2024年05月11日

2024年05月11日

TMRキャブを扱うメーカーの技術力

自分は中学を出て直ぐに飛び込みで近所のバイク屋にアルバイトとして業界に入ってから今まで30年ほど修業を続けているのですが、SBR_8007
その修業人生の中で20代の前半まではもう辞めようかと考える事がよく有ったのですが、そんな心が折れそうになった時に心の支えとなってくれたのが1995年の17の頃に上野のバイク街に行った際に見つけて購入したPOP吉村の伝説というヨシムラ創業者である吉村秀雄さんの半生を紹介した本で、この本が発売された数か月後に吉村さんがこの世を去ってしまったので、その人となりが知りたくて空いた時間に少しずつ読み進めて ” こんなに苦労をしてきたのか・・・。 ” と、まだまだ自分は甘いと気合いを入れ直し、その後4輪の世界で修業をするようになった頃に出逢った本田宗一郎伝を読んでやっぱり自分はまだまだ甘い!とやって来た訳ですが、

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そんな修業時代に使っていたスクラップブックの表紙にはヨシムラのステッカーを貼って、

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見開きの裏側には明治38年12月21日に連合艦隊司令長官の東郷平八郎さんが連合艦隊の解散式で読み上げた「聯合艦隊解散之辞」の最後の一節を吉村さんが書したものをプリントして貼り付けて、追い込まれて心が折れそうな時にこの一節を心の中で読んで気合いを入れ直して耐えた事が何度もあるくらい、自分の中で吉村秀雄さんは本田宗一郎さんに並んで精進する上で心の支え的な崇拝する存在であり、それは今でも変わらないという事を前提に今回の記事を書いております。


半年ほど前になりますが、一件のコメントを頂きまして、SBR_コメント
コメントの内容は、TMRキャブレターによくある「アイドリングが不調になったTMRキャブレターのオーバーホール作業をメーカーに依頼して戻ってきたら不調が改善されていなかった」ではなく、「アイドリングが不調になったTMR-MJNキャブレターのオーバーホール作業をメーカーに依頼して戻ってきたら不調が更に悪化していた」という内容で、その後メールにてやり取りをさせて頂き、当該のTMR-MJNキャブレターのオーバーホール作業をウチの方に改めてご依頼頂ける事になったのですが、

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TMR-MJNキャブレターがガレージに到着し、今回はどんなミスをメーカー ” Y ” が犯したのかと興味津々にワクワクしながらオーバーホール作業を開始したのですが、今回も期待を裏切らない仕上がりで、こんなレベルの人間がキャブレターを扱う位にあのメーカーは人手に困っているのか・・・と、噂に聞くアルバイトがマニュアル片手にオーバーホール作業を行っている説もあながち冗談ではないのではないか・・と頷ける仕上がりの作業レベルに驚きましたが、

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まずはオーナー様がメーカーにオーバーホールを出して戻ってきたら不調が悪化していたという原因部分がこちらですが、

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普通に考えてこの接着剤の使い方はプロはしませんよね・・・。
このボンドの使い方を見て一瞬、オーナー様自らが分解した可能性も脳裏に過ったのですが、この部分のOリングは一般の人は入手が出来ませんので普通であればリスクを冒して一度剥がす事はしないだろうという事と、何と言っても、このメーカーの組み付けミスの特徴である真ん中の丸いOリング形状がクイっと引っ張られたような形で変形しているのは紛れもなくメーカーの作業者しか出来ない技で、

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自分も同じミスを犯さないように何故あのような変な組み付け方が起こるのかを一度試しに再現をしようとしたのですが、余程変な組み方をしているのか?こちらではあの変形させる組み付けを再現する事は出来ませんでした。
なので、メーカーでは何らかの治具を使ってジェットブロックを組み付けているのでは無いかと考えていますが、そのような状況判断からしても、この組み付けを行ったのはメーカーで間違いは無いだろうと考えておりますが、こんな仕事をするほど落ちぶれているなんて正直悲しいですね。

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ちなみに今までに、数十機ほどメーカーにオーバーホールを依頼したのに不調が改善されていないというTMR-MJNキャブレターのオーバーホール作業を行わせて頂きましたが、毎回不思議なのがちゃんとOリング類を換えているのか?という点でして、O/h直後の個体なのにOリングが劣化していて何故?と思う事が多々あるのですが、交換した部品を返却しない隠蔽体質なメーカーの作業姿勢には不信感しかありません。

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ちなみに新品のVシール自体にも注意点が必要でして、

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これらを単純に新品に交換しても不調が改善されない事が多々ありますので、TMRに関しては個々の調整が必要になってきます。


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そしてOリング類を新品にて組み直しを行わせて頂きまして、組み付け後のチェックを行って納品ですが、始動チェックの結果、問題無く作動し不調も改善されたようで一件落着となりました^^
今回ご依頼を頂いたTMR-MJNキャブレターのメーカーでの仕上がりは完全に素人作業な仕上がりで、今回の物は特に酷かったのですが、基本的には毎回同じような作業で不調が改善されていない場合が多く、作業レベル的に今のメーカーには熟練工のような技術者が不在なのか?と考えていますが、ここ最近ニュースなどでも大手メーカーの不正だの改ざんだののニュースなどもよく流れていますが、技術大国日本も終焉なのでしょうかねぇ。。。
古き良き時代、本田宗一郎伝とPOP吉村の伝説この2冊は今でもAmazonなどで中古で安く入手出来ますのでお勧めです。




akane380 at 06:12|PermalinkComments(2)│ │TMRキャブレター関係