2020年03月

2020年03月17日

FCRキャブレター 他 オーバーホールとペイントについて

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普段よりセラコート処理に関するお問い合わせを頂く中でキャブレター制作に関するお問い合わせも多く頂くので、よくある質問に答えつつ作業の流れなどを紹介する説明をアップしておきます。

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まず多いのが中古のキャブレターでも制作出来ますか?という内容と、個人でも作業の受付はしていますか?という内容ですが、キャブレター制作のオーダーはショップ様、個人オーナー様問わず、また中古ベースでも新品ベースでも画像のような分解ベースでも施工は可能です。

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キャブレター制作時には新品中古品関係なく、分解出来る部分は全て分解をした上で、一つ一つの細かな部品も全て施工対象として希望される仕様にてハンドメイドで個々に合わせて制作を行います。

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割れやクラック、致命的な欠けなどボディ自体の程度が悪くなければ新品ベースでも中古ベースでも仕上がり自体は基本的に変わりませんのでご安心ください。

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また中古のキャブレターをベースとした場合にこちらで施工前に各部のチェックをしまして、制作しても本来の性能を発揮出来ないような著しく状態の悪いキャブレターに置きましては施工費用が無駄となってしまいますので作業をお断りするか、当該箇所の修理が可能な場合にはオーナー様とご相談の上、修理等を行って再生などの作業を追加して行っております。

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実際の作業の流れとしまして、

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分解時には各部の変形や消耗具合を目検に頼らず電子顕微鏡を使用して状況診断を行い、

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分解後に洗浄と空焼きをして・・・

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消耗部品や変形などが見られた場合には・・・

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予算などを打ち合わせの上、許される場合には新品部品への交換を行います。
※消耗部品などパーツの持ち込みも歓迎ですので、交換パーツを既にお持ちの場合にはキャブレターと一緒にお送り頂ければ組み付け時に新品に交換をして組み付けを行います。

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また通常のO/hでは分解しないメーカー非分解部分も結構な割合で内部のOリングにダメージを受けている個体が存在するので、必要な場合には分解をして、

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不良個所の修正や長年の汚れをウェットブラストを使用して艶出しも兼ねた洗浄を行った上で、

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シーズンオフや定期的なメンテナンスの際に強力な洗浄剤を使用してガンガン洗浄しても純正のようにOリングがヘタレないよう高耐久な対策素材でオリジナル制作した専用のOリングKitを使用して組み付けを行い、純正よりも高耐久な仕様で復活させます。

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そして非分解部分の組み付けが完了しましたら・・・

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各キャブレターに合わせた専用のマスキングKit を使用してブラスト処理を行って、

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ブラスト後に超音波洗浄機にて入念に洗浄を行い、再度焼き付け乾燥後にコーティング作業へと移ります。

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そしてご希望の各仕様に合わせてセラコートやガンコートを駆使して細かな部品の一点一点にコーティング作業を済ませたら・・・

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各部を調節しながら元の状態のジェッティングにて組み付けを行い、組み付け後にオーバーフローのチェックと、

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加速ポンプの状態などをチェックして問題が無ければ完成です。

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そして先行しているキャブレターの作業が完了する頃合いに次の予定のキャブが入荷して作業を開始して、

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完成した頃に・・・

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また次の作業の入庫が・・・という感じで作業の受付は予約順となっております。

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また、キャブレター制作はFCRキャブレターやCRキャブレター以外にもハーレーで多く使われているHSRキャブレターなども全て分解のうえで、

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専用のマスキングKit を使用して一点ずつ塗分けを行って制作をします。

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FCRキャブレターなどに限らず他のキャブレターでも新品中古品関係なく施工対象となりますので、画像のようにヤレていても、

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施工後は新品ベースと同様外見の見た目は基本的には変わりませんので、機関が良好なら現在ご使用中のキャブレターベースで全く問題無いかと思います。

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またキャブレターの制作作業は全てハンドメイドで一品モノに近い作業となりますので、画像のような取り扱い実績の無い古いハーレーのショーバイク用のキャブレターでも、

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出来る限りご希望の仕様で仕上げられるよう作業を行っております。

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そして上で紹介しました古いハーレー用のキャブレターを装着したシュアショットさん力作のHRCSベストアワード賞獲得マシンが先日発売されたVIBES誌のカバー車両になっており、
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キャブレターと共に施工させて頂いたハブとブレーキが一体の非常に高価な足回りなども含め、詳細はVIBES 4月号にてご覧いただけますので宜しければ仕上がりの参考程度にご覧ください^^
という事でこの辺で終わりにして、次回はFCRキャブレターの加速ポンプの交換手順の説明記事を紹介しようかと思います。

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最後に各作業は完全予約制で常に予約順に作業を開始しておりますので、その都度作業に取り掛かれるタイミングや納期が異なります。
イベントなどが控えている場合にはお時間に余裕を持って事前に secretbase-racing@nifty.com までお問い合わせ頂ければと思いますのでよろしくお願いいたします。

2020年03月09日

ドラフェス

今年最初のセントラルサーキットで行われたドラッグフェスティバルに参加してきました。
結果はスタート時のウィリーとテールスライドを克服出来ず練習した60ft区間のタイムが詰められずに目標の9秒台には入りませんでしたが、とりあえず最後の一本(実際にはもう一本残っていましたが)で、もうこれで最後の走行なのでスタートに失敗しても何でもいいからアクセルを戻さず最後まで全開で走って高回転のログだけ取っておきましょう。と挑んだ一本で、スタートでリアを滑らせて失敗しつつも前回の10.3秒から更新して10.2秒を記録。
で、何だか無理に狙わず普通に走れば9秒台に届くんじゃないか?と、もう一本走行が残っている事も判明して期待が膨らみましたが、最終的にシフトミスで不発に終わりました。
で何で画像が無いんだ?って話ですが、驚いた事に今回撮影したカメラの記録メディアを現場の車の荷室に置いているタイミングでカメラから抜き取られ盗まれてしまいました。。。
とりあえずいつもの仲間の車で遠征していたのでドライブレコーダーが停車中も12時間記録を保存しているタイプの物で、家に帰ってすぐに気が付いたので仲間に即連絡をして確認をしてもらって特定も済んで何故に。。。って感じですが、今更メモリは戻って来なそうですので今後どうするかはこちらで考えます。
何だかどっと疲れたというか、今回のレース以外の直近の作業記録や完成画像なども全て失ってガッカリですが、PCで保存していた10.2秒の動画だけ貼っておきます。







akane380 at 00:17|PermalinkComments(4)│ │V-MAX1200エンジン製作 

2020年03月04日

V-MAX1200 リトライ

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先月末にセントラルサーキットで開催されるドラッグレースイベントのドラフェスに参加する為に新たな計測装置のドラッギーを導入してスタートの練習を行ったV-MAX1200 ゼロヨン 9秒入りチャレンジですが、結果的にイベント当日の天気が雨予報との事で、イベントの2日前に2週間後の3月7日に延期が発表されたのですが、お陰で当日はイベント日が重なっていた筑波で開催されたAttack を観に行く事が出来たりで、主催者である長尾さんの早期判断は本当に助かりました^^
そしてもう一つ助かった事が有ったのですが、

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前回の練習時に最後の走行から2本目辺りからリアのタイヤ温度を測る際に近付くと、エンジンのリアバンク付近から排気音やエンジンのメカノイズの中に混じってほんの少しだけ微かに ” シ、シ、シ、シ、シ ” と異音が混ざって聞こえ始めて、バルブ周りに何か起こり始めたな・・・と察しつつ、まだ「シ」の段階だしそこまでのトラブルじゃないな。と、これが「チ、チ、チ、チ」や「タタタタ」の大きな音に変わると不味いけど、とりあえず2日後の夜に出発するので時間も無いし、今回はこのまま行って、戻って来てからエンジンを開けようと考えていたのですが、急遽イベントが延期になった事で時間が出来たため、直ぐに車両をオーナーに持ってきていただいてエンジンを開けてチェックをしてみると・・・

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自分の12Rでも散々悩まされたバルブコッター飛びの症状が又しても・・・。
で、自分の12Rの時にはバルブスプリングの変形と荷重を合わせる為の策が原因だったと判明したのですが、今回は何故・・・とリテーナーを確認してみると、

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お高いチタンリテーナーが無残に割れていて流石に自分の12Rでもこの症例は無いな。。。と。

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そして破損したリテーナーを観察してみると、本来凹に収まっているシムが‖Δ鉾瑤喀个靴銅个瓩砲覆辰燭箸海蹐鬟ムに押されて無理やり押し込まれた反動でリテーナーを割って、その反動で側に弾かれた所を再度カムが下りてきて押され、何度か打ち付けられたタイミングで運よく凹内に収まり、の欠け部分は,侶腓韻診吠劼リフター内から脱落する際に隙間に挟まって強い力が掛かった為に欠けた物と推測。
そしてその現象はエンジン始動時のクランキングで発生したと思われるのですが、今回のV-MAX1200では圧縮をかなり上げている事と、バルブスプリングを強化している事、そして元々セルモーターが弱い事が重なってセルの周りが悪く、バッテリーを2個並列で繋いで何とかセルを回している状態なのですが、ちょいちょいクランキング時にスターターギアが逃げてしまいその瞬間にカムのジャーナルがバルブスプリングの反力に負けて逃げてしまうような状態が稀に起こり、そのためにオーナーさんには「壊れるのでセルを回す際にラフに回さないでください」と、エンジンが掛かるまでボタンを押し続けて下さいと何度か注意をしたくらいにエンジン始動に気を遣う仕様なのですが、その勢いよくカムが押し戻ったほんの少しのクリアランスでリフターとシムが撃ち出されて一瞬宙に浮いてシムがズレたのだと思います。

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実際にシリンダー内を内視鏡で確認をしてみるとバルブとピストンの接触は軽度で、セルのクランキング程度のスピードだった事でシムが浮いてリフト量が増えた状態でもバルブが飛び出したシムとの隙間分カム側に飛び出す事でピストンとの接触もソフトになり損傷も最小限に抑えられ、そのタイミングでコッターがズレたものと考えられます。 これがエンジンが回っている高回転時だった場合には一発でバルブが打ち返されて致命傷が残るインパクトを与えていたと考えられますので、とりあえず全開走行時などに起こった事案ではないと判断をして問題無いとみてこのインナーシム+強化スプリングの仕様を継続していく事としました。

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そんなこんなで、今回のV-MAX1200は元々純正がアウターシムなところを海外ブランドの流用でインナーシム化をしているので、修正するとなると海外からの取り寄せとなるのですが、ヘッドガスケットとチタンリテーナーをそれぞれメーカーに発注したところ、チタンリテーナーだけ何とか先日入荷したので早速交換を・・・。

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で、ヘッドガスケットが間に合わなかったのでシリンダーヘッドを剥がさなくても作業出来る方法を・・・と考えて、燃焼室にコンプレッサーからの圧縮空気を送る事でリテーナーを外した際にバルブの脱落を防止する専用の工具が世の中に有る事を思い出して、とりあえずその真似で燃焼室に圧縮空気を送って・・・、

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専用の工具も無いし、治具を作る時間も勿体無いので、仲間に応援に来てもらって人力でバルブスプリングコンプレッサーの先端を押して貰って・・・とマンパワーで何とか無事に交換が完了♪
割れたリテーナーの破片はシリンダーヘッドのオイル溜まりの凹部分に取り残されている状態ですが、アルミのように削れるモノではないので今回はそのまま摘出せずに寝ていてもらいます。
あとは明日マフラーなどを組み付けて、金曜まで時間に余裕を持って仕上げられそうです^^


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ちなみに参考までに、圧縮空気をシリンダーに送ると言ってもプラグホールのネジ径と同じアダプターなんか無いぞ。。。と悩みつつ、以前にヤフオクで実験に使う用に2千円くらいで購入をして、使用一発目でゲージの針が壊れたシリンダーのリークテスターが有ったのを思い出し、それを使って今回圧縮空気を送る事が出来ましたので、自作で治具を作る場合には安価なヤフオク製を流用すると費用が抑えられるかもしれません^^

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そして今回のチェック時に昨年の走行でガスケットが抜けてしまった経緯があるので念のためにシリンダーの締付ボルトをチェックしたところ、前回同様真ん中の4本が緩んでいたので純正のスタッドボルトでは役不足な事も分かりました。
12Rなどだと強化品が売られていて比較的簡単に入手が出来るのですが、V-MAX用は出ていないようでARPなどで制作して貰うしか無いようです。。。

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ついでに分解時にアクセルのワイヤーを留めるステーのコの字部分が折れ掛かっているのを発見して溶接して補強。

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その後、ブラックにセラコートでコーティングをしてステーの対策も完了。

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そして前回手作業で加工をして少し段付きが残っていたインシュレーターの段差も旋盤を使って精度良く修正して、キャブと相談をして若干内径も拡大^^
とりあえずやれる事はやってみました的な感じですが、あとはオーナーさんが残りの0.3秒を詰めて9秒台に入れてくれるか結果は如何に・・・という事で、今年一発目のチャレンジ行ってきます♪



akane380 at 04:33|PermalinkComments(0)│ │V-MAX1200エンジン製作