2017年10月19日

FCRキャブレター用 非分解箇所 OリングKit 完成♪

先週末はいろいろなレースが行われてPC画面の前から離れられませんでしたね。WTAC1
WTAC
特にオーストラリアのシドニーで行われたWTAC ( World Time Attack Challenge ) の舞台でエスコートの塩原さん率いるTeam エスコートとドライバーの安藤さんが国内で仕上げた車両を現地に送りタイムアタックに挑戦する姿をライブ配信で見ていたのですが、初参戦ながら数年前の大会で他のチームがプロのドライブで記録したトップタイムを大きく上回るタイムで終えるあたりは流石でした。
国内では長谷川さんの跡を継いだHKSが筑波最速奪還50秒切りを目指して開発中のHKS GTS800も登場しそうですし、メーカーの威信を掛けてアンダー鈴木さんの記録した50.746秒を一気に捲くるのかも気になりますし・・・来期に向けた安藤さんの大暴れも楽しみで嫌いな冬の唯一の楽しみな Attack 2018シーズンがいまから楽しみです^^



で、そんな華やかな世界の話から細々とした話に内容は変わりまして・・・というか、本当は8月の後半に夏休みの宿題とか言ってご紹介しようとしていたネタなのですが、
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ここ最近安定的に作業の依頼を受けておりますキャブレターのペイントサービスですが、普段作業を受ける際に入庫するキャブレターはどれもこのような新品ばかり・・・ではなく、

FCR-works
ご依頼の半分近くがだいぶお疲れな状態で、分解ついでに消耗品の交換も兼ねたリフレッシュも兼ねて入ってくるのですが、

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中にはここまでいってしまった個体のご相談などもあったりで、

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当初これは流石に無理では・・・という感じだったのですが、ご依頼主様が東北の方で、新品が買えるくらいの予算が掛かるかもしれないのにこの状態の物を直す事を望まれているということは余程の思い入れが・・・と、こちらも全力で応えられるように急遽前倒しをして今年の春先にウェットブラストを導入して準備したりもしたのですが、最終的に復活の光が見えたところで技術的な問題以外の理由にて作業は途中で終了となったのですが・・・。と、このように色々な状態のキャブレターが届くのですが、

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こちらの4輪でサーキット走行をされている車両用のFCRキャブレターでご依頼頂いた個体も作業前の作動チェック時に典型的な不良を抱えた状態であることが発覚しまして、作業を中止するかでオーナー様に悩んで頂き、一度非分解箇所の内部状況を確認してみてから作業の可否を決めますか?と非分解部分を分解して状況をチェックしたのですが、

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やはり今回ご依頼頂いたこのFCRキャブレターも典型的な症状のOリングの陥没と、

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どうも熱でこのT時部分が引っ張られてしまうようで、こちらも定番な変形によるシール不良と、

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そしてゴムの溶解と・・・ここまで酷い個体も珍しい。と言いたいところですが、中古のFCRを沢山扱うようになって初めて気付いた事ですが、この症例は非常に多くの個体で確認しておりまして、いつものあるある的な状態で、こうなってしまうとスロー系統が全滅でまともに低開度域のセッティングも出ませんし、せっかくキャブレターの外見をセラコートなどで綺麗に仕上げても性能が出ないのであればお金が勿体ないだけなので毎回この症状の時にはオーナー様に一度事情を説明して直して進めるか?中止するか?どうかを決めて頂いていたのですが、直すにしてもここの部分のOリングの調達にはいつも難儀しておりまして、

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しかも定期的に出るFCRキャブレター用のオリジナルワンウェイバルブの補修Kitを求めていただいたオーナー様からはここの部品のラインナップがあるのにOリングは無いんですか?と質問されてグサッと胸に刺さるものがあったりw

ただ、FCRキャブレターの場合はOリングを交換してもボディ側のガイドローラー部分が磨耗してしまうとどうしようも無いしなぁ・・・やはり高価な消耗品扱いなのかな・・・とか考えていたら、先日FCRキャブレターを製作させて頂いた共立工芸様からSEPベアリングガイドなるアイデア商品が出ている・・・。
なら後は非分解箇所のOリングさえ手に入れば今まで高価で短期消耗品扱いだったFCRキャブレターの寿命が延ばせる=ECO ♪

ということで、
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まずは協力していただける国内のOリングメーカーさん探しから始まり、Oリングの知識が無かったのでいろいろ話を聞いて同じNBRやフッ素ゴムなどでもアルミやステンレスと同じようにそれぞれに特化した様々な品種があるという事を教えて頂き、その中からキャブレターにお勧めの材質を絞って材料の選定から始めまして、キャブレターで使用されるガソリンやOリングを痛めることで定番なワコーズのエンジンコンディショナーに一ヶ月漬けてみたり、一定の温度で焼いてみたり・・・。

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で、一般的なニトリルゴム(NBR)材ですが、今まで専門知識が無いので耐油性=フッ素ゴムが最強!と解釈していたのですが、実は耐油、耐薬品性はフッ素ゴムよりもNBRの方が高いらしく、フッ素ゴムに比べて耐熱性が低い為にエンジン周りで使用するには耐熱性も兼ね備えたフッ素ゴムが優位という話のとおり、熱を加えたNBR材は少し縮んでしまい、弾性を失って曲げた際に簡単に折れてしまいました。
ちなみに一般的な製品にはコスト的にも安く済むこのNBR材が使用されておりますが、FCRキャブレターのOリングも純正はこのNBR材で出来ていますので、熱の蓄積による劣化はやはり避けられない部分でこれがOリングをダメにする一番の要因かと思います。

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ということで今回はコストよりも耐久性重視で過酷な条件に曝しても最後まで変形や弾性を失わなかったフッ素ゴムを採用することにしました^^

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そして今回もう一つ気になったのが非分解部分のOリングの嵌る溝の深さが部分的に違うという事で、浅い場所では0.5mmほどなのですが、深い場所では0.8mmほどなので1mmの板材から切り出して作った場合に、場所によってはその差が0.2mmほどしか無く、それでしっかりシール性が確保出切るのだろうか・・・?と、

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試しに厚みの違う2種類を試作して試してみたりもしたのですが、金型で作るOリングと違い今回はゴム板からウォータージェットで切り出すので当たり面が大きく、1mm厚でも問題ないとの判断から厚みは純正と同じ1mmにてOリングの形状も純正よりも信頼性が上がるように一体式に纏める形状で決定^^

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そして分解時にこの3mmの皿ネジがナメやすく、頭を飛ばした方が楽に分解が出来ますので予備のネジも用意しまして・・・

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ついに完成しました♪ FCRキャブレター用 非分解箇所用のOリングKit ^^
飛ぶように出て行くモノではないので少量生産ということと、国内生産という品質と材質に拘ったので破格な値段ではありませんが、とりあえず一気筒分1セット2700円+税で出せる内容に仕上がりました。
ということで、これでもう非分解部分の不調が出ても怖くないぞ♪ と意気揚々と次のキャブレターの作業に取り掛かりまして、

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見るからにお疲れ様な状態で、分解してみるとOリングやダイアフラムが劣化してカチカチのパリポリ状態で、

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ここまで劣化が進んでいると同じ材質を使っている非分解部分のあのOリングも逝ってるなこりゃ。。。とチェックをすると、Oリングが逝っている時にいつも聞こえるあの悲しい音が・・・。
※ 非分解部分のチェック方法は最後に動画でご紹介しております。

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そこでオーナーさんに事情を説明して修復の方向でご指示をいただいたので早速分解してみると、あのT時部分が縮んで陥没して気密性を失い、Oリングもカチカチでダメだこりゃ・・・。が、しかし!! 今は交換するOリングも有るので悲観することなく修正作業再開!と思ったら・・・

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このFCRキャブレターは何だかいつものと違うw

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普段滅多にバラさない部分なのであまりこの非分解部分の詳細を知らなかったので、こら何だべさ?と目が点にw
とりあえず穴の繋がっている出口を追うとどうもチョークバルブ用の通路らしく、そういえばこの個体にはチョーク機構が付いてたな・・・と。
他を新品にしてここだけ見逃す訳にもいかないしなぁ・・・ということで、

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再度メーカーさんに頼んでこの部分のOリングも作って頂くことに^^:

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ということでチョークバルブ付きのカールおじさんっぽいFCRキャブレター用OリングKit も御座いますw

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そしてこれからは加速ポンプ機構の補修用ワンウェイバルブKit とのセットも用意出来る様になりましたので、もうグサッと言葉が胸に刺さることも無くなるかと思いますw

FCR非分解Oリング補修用
またこちらの非分解部分のOリングが必要な方が居りましたら http://shop-sbr.com/ でご用意しておりますのでご覧ください。

また、非分解箇所のOリングの破損状況などの簡易的なチェック方法を動画に纏めてみましたので宜しければこちらも合わせてご覧ください。


akane380 at 02:29│Comments(10)オリジナル商品 

この記事へのコメント

1. Posted by oneoff   2017年10月19日 10:27
ついにoリングまで作り始め..........

モノづくりの原点に回帰しようと.....してるのではなく自然とそうなってるのが変態っす!

昨日来たお客さんが、
「やっぱガブさんおかしいよね.....」と.....
2. Posted by 砂粒   2017年10月19日 14:21
自分のFCRが、綺麗に見えてくる程の物も有りますねw

熱加えたり、溶液入れてみたりする辺りヘン•••
GABUさんらしいw
3. Posted by エンドルフィン   2017年10月19日 18:03
5 凄いですね!研究熱心と言うか何と言うか・・・あっ‼︎皆さん仰るように変態ですね(><)素晴らしいです。
4. Posted by ケンタロウ   2017年10月19日 20:41
流石です!たぶん10年後位にお世話になると思いますw

ところでTMR用は予定有りますか?
5. Posted by Gabu   2017年10月20日 01:20
>one offさん

実はこのOリングを作るかどうするかを2〜3年ウダウダと悩んでいたのは内緒ですw
なので今回は良い機会になりました^^

というか、自分の周りの人達も皆「あの広島の人、自転車で日帰り400kmとか頭おかしいよね・・・」と話題になってますw
なのでいつも「頭がおかしいんじゃなくてイカれてるんです。」とちゃんと訂正しておりますw
6. Posted by Gabu   2017年10月20日 01:37
>砂粒さん

お疲れ様です^^
ヤフオクなどで中古で購入してそれをオーバーホールついでに好きな仕様にペイントするといったパターンの入庫が多いので結構お疲れな状態のモノが多く入ってきます^^:

先ほどニュースの見出しで一方の写真は日産の社長が今回の不正問題で会見場で頭を下げている写真で、もう一方の写真はカブの累計販売台数が一億台を突破して記念会見で手を高く上げて満面の笑みでカブに跨り写るホンダの社長の姿でしたが、企業姿勢が思いっきりこの一頁に出ているなと・・・^^:
ホンダ好きとしてやはり本田宗一郎さんの残したホンダイズムを大切にしたいと、モノ作りの際には質の悪い製品を渡さぬようテストは出来るだけ必要以上の状況を想定して行っております。


7. Posted by Gabu   2017年10月20日 01:48
>エンドルフィンさん

お疲れ様です^^
変態は一番上のone offさんだけです(笑)
いつもキャブレターをカッコよく自分仕様にしたい!と期待して依頼をしていただけるオーナーさんに「このキャブレター死んでて使えませんよ。。。」と伝えるのが心苦しくて何とかしたかったのですが、これからは生き返らせる術を手に入れたので自分的にも気が楽になりました^^

8. Posted by Gabu   2017年10月20日 01:59
>ケンタロウさん

お疲れ様です!
10年後はキャブ車が法律で走れないとかになってませんかね?w
もしくは自分が灰になっているか・・・w

TMRのVシールは完全に金型じゃないと製作出来ないので適正価格に持っていくとなると少量生産では難しいのでリスク的に厳しいですね^^:
でも結構困っている人が居るのも事実なんですよね・・・。
9. Posted by O   2017年10月21日 23:21
こんにちは、なんだかちがうFCRの持ち主です!
この度はありがとうございました!
当初、買い替えの方向だったのですが、どこまで再生できるものだろうか?の興味もあり依頼したしだいでした。
自分の依頼が人柱になったなら非常によかったと思いますw
またの機会にはよろしくお願いします!
10. Posted by Gabu   2017年10月22日 05:21
>Oさん

この度はご依頼を頂まして誠にありがとう御座いました^^
FCRキャブレターのチョーク部分は盲点でOさんのキャブレター作業が無ければ気付けない発見でしたので、分解作業を快諾してくださり感謝しておりますm(_ _)m
また、ご依頼頂けたキャブレターも内外共に綺麗に生まれ変わってお返しする事が出来て本当に良かったです^^
また何かありましたら宜しくお願いいたします^^

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