2024年05月

2024年05月25日

NOSリフィル料金改定のお知らせ

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NOSのリフィル(充填)サービスを行い始めてから、かれこれ10年以上経つのですが、今まで一度も値上げを行わずにおりまして、

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その間に何度も仕入れコストが上昇し、今では当初の5割増し程度になっておりまして、そんなに大量に出るものでもないし多少の赤字ならまぁ良いか。と、限られた場所でしか提供していないサービスで、レースに出る為にこれが無いと困る人も居るので必要な人達でシェアしましょう程度に値上げをせず適当に据置きのままサービス感覚でやっていたのですが、ここ最近の値上げが影響してか? 4輪関係でNOSのリフィルを行っていたショップさんが連続して何件かリフィルを辞めてしまったようで、4輪で使用する10lbや15lbなどの大瓶でのご依頼数が急に増えてしまい、ハイペースで出れば出ただけ赤字が膨らむのでこのままでは流石にやる意味が無いな。。。ということで今回初めて値上げをさせて頂く事になりました。
新しい料金は流石に5割増しとまでは行きませんが、現在の2400円から昨年段階的に値上げされた25%分を加算した1lb=税抜き3,000円とさせて頂き、2024年6月1日より適用となりますのでご依頼の際には宜しくお願いいたします。





2024年05月17日

テイスト・オブ・ツクバ

先日コーイチさんからテイストのチケットを頂いたので、久しぶりに筑波サーキットで開催されたテイスト・オブ・ツクバを観戦してコーイチさんの応援をしてきたのですが、
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思い返してみれば、2年前くらいにコーイチさんの新しいフレーム製作のお手伝いをしてから一度も行けていなかったので、今回2シーズン振りくらいでしたが、

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相変わらずテイストは大人の運動会状態で観客もエントラントも皆さん凄い熱気でした^^

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ちなみにフレームの方も走りに悪影響のあるような問題は無さそうで予選で58秒台を出して6番手・・・、58秒台を出しても6番手ってのがまた凄い話ですが、

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久しぶりにテイストを観に来たらイエローコーンさんがオリジナルフレームに現行のZX10Rのエンジンを積んだモンスターマシンを2台持ち込みエントリーしているようで、

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画像の先頭からオリジナルフレームに隼のエンジンを積んだ隼仕様のマシン、オリジナルフレームに新型のZX10Rのエンジンを積んだZ1000仕様のマシン、H2R、先のイエローコーンのオリジナル車両の2台の計5台がそれぞれプロのライダーによるライディングにてバックストレートではぶっちぎりの速度差で駆け抜け、ぶっちゃけイジリ倒して180馬力前後の車両でワイワイガヤガヤやっていたところに純正200馬力超えのエンジンを積んだプロの上位ライダーが参戦してきたら勝負になりませんよね。
で、嫌なら見なきゃいいじゃん!を実践して観に行くのを止めて足が遠のいていたのを現地に行って思い出しましたw
個々が造ったオリジナルフレームに最新のハイパワーなエンジンを積んでプロのレーサーがライディングする様はレース内容的には凄く面白いのですが、なんか以前まで愛車をイジって入賞圏内を目指して切磋琢磨走っていた古参の人達が全員無理ゲー状態になってしまっている様を見るのも気が引けてしまってなんか・・・ね、と。
レースなので一台でも飛び抜けたハイパワー車が入ってきてしまうとレギュレーション内で勝つための手段は選ばないのは当然で、その相乗効果で全体のレベルが上がっていくのが普通で甘ったるい自分の考え方がいけないのは分かってはいるのですが、混走のままベースとなる純正エンジンの馬力を190馬力とかを境にクラス分けとかすれば良いのにと。。。

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ただ、本戦が始まって前5台の後を追うコーイチさんとの間に割って入ってきたCB1100Rが居まして、カッコ良いけどこれも現行のエンジンを搭載した専用マシンか?とその場で画像を確認してみると、

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なんと、空冷の純正エンジンペースの車両で、この車両でよくあのトップグループに食いついて行くな・・・なんて思ってみたら、

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このマシンを操っていたのはMotoGPやホンダのワークスライダーを務めていた宇川徹さんだったようで、滅茶苦茶ガチプロやないかいっwと。
ただ、マシンに優位性は無いので、絶版車をフルに使い切っての熱い走りはテイストらしくて見応えがあって非常に格好良かったですし、あれだけパワーを出しつつ長時間の酷使に耐えられるエンジンを作った方の腕前も結構なものだなと。そうゆう昔ながらのチューニング的な要素を楽しむのが個人的なテイストらしさだったもので、なんか最近の新型エンジンスワップにネガティブな感情を抱いてしまってすみません。
そしてコーイチさんは本戦の途中で補器類のトラブルによって戦線離脱しDNFで終了。

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それにしてもトップグループを走るプロの方達は本当に凄い走りで迫力があり、それなりのリスクを背負ってギリギリの走りをしているのが凄く伝わってくるのですが、このファイナルラップで先頭に躍り出たZ1000のライダーさんだけは一人だけ背負ってるリスクが違う走りで、この狭い筑波サーキットで前後輪をハーフスライドさせながらコーナーを駆け抜けていく様は見ていてドキドキで、純粋にレースとして観た時にはかなり楽しいイベントですので、これからもっと盛り上がる事間違いなしでしょうね^^




akane380 at 03:35|PermalinkComments(0)│ │イベント観戦 

2024年05月11日

TMRキャブを扱うメーカーの技術力

自分は中学を出て直ぐに飛び込みで近所のバイク屋にアルバイトとして業界に入ってから今まで30年ほど修業を続けているのですが、SBR_8007
その修業人生の中で20代の前半まではもう辞めようかと考える事がよく有ったのですが、そんな心が折れそうになった時に心の支えとなってくれたのが1995年の17の頃に上野のバイク街に行った際に見つけて購入したPOP吉村の伝説というヨシムラ創業者である吉村秀雄さんの半生を紹介した本で、この本が発売された数か月後に吉村さんがこの世を去ってしまったので、その人となりが知りたくて空いた時間に少しずつ読み進めて ” こんなに苦労をしてきたのか・・・。 ” と、まだまだ自分は甘いと気合いを入れ直し、その後4輪の世界で修業をするようになった頃に出逢った本田宗一郎伝を読んでやっぱり自分はまだまだ甘い!とやって来た訳ですが、

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そんな修業時代に使っていたスクラップブックの表紙にはヨシムラのステッカーを貼って、

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見開きの裏側には明治38年12月21日に連合艦隊司令長官の東郷平八郎さんが連合艦隊の解散式で読み上げた「聯合艦隊解散之辞」の最後の一節を吉村さんが書したものをプリントして貼り付けて、追い込まれて心が折れそうな時にこの一節を心の中で読んで気合いを入れ直して耐えた事が何度もあるくらい、自分の中で吉村秀雄さんは本田宗一郎さんに並んで精進する上で心の支え的な崇拝する存在であり、それは今でも変わらないという事を前提に今回の記事を書いております。


半年ほど前になりますが、一件のコメントを頂きまして、SBR_コメント
コメントの内容は、TMRキャブレターによくある「アイドリングが不調になったTMRキャブレターのオーバーホール作業をメーカーに依頼して戻ってきたら不調が改善されていなかった」ではなく、「アイドリングが不調になったTMR-MJNキャブレターのオーバーホール作業をメーカーに依頼して戻ってきたら不調が更に悪化していた」という内容で、その後メールにてやり取りをさせて頂き、当該のTMR-MJNキャブレターのオーバーホール作業をウチの方に改めてご依頼頂ける事になったのですが、

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TMR-MJNキャブレターがガレージに到着し、今回はどんなミスをメーカー ” Y ” が犯したのかと興味津々にワクワクしながらオーバーホール作業を開始したのですが、今回も期待を裏切らない仕上がりで、こんなレベルの人間がキャブレターを扱う位にあのメーカーは人手に困っているのか・・・と、噂に聞くアルバイトがマニュアル片手にオーバーホール作業を行っている説もあながち冗談ではないのではないか・・と頷ける仕上がりの作業レベルに驚きましたが、

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まずはオーナー様がメーカーにオーバーホールを出して戻ってきたら不調が悪化していたという原因部分がこちらですが、

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普通に考えてこの接着剤の使い方はプロはしませんよね・・・。
このボンドの使い方を見て一瞬、オーナー様自らが分解した可能性も脳裏に過ったのですが、この部分のOリングは一般の人は入手が出来ませんので普通であればリスクを冒して一度剥がす事はしないだろうという事と、何と言っても、このメーカーの組み付けミスの特徴である真ん中の丸いOリング形状がクイっと引っ張られたような形で変形しているのは紛れもなくメーカーの作業者しか出来ない技で、

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自分も同じミスを犯さないように何故あのような変な組み付け方が起こるのかを一度試しに再現をしようとしたのですが、余程変な組み方をしているのか?こちらではあの変形させる組み付けを再現する事は出来ませんでした。
なので、メーカーでは何らかの治具を使ってジェットブロックを組み付けているのでは無いかと考えていますが、そのような状況判断からしても、この組み付けを行ったのはメーカーで間違いは無いだろうと考えておりますが、こんな仕事をするほど落ちぶれているなんて正直悲しいですね。

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ちなみに今までに、数十機ほどメーカーにオーバーホールを依頼したのに不調が改善されていないというTMR-MJNキャブレターのオーバーホール作業を行わせて頂きましたが、毎回不思議なのがちゃんとOリング類を換えているのか?という点でして、O/h直後の個体なのにOリングが劣化していて何故?と思う事が多々あるのですが、交換した部品を返却しない隠蔽体質なメーカーの作業姿勢には不信感しかありません。

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ちなみに新品のVシール自体にも注意点が必要でして、

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これらを単純に新品に交換しても不調が改善されない事が多々ありますので、TMRに関しては個々の調整が必要になってきます。


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そしてOリング類を新品にて組み直しを行わせて頂きまして、組み付け後のチェックを行って納品ですが、始動チェックの結果、問題無く作動し不調も改善されたようで一件落着となりました^^
今回ご依頼を頂いたTMR-MJNキャブレターのメーカーでの仕上がりは完全に素人作業な仕上がりで、今回の物は特に酷かったのですが、基本的には毎回同じような作業で不調が改善されていない場合が多く、作業レベル的に今のメーカーには熟練工のような技術者が不在なのか?と考えていますが、ここ最近ニュースなどでも大手メーカーの不正だの改ざんだののニュースなどもよく流れていますが、技術大国日本も終焉なのでしょうかねぇ。。。
古き良き時代、本田宗一郎伝とPOP吉村の伝説この2冊は今でもAmazonなどで中古で安く入手出来ますのでお勧めです。




akane380 at 06:12|PermalinkComments(6)│ │TMRキャブレター関係 

2024年05月02日

新品のTMR-MJNのオーバーホール作業

TMRキャブレターのフルオーバーホール作業を始めてからお陰様で数多くのご相談とご依頼を頂くようになりましたが、そんなTMRキャブレターのご相談でチョイチョイ頂くのが、「新品で購入したのに取り付け時からアイドリングが不調で困っている」という内容のお問い合わせでして、その全てがヨシムラTMR-MJNキャブレターということで、いくつかの事例をご紹介したいと思います。
※今回の記事に関してミクニのTMRキャブレターとヨシムラのTMR-MJNキャブレターは別物として書いていますのでご注意ください。

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昨年同時期に画像の2機の新品のTMR-MJNがガレージに揃いまして、内容としてはご購入いただいたオーナー様はお二人とも新品で購入して車体に取り付けたものの、アイドリングが上がったり下がったりを繰り返すTMR-MJN特有の2次エアのリーク症状を発症してしまい、メーカーYに送り付けたらしいのですが、メーカーYから戻ってきたキャブレターの症状は相変らず不調のままで、一人のオーナー様は返品を要求したらしいのですが、一度使用したという理由で返品は断られ、お二人ともまともに機能するようにして欲しいと要求したそうなのですが、一度分解チェックをして部品を交換したのでこれで直らないなら知らないと突っ返されたというぶっ飛んだお話に笑ってしまいましたが、相変わらずTMR-MJNはメーカー共々ポンコツなようです。

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結果的に両機共にうちで分解調整を行わせて頂いた結果、問題無く使用出来るようになって喜んでいただけたのですが、

今回入庫した新品のTMR-MJNキャブレターが不調な件は決してレアケースではなく、
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先日も同様に不調をきたしているピカピカな新品のTMR-MJNキャブレターのオーバーホール作業が入庫してきましたが、今まではTMR-MJNキャブレターのフルオーバーホール作業はメーカーしか行えなかったのでこの様なネガティブな話は表沙汰にならなかっただけで、実際には結構な数のTMR-MJNオーナー様が初期不良や二次エアによるアイドリング不良などの問題に悩まれているものと思われます。
なのでこれからはユーザーを馬鹿にしたような話ばかりが聞こえてくるTMR-MJNキャブレターのネガティブなネタを定期的に出して問題提起をして行こうと思います。

ちなみにこの問題はエンドユーザーだけの問題ではなく、
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こちらの画像の新品のTMR-MJNも新品でありながら不調を抱えており、オーナー様はショップ様にて購入〜取り付けを行って頂いたようで、その後セットアップ作業を進める中で不調が発覚し、ショップ様が分解チェックを行ってみたものの不調は直らず、ネットで検索をしてうちがヒットし、メーカーは信用出来ないと今回お問い合わせを頂き作業を行わせて頂く流れとなりましたが、製品自体がしっかりしていれば発生しなかった二次作業をショップ様が負担するケースもあり、ショップ様がお客さんに勧めてTMR-MJNを扱う場合には現時点ではそれなりにリスクを伴う物と考えておいた方が良いかもしれませんね。
そしてこちらのTMR-MJNもうちでオーバーホール作業というより分解組み直し作業を行わせていただいた結果、不調が改善されて一件落着となりましたが、これらのTMR-MJNに起こっている問題が何か?は、正直ここに書いてもメーカーしか利を得ない事ですので伏せるとして、メーカーでオーバーホール作業を行って不調に陥るケースではどの様な事が起きているのか? 、その一例を次回ご紹介したいと思います。
ちなみにTMRキャブレターはオーナー様の使い方が悪くて不調を招くケースもありますので、その辺の注意点も順を追ってご紹介していきたいと思います。




akane380 at 02:22|PermalinkComments(4)│ │TMRキャブレター関係