2023年03月
2023年03月20日
TMR-MJNキャブレターの不良率

TMRキャブレターに関しては以前からメーカーに修理に出しても不調が治らないという話を聞いていて”ナゼ?”と興味が在りつつも、肝心な非分解部分のOリングやVシールが非売品扱いとされ本格的な分解などが出来なかった為に敬遠していましたが、昨年から色々なご縁が重なって当方でも非分解部分やVシールなどを交換できる体制が整ってやっと気になっていたTMRの謎を究明し始めた所で、TMRキャブレターのオーバーホール作業を行うようになって色々な事が解かって参りました。

まず一番初めに感じた事は、ヨシムラTMR-MJNキャブレターのご依頼が圧倒的に多いという事。
それだけヨシムラTMR-MJNキャブレターが売れているからかな?と思って試しに「tmrキャブレター」で画像検索をすると通常のTMRキャブレターとヨシムラTMR-MJNキャブレターの比率は4:6程度で若干ヨシムラTMR-MJNキャブレターの方がユーザー数が多いかな?というレベルです。

でも絶不調で入庫してくるTMRキャブレターの比率は9:1で圧倒的にヨシムラTMR-MJNキャブレターが多い。
それは何でなのか・・・?という話ですが、ある程度感覚的にこれが問題なんじゃないかな?という部分は有るものの、それを裏付ける確証を得ていませんので今回は別の部分に注目をして、

こちらはヨシムラTMR-MJNから取り外した非分解部分のブロックですが、画像左から二番目のブロックだけ他の気筒と比較して煤汚れが酷く、明らかに他の気筒とセッティングがズレている事が解かります。
これは何故かと言いますと・・・

非分解部分のブロックに組まれているメインエアジェットの通路をシールしているOリングが切れてこの気筒だけリークしてしまっているからでして、

オーナーさんにお話を伺ったところ、新品で購入してから一度もオーバーホールは行っていないとの事ですので、メーカーでの製造時に雑な片締めなどをして、キャブレターボディとの間に挟まれたOリングを噛み切ってしまった言わば不良品だった可能性があります。
昨年絶不調なTMRキャブレターを募集して50機ほどオーバーホールをさせて頂きましたが、その際に今回と同じようにこの非分解部分のOリングが組み付けミスによって噛み切れている個体が3機ありました。
そして今回また同様な症状が見られる訳ですが、その全ての個体はヨシムラTMR-MJNで、昨年は絶不調なTMRキャブレターを集めたので少し偏りがあるのも事実ですが、それでも55機中4機が不良品と言う事で、うちで判明した個数のみで言えば不良率7%と精密部品とは思えぬ数値に。。。
ちなみに仮にこの組み付け不良を見つけた場合にメーカー(ヨシムラ)ではどう対応をしてくれるのでしょうか。
先ず前提としてこの非分解部分を分解した個体は保証やオーバーホールの対象外らしく、分解をした時点で悪い場所が有ろうが対象外と言われてしまう可能性が。
では分解した事を隠してそっと組み直した状態でメーカーに修理を依頼した際にメーカー側から製品不良でしたと正直に言って貰えるでしょうか?
昨年ヨシムラに誠意のない対応を取られて直接ヨシムラに伺って話をしてきた自分としては正直に非を認めるとは思えません。
合わせて最低な事にメーカーでは交換をした消耗部品の返却はいたしません。と後々こちらから異常が有った事を訴える為の証拠は残さない渡さないスタンスです。
改めてTMRキャブレターのオーバーホールをメーカーでしか行えないようにしている理由をじっくりと考える必要があるよね!って、コンビニのおねーさんが言ってました。
とりあえず調子がイマイチなんだよなぁ・・と不安を抱えているTMRのオーナー様はスロットルをパカッと開けて異常燃焼が無いかをチェックしてみては如何でしょうか。

ちなみにこのように全気筒が満遍なく酷く煤汚れている場合は単なるセッティング不良ですので安心?してください。
2023年03月13日
TMRキャブレターのFULLオーバーホール
現状他の作業で手一杯なのでまだ正式なアナウンスはしていないのですが、ありがたい事にそれでも毎月数機だけTMRキャブレターのオーバーホール作業のご依頼を頂いておりまして、今回は簡単な作業内容を紹介していきます。

今回ご依頼頂いたの”は” ではなく、今回”も”ヨシムラTMR-MJNキャブレターのご依頼ですが、こちらのTMRキャブレターはレースで使用しているらしく、アイドリングや極低開度域の不調を訴えてレースシーズン入りに向けた調整も兼ねての入庫となりました。

で、早速分解チェックですが、今回の個体はうちにご依頼を頂く前に不調を直そうと一度オーバーホール作業を行っているとの事で、こちらでは連結などを分解しないと交換が行えない部分のOリングなどを交換させて頂き、汚れている部分の洗浄を行わせて頂く事に。
で、このヨシムラTMR-MJNキャブレターのオーバーホール作業時の洗浄に関してですが、

一般的なミクニTMRのこのホワイトボディの場合には通常通りの薬品を使用した徹底洗浄が行えるのですが、

ヨシムラTMR-MJNキャブレターに関しては、普段使用している洗浄液を使用するとキャブレターサイドに貼ってあるヨシムラのコーションプレートのインクが剥げてしまったり・・・、

ワイヤーステーの塗装が剥げてしまうので、基本的にしっかりとした洗浄が行えません。。。
FCRキャブレターの場合には汚れがキツイ場合にはウェットブラストなども併用しますが、アルマイト処理がなされているヨシムラTMR-MJNには当然不可で、汚れを落とす事を優先させていただけない場合には見た目を守る為に酷い汚れなどは落としきれない事も・・・。

そして洗浄が終わって、全ての部品の組み付け準備が整った状態ですが、

とりあえず磨ける物は磨いて、ボルト類などはFCRキャブレター同様、セラコート処理を行って錆びにくく見た目も綺麗な状態に仕上げてあります。

そして組み付けですが、交換が必要なOリング類は全てメーカー純正品を使用して、Vシールなども全て必要な部品は新品に交換をします。

TMRキャブレターはFCRキャブレターと違って組み付け時に計測や調整を行いながら黙々と組んでいくので、組み付け中のイメージ画像を撮り忘れてしまいましたが、とりあえずTMR-MJNキャブレターのFULLオーバーホール作業の完成です。

キャブレターの返却後に車体に装着をして始動確認を行なって頂いたところ、問題となっていたアイドリングなどの不具合も姿を消して解消されたとの事で無事に作業終了です^^
次回はTMR-MJNキャブレターのネガティブな話を書こうと思います。

今回ご依頼頂いたの”は” ではなく、今回”も”ヨシムラTMR-MJNキャブレターのご依頼ですが、こちらのTMRキャブレターはレースで使用しているらしく、アイドリングや極低開度域の不調を訴えてレースシーズン入りに向けた調整も兼ねての入庫となりました。

で、早速分解チェックですが、今回の個体はうちにご依頼を頂く前に不調を直そうと一度オーバーホール作業を行っているとの事で、こちらでは連結などを分解しないと交換が行えない部分のOリングなどを交換させて頂き、汚れている部分の洗浄を行わせて頂く事に。
で、このヨシムラTMR-MJNキャブレターのオーバーホール作業時の洗浄に関してですが、

一般的なミクニTMRのこのホワイトボディの場合には通常通りの薬品を使用した徹底洗浄が行えるのですが、

ヨシムラTMR-MJNキャブレターに関しては、普段使用している洗浄液を使用するとキャブレターサイドに貼ってあるヨシムラのコーションプレートのインクが剥げてしまったり・・・、

ワイヤーステーの塗装が剥げてしまうので、基本的にしっかりとした洗浄が行えません。。。
FCRキャブレターの場合には汚れがキツイ場合にはウェットブラストなども併用しますが、アルマイト処理がなされているヨシムラTMR-MJNには当然不可で、汚れを落とす事を優先させていただけない場合には見た目を守る為に酷い汚れなどは落としきれない事も・・・。

そして洗浄が終わって、全ての部品の組み付け準備が整った状態ですが、

とりあえず磨ける物は磨いて、ボルト類などはFCRキャブレター同様、セラコート処理を行って錆びにくく見た目も綺麗な状態に仕上げてあります。

そして組み付けですが、交換が必要なOリング類は全てメーカー純正品を使用して、Vシールなども全て必要な部品は新品に交換をします。

TMRキャブレターはFCRキャブレターと違って組み付け時に計測や調整を行いながら黙々と組んでいくので、組み付け中のイメージ画像を撮り忘れてしまいましたが、とりあえずTMR-MJNキャブレターのFULLオーバーホール作業の完成です。

キャブレターの返却後に車体に装着をして始動確認を行なって頂いたところ、問題となっていたアイドリングなどの不具合も姿を消して解消されたとの事で無事に作業終了です^^
次回はTMR-MJNキャブレターのネガティブな話を書こうと思います。
2023年03月07日
どざえもん

ありがたい事にここ数年常に作業に追われてアップアップな日々を過ごさせて頂いておりますが、

セラコート処理もバイクや車関係にとどまらず色々な方面からもご依頼を頂くようになりまして、

完全にオーバーワークな状況が続いておりまして、作業に溺れて体力的に溺死寸前です^^:
今年は正月明けの2日に朝方まで作業をして、寒いし眠いし腹減ったしで帰りにコンビニに寄って弁当を買って家で食べていた時に、気が付いたら弁当に顔を突っ込んで寝ていて少し作業量を減らそうかなと考えまして、

そんな考えも有ったりで全体的な作業ペースが遅くなっているのですが、納期が遅れて焦って作業をして下手な物を納品してしまうような負のスパイラルにだけは嵌りたくないので、予定よりも時間が掛かってしまっても仕上がり優先で作業を進めさせて頂いておりますので、今後もし納期に遅れてしまうような作業が発生してしまった折には何卒ご理解の程宜しくお願い致します^^: