたとする識者もある。幅広い分野に応用でき今後潤滑油の開発指針となってゆくことも期待されている。
12. Posted by Gabu   2017年06月24日 12:21
>難しいけど面白いさん

はじめまして^^
こちらのコメントは技術系のサイトなど色々なところで拝見しておりますがそれだけ今後の期待が大きいと言うことなのでしょうか^^
いろいろな研究者さん達の日々の努力によって自分のようなエンドユーザーでも質の良い技術が得られるのは本当にありがたいことです m(_ _)m
13. Posted by mach712r   2017年06月25日 21:19
お久しぶりです。
ターボ化ですか、非常に興味があります。
セブンのエンジンもお願いしたいと思っているのですが、ここのところ入り用がありまして先立つものが無い状態が続いております。
もう暫く待っていただけますでしょうか。
14. Posted by Gabu   2017年06月28日 03:05
>mach712rさん

お疲れ様です^^
ターボ化は自分の12RではなくVMAX1700の方ですが、mach712rさんのセブンであればスペース的にも自由度が高いので良いものが作れそうですね^^
もしその時がきましたらまたお声掛けいただければお手伝いをさせていただきます^^

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