2016年12月

2016年12月27日

2016 総括

毎年夏を過ぎると一年があっという間ですね。SBR_3448
特に今年は前回のNOSのリフィル同様、セラコートやガンコートによる各コーティングの依頼も二輪四輪共に途絶える事無く忙しくさせて頂けて、その中でいろいろな事に陰ながら参加させていただいて非常に刺激的な一年でした^^
特に18の頃にエンジンの勉強がしたくてカーボーイ誌のとある有名ショップの広告欄の端っこに「見習い募集!! 住み込み可」の募集が毎回載っていて、当時面接を本気で受けに行こうとしていた地方のショップさんからもセラコートの依頼を頂いたりで、遠回りしたのか?近道したのか? 昔から尊敬しているショップさんからの作業依頼も頂いたりで、山なし谷あり過ぎな人生だけれど少なからずとも成長はできているようで続けてきて良かったなとw

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そして個性を出したいがために始めたキャブレターのペイントも最近だいぶ市民権も得られ?て依頼も増えてきて嬉しい限りです^^

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このキャブレター関係もまた新しい動きがありますので来年改めてお知らせします^^


で、今年は新年明けていきなりフジテレビから問い合わせがあって何かやらかしたのかとヒヤッとしましたがw 、それ以外ではG-ワークスバイクさんの取材を受けてセラコートとガンコートの各コーティングの件で4ページにもわたって紹介して頂けて、
2016 カスタムピープル2016 カスタムピープル 
夏にはカスタムピープルさんにも取材をしていただけてプロの撮影を垣間見れて非常に為になりました。
先ほどのキャブレターの商品画像はその撮影手法を真似て撮影しましたw

ちなみにカスタムピープルさんの取材を受けた際に地元の工場地帯の岸壁で撮影をしていただいたのですが、
1997 バリマシ1997 バリマシ1
同じ場所で19の頃にバリバリマシンという当時の走り屋系の雑誌の取材を同じ岸壁で受けたことがありまして、19の時に受けた取材から19年後の38にして違う雑誌だけど同じ11月号に登載していただけて何とも面白い人生だなぁ・・・とw
しかもこの当時は週末の第三京浜の保土ヶ谷パーキングがカスタムブーム全盛の頃で、毎週末三京に走りに行っては色んなカスタムバイクを見ていたのですが、特にショッキングピンクで統一して皆Z系のマシンをロングに伸ばしてサイドワインダーやターボなどを組んでいたFIXさんというチームのマシン達がオーラがあってカッコよくて、 ” いつか俺もローロングのマシンを作るぞ ” なんて感じでFIXさんはちょっとした憧れで、その影響もあってプラグコードやアルマイト部品など当時ピンク色が選択できる部分はピンクにしていたのですが、

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今回載せて頂いたカスタムピープルさんの隣のページがそのFIXさんのマシンだったというw
どんな因果か思い出をいろいろ繋げてくれてありがとうございますw

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そんな感じで今年は続けてきて良かったなと思える事が多々ありました。で、とりあえず継続は力なり!ということで、来年はさらにパワーアップ出来るよう12Rも大幅に仕様変更中です^^
来年は今年やる予定で全く出来なかった更なるローダウン化の為のオリジナルマフラー制作や制御系をモーテックによるフルコン化とNOSのウェットショットを廃止して独自論での完全なドライショット化などエンジンの仕様変更も含めて大掛かりな仕様変更をいくつかする予定です♪
それと自分のエンジン以外にもそれぞれ目標を持ったエンジンの制作も進行中なので今年以上に刺激的な一年になると思いますので今からシーズン入りが非常に楽しみです^^

そんなこんなで今年も一年本当にいろいろな方のお世話になりました。
各所でお世話になりました皆様、いろいろ絡んで頂いた皆様、このような拙いブログを覗いてくださった皆様、本当にありがとう御座いました。
新たに迎える新年も今年以上に新しい出会いと発見が多い年になるよう積極的に挑戦をして進んで参りたいと思いますので、また来年もどうぞよろしくお願い致します。

少し早い挨拶となりますが、皆様、良いお年をお迎えください。
今年も一年間本当にありがとう御座いました m(_ _)m

SECRET BASE Racing 2016 〆


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2016年12月18日

NOS リフィルのアレやコレ

〜 以下、早めの年末の挨拶にガレージに立ち寄ったリフィル職人がつぶやいて行った独り言です。 〜


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今年もシーズン中は北海道〜沖縄まで大変多くのリフィルを承らせていただきました。

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今年は去年にも増してガレージや車内に放置中でのリリーフバルブの破裂修理のご依頼も多く、前年の流れをみてストックしていたセーフティバルブが早々に捌けてしまったりと年々夏の平均気温が上がっているのかなぁ・・・とこんなところで異常気象を実感したり・・・。

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そして何事でもそうですが、やはり数をこなせばそれだけ経験値も上がりますが失敗も経験するわけで、そうゆう時って何故か良くない事が重なるわけで・・・

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こちらの10lbボトルはNOSをリフィルしようと真空引きをしたら真空にならず、何処かからエアを吸ってるな。。。と加圧してガス漏れ箇所を調べてみると至る所からリークが発生。。。

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なんじゃこりゃ!? とバラしてみると有るはずのモノが無かったりOリングは劣化してカチカチで、これは流石にダメだよね・・・と。

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ということで専用のテフロンワッシャーを入れてOリングも新品に交換して・・・

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組み付け直してリークのテストも合格でリフィルをして終了♪

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で、時を同じくしてリフィルのついでにリークしているOリングの交換もご依頼のこちらのボトル。

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とりあえずこちらのボトルは元々Oリングが劣化して交換作業も同時に・・・と先に伺っていたので先ほどのような問題もなくボトルバルブのOリングを交換して真空引きをしてリークテストをも問題なく通過・・・と、いざリフィルをして満充填できたので配管を切り離そうと思ったらボトルバルブのバルブ不良で栓が閉まりきらずリフィルしたガスが全て漏れ出て振出しに戻る。。。

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こちらの画像はNOS社製の正規品(画像右側)のボトルバルブとの比較ですが、正規品はメッキもしっかりしていてMADE IN ITALYの金文字が特徴ですが、見た目が同じ画像左の安い中華製のコピーバルブは以前に自分も使ってみた事がありますが、初めのうちは良いのですが使っているうちに漏れが始まり直ぐにダメになります。。。

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中華製のボトルバルブは正規品の3分の1程度の値段で購入できるので飛びついてしまいがちですが、やはりこうして仕様をまじまじと見てしまうと作りの良し悪しで正規品を購入した方が結果的に安上がりで無難だと思います^^:
ちなみに中華製のバルブ内部のピストンは鉄製でクリアランスが結構大きくカタカタで、正規品のイタリア製のボトルバルブのピストン部分は柔らかい真鍮製でピストンの頭部が小さく凸になっていて、栓を締めた際に凸が凹に嵌って精度良く栓が出来るようになっています。

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ちなみに個人的に苦手なMADE IN USA なNX社のボトルバルブのピストンはジュラコンタイプで、これが何度も強く締めていますと変形したり欠けてしまったりでしっかり栓が出来なくなってしまいます。。。
なので自分の所では出来れば高くてもNOS社製の正規品をお勧めしています。

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という事でシーズン中は常にボトルバルブはストックして対応出来るようにしているのですが、

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以前にリフィルをしてダメだったケンタロウさんの不思議な形状のボトルバルブも時を同じくして交換^^

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これでバッチリです♪

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ちなみにこの色が鮮やかなZEXも特徴的なボトルバルブの形状をしてまして、

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何だか非常にリフィルがしずらいので何か特殊な仕様になっていそうな感じですが、流石に問題の無い物をバラす訳にもいかず、詳細は謎ですw

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ということでNOS関係も常に新しい試みを経てフィードバック出来る発見がありますので、またそのうちリフィル職人が立ち寄ったら話でも聞いておきますw

2016年12月12日

Hot Rod Custom Show

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ここ最近ハーレー関係のセラコートの施工依頼なども増えてきたので一度勉強も兼ねてアメリカンの世界を見てみよう!と、前回、車両制作のお手伝いをさせて頂いたSURE SHOT さん の完成車両を見がてら横浜で開催されたHot Rod Custom Show に行って来たのですが、

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流石、ホットロッドカスタムショーというだけあって奇抜なスタイルのカスタム車両が其処彼処に^^

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そして会場内には海外からのお客さんも沢山居て、中には人だかりが出来るほどの有名そうな人達が居たりで、こっち系に疎い自分等は誰がだれか分からず。。。
そんな中、SURE SHOT さんのマシンは一体どこにあるのだろうか・・・と人込みで溢れる会場内を探しますが、マシンの搬入前夜にマフラーを納品に行った時にはまだマシンはバラバラで、オリジナルで型から起こしたというカーボン外装の加工などを行っていて原型を留めておらず、これ間に合うのかな?と一瞬脳裏を過ったくらいにバタバタされていたのでもしかしたら間に合わなかったのか・・・と

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会場内は至る所に600台近い数のマシンが展示されているので正直完成形を見ていない事もあってどれがどれだか分からないという問題に直面。。。w

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普段のSURE SHOT さんでは古いハーレーのレストアや制作がメインらしいのですが、今回は初の試みで現行に近いモデルをベースにレーサーテイストなマシンを制作していると仰られていたので、この手の古いタイプやチョッパータイプじゃないのだけは分かっているのですが・・やはり間に合わなかったのか・・・。

と会場を回っているとカフェレーサースタイルのマシンを発見!で、アレじゃ無いよなぁ・・・
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と思って目の前に行って見てみると自分が塗った見覚えのある部品達が♪
一日前のあの状態からよくここまでの完成度で仕上げたな・・と正直びっくりしました^^:
ただ、予定されていた搬入時間には間に合わなかったようで、搬入時に同時に行われるコンテストの審査を受けられず対象外となってしまったのが残念でしたが、今後リリース予定というSURE SHOT さんオリジナルのカーボン外装を見に常に人混みが出来ていて雑誌の取材の話なども既に数社受けているとのことで、このマシンの今後に期待ですね^^

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それにしても今回はフロントフォークのアウターとキャブレター、それにハンドル周りの小物や前後のホイールハブとマフラーなどをビルダーであるSURE SHOT 代表の相川さんのイメージに近づくようそれぞれ色を調合してセラコート処理にて施工させていただいたのですが、最後に追加でグレーで塗らせていただいたオーリンズのスプリングは色的にどうなっちゃうのだろうか?と心配でしたが、完成形を見るとなるほど。とハーレーならではの纏まりの良さがあって安心しました^^

そして、SURE SHOTさんのマシンも見れて一安心したところで改めて会場内を見て回ったのですが、SBR_2918
懐かしのポーターにナローデフを組み込んでいる製作中の車両が展示されていたのですが、20年くらい前の修行時代にAWドラッグなどで仙台ハイランドに行くと、青白でオメガのロゴが入ったポーターに確か2ローターのぺりを積んだナロー仕様のマシンが居たのですが、あのマシンはチョロQみたいな走りで個人的に好きだったなぁ・・・と思い出して懐かしくなりました^^

それともう一台・・・SBR_2944
パッと見てなんじゃこりゃ!? カッケー!! けどアメ車はよく分からんな。。。何がベースなんだろ?と思ったらベースは古いトヨタのクラウンでしたw ホント、ホットロッドの人達はセンス良過ぎですね^^

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そして帰りのコンビニで買った今月号のカスタムカーを開いたら・・・

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以前にFCRキャブのペイントの施工を承ったイナズマワークスさんのAE86 が10月にお台場で開催されたイベントでまたアワードを受賞されたとの事でまたまたおめでとう御座います^^ 
今年は裏方でも去年にも増していろいろな事に関わらせて頂けて本当にやり甲斐のある楽しい一年でした。ってまだ残り少しありますがw ここから来年に続くよう残りの日々も全力で頑張ります!

akane380 at 02:10|PermalinkComments(6)TrackBack(0)│ │セラコート 

2016年12月03日

来年に向けた12月

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先月までだいぶ立て込んで作業に追われてしまいましたが、何とか当月中に終わって12月に持ち越さずに全て納品することが出来ました^^;

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そして11月後半からは明日横浜で行われるYokohama Hot Rod Custom Show に出展するショーバイク用のセラコート依頼の飛び込みがあってで、当初ホイールハブだけの予定で何とか納期間に合わせます!な感じでしたが、どんどん追加作業をご依頼くださいまして他の作業との兼ね合いでかなり逼迫しましたがw 終わってみればやはり作業は精神的に病まない程度に追われてるくらいが楽しいのかもと・・・w

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既にブラスト処理を終えたこちらのワンオフマフラーは月曜日に完成して持ち込みして頂いたのですが、横浜への搬入が土曜の午前中との事で木曜の夜か金曜日には欲しいとのことで、

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微妙な色味を再現するために何度も調色をして

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本当は5日間自然乾燥をしなくてはイケないのですが、その点をご了承頂いたうえで木曜の夜に引き渡し・・・と、制限時間ギリギリまでやってしまうこの時間と余裕の無さに何度もシンパシーを感じてしまいますw
ちなみに納品に行った時に制作中のマシンを見させて頂きましたが、その時点でマシンの原型がまだありませんでしたが果たして今日の午前中の搬入に間に合ったのでしょうか・・・^^:
自分の方でも最近ハーレー関係のセラコートの作業依頼が増えてきているので勉強のために明日のYokohama Hot Rod Custom Show に遊びに行くので、そこで今回作業のお手伝いをさせて頂いたSURE SHOT さん のマシンがどのような仕上がりになっているのか実際に見てきたいと思います^^

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そして今回マシン制作のお手伝いをさせて頂いたSURE SHOT さん に置いてあったFOR SALE な古いハーレーのカスタム車に付いていたミクニのVMキャブ ですが、年代を合わせる為に元々4連のVMキャブを2連にしてまでVツインにこのキャブを持ってきているセンスは個人的に凄くカッコイイなと^^
やはり国産も外車も自由な発想で固定観念に囚われてはダメですね^^

ということで12月。SBR_2618
VツインじゃなくV4 の制作も現行VMAX1700の鍛造ピストンとコンロッドが非常に重い物が付いていたので、バランス取りをお願いしたのが4月で当時の納期は約2ヶ月と、V型クランクのウェブ重量増しの作業なので納期が掛かる事は重々承知と作業をお願いして紆余曲折を経て8ヶ月が過ぎて既に12月w って、正直笑い事じゃないのですが、強化したピストンとコンロッドでかなり純正から重量が増えてしまっていたのでタングステンをウェブカウンターに埋め込むにしてもさぞ大変だろうな・・・と、全幅の信頼をもって昔から利用している内燃機屋さんなので出来るだけ口出しはしたくなく待ちに徹しているのですが、流石にこれ以上待たせてはオーナーさんにも顔向け出来ないのでお願いしますと10月の時点で約束を取り付けた納期が今月12月。。。
こちらのVMAXはエンジンの制作だけじゃないのでトータルの時間を考えても正直本当に今月中に仕上げてくれるのか非常にドキドキです^^:
しかもこれから奥の旧VMAX1200の制作も始めるのですが、加工依頼の多そうなVGやVR38などは話が別だとは思いますが、直列と違って加工依頼の少なそうなV型は考え方の違いもあって、しっかりやるとなると個別に治具を作ったりと加工依頼の面で少し頭が痛いですね・・・。

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ついでに来年に向けて自分のエンジンも新調しなきゃイケないのでいろいろ考えているのですが、

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新調するエンジンにどちらのピストンを採用しようかと。
右はJE ピストン製で、左がCP ピストン製なのですが、どちらも圧縮比は13:1 となっているのですが、悩むのがトップのクラウン形状はCPの方が良いのか昔から良くある形のJEの方が良いのか・・・。
軽量化の為にこのような形状になったのか?ホンダのF1マシンにも採用されていた形に似たCPピストンの方が20g ほど軽いので重量だけで考えればCPピストンとなるのですが、ハイカムのリフト量に合わせてバルブリセスを追い込んだ際にCPピストンの方は丸々円で削る必要があり、結果的に削る面積が多いので圧縮圧力の損失もその分大きいんですよね。
その点、右のJEピストンであれば半円だけの切削で済みますので圧縮の損失も少なく答えはJEピストンか?と。
考え方を変えてバルブタイミングで誤魔化すと充填効率が落ちてそもそも論になりますし、そもそも論を言い始めると今のエンジンはあれやこれやと実験を繰り返し積み重ねて行くうちに、シリンダー上面とヘッド下面を合わせた面研量が1.5mmを超えてしまっていて全体のバランスがグチャグチャなので、新規に作ってから結論を出さなきゃダメじゃない?って話なのですが、12R用のCPピストンが既にバックオーダーで今のうちに頼まないと来年の春に間に合わないっぽいんですよね・・・。
じゃあ早くやれよ!ってことで自分の12Rも作業開始しますw


2016.12.5 追伸
SURE SHOT さんの完成画像を追加

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akane380 at 15:26|PermalinkComments(8)TrackBack(0)