2025年04月15日
TMRキャブレター用 強化Vシールの製作
今年は自分のやりたい事を成す為にオリジナルの作り物を色々作る予定なのですが、そんな中の第一弾がやっと完成しました♪

少し前の記事でも紹介しましたが、TMRキャブレターの泣き所であるVシールの耐久性を上げる為の強化Vシールの製作を昨年から進めておりまして、色々とテストを重ねてやっと製品化に辿り着く事が出来ました^^

そして今回はVシールと合わせてジェットブロックの◯リングもオリジナルで制作したのですが、このジェットブロックに使用するOリングもTMRキャブレターが抱える問題点の一つでして、

TMRキャブレターには2種類のタイプが存在しておりまして、一つはミクニTMRで、もう一方はミクニのTMRをヨシムラが仕様変更をして販売をしているTMR-MJNキャブレターですが、

この2種類の違いは主にジェットニードル回りの部品が変更されている点で、それに伴って画像のジェットブロックの仕様もTMRキャブレター側には特徴的なハイパーノズルが見られますが、TMR-MJNキャブレターではMJN機構に伴ってハイパーノズルは廃止されてスマートな形状へと変更されていたりといった違いがあります。

その為、このジェットブロックのハイパーノズル部分の真鍮部品の形状が若干異なりまして、

正規のTMRキャブレターのジェットブロックではハイパーノズルをジェットブロックに組み付ける際に生産ラインで位置出しがし易いように赤丸の部分に切り欠きが設けられているのですが、

このジェットブロックに使用するOリングの形状もその切り欠き部分に合わせて真円では無く、図面で確認をすると若干ストレートな箇所が含まれる形となっておりまして、

対するTMR-MJNキャブレターのジェットブロック部分の真鍮部品の形状は真円形状ですので、

その形状のOリングを切り欠きの無いTMR-MJNキャブレターのジェットブロックに組み付けると、Oリングに設けられたストレート形状の部分が若干乗り上げてしまう形となり、

結果的に組み付け時に潰れてしまい、この様に変形をしてシール性が確保出来ない状態の不良品が数多く見受けられる状態となっているのかなぁ・・・と思っていたのですが、

通常のハイパーノズル仕様のTMRキャブレターでも同様の事例が多数確認出来ておりますので、締め付けて潰れた時にあのストレート部分に逃げの力が加わって変形しているのかもな・・と。

ちなみにこのジェットブロックのOリングが変形した場合のリスクですが、当然シール性を確保出来ないのでスローのセッティングが効かなくなるばかりか、画像のように変形している気筒だけ異常な燃料の噴出痕が確認出来るなどの問題が発生します。

余談ですが、TMRキャブレターのダウンドラフトタイプのTDMRキャブレターはジェットブロックの形状が異なるのでOリング形状も通常のTMRキャブレターとは異なるのですが、

そちらのTDMRキャブレターでもジェットブロック部分のOリングの変形トラブルは確認が出来ておりまして、ここに柔らかくて表面が滑り易いシリコン製のOリングを採用している事がそもそもの問題なのではないかと。

参考までにこちらが元の形状と変形した形状の比較です。
※今回はTDMRキャブレター用のジェットブロックのOリングは製作しておりません。

そしてこのジェットブロックのOリングですが、変形だけではなく、画像のようにボロボロに分解してしまう現象も確認ができております。

この分解パターンも幾つか見てきているのですが、オーナーさんは添加剤は使用した事が無いとの事で、品質不良な個体があるのか・・といった感じですが、何にしてもTMRキャブレターは今までの経験でもジェットブロックのOリングが問題となっているトラブル事例が本当に多いです。
当然、今までこの部分の部品を一般に販売せず、むしろこの部分を重要保安部品呼ばわりをして、勝手に分解をしたらメーカーでの修理は一切受け付けないとユーザーに脅しを掛けて一手にオーバーホール作業を請け負っていたメーカー側はこれらの症状を散々見て知っていたのではないかと思いますが、対策もせず不良品を掴まされたTMRユーザーさん達が本当に可哀想ですね。

という事を踏まえて今回ジェットブロック部分のOリングも対策品としてオリジナルで製作をしたのですが、特徴としましては形状の見直しと材質の見直しで、形状の見直しは先ほどのストレート部分を無くした真円形状で組み付け時のトラブルを極力減らす試みで、材質も耐久性重視でコストを無視して耐薬品性と耐久性、耐熱性などに優れたフッ素ゴムを採用して製作をしてみました^^

そしてTMRキャブレターの最大の泣き所のVシールも今まで数百機のTMRキャブレターのオーバーホール作業を行って、先ほどのジェットブロックのOリング同様、純正のVシールに対する懸念点を自分の考える理想の仕様へと対策を行い製作した商品となっているのですが、決められた狭い寸法内で出来る事は限られておりまして、ゴムの硬度や細かな寸法の変更など非常に細かい部分ですので内容は現状非公表とさせて頂きます。

唯一お教え出来る変更点としましては、材質をジェットブロック同様コストを無視して、耐熱性・耐油性、耐薬品性に優れたフッ素ゴムに変更し、外周にある切り欠きの数が純正のVシールは8か所ですが、SBRオリジナル強化Vシールは切り欠きの数が7か所となっておりますのが特徴となり見分けの方法となっております。
ただ、強化Vシールとは言いましても、TMRキャブレターのVシール機構がそもそも万人向けなストリート仕様ではありませんので、今回制作した強化Vシールに交換をすれば不安が払拭されるような代物ではありませんので注意が必要です。
今回の製品は純正品のダメな部分を補い少しでも耐久性を増やす仕様で制作しました代替え品としての位置付けと考えて頂ければと思います。
以前にオリジナルVシールの製作中ですと記事でご紹介して以降、オリジナル強化Vシールの販売に関するお問い合わせを複数頂いており、当初の予定では4月中に限定的に販売を行う予定ですとお伝えをしてきましたが、ゴールデンウイークまでに終わらせないといけない作業に追われて販売対応が出来そうにありません。
申し訳ございませんが、販売はゴールデンウイーク後を予定しておりますので宜しくお願いいたします。
また、次回、販売に関する注意点などを記事にする予定ですので宜しければご確認を宜しくお願いいたします。

少し前の記事でも紹介しましたが、TMRキャブレターの泣き所であるVシールの耐久性を上げる為の強化Vシールの製作を昨年から進めておりまして、色々とテストを重ねてやっと製品化に辿り着く事が出来ました^^

そして今回はVシールと合わせてジェットブロックの◯リングもオリジナルで制作したのですが、このジェットブロックに使用するOリングもTMRキャブレターが抱える問題点の一つでして、

TMRキャブレターには2種類のタイプが存在しておりまして、一つはミクニTMRで、もう一方はミクニのTMRをヨシムラが仕様変更をして販売をしているTMR-MJNキャブレターですが、

この2種類の違いは主にジェットニードル回りの部品が変更されている点で、それに伴って画像のジェットブロックの仕様もTMRキャブレター側には特徴的なハイパーノズルが見られますが、TMR-MJNキャブレターではMJN機構に伴ってハイパーノズルは廃止されてスマートな形状へと変更されていたりといった違いがあります。

その為、このジェットブロックのハイパーノズル部分の真鍮部品の形状が若干異なりまして、

正規のTMRキャブレターのジェットブロックではハイパーノズルをジェットブロックに組み付ける際に生産ラインで位置出しがし易いように赤丸の部分に切り欠きが設けられているのですが、

このジェットブロックに使用するOリングの形状もその切り欠き部分に合わせて真円では無く、図面で確認をすると若干ストレートな箇所が含まれる形となっておりまして、

対するTMR-MJNキャブレターのジェットブロック部分の真鍮部品の形状は真円形状ですので、

その形状のOリングを切り欠きの無いTMR-MJNキャブレターのジェットブロックに組み付けると、Oリングに設けられたストレート形状の部分が若干乗り上げてしまう形となり、

結果的に組み付け時に潰れてしまい、この様に変形をしてシール性が確保出来ない状態の不良品が数多く見受けられる状態となっているのかなぁ・・・と思っていたのですが、

通常のハイパーノズル仕様のTMRキャブレターでも同様の事例が多数確認出来ておりますので、締め付けて潰れた時にあのストレート部分に逃げの力が加わって変形しているのかもな・・と。

ちなみにこのジェットブロックのOリングが変形した場合のリスクですが、当然シール性を確保出来ないのでスローのセッティングが効かなくなるばかりか、画像のように変形している気筒だけ異常な燃料の噴出痕が確認出来るなどの問題が発生します。

余談ですが、TMRキャブレターのダウンドラフトタイプのTDMRキャブレターはジェットブロックの形状が異なるのでOリング形状も通常のTMRキャブレターとは異なるのですが、

そちらのTDMRキャブレターでもジェットブロック部分のOリングの変形トラブルは確認が出来ておりまして、ここに柔らかくて表面が滑り易いシリコン製のOリングを採用している事がそもそもの問題なのではないかと。

参考までにこちらが元の形状と変形した形状の比較です。
※今回はTDMRキャブレター用のジェットブロックのOリングは製作しておりません。

そしてこのジェットブロックのOリングですが、変形だけではなく、画像のようにボロボロに分解してしまう現象も確認ができております。

この分解パターンも幾つか見てきているのですが、オーナーさんは添加剤は使用した事が無いとの事で、品質不良な個体があるのか・・といった感じですが、何にしてもTMRキャブレターは今までの経験でもジェットブロックのOリングが問題となっているトラブル事例が本当に多いです。
当然、今までこの部分の部品を一般に販売せず、むしろこの部分を重要保安部品呼ばわりをして、勝手に分解をしたらメーカーでの修理は一切受け付けないとユーザーに脅しを掛けて一手にオーバーホール作業を請け負っていたメーカー側はこれらの症状を散々見て知っていたのではないかと思いますが、対策もせず不良品を掴まされたTMRユーザーさん達が本当に可哀想ですね。

という事を踏まえて今回ジェットブロック部分のOリングも対策品としてオリジナルで製作をしたのですが、特徴としましては形状の見直しと材質の見直しで、形状の見直しは先ほどのストレート部分を無くした真円形状で組み付け時のトラブルを極力減らす試みで、材質も耐久性重視でコストを無視して耐薬品性と耐久性、耐熱性などに優れたフッ素ゴムを採用して製作をしてみました^^

そしてTMRキャブレターの最大の泣き所のVシールも今まで数百機のTMRキャブレターのオーバーホール作業を行って、先ほどのジェットブロックのOリング同様、純正のVシールに対する懸念点を自分の考える理想の仕様へと対策を行い製作した商品となっているのですが、決められた狭い寸法内で出来る事は限られておりまして、ゴムの硬度や細かな寸法の変更など非常に細かい部分ですので内容は現状非公表とさせて頂きます。

唯一お教え出来る変更点としましては、材質をジェットブロック同様コストを無視して、耐熱性・耐油性、耐薬品性に優れたフッ素ゴムに変更し、外周にある切り欠きの数が純正のVシールは8か所ですが、SBRオリジナル強化Vシールは切り欠きの数が7か所となっておりますのが特徴となり見分けの方法となっております。
ただ、強化Vシールとは言いましても、TMRキャブレターのVシール機構がそもそも万人向けなストリート仕様ではありませんので、今回制作した強化Vシールに交換をすれば不安が払拭されるような代物ではありませんので注意が必要です。
今回の製品は純正品のダメな部分を補い少しでも耐久性を増やす仕様で制作しました代替え品としての位置付けと考えて頂ければと思います。
お詫び
以前にオリジナルVシールの製作中ですと記事でご紹介して以降、オリジナル強化Vシールの販売に関するお問い合わせを複数頂いており、当初の予定では4月中に限定的に販売を行う予定ですとお伝えをしてきましたが、ゴールデンウイークまでに終わらせないといけない作業に追われて販売対応が出来そうにありません。
申し訳ございませんが、販売はゴールデンウイーク後を予定しておりますので宜しくお願いいたします。
また、次回、販売に関する注意点などを記事にする予定ですので宜しければご確認を宜しくお願いいたします。
akane380 at 06:05│Comments(11)│
│TMRキャブレター関係
この記事へのコメント
1. Posted by oyajin 2025年04月15日 10:54
以前メールで問い合わせさせて頂いた者です。
早速のご情報有難う御座います。
何時か何時かと販売頂く事を楽しみにしておりましたw
GW後の発売との事で楽しみにお待ちしております。
ご体調優れぬ中での作業大変かと思いますが、無理せず過ごして頂ければと存じます。
早速のご情報有難う御座います。
何時か何時かと販売頂く事を楽しみにしておりましたw
GW後の発売との事で楽しみにお待ちしております。
ご体調優れぬ中での作業大変かと思いますが、無理せず過ごして頂ければと存じます。
2. Posted by Gabu 2025年04月16日 05:48
>oyajinさん
お世話になっております。
先日はメールでのお問い合わせを頂きまして誠に有難うございました。
作業に追われてVシールの方が直ぐに販売に移行出来ず申し訳御座いません。
GW前のラッシュが過ぎ去り次第販売を行いますので宜しくお願いいたします^^
お世話になっております。
先日はメールでのお問い合わせを頂きまして誠に有難うございました。
作業に追われてVシールの方が直ぐに販売に移行出来ず申し訳御座いません。
GW前のラッシュが過ぎ去り次第販売を行いますので宜しくお願いいたします^^
3. Posted by Yuri 2025年04月26日 22:01

4. Posted by Gabu 2025年04月27日 06:40
>Yuriさん
コメントを頂きまして誠に有難うございます。
販売の準備が遅れておりまして申し訳御座いません。
もう少々お待ち頂ければと思いますので宜しくお願いいたします。
コメントを頂きまして誠に有難うございます。
販売の準備が遅れておりまして申し訳御座いません。
もう少々お待ち頂ければと思いますので宜しくお願いいたします。
5. Posted by Tetu 2025年05月01日 16:07
バイク屋をやつてます部品が出ないで困つてます
販売待ってます
販売待ってます
6. Posted by 山内道博 2025年05月01日 18:59

当方の状況としましては昨年2ヨシムラにオーバーホール出すも改善されず、1年使用して自分なりに整備して、Oリング系はジェットブロックのOリングとブイシール以外は再度全て交換し、フロートも新品にしました。gsx1100sカタナに取り付けるとキャブが後ろに垂れ下がった状態に規定のフロートレベルだとオーバーフロー起こします。そこで規定値よりもかなり高めに合わせてます。
あとはブイシールと、ジェットブロックのOリングの交換のみとなります。
交換もしくは販売は可能でしょうか?
宜しくお願い致します
7. Posted by 山内道博 2025年05月01日 23:07

8. Posted by Gabu 2025年05月02日 05:26
>tetuさん
コメントを頂きまして誠に有難うございます。
現在当初予定をしておりました数量を越えるお問い合わせを頂きまして追加制作中となっておりますので、増産をして数量が確保出来次第一時的な販売を行いますので、もう少々お待ち頂けますと幸いですので宜しくお願いいたします。
以上、宜しくお願いいたします。
コメントを頂きまして誠に有難うございます。
現在当初予定をしておりました数量を越えるお問い合わせを頂きまして追加制作中となっておりますので、増産をして数量が確保出来次第一時的な販売を行いますので、もう少々お待ち頂けますと幸いですので宜しくお願いいたします。
以上、宜しくお願いいたします。
9. Posted by Gabu 2025年05月02日 05:36
>山内さん
コメントを頂きまして誠に有難うございます。
Vシールとジェットブロックの○リングの販売も近く行う予定ですが、エアジェット部分からの燃料漏れはこの2点を交換しても相関関係が殆ど無いので改善はしないと思われます。
もし宜しければウチの方に送って頂ければ直るかは分かりませんが、一度調整を行う事も可能ですので宜しくお願いいたします。
以上、宜しくお願いいたします。
コメントを頂きまして誠に有難うございます。
Vシールとジェットブロックの○リングの販売も近く行う予定ですが、エアジェット部分からの燃料漏れはこの2点を交換しても相関関係が殆ど無いので改善はしないと思われます。
もし宜しければウチの方に送って頂ければ直るかは分かりませんが、一度調整を行う事も可能ですので宜しくお願いいたします。
以上、宜しくお願いいたします。
10. Posted by 山内道博 2025年05月06日 18:08
>>9
お世話になります。清掃後200〜300キロで必ず低速が不調になります。
一度、見て頂きたく思います。
宜しくお願いします。
お世話になります。清掃後200〜300キロで必ず低速が不調になります。
一度、見て頂きたく思います。
宜しくお願いします。
11. Posted by Gabu 2025年05月07日 06:13
>山内道博さん
コメントを頂きまして誠に有難うございます。
承知いたしました。
もし作業をご希望の際にはsecretbase-racing@nifty.com までご連絡を頂ければと思いますので宜しくお願いいたします。
以上、宜しくお願いいたします。
コメントを頂きまして誠に有難うございます。
承知いたしました。
もし作業をご希望の際にはsecretbase-racing@nifty.com までご連絡を頂ければと思いますので宜しくお願いいたします。
以上、宜しくお願いいたします。