2021年02月25日

2021年02月25日

V-MAX1200 9秒チャレンジ再び

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昨年末に福島県で行われた2輪のドラッグレースイベントのJD-STERに参戦した際にカムシャフトの破損が見つかったV-MAX1200ですが、

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折れてしまったカムシャフトの破断面で傷が付いてしまったカムホルダー部分をナプレックさんにお願いをしてラインボーリングにて修正を行って頂き、無事に復活しました♪
このヘッドを一から作り直すとなるとコスト的にも作業的にも結構大変なので、ラインボーリングで対応出来てホッと一安心しました。

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そして今回からバルブスプリングは純正に戻しての挑戦という事で、前回分解時に何ヶ所かコッターが飛び掛かっていた箇所があったので少しリスキーですが、これでカムの破断が収まればと思います。

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そして時間の関係でバタバタと作業を行っていたらこんな画像しか撮っていなかったのですが、今回のエンジンの修正時に以前に若干下げた分のパワーを元に戻すべく、フロントバンクのシリンダーヘッドを新規で制作し直しました^^

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変な写真ですみません。
新規で作り直したのは画像奥のこちらのヘッドになります。

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そしてバルブの開口面積的にもう少し入らないかな?と、お祈り程度にポートの容積を実験的に今までよりほんの少しだけ拡大。

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そして組み上げ後にいつもシャーシダイナモでお世話になっているシュアショットさんに持ち込んでカムホルダーの軽い慣らしと最終調整を兼ねて回してみますが、このV-MAXを一番初めに制作した際に記録した後輪出力が162馬力で、前回の若干パワーを抑えた仕様時が後輪出力144馬力前後だったので、当然初期の162馬力越えを狙いますが、いざ回してみると140馬力前半しか出ていない・・・。

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いくらセッティングが合っていないからといって一発目からそんなに低い事ってある?と内心凹みましたが、どうやらこのウオタニという点火モジュールの設定次第でかなり特性に変化が現れる事が判明。
しかも点火マップがどうなっているのか内容が分からないので条件を変えながら各ジェットのサイズを変えてシャシ台のグラフがどう変化するかを何度も何度も仕様を変えて深夜まで・・・。
毎回長時間、深夜までシャシ台を貸していただけるシュアショットさんには感謝しかありません^^:

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そしてこちらのグラフはセッティングを煮詰めて後半の変化の様子ですが、

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上から下に向かって回を重ねてジェッティングを変えて点火マップを変えて走る度にパワーも上がって行き、あと一歩で160馬力目前という158.76馬力を境に垂れるというw
ただシャーシダイナモ室の室内温度が上がって吸気温度が上がってしまった事や、FCRキャブレターのボディ自体が熱を持ってしまって燃料温度などもかなり上がってしまったので158馬力でも仕方が無いのかなと。

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という事で当日の最大値158.76馬力(赤線)と最小値142.01馬力(青線)のグラフですが、トップエンドのパワーを求めるとVブースト機構を撤廃している関係で中間にドカンと谷が出来てしまうのですが、手持ちのジェットニードルでは対応しきれず、ここをフラットなパワーカーブに持っていけたらもう少し面白くなりそうなのでここはまた次の機会に。

また以前にこのV-MAXの記事で162馬力から144馬力にパワーを落とした際の記事で、何で純正カタログスペックで145馬力なのに排気量を上げて純正以下のパワーになってるの?と質問をされたのですが、それは計測方法の違いによって得られる出力が異なるからなのですが、カタログスペックはエンジン単体を計測機に繋げて馬力を測定されており、駆動系などで損失する分は考えられておりません。
対してシャーシダイナモではエンジンから出力された力が駆動系を通じてホイールを回す際に発生する抵抗やタイヤの摩擦抵抗などで出力した力の何割かが失われてしまいます。
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特にV-MAXのようなシャフトドライブ機構を持った車両の場合はエンジン側のミドルギアと後輪のデフの抵抗で30%ほど失うという話で、実際に145馬力のV-MAX1200をパワーチェックした際に得られる数値はネットを徘徊したところ平均100馬力前後が多かったようです。(100馬力 ÷ 損失補正0.7=143馬力となりカタログスペック145馬力とほぼ同じ)
なので前回の144馬力をシャフトドライブの損失補正30%として計算した場合にカタログスペックで数値化すると144馬力 ÷ 損失補正0.7=205馬力となります。
今回フルパワー化した後輪出力158馬力の場合には損失補正後は225馬力となります。
ターボもNOSも使用していないNAのV-MAX1200で225馬力とか言われても嘘くさいですよねw
実際、シャーシダイナモの数値を損失係数を変えて誤魔化しているようなモノや自称〇00馬力!なんて事も幾らでも出来ますので。

ヤングマシンさん参照データ+V-MAX
ただシャーシダイナモは仕様やセッティングの違いなどを評価し比較検討する機械ですので、今回のV-MAX1200に於いてはシャシ台上でいくら馬力が出ても意味がありません。
ですが、レースのタイムは誤魔化す事が出来ませんので、この馬力が嘘か本当かはタイムを出してこのランキングのトップを抜き去って立証して頂く必要がある!という事で、今週末のセントラルでオーナーさんには怖いなどと言わず死ぬ気で頑張って全開にしていただきたいと思います^^

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今回の計測で前回のフルパワー162馬力まで3馬力足りなかった分をいま思い出しました。
月曜日に伺った牧場に3馬力居たのを忘れて置いて来ちゃったみたいです・・・。


akane380 at 03:25|PermalinkComments(6)│ │V-MAX1200エンジン製作