2014年09月

2014年09月25日

新たなNOSシステムの製作

ということで、去年から走ってもタイムが全く残せず毎回何かしらのタイミングが合わずで今年に入っても結果が振るわず、こんな不甲斐ない結果では書きにくいということで敬遠気味だった12Rネタも、やっと8月にシェイクダウンして走れて、二度目の走行となった前回のスポーツ走行日にはタイムも自己ベストだった9.2を2年ぶりに更新出来たので、やってきたことは間違ってはいなかったかな? と、まだ更新していない自分の12Rの今年の変更&改良ネタでも小出ししていきますw

そんなこんなで、去年まで使用していたエンジンは何度もバラしているウチにケースのネジ山がダメになってきたり、変な歪みが発生したりで、今年からミッション部分のオイルラインやクラッチ周りのオイル抜きなどが改善された後期型のクランクケースを使おうとベースエンジンを一新することにしたのですが、SBR_5687
去年の最終戦でシリンダーヘッドにも複数のクラックが入ってしまったので、シリンダーヘッドも合わせて新調することになったのですが、

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シリンダーヘッドを新調するに当って以前から気になっているこのNOSシステムをどうしたものかと・・・。
と言うのも、作った当初は初めての試みだったのでポート内から直接燃焼室に向けて噴いた方が馬力が出るだろうとの思いで、この位置にフォガーノズルを組み込んだのですが、
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どうもNOSを使用した際にたまに息継ぎのような症状が一瞬出たり、ジェットが大きくなると綺麗な混合気にならないのか失火もしているような状況で、12Rの狭いスペースの関係でこの位置にフォガーノズルを取り付けたものの、噴射時には70kgf/cm2もの高圧ガスがポート内の流れを遮るように噴射してしまうので、NOS噴射時には相当な勢いで吸気ポート内の流れをかき乱しているのでは無かろうか・・・、いや、確実にかき乱してるだろうと。

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ついでにこの狭い場所にセットしてしまっているので、NOSのジェット交換や、

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プラグ交換をする際に、一度エンジンを降ろしてしまった方が早いくらいの整備性の悪さもプラスして、ここは何とか性能面と整備性の両立を計って作り直さなきゃならんな・・・と。

そのようなこともあって新しいオリジナルNOSシステムを作るべく、今年の正月明けから作業を開始していたのですが、
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まずはドンガラのフレームを観察してあーでもない、こーでもないとひたすら考え・・・

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イメージが決まったら部材を集め・・・

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開ける

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削る

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合わせる・・・

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・・・組む。で、ひとまず今までプラ板で塞いでいたエアフィルターのメクラ栓が完成♪

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そしてまた別のブロックに穴を開けていきますが、

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安いホームセンターのボール盤だとこうゆう斜めに穴を開けたりするのが非常に大変で、アイデアは沢山あってもそれを具現化するスキルとちゃんとした設備が欲しい今日この頃です。。。

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で、穴が開いたらそこにタップを切って・・・

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不要な部分を切り落としたらアダプターを組んで、

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先ほど作ったエアフィルターのメクラにも同じようにアダプターを組んで、

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現車合わせでパイピングなども製作して、

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2014 SBRオリジナルNOSシステム完成です♪ って凄いチープですけど性能は立証済みということでw

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で、組付け・・・。

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燃料やガスの供給はエアフィルターのメクラ栓を利用して密閉度を確保しつつなるべくシンプルに。
※ 一本だけ枝分かれしているのはパージ用のソレノイドです。

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そして吸気の流れを邪魔をしないようにファンネルから離す吊り下げ式で、前回の仕様と異なり、高圧ガスの噴射時の圧力を利用して燃焼室側により多くの混合気を送り込むことを狙いとし、NOSの仕様変更におけるジェットの組み換えも所要時間20分程度、プラグ交換も15分程度と、以前までの半日か丸一日作業に比べてそれぞれの整備性でも大幅に改善することが出来ましたので、レース中の仕様変更も容易になりました^^

ということで、今年からこのオリジナル第二弾のNOSシステムに変更して挑戦しております^^
こんな感じでDIYでもお安くNOSシステムは作れますのでお一つ自作で如何でしょうか?w

2014年09月17日

仙台ハイランド ラストチャレンジ

先日の15日で惜しまれつつも閉園した仙台ハイランドにて、13日に行なわれた仙台最後となるJD-STER Rd,4に参加してきました^^

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当日はハイランドの行き掛けにNOSのリフィルをお願いしていたエスコートさんに立ち寄ってNOSのボトルをピックアップしたら・・・
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決戦の地ハイランドへ♪

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幾度と無く通い、毎度好プレー 一切なしの珍プレー連発でしたがw、今回はいつもの実験要素は一切なしでマシン作りの方もタイム狙いでベストを尽くしてきましたので、後はこのストレートをスロットル全開で駆け抜け性能を試すだけ^^

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そして今回は、エンジンをチェック程度にバラしてバルブクリアランスを変更した以外は素組みしただけで、その他のタイヤの空気圧の変化による違いやスタート時のフロントフォークの与える影響など今まで苦手意識で適当にやってきた部分をロックアップに合わせて何度も走って細かく煮詰めて乗り易い仕様を見付け、小さなことからコツコツと。。。仕様で仕上げてきました^^
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まぁ、そんなことを書きつつも一本目はめっちゃ遅いという安定の悲しい現実・・・w
60ft の区間タイムが1.885秒と目標の1.5秒台には程遠いのですが、普段の路面とVHTでラバーの効いたトラック上ではだいぶトラクションの掛かりも違うのでこれは問題無いとして、ここからトラックに合わせて各部分をセットアップしていきます^^

そしてちょこちょこ変更した2本目。。。SBR_9301
とりあえず60ft のタイムも若干縮みまして、前回シェイクダウンした際の8月のスポーツ走行Day の時のタイムと同レベルまでタイムが縮み・・・、

とりあえずまだ1st側のロックアップの滑りが大きいのでウェイトをさらに追加しての予選3本目。。。
※ 音量に注意してください ※
まだウェイトが軽いようで8000回転スタートから無駄にレッドまでタコが滑ってしまっています^^:

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それでも60ft の区間タイムは1.7秒台前半とタイムも縮んで方向性は間違っていない模様♪
というか、ギアのファイナルが当初計算した以上にショートでゴールのかなり手前から吹け切ってしまって気持ちだけが先行して有るはずのない幻の7速を探してシフターを押しまくりw
で、自分の12Rは不意なオーバーレブなどからエンジンを保護する為に、シフトランプが付くとNOSをカットして燃料を増量し、エンジンの回転上昇を抑えるように設定してあるのでシフトランプが点く=回転の伸びが急激に低下してしまいます。。。
なので今のゴールする遥か手前から吹け切ってシフトランプが点いてしまう状態では狙えるモノも狙えません^^:
ということで、ゴール手前での吹け切りを回避するためにフロントのスプロケットを交換してファイナルを変更すると共に、それに合わせてNOSのジェッティングも少し番手を上げて回転の落ち込み分を補おうと自分がNOSのジェット交換をして、その間に仲間が反対側でスプロケットの交換をしていたのですが、その仲間が今まで付いていたスプロケットを外して新しいスプロケットを付けようとした時に「これ何か見た感じ形が違うけど・・・」というので見てみると、
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なんとっ!間違えて250TR用に買ったスプロケットを持ってきてしまったようで今回終わったなと・・・w
仕方ないのでここで予定を変更してエンジンの吹け上がりを落とす為にNOSのジェット番数を下げてNOSのセッティング側で吹け上がりを調整してファイナルとの兼ね合いを調整することに。。。
ということでNOSのジェッティングの変更後にもう一本だけTTクラスで走っているのですが、スタートでごちゃごちゃして仕切り直しするのかとマシンを後退させている最中にスタートでよく分からず中途半端に流して終了・・・。

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そして日が暮れはじめた頃にトーナメントが開始されて、第一回戦の出走の出番直前のタイミングで雨が降り始めて一時待機からの雨脚が強まり無念のレース終了へ。

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そして表彰式が始まり、コントロールタワーの渡辺さんの元に向うと、ナイターのこの景色は綺麗だから向こう側から見ておいた方がいいぞ。と教えられたので最後にその景色を見がてらいつもサポートしてくれている仲間にドラッグコースを運転して走ってもらい、こんな感じだったんだぁ・・・と日本唯一のドラッグストリップを最後の記念に体験走行^^
静まり返ったコースを見ていると暗闇からサルが何匹もコースを横断しててびっくりw
そんな中、こうして振り返って見てみると結構舗装も傷んでいてその分、歴史を感じますね。
今まで本当にお疲れ様でした。って気持ちでいっぱいになります。
本当に長い間お疲れ様でした。








って実はまだ終わりませんw



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実は次の日は走れないと思っていたら実際にはスポーツ走行が可能だったようで、カキでも食ってゆっくり帰るかぁ・・・な予定を変更して再びの決戦の地仙台へw

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ただ、当日は渋滞が酷くて普段20分くらいの距離を一時間以上掛けてやっとハイランドに到着したのですが、やっとこさで仙台に到着してみると
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最後のスポーツ走行Dayということで駐車場も超満員♪

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走行待ちの列も最後尾が駐車場の一番奥まで続く勢いで午前中の走行は今からでは無理と判断して、列に並んで午後一での走行を目指すことに。

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そして昼休憩の合間にT/Fなどの走りを堪能したら・・・

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待ってました!な先日のリベンジ開始っす^^

※ 音量に注意してください ※
前日に安牌をとってNOSのジェッティングを変更して出力を下げてもやはりゴール手前から吹け切ってシフトランプが点灯してしまうので相変わらずA/Fが濃すぎて加速の伸びが良く有りませんが、スタートでのロックアップの感じはだいぶ理想に近づいたようで気になる60ft の区間タイムは・・・
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何とか1.7秒台を抜けて1.6秒台へ^^
そして2年振りに自己ベスト更新の9"169秒で目標まであと少しw
とりあえずスタートや後半の吹け切りなど問題部分が多いのでまだまだ伸びしろがありますし、丁寧に走ればこりゃイケるんじゃなかろうか・・・とか思いつつ直ぐに順番待ちの列に並んで・・・

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延々と列で順番を待つことまさかの1時間半・・・w
一緒に列に並んでいた山崎さんと、時間的にこれが最後の走行になると思うので悔いの残らないように自分のペースで走ります!なんて話をしつつ、リアクションは意識せずに丁寧なスタートを意識して着実に目標の8秒入りを目指した最後の一本・・・。

※ 音量に注意してください ※
ステージランプを点けてアクセルを開けて一瞬だけローンチを当ててヨッシャ!とクラッチを離そうとしたらまさかのストックスタートで緩みかけたクラッチを握り直して「やり直すのか?」とかいろいろな事が一瞬のうちに交錯して、心の中で「渡辺さーーーーん!w」とツッコミを入れつつ完全に動揺した気持ちのままランプが点いちゃったからとりあえずタイミングも取らずクラッチリリースw
思わずスタートした瞬間、心の中で「最後なのにマジかぁーっwww」と爆笑でしたw

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とりあえず結果は先ほどと変わらずな9.1秒台と、まぁまともにスタートしていても目標の8秒入りは無理だったと思うので楽しみを次に残したということで^^
ただ、60ftの区間タイムだけは最後の最後でやっと目標の1.5秒台に突入♪ ってことで許してくださいw

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毎度毎度ドタバタ劇でホント楽しかったし良い思い出、辛い思い出、悔しい思い出がいっぱいな仙台ですが、いつかこの「さよなら」の部分が「おかえり」にならないかなぁ・・・なんて、とりあえずその時まで仙台8秒入りはお預けっすw

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そして更なる現場力の向上を目指して、この流れのまま8秒入り目指して引き続きDRAG活動頑張ります!

今回もまたいろいろな方にお世話になりました。
諸先輩方、オフィシャルの皆様、エントラントの皆様、大変お世話になりありがとう御座いましたm(_ _)m



PS, 地元からバイクで仙台まで遊びに来てくれたUさん、無事に生きて帰っておりますでしょうか?^^:

2014年09月13日

目標:最後は目一杯楽しむ!

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天気予報に振り回されて殆ど調整することが出来ず、挙句の果てには明日は仙台が午後から雨とかって予報が変わりましたが、どんな状況であれ、最後の仙台を皆さんと一緒に過ごして楽しんできます!
本当はいいタイムも出れば尚の事宜しいのですが・・・w
まぁちょっとくらい悔いの残る方が次の原動力になりますよね。。。とか行く前から言い訳してみたりw
多くの事を学ばせてくれて多くの人と出会わせてくれた仙台もこれで最後かと思うとホント悲しいですが、今の全力を出しきって生き甲斐でありMy Place だった仙台とお別れしてきます!
あ、最後まで目標は夢の8秒台で志だけは常に無駄に高く!で行ってきます!w


2014年09月11日

お知らせ

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最後は皆さんも激アツですよねwってことでNOSが良く出まして在庫が空になりましたので、今週末に間に合う分のリフィルは受付を終了致しましたm(_ _)m
今週オーダーを頂いた分と、ここに写っている分のボトルは無事にリフィル作業が終了しておりますのでご安心を♪ で気付けば自分のボトルにまだリフィルしてなかったんですけど在庫ナス・・・。ってお先真っ暗になりかけましたが、エスコートさんでNOSのリフィルを行って頂けるとの事で無事問題解決^^:
ただ、事前の練習走行が出来ないのでセッティングが・・・。

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しかもレースガスを抜ききらなかった為か?FUEL側のソレノイドバルブがこのタイミングで死亡しているのを確認。。。またしてもお先真っ暗でしたが、パージ用のソレノイドを流用して何とか対策が完了して再度一安心中です^^:

2014年09月06日

さぁてどうしましょ・・・

ついにJD-STER Rd.4 最後の仙台ハイランドでのレースまで残り一週間となりましたが、来週末の天気予報も今のところ晴れで一安心♪

で、マシンの方はこれから組む予定で腰上をバラしたまま放置ですw
というのも前回、仙台で走らせてみてダメな部分が浮き彫りになって後は単純にそのダメな部分を改善すればいい結果につながるという感触を掴んではいるのですが、そのダメな部分の一つがロックアップクラッチの調整でして、SBR_7983
前回は各メーカーのクラッチ板を準備してそれぞれを試しながら相当な数を走り込んでロックアップの調整を行い、意気揚々と仙台で走らせてみたら60フィートの区間タイムが1.7秒台 (目標は〜1.5秒台)と普通に遅かった・・・。ってオチでちょっと頭を抱えてしまったのですがw 、正直、次回もスタートがあの程度じゃとてもじゃないけど目標の8秒台に入れるのなんて無理だな・・・と。

夜な夜な通常のスタート練習に始まりロックアップを低回転で滑らせてみたり、高回転で滑らせてみたりと1000回転刻みでローンチを効かせてスタートしてみたり普通にアクセルガバ開けでスタートしてみたりといろいろな組み合わせを試しつつ、あれをこうするとこうゆう反応がでるんだな・・・とロックアップの反応もメモして・・・。
                         ※音量に注意してください※             ※私有地コースにて
で、最終的にはちびりそうになりながらもフルスロットルでクラッチをスパーンっと放して如何にロスなく有功的に路面にパワーを伝えるか?という所までロックアップを段階的に調整してはテストしてを繰り返し、

これが一番安定しているな・・・。っという状態で臨んだ走りがこちら↓
VHTの乗ったハイグリップなコースに合わせきれず、映像の中の4秒後半から5秒までのロックアップの引きずりというか、滑りが非常に無駄か?と。 お陰で1速でかなりの距離を走らされているんですよね。。。
レースガスのセッティングが合わず吹け上がりが遅い部分はこちらで燃調をセットアップしていけばOKなので良いとして、ロックアップは現地の路面に合わせなきゃいけないので最後の仙台ハイランドと考えると時間的場所的な不安要素も大きくリスキーかなぁ・・・と今回の継続使用を凄く悩んでたり。。。

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で、クラッチも予備を用意していますが、クラッチ板を新品に交換すると当然、ロックアップのセットアップも変更になる訳で、アレコレ悩んで優柔不断全開でどうしましょ?状態ですw

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こーゆう時はちょっと核心部分と離れて別のことに熱中するのもありかな・・・とニンジャに手を出したわけですが・・・
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そろそろ芸術の秋ってことでガンコート使って拘ってこんなん作ってみましたw
って結果的に本気モードで12Rのこと忘れてて何にも考えてませんでした・・・。

akane380 at 13:18|PermalinkComments(6)TrackBack(0)│ │DRAG RACE 製作記 

2014年09月01日

めでたく地雷踏むw

前回、ニンジャのFCRキャブのセッティングを行っていて、リアタイヤがズルズルでワイヤーが出てしまったので交換しなきゃ・・・。なんて話になって、タイヤ交換をすることになったのですが、車体からホイールを外して、ホイールからブレーキディスクを取り外して、さらにホイールのリムに貼り付けてあったバランスウェイトを何気なく剥がした結果・・・、
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ペキッという感覚が・・・。

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見てみると最低な事に下の塗装まで一緒に剥がれてしまうという地雷を踏んでしまいました。。。

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あ〜ららって感じですが、これが純正ホイールとかなら所詮自分のマシンですし作業も楽なのでそこまで凹まないのですが、今回のようなマグホイールの場合は材質の性質上、作業の難易度が非常に高い(面倒くさいw)ので、幾ら手抜き作業が出来る自分のマシンとはいえめっちゃショックですw

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しかもパウダーコートでこの程度でペリっと剥がれるということは当然密着性もシュッと一吹き・・・

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ですよね。。。って感じで、こうなったら普通なら剥離剤を使って塗装を落としたりサンドブラストを当てて塗膜を剥がしたり、もしくはペーパーを当てて部分的に研磨して修正したりするのですが、ことマグネシウム製品に限っては更なる地雷が潜んでいる場合があるのでそれらが出来ない事もしばしば・・・。
というのも、マグネシウムは鉄の1/6 の比重と軽く、強度(衝撃性能は低い)もあるので最近のバイクでは純正でもエンジンカバーなどに多く採用されていますが、その反面酸性や塩素に弱く、空気中の水分や塩分などに反応してすぐに表面が酸化して侵されてしまうので通常は陽極酸化処理や化成処理、エポキシ系のコーティングなど、直接外気と触れないような表面処理が施されているのですが、基本的にその表面の処理層を削ってしまうとマグネシウムが直接外気と触れてしまって酸化してサビたり腐食して強度が著しく低下してしまうので、どのような下地処理がなされているか解らない状況ではペーパー当てやサンドブラストなどでの研磨は基本NGで、ドライブラストに至ってはマグネシウムは粉塵爆発の危険性が高いので更にNGなどいろいろ厄介な材質です。。。
なので通常の酸性や塩素系の剥離剤を使用すると表面が溶けて急速に腐食してボロボロになってしまいますので特殊なアルカリ性の剥離剤を使用するのですが、これも濃度や温度によっては塗膜すら反応せず、逆に濃度や温度を上げるとマグネシウムも一緒に反応してしまうという気難しさw

なので作業的には・・・
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とりあえずコツコツと地道に塗膜を剥がして行くべし。。。 ちなみにリアもペキっと剥がれちゃったりなんかして・・・。

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で、黙々と作業を続け・・・

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主要部分を剥がし終わった頃には辺りは真っ暗w
ちなみに浮いた塗膜との間に結露などで水分が発生していたのか、部分的に軽く酸化して腐食が発生しておりましたが、こんな所に気前よく剥離剤を塗ってしまうと新たな地雷を踏む恐れがありますので、ほんとマグネシウムの剥離って厄介です^^:

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そして腐食部分をケアして綺麗に洗ったら、すぐに水分などを飛ばす為に焼付け乾燥炉の中に入れて高温で焼いて水分を完全に飛ばし・・・
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熱が程よく冷めたらマスキングして・・・
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防錆処理と密着処理をして色を塗って焼付け乾燥させたら任務完了です♪
今回はマグホイールということで本来ならパウダーコートやガンコートの方が良いのかもしれませんが、いつかこのホイールが「当時物マグホイール」として高値で売買されてレストアを受ける時の作業性を考慮して、今回は密着性の良い2液性のウレタン塗料を使用してちょっと変わった技法で仕上てみました^^


ちなみにこんな記事をかいてしまうと誤解を生みそうなので補足ですが、
先ほどマグネシウムはいろいろ面倒ということを書きましたが、マグネシウムにも他の金属同様いろいろな種類や特徴があります。
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こちらは12Rのマグネシウム製のヘッドカバーですが、半年以上前に塗装の各実験の為に半分を剥離剤、半分をブラスト処理で剥離し放置したもので、さらにそれらを塗装した別のモノが現在、自分の12Rに組み付けられて経過テストをしているわけですが、

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実験当初はマグネシウム製ということでもっと湿気などに反応して酸化してしまうかと思いましたが、市販車ということで品質が軽さよりも耐久性重視なのか?一般的なアルミ材よりも腐食は進行しませんでした。
逆に以前に仲間がカート用のマグホイールを塗り直そうと剥離剤をかけたらボロボロに腐食して、まるで海から引き上げた腐食だらけの財宝状態で再起不能になったなんて事もあります。
なので大丈夫なモノもあればダメなモノもありますしマグネシウムに対する作業も人それぞれで正解なんてありませんので、今回の記事はあくまでも自分の作業範囲のみでしかマグネシウムに関わった事のない一個人の考えと経験を元に書いた一つの取り組みとして見て頂ければと思います。
実際、このテスト結果を元に最近ではカワサキの純正カバーは普通にブラスト当ててしまいますしねw

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ちなみにマグネシウム部品の見分け方ですが、純正部品などであれば何処かに画像の「Mg」のリサイクルマークが入っているハズですのでそこで見分けることが出来ると思います。


akane380 at 14:50|PermalinkComments(2)TrackBack(0)│ │GPz900R