2014年12月

2014年12月31日

来年に向けて・・・

今年一年もあっという間に時間が過ぎて、思い起こせば今年もいろいろな方々と出会い、新たな発見をする一方で要らぬ失敗などなどw 、絡んでくれた皆様のお陰で後に笑い話に出来るような良い一年を過ごす事が出来ましたw
ドラッグレースの活動では最終的に最後の仙台で8秒入りをさせることが出来ませんでしたが、折れる事無く、来年も継続して目標に向かって突き進んで参りたいと思っております。

そして先日、来年を見据えて久々に12Rの作業も再始動致しました。SBR_0528
シーズン終盤に掛けてレブリミットを11500rpmから段階的に上げて13000rpmを使うようになってから連続して発生したバルブのコッター飛びの原因を追求してみたのですが、
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ヘッドを分解して改めてバルブ周りを検証してみたところ、バルブスプリングが変形してヘッドに干渉していた痕があったので、
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試しにスプリングテスターでカムリフトの際の状況を再現してみたところ、縮み込んだ際の線間同士のクリアランスがバラバラでこれが原因でリフターやシリンダーヘッド壁に干渉してスムーズな動きが害され追走性に問題が出たのかな・・・と。
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一応このバルブスプリングは強化品に交換してあったので、次回は別の加重や特性のバルブスプリングを試してみたいのですが、12R用の強化バルブスプリングって殆ど出てないんですよね。。。
エンジンデータブック無き今、流用出来そうなバルブスプリングをどうやって探すべきか・・・^^:

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とりあえず換えのバルブは既に用意してあるので、あとはバルブスプリングをどうするかだけですね。。。

そしてここまで数年に渡ってひたすらエンジンを壊しに壊してさらにぶっ壊して壊れる箇所もクランク周りに始まり、ピストントラブル⇒強化⇒ガスケット抜け⇒対策⇒ヘッドトラブル⇒対策⇒バルブスプリングトラブル⇒対策検討中と下から上に故障箇所が移動して内容がハードになるにつれ徐々にシビアな問題に移行して参りましたが、壊す度にその部分を修正なり対策を打って信頼性を向上させ徐々にタイムも上がり、回転数も上がり、NOSのジェットのサイズも上がりでだいぶ今の仕様は一定の条件下であればタイムもそこそこ期待できるし信頼性も出たかな?と。
前回の福島もせっかくその前の仙台でいい感じにタイムを詰めて行って自己ベストも更新であと一歩・・・ という所までマシンが仕上がって来てたんだから変に冒険とか仕様変更なんてしなけりゃ良かったのに。なんて話を複数頂いたのですが、仙台の時の考えは最後の仙台だから下手な冒険や実験要素は一切せずにとにかく目標に向けてタイムを狙うつもりで走ったのですが、後の福島は来年に向けてぶっ壊す方向の無茶ぶりで走っていたので個人的には壊れて結果オーライ♪ くらいにしか思っていないんです^^:
あの福島で案パイを取って石橋を叩いてこのトラブルがもし来シーズンの初っ端に起こっていたとしら、確実にシーズンを棒に振って頭を抱えていたでしょうから、シーズンオフの間にじっくりと対策を練れる今のうちに壊したってのは逆にラッキーなことなんです^^
そしてもうひとつ、今のうちに壊れる箇所を出来るだけ炙り出さなければならない事情があったのですが、個人的にエンジンを組んだりバラしたりを繰り返しながら各部の状態などを見ていると、最初のほうに比べるとエンジンの信頼性もある程度は確保出来たかな?と、そして今回のようなバルブスプリングの変形などの現象はただ単に高回転の回し過ぎやスプリングレートの問題だけなのかな?各システムの制御の仕方にもだいぶ問題があるのでは無いかな?いうことで、来年はそろそろ12R 計画の最終段階に進もうかな?ということで、

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先日、埼玉のAVOさんを訪れて

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モーテックによる12Rフルコン化計画に関するお話を伺って参りました^^
正直、今の仕様はエンジン、NOS、シフター、点火制御のそれぞれが独立した部品で制御されていて、どんな状況でもスイッチが入ってしまえばタイミングも気にせず各部品は淡々と設定された通りに動くだけ。。。
エンジンがストールしてもリアが滑ってホイルスピンしててもシフトミスを連発してもスロットルに付けたマイクロスイッチが押されれば点火時期とか関係なく全開でNOSが噴射されてしまう訳で、そんな仕様でNOSに大きな役目を負わせ依存するのは正直厳しすぎるんだよなぁ・・・と。
理想としては制御系はひとつで、エンジンやシフターやNOSの制御を回転数やスロットル開度や車速を元にしっかりと制御させて、走行毎にそれらのデータを細かく分析できる環境やシステムが欲しいんですよね。
そしてモーテックを使用するのであれば、複雑なウェットNOSのシステムを取っ払ってインジェクターを容量の大きいものに交換してドライNOSにて制御した方が今よりも安定するかもしれませんしで、夢は広がるばかりw

とは言ってもモーテックを使用するにあたって1、2年は勉強の年になるだろうなぁ・・・。と考えていたので、まずはセッティングの勉強に専念する為にも、それまでに出来るだけエンジンの信頼性と理解を上げておこうという考えで今までやってきましたので来年が非常に楽しみなのですが、ただ来年のスケジュールがどうなのかなと・・・。個人的に来年はイベントが多いもので、予定が被って走れる機会が少ないのにお高いフルコン組んでも仕方ないですからね^^:
そんなこんなでカタログを眺めて現在保留中です・・・。

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そしてAVOさんの帰りにエスコートさんに年末の挨拶をしに伺ったら・・・

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V8用の超巨大なチタンバルブを見せていただけましたw  比較用に置いた隣の10mmのディープソケットは1/4サイズではなく一般的な3/8のモノですが、これだけ大きくても材質がチタンというだけあって驚くほど軽く、しかもこれクラスのエンジンの内容を聞くと驚愕な異次元な話ばかり・・・^^:
世の中まだまだ知らぬことばかりで自分が見ている可能性ってかなり小さいことなんだなぁ・・・とw
来年もいろいろな事を吸収して少しでも良いマシンが作れるよう成長できるようにガンバリマスw

そんなこんなで今年一年ブログにお越しくださった皆様、レースでお世話になった皆様、いろいろな場所で絡んで頂いた皆様、本当にありがとう御座いましたm(_ _)m
来年も馬鹿一直線でよろしくお願い致します。それでは皆様よいお年をお迎えください。

akane380 at 05:52|PermalinkComments(2)TrackBack(0)│ │DRAG RACE 製作記 

2014年12月22日

燃え尽きたっす。。。

今年の正月に決めた今年一年の内にやる事の一つにガンコートの機材を揃えてずっとやりたかったキャブレターのペイントサービスを開始するという目標があったのですが、それと同時にもう一つガンコートにおいて目標を立てていた事が、「ガンコートでのカラーバリエーションを倍以上に増やす事」だったのですが、

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前回も書きましたがガンコートのカラーバリエーションってたったのこれだけなんですよね^^:
もともと軍用のライフルなどを塗るために開発された機能性塗料なので敵に見つからないような隠密性のある暗い色がメインにラインナップされているのは仕方ないとしても、だからと言って「このカラーチャートの色しか選択肢がありませんが、どうぞお好きな色をこの中から選んでください!」なんて事はこちらとしても言えるワケもなく、

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毎回、塗る度に希望を聞きながら出来るだけイメージに沿うよう調色をして対応しているのですが、

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やはり出来れば自分の12Rで多用しているこのラッシンググリーンとか・・・

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カワサキの古いマシンに使われている

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この手の

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パール系とか・・・

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アメ車のインパラに使われているような水色キャンディーとか・・・

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派手系路線に需要の有るショッキングピンクとか

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こんな色出来ないの?と聞かれた色全てをこの度カバーすることに成功しました♪

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ということで先ほどの画像も全てガンコートにて制作した色ですが、厳密に言うと全く同じではなくワンポイントとして ” 非常に似てる色 ” ですが・・・^^: でもまぁ、とりあえずはこのパステル系がベースとなってさらに細かくアレンジして色を調色することが出来るので、色の選択範囲は当初の数十倍には膨らんだかと^^

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それにしてもガンコートの元々のラインナップに原色系が各1色づつしか無いので、まずは手始めに基本となるベース色を数パターン調色してからさらにそこから調合を重ねて色味を変えては実際に焼いて仕上がりを見て。。。を繰り返して、何だかんだ失敗しながら一ヶ月近く掛かってここまでカラーバリエーションを増やすことが出来ましたが、この一ヶ月で確実に白髪が増えた気が・・・。
しかも一番大きなホワイトボードを買ってきたのに前回のダーク系の見本を貼るスペースが無くガックリw

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ちなみにどれだけ頑張ってみても限界はありますので、更なる高み?ド派手?を目指して新たなコーティングネタも米国から取り寄せてただいまテスト中ですが、こちらは放熱性などの機能性は無い完全な装飾コーティングなものの、耐熱性と耐薬品性(ここを現在どの程度か試験中です)があるようなので、耐薬品性を確認次第、順次新たなラインナップとしてオリジナルカラーのバリエーションに加えていく予定です^^

2014年12月11日

似て非なるモノ・・・。

下の画像は先日ご依頼を頂いてガンコート処理を施したFCRキャブレターのシングル2つですが、SBR_3511SBR_3273
作業のご依頼を受けた当初は希望の配色が殆ど同じで ” これは定番カラーの兆しか? ” と思いつつも、実際には艶の有無や色の濃淡などオーナーさんの好みを細かく聞いて、それらを元に色を調色してカスタムメードとして反映すると、これだけ仕上がりの個性に差が現れるんだなぁ^^ と改めて十人十色を感じた訳ですが・・・、


そんなオリジナリティーの追求とは逆にキャブレターのガンコート処理を行うようになって非常に多くのお問い合わせを頂くのが ” ヨシ◯ラ仕様 ” でして、「ヨシ◯ラのブラックアブソリュート仕様は出来ますか?」や「ヨシ◯ラのブラックボディのFCR仕様は出来ますか?」や「ヨ◯ワラ仕様は出来ますか?」などなどヨシムラ仕様に対するお問い合わせが非常に多い・・・ってナゼか一件だけヨシワラ仕様に出来ますか?って質問メールが混ざってたのですが仕様でしょうか・・・w
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で、実際に今後頂いた質問に答える為にも出来るか出来ないかを判断するため、試しにガンコート作業の合間にこれらの限られたカラーバリエーションを元に・・・

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試行錯誤しながらアレコレと調色を始めて約一ヶ月・・・

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正直それっぽい仕様は出来てもやはり多角的に見た際に染め物の質感を塗り物で再現するのは厳しいかなぁと。。。

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それ以前に調色するにあたって実機が手元に無いのでネットで拾った商品画像を元に色合わせを行ったので画像の色がレタッチされて実際の色味と違うであろう件も重なって今回のネタは本当にイメージ的な話でしかないのですが、この画像を元に作ってみたのが・・・

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こちらの画像ですが、写真の撮影時の設定やライティング、それと画像の編集などで幾らでも色味は変わってしまうので、今回は出来るだけ調色した色味を実際の色味に近く再現するためにも隣にマスキングテープを置いて、そのマスキングテープの色をベースに画像を起こしてみました。

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そして調色の難しいところがこの光が直光で当たる部分と陰になる部分の色味も合わせなければいけないところなのですが、そこがやはり染モノと塗りモノの質感の差が大きく出てしまう部分で、色が濃くなればなるほど艶感など表現が難しく感じました。

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そしてこちらのYD28 キャブですが、先ほどのYD24 キャブとは別色のようなのですが、一枚目の画像はだいぶ色を濃く表現しているっぽいので2枚目の画像との中間を狙って・・・

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グレーの中に少し赤味を持たせつつ、あまり赤味を強くすると紫っぽくなってしまうので本当はもっと調色に使えるカラーバリエーションが豊富なら良かったのですが、無い物は仕方ないので、

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直光から陰への透かし具合はこのような感じに・・・。
それにしてもこのヨシムラさんのYDシリーズのキャブはカッコイイですよね^^ 
現状、使えるマシンが無いので部屋のインテリアとして買おうか悩んでたりしますw

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ちなみに先ほどのFCRの一つはこの色を実際に使用した例ですが、こうして実機を塗ってみるとやはり肌質の艶感がまた少し印象が変わって見えたりしますのでそこの表現が難しいところですね^^:

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そしてこちらのヨシムラさんが以前に限定で販売したブラックアブソリュートシリーズですが、正直この質感やカッコ良さはヨシムラさんが出したからこそだと思うので真似できませんw

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真似は出来ませんが何となく挑戦してみようということでTMR側のブラック

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実機を見ていないのでここまで黒いのかなぁ・・・と疑問に思いつつも・・・

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とりあえず多分本当はTMRもFCRも同じ色味なんでしょうけど画像を元に少し艶の質感を変えたFCR側ブラック

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※ しつこいようですがあくまでも実機ではなく商品イメージ画像を元にの興味本位ネタですのでw

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それにしてもヨシムラさんてホントいっぱいキャブ出してますよね・・・なTMR-MJN

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ガンコートにもつや消し材があればもう少し質感なんかもコントロールして近づけることが出来そうなんですが、如何せん焼きあがってみないと仕上がりが分からないって部分がまだまだ扱いが難しいところです^^:

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とりあえず今回の調色はどの位まで再現することが出来るのか?と、あくまでも興味本位で雰囲気的に似せた色なので艶の質感や染め物と塗り物の肌質の違いなども考慮すると当然似て非なる訳で、作業を受ける側として「あの頃凄い欲しかったんだけど手が届かなかったんだよねぇ」なんて当時の憧れや思い入れを聞いてしまうと出来るだけそういった期待に答えたいなぁ・・・と思うわけですが、
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稀に期待に答えて指示通りに塗って本当にこれで良いのだろうか・・・と心配になってしまうのは自分だけでしょうか・・・w

2014年12月06日

またやってもうた。。。

先日の夕方にガレージで作業をしていて一服しようとジュースを買いに自販機に向かってトボトボ歩いている時に何気なくいつものように空を見上げながら歩いていたら、突然超高速で移動する光が現れて ” おぉ!! " って瞬間的に「お!流れ星か!?」って思いながらもまだその光は超高速で空を走って さらに ” おおぉ!!! おおおぉ!!!! 火球だ♪ " って心のなかで叫べる位の久々にロングな火球を見れたのですが、いままで見た事のある火球はだいたい5,6秒間の発光中に色が変化して最後の方で燃え尽きる直前にパラパラパラと光が散るのですが、先日見た火球はマグネシウムを燃焼させた時のように単一真っ白で非常に明るく、あれは火球じゃなくデブリなのかな?と。 最近になってニュースなどでも非常に明るい流れ星の映像などが紹介されていますがここ最近やけに多いのは偶然なのかな・・・?って気象観測衛星をバンバン打ち上げても天気予報の精度は落ちる一方ですし、いままでのセオリーが通じなくなってるのかな?とか考えるといろいろ気になっちゃいますねwSBR_3240
なんて事を考えながら空を見ているとたまに現れるNOSのリフィル職人がフラッと現れて伝言を残していきました。

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「 いい加減ビックリしていい歳こいてチビリそうなのでもうリフィルで無理はしません・・・」とのことですw
ボトル内にガスを充填して高圧ガスで内圧がパンパンになってそれでもサービス精神で「あと少し、あと少し!」と打ち込み続け、ボトル内圧が1600psi付近から瞬発的に3000psiに達して限界を超えた瞬間にディスクが破裂しお先真っ暗ならぬ視界真っ白になるその恐怖たるや、以前のトラウマも冷めやらぬうちからまた。。。

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って、実はまとめてリフィル作業中の2.5lb のボトル群の中に1本だけ2lb ボトルが混ざってまして、順番で手にとったボトルが2lbだと気付かずそのまま2.5lbをリフィルする時の勢いで間違えて押し込んでしまったが為に容量をオーバーしてセーフティーディスクが破裂したという完全なヒューマンエラーなのですが。。。
特に今時期は外気温が低いのでバイクなどでタンクを外付けしている状態では一度冷えきったボトル内圧を上げるのにも苦労しますので出来るだけ初期の反応速度を上げる為にも限界すれすれリフィルが基本でしたが、ストックしてあるセーフティーディスクの予備も減ってきてしまいましたし、失敗すると薄利な割に合わぬ懐の痛さ。。。とw あまりにもハイリスク過ぎるので、これからはリフィル量のギリギリまで挑戦せず普段の限界値−200g 平均を規定量として目安に止める!と職人は心に誓ったそうですw
まぁ失敗して破裂すると幸薄い職人の寿命と財布の中身が結構減りますので何卒宜しくお願いしますw