2023年10月23日

ワンウェイバルブとフエルトOリングの打ち換え方法

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以前にも記事にしたのですが、当Webショップにて販売をしておりますFCRキャブレターの加速ポンプ部分のワンウェイバルブの交換手順の施工に際して、少し追加で説明したい細かな部分があるので再度記事にさせて頂きます。

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まず真鍮製の金色の栓が組まれている場合にはドリルで揉んで削り取りますが、画像のような白い樹脂製の栓の場合には・・・

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クリップや画鋲などの細い針金を使用して、ライターなどで赤熱するまで先端を熱したら・・・、

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針金が熱いうちにブスッとワンウェイバルブの栓に針金を深く刺さるだけ差し込みます。
※深く刺し込もうとしてあまりグイグイ押し付けてしまうと栓が押されて奥深くに潜ってしまいますので、ブスっと刺して差し込みが止まったらその位置でストップをしてください。

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そしてあとは針金を引っ張れば栓も一緒に抜けるハズですが、ここで針金が完全に冷める前に引っ張ってしまうと上手く栓が抜けませんので、しっかりと冷めるまで2〜3分ほど時間を置いてから引き抜いてください。

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栓が抜けたら中に入っている古いスプリングやスチールボールを取り出してパーツクリーナーやキャブクリーナーなどで洗浄をしていただいて、組み付けの準備が整いましたら・・・、

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まずはスチールボールを入れていただいて、
※各部品は非常に細かい為、使うタイミングで袋から取り出すようにしてください。
全ての部品を先に袋から出して一纏めにしてしまうとスプリング同士が絡まって取れなくなってしまいますのでご注意ください。


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その次にスプリングを入れていただいて、

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そして栓を打ち込む流れですが、

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この時にキャブレターの面と真鍮栓の面の平行が同じになっている事を必ず確認してから打ち込んでください。

もし上手く平行が取れない場合には・・・、
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真鍮栓の打ち込み側の角を2箇所、

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画像のような感じで少しずつ削っては合わせてみて、少し削っては合わせてみてで、上手く平行を出せるようにキャブレターにセットしてみてください。
※実際の栓のサイズは非常に小さいので削り過ぎにご注意ください。
※角の角ばった部分だけを削ってください。全体を削ってしまうと圧入の際に穴に対して栓がスカスカになってしまい使い物にならなくなってしまいますのでご注意ください。


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そして平行が出せたら打ち込みですが、打ち込みの際に使用するハンマーはなるべく小さい物を使用してください。
※打ち込みの際の力加減ですが、ハンマーの自重による自然落下の勢いだけで充分かもしれませんので、その位の感覚から始めてみて、必要に応じて力を足して打ち込んでみてください。

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そして打ち込みですが、画像ではカメラを片手に撮影していたのでポンチの角度が垂直に当たっていませんが、この工程では最悪キャブレターが破損してしまうリスクがありますので、慎重に角度を合わせて、一気に打ち込まず、先端が少し入ったところで角度などを一度確認をして、問題が無ければ必要深さまで打ち込みます。

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栓の必要な打ち込み深さですが、画像の凹部分の底面と同じ高さになれば問題ありませんので、打ち込み過ぎにご注意ください。
※打ち込んだ後にキャブレターを振ると中でスチールボールがカチカチと少し遊んでいる音が聞こえる程度でも機能上問題はありませんので打ち込み過ぎにご注意ください。

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フロート側の打ち込み深さはこの画像と同程度で問題ありませんので、こちらも打ち込み過ぎにご注意ください。
※キャブレター本体よりも先に、こちらのフロート側から作業を始めた方が難易度が低くて練習台として良いかもしれません。

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参考までに打ち込みなどの作業時には画像のようにガムテープなどを台座にして作業を行うと安定してくれて作業性が良いのでお勧めです。

作業に関して分からない事や相談などが御座いましたらお気軽に
secretbase-racing@nifty.com
までお問い合わせください。
当Webショップをご利用頂きましたオーナー様には出来る限りのサポートをいたしますので、
分からぬまま無理に作業を行わないようお願いいたします。





〜 フエルトOリングの交換方法 〜


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現在FCRキャブレター用の非分解部分のOリングキットをマルチ用に4気筒分ご購入頂いたオーナー様に限り、サービスでアクセルシャフト部分に使用するフエルト製のOリングを付属させていただいているのですが、

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こちらのフエルトOリングはセンターリンクタイプのFCRキャブレターには2個、サイドリンク仕様のFCRキャブレターには3個使用しますので、とりあえず全ての方に3個入れております関係で、センターリンクタイプの場合には1つ余りますが気にしないでください。

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フエルトOリングを使用する位置ですが、画像のスロットルシャフト穴に使用します。

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交換方法ですが、フエルトOリングはスチールリングで抑えられておりますので、

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このスチールリングをマイナスドライバーで引っ掻けて、

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くいっと上げれば外れます。
※2番(左から2気筒目)の奥まった位置にあるスチールリングは、マイナスドライバーを使って内側から押し出す形で取り外してください。

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古いフエルトOリングを取り出したら新しいフエルトOリングを打ち換えますが、

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フエルトOリングはフエルト製な為、非常に柔らかく形が崩れやすいので、画像のようなコーン型のボールペンやボンドの先端など、何か代用出来そうなものを利用して形を整えて頂き、

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そのままズボッと刺し込んで・・・

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綺麗な形でセットが出来ましたら、

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あとはスチールリングをグググっと押し込めば・・・、
※ハンマーなどで叩かなくても体重を掛ければググっと圧入出来ます。

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フエルトOリングの組み付けは完了です。
フエルトOリングを組み付けてスロットルシャフトを組み付けた際に圧入が強すぎる場合にはスロットルの動きが少し硬く感じるかもしれませんが、直ぐに素材が慣れて軽くなりますのでご安心ください。






この記事へのコメント

1. Posted by 砂粒   2023年10月23日 16:34
個人では中々見ない部分ですよね。
やろうって人は、さらに少なそうですw
やってみよう!と言う人には、有り難い内容ですね。
2. Posted by Gabu   2023年10月24日 03:02
>砂粒さん

お疲れ様です^^
FCRキャブレターも発売されてから30年近く経っていますので非分解部分のO/hが必要な個体も増えてきて年々Oリングのセットの出荷も増加傾向にあります^^
が、その分、作業を失敗される案件も増えてきているので今回注意ポイントを紹介しつつ再度記事にしてみました^^

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