2024年11月

2024年11月15日

久しぶりのJD-STER

SBR_2689
先日行われた2輪ドラッグのJD-STER最終戦に久しぶりにお邪魔してきました。

SBR_2587
今回の目的はシュアショットさんがインドのロイヤルエンフィールド社より依頼を受けて今年のホットロッドカスタムショー向けに制作したショーバイクをドラッグレーサーとして走らせて、見た目だけでは無く走行性能もしっかりと持たせていることを証明する目的と合わせて、この車両のPV撮影をJD-STERさんのイベント期間中に行うとの事で、会場でのアテンドと走行に関するアドバイスなどレーシングサポートを行わせて頂きました。
※ 車両は来月に横浜で行われるホットロッドカスタムショーで公開するとの事で全容は伏せておきますが、ベースはインドのロイヤルエンフィールド SHOTGUN650という車両で、ベースの排気量は650ccとなります。

SBR_1860
その車両をベースにフレーム、スイングアーム、ホイールなどを新規で制作し、エンジンもS&S社製のストローカークランクなどを使用して850cc近くまでボアを広げるなどの手が加えられた車両で、しっかりとドラスリまで履かせた雰囲気満点なシュアショットさんらしい内容のドラッグコンセプトのショーバイクに仕上げられていました。

SBR_1838
そしてレース前日の練習走行日に出来るだけ走行を重ねて撮影などを進める予定でしたが、走行前からクラッチにトラブル発生で貴重な午前の時間帯は走行出来ずに終了し、当初日帰りの予定でしたがこのままでは無理と判断して明日も居残りが確定。。。

SBR_1820
前日の練習日には初心者の方や初めての方向けにJD-STERを主催する中村さんからバーンナウトのやり方や、

SBR_1823
スタート方法などを丁寧に教えてくれるプチ講習時間がありますので、

SBR_1961
待ち時間にドラッグレース初心者な相川さん達は中村さんから講習を受けてライダーとしての準備は万端に。

SBR_2083
そして午後になってやっとエンジンにも火が入って撮影の開始ですが、カッコ良いバーンナウトのシーンが撮りたいのに新品のドラスリからは煙が出ず、先ずはタイムよりも撮れ高優先という事で煙を出す事を第一目標として考える事に。

SBR_1946
タイヤのエア圧を変えて、ライダーの相川さんにバーンナウトで負荷を掛けるやり方などをレクチャーして、

SBR_2212
何度か失敗を重ねながらもやっとそれっぽい量の煙が出てくれて一同皆一安心^^:
そして練習日はギヤ比が合っておらず、400mを走り切る前に6速が吹け切ってしまい13秒台中盤を連発して終了しましたが、そんな事も有ろうかと別のギア比のセットを用意しておいて貰った筈が、まさかの忘れてきちゃった発言で一転ピンチに。
とりあえず目標は12秒台ですが、ギヤ比を変更しないと後半で吹け切ってしまいこれ以上のタイムアップは望めないので、自分の仲間に観戦ついでにスプロケットを持って来てもらって、何とかレース当日に望みが持てる事になってまた一同一安心。

SBR_2304
そして翌日のレース当日に仲間がスプロケットを持ってきてくれたので早速交換をして、ついに予選が始まり、どんな結果になるのだろうかと緊張の一本目、既に当該クラスの予選が開始されている事を伝えてその走りを撮影するべく先に撮影ポイントで待ち構えるもなかなかやって来ない・・・。
そのまま出走する筈のクラスの走行枠が終わってしまい何かトラブルでも発生か?!とピットに戻ると、まさかの順番に並ぶのが遅れて貴重な一本を逃す痛恨のミスが発生・・・。
今回は前日の練習日と違い確実に走行出来る本数が予選の3本と本戦の1本のみと限られているのでこのミスは自分にとっても撮影班にとっても非常に痛い・・・。

SBR_2421
そして迎えた予選2本目、バーンナウトも綺麗に決まってスタートでフライングこそしたものの、前日よりも多少エンジンに伸びが出て良さ気な走りでタイムはどうだ?と確認をすると、

SBR_2426
何とか12秒台に入ってタイム的な目標はクリアーしてやっと一安心^^
ただ、タイムシートを見ても分かる通り、まだギヤ比が合っていないので後半で吹け切って失速していて、このギア比をしっかりと合わせれば12秒中盤は狙えそうなので、今回はセットが合わせきれず残念でした。

そして予選3本が終了し、本戦の1回戦目、ここで勝てればもう一本走れるチャンスが発生すると挑んだ一発。SBR_2488
スタートもフライングをせずに加速も問題は無かったのですが、やはりギア比が合わず300m付近でトップエンドが吹け切ってしまい、そのままレブりながら失速してゴール。

SBR_2693
トーナメントの結果は1/4mileのタイムではこちらの勝ちでしたが、スタート時のリアクションタイムを含めたトータルタイムでコンマ1秒の差で負けてしまい1回戦敗退。。。
このショーバイクはホットロッドカスタムショーが終わったらロイヤルエンフィールド社に引き渡して終了との事で次回のチャンスは有りませんが、とりあえず一発勝負のような状況でしっかりと結果を残したシュアショットの相川さんは流石ですね^^

SBR_2694
ちなみに今回はゆっくりと会場を歩き回ってレースの方ものんびり観戦したりと色々見てきましたが、

SBR_2703
こちらの現行のGSX1300R隼にはスーパーチャージャーが綺麗にセットされていて、

SBR_2408
こちらのZX14にはターボが組まれていてと、久しぶりに観に行ったら過給機車両が徐々に増えていて、

SBR_2624
その両者の対決などは見応えもあって早く自分も12Rを復活させてここに割り込みたいなぁ・・・なんて思いつつ良い勝負が幾つか見れて面白かったです^^

SBR_2731
今回は久しぶりのJD-STERでしたが、十数年振りに懐かしい方とも再会出来たりとたまには顔を出すのも良い物ですね^^

当日はその他にも様々な車種のエントリーがありましたので、幅広い車種でエントリーして楽しむ事が出来ますよ!と、一部抜粋して会場の雰囲気をアップしておきます。
SBR_1903


SBR_1871


SBR_2531


SBR_2119


SBR_2543


SBR_2428


SBR_2746


SBR_2723


SBR_2338


SBR_2437


SBR_2553


SBR_2652





akane380 at 00:44|PermalinkComments(2)│ │イベント観戦 

2024年11月03日

TMR メインエアジェットからのオーバーフロー

普段からミクニのTMRキャブレターを使用しているオーナー様方から多くのお問い合わせと修理のご依頼を頂いておりますが

SBR_1805
TMRキャブレターってこの汚れ方をしているパターンが凄く多いんですよね。

SBR_1795
この茶色い部分の汚れは全てガソリンに含有されている着色料が付着して蓄積した物で、即ちこれだけガソリンが常に漏れ出ていた形跡となるのですが、FCRキャブレターではあまり見ない症状なので一体この手のTMRキャブレターに何が起こっているのだろうか・・?と、単純にセッティングが濃い状態で乗っているだけではここまで汚れないよな・・・?なんて不思議に思っていました。

コメント2024.9.7
そして少し前にTMRキャブレターの不調で困っているというオーナー様からコメントを頂きまして、その後のやり取りで新品で購入してからずっと不調で、段々と乗る頻度も減って困って色々検索をする中で自分のブログに辿り着いていただけたそうで、今回何とかなればとオーバーホールのご依頼を頂いたのですが、

SBR_3575
いつものような作業だったので分解前の画像は撮っておりませんでしたが、こちらのキャブレターも到着時には先ほどのキャブレターのようにスロットルボア回りが汚れている状態で、全分解からの洗浄〜組み立てと、一連の流れでオーバーホールの作業が完了。

SBR_1422
そして組み付けが終わって最後にオーバーフローのチェックを行う為にガソリンを流して最終チェックを行って見るとその日は問題が無かったのですが、翌朝になって再度確認をしてみるとパイロットエアージェット部分からのオーバーフローが発生しておりまして、

SBR_1423
ドバドバと漏れ出るというよりは、ジワジワと染み出ているような状態で、フロートバルブが微妙に偏摩耗していて燃料が滲み漏れているのかな・・・?と。

SBR_1430
そこでフロートバルブを新品に交換をして再度オーバーフローのチェックを行うも、直ぐには漏れ出ずに12時間以上時間が経った頃に先ほどと同じようにパイロットエアジェット部分から鼻垂れるようにガソリンが滲み出てる・・・。しかも昨日は問題の無かった気筒から。。。

SBR_1425
その後油面を再度チェックをして、組み直しては再度オーバーフローのチェックを行うも、次の日にまたオーバーフローを発症していて、何度かチェックを繰り返すうちに出たり出なかったりで再現性が薄い事に気が付きまして、フロートを各気筒で交換して再現性が有るかを確認してみたりと、直ぐに症状が出てくれないので一つ一つの対策の効果を調べるのに1日待たなくてはいけないので非常に時間が掛かって答えがなかなか見つけられません。。。
しかも今回のオーナー様はバイクで太平洋から日本海まで走るというチャリティーイベントに参加をご希望されていて、出来ればその日までに間に合えば・・・とのお話を頂いていたので時間が無い。。。

SBR_1427
そんな作業を繰り返すうちにある異変に気が付いたのですが、オーバーフローのチェック後にキャブレターを分解する際にフロート内のガソリンをエアブローをして乾かす時に、画僧のようにドレン部分からエアーを当てると・・・、

SBR_1424
メインエアジェット部分からブクブクとガソリンと共にエアーが漏れているのが確認出来まして、

MAJ
TMRキャブレターの断面図で確認をしてみると、確かにニードルジェットホルダー部分とメインエアジェットは穴が繋がっているので本来ならここのメインエアジェット部分からエアーが漏れてもおかしくはないのですが、

SBR_1440
このメインエアジェットはジェットと名が付いていますが、見てのとおり穴が開いておらず、番手は#0のジェットの形をしたメクラ栓なので、本来フロートに吹き付けたエアーがここから漏れ出てくるという事はメクラ栓として機能をしていないという事なのですが、

SBR_1774
このメクラ栓は以前から別の事で気になっていまして、それは画像のように締め込んだ際の飛び出しが各気筒間でバラつく個体がチョイチョイありまして、中にはねじ込む向きがバラついている個体も有ったりで、細かいジェットなので製造時に舐めてしまったのか・・・と心配になる個体も有ったりします。

で、何となく、今回の症状で気になっている
・漏れ出てくるのに非常に時間が掛かる
・再現性が薄い
・ジワジワと染み出るように時間を掛けて漏れてくる

この特徴と今回のジェット部分のシール不良が非常にリンクするなぁ・・・という事で、

SBR_1438
何となく違うような気もするけど一度試しにこのメインエアジェット穴を塞いでみるか・・・。と、栓をして1日経過しても漏れてこない、2日経っても漏れてこない!で、栓を緩めて呼吸が出来るようにしたら再度漏れ出てくる事が確認出来たので、こちらで意図的に症状の再現が出来たという事はこれが今までの原因で間違いないな。と判断をしました。

SBR_1451
その後ジェットにシールテープを巻いてしっかりとシールをして再度オーバーフローのチェックを行うも問題無しでやっと一連の問題解決が行えました^^:
そして今までどうしてレーシングキャブレターなのにこのメインエアジェット穴にだけメクラをして殺しているのだろうか?と疑問でしたが、今回のような問題が発生するから新品時から殺されているのかもしれませんね。

mail
そんなこんなで本当にギリギリまでお時間を頂いての作業でしたが、オーナー様も無事にチャリティーイベントに参加する事が出来たようで本当に良かったです^^
そしてこのTMRキャブレターのオーバーホール作業を行うようになって一つ気付いた点は、FCRキャブレターのオーバーホール作業ではあまり無い事ですが、TMRキャブレターのオーバーホール作業を行った際には多くの感謝のメールを頂く事がありまして、それだけ皆さん困ってどうしようもない状況だったのだろうなと、改めてTMRキャブレターって不良品だなと感じる今日この頃です。

SBR_1808
というか、昨今のホンダのオイル漏れによってここ5年位で63件の不具合が報告されて65万台を対象にリコールってニュースがありましたが、65万÷ 63件で単純に1万分の1の発現率な訳ですが、TMRキャブレターに関しては今回新品時から有ったであろうガソリン漏れの別案件が既に目の前に・・・、しかも検索してみたら同じ症状の方が他にも居たようで・・・。
メーカーに出しても不調が直らないというオーナーさん達の話を多く聞くうちに興味が出て、メーカーしか扱えない部品があるというイヤらしいやり方がどうにも気になって反骨心と興味本位で始めたTMRキャブレターのオーバーホール作業ですが、個人的に気になるTMRキャブレターの問題点はまだ他にも判明していますので、対策が出来次第ご紹介したいと思います^^




akane380 at 00:39|PermalinkComments(6)│ │TMRキャブレター関係