2008年11月13日

前回の続き・・・

前回の記事が長くなってしまったので今回はその続きですが、今回の仕様はNOSチューンということで以前からNOSへの興味はあったのですが、実際にはガスの残圧に大きく左右されるのでここ一番でしか使用できないというコストパフォーマンスの悪さから敬遠している部分でした。
NOSはコストパフォーマンスが悪いと書きましたが、正確には20万円前後の設置費用でエンジンが壊れても良ければ150〜200PSは出せると思うのでかなりコストパフォーマンスは高い商品ですが、如何せん国内では需要も少なくガスの残圧管理、補充などの手間隙を考えると無意識には使えないレース専用パーツなのかなぁ・・と、それならやはり初期投資こそ大きいですが、使用回数無制限でパワーアップもダウンもボタン一つで操作と容易なターボが優位かと・・・。熱対策などのデメリットも多いですがw
そんな訳で前回エンジン単体での馬力を上げるか下げるかと書きましたが、正確には圧縮比を上げるか?下げるか?といった部分の考えをしています。
なぜかと言うと、自分の中でNOSに対する考えはNAとターボの中間で両方の要素が必要なのではないか?と考えているからなのですが、NOSを多く噴射するなら圧縮比は低め、逆にハイコンプ仕様のエンジンならデトネーションなども考慮して必然的にNOSの噴射量も制限されるのではないかと。
NOSも原理を考えれば圧縮した空気を送るのと同じようなモノと捕らえているので、噴射量が多くなればなるほど高密度な空気がシリンダー内に入りターボチューンの考えに近くなるのではないか?と考えています。
そこでNOSの噴射量を多くしてパワーを上げたいと思った時に、今まで調べた感じだと純正ピストンではそこまで耐久性のキャパが広くなさそうなので、JEなどの鍛造ピストンを保険として使おうかと調べたところ、JEのSTDピストンの圧縮比が13.0:1とハイコンプ仕様でターボ用のローコンプピストンを見ると圧縮比は9.8:1と今回の仕様としては両極端な気が。
ちなみにアメリカのプロストック車両などはディーゼルなみの高圧縮にNOSを大量に入れているらしいですが、まず純正エンジンとは次元が違う構成内容なので参考程度に無視w

IMG_0008
どちらかと言えば、ローコンプで思いっきりNOSを噴射させる方がセオリーのような気がするのですが、上記に書いた通りNOSはターボと違って常用出来ないですし、ローコンプにすることで高回転域が犠牲になるのも嫌。。。
そして何よりも12Rに決めた理由はヘッド周りに惚れたのでせめて1シーズンだけでもカムも純正を利用してあげたいんですよね。そこで現在何通りかピストンに対して計画を練っているのでそれが上手く行けば問題解決となるのですが、その詳細は決定後にお知らせします。

それにしても先代にあたるZX-11が内径×行程76.0×58.0で圧縮比11.0:1、ワイセコピストンで12.1:1だったような気がするのですが、ZX12Rは純正で内径×行程83.0×55.4で12.2:1。

ちなみにライバル機種3種はというと・・・
GSX1300R 隼は内径×行程81.0×63.0で11.0:1 
ZX14は内径×行程84.0 x 61.0で12.0:1 
08' GSX1300R 隼は内径×行程81.0×65.0で12.5:1 
と、最近の大型は純正でかなりのショートストロークハイコンプエンジンですよね。
中でもやはり12Rの圧縮比とボアストローク比を見ても高回転優位に振っていることがわかります
ちなみに自分は当時の社長からデータをしっかり集めてなんぼと教わったので、今でも集めるのが好きなので暇さえあればノートに追加して面白いモノ探しをしていますが、やはりコツコツ集めると意外に貴重なものに変身します^^;
まぁ、これだけで何がわかるんだと言う部分ですが、よく”ハヤブサとZX14ってどっちが速い?”と聞かれるので特性別に考えれば12Rも現役で速いんだよ・・・と心の中でつぶやいていたりします。

ついでにバルブ径ですが・・・
ZX12R IN33.40 / EX28.24
ZX14  IN33.40 / EX28.25
GSX1300R IN33.0 / EX27.50
とまぁ、又しても個人的な見方なのでこれだけで何が解るってわけでもないのですが、ZX12Rも現役で・・・(略)。。。

でもこんな感じで各車のデータを見比べると意外に面白いのですが、例えばZX14とZX12Rでは排気量に134ccの差がありますがバルブ径はIN / EX共にどちらもほぼ同じ、なのにスロットルボディー径はZX12Rの46mmに対しZX14の方は2mm小さい44mm径を採用。と吸入口は小さくなったがバルブ径は変わらず、でも排気量は上がっている。単純に考えてしまうと排気量上げたんだから他の部分も大きくしましょう的な考えが多いですが狙う仕様にするためには必要な工夫なんですよね。逆に考えれば排気量の小さいZX12Rの方がなぜあの仕様なのか?あれは設計ミスでしたでは済まされない膨大な資金と時間を費やしメーカーの考え出てくる狙いを見るのって楽しいですし理解出来た時には非常に為になります。
また排気量が上がったと言ってもZX14のエンジン寸法はZX12Rよりもコンパクトに設計されています。
ライバルがあってこその技術とでも言うのでしょうか?時代と共に進化させるメーカーの開発努力や打ち勝つ姿勢って本当に凄いものす^^; でもSS勢が1000ccクラスのコンパクトE/gで180ps前後のパワーを出しているのですからメーカーの1400cc本気仕様車があったとしたらもっと凄い事になってるのでしょうねw
とまぁ、又してもこれだけで何(略)・・・。と言いたいとこですが、ZX14と隼とZX12Rのどれか一台をあげるよ!と言われたらここまできたら当然!・・・ZX12R通り越して隼でしょうねw ホントスンマセン。。。 
やつは海外でのエンジンパーツが豊富で純正パーツを使わずに社外パーツだけで一からエンジン組めますし、下手したら車体丸ごと社外オンリーで制作できるくらい日々新たなパーツがリリースされています。
最近ではイギリスのTTS Performanceというカスタムメーカーから1900cc仕様にするパーツまでリリースと海外でのBUSA人気は本当に凄いと思います。
ちなみに18ヶ月の開発期間を経て誕生したという1900ccシリンダーはこちら↓  
Busa1900BlockLarge
かなりとんでもない事になっています・・。そして気になるお値段£16,450!日本円にして約250万前後w 
専用のクランクやハウジングなどがセットなのか記載されていませんでしたので高いのか安いのかは解りませんが、一応今年初め頃の為替レートで考えたらとりあえず100万円近くは安く買えるのである意味、今が買い時かもしれません・・・。嘘ですw 
気になる方はリチャードさんに電話しろとの事ですw

そんな隼さんを尻目に今回自分の12Rの吸気バルブをカムを入れない代わりにビッグバルブ化して流量を上げようと思ったらZX12R用ってあまりリリースされておらず選択肢が少ないんですよね。。。
なので隼さんの豊富な社外バルブラインナップからブランク材があるにも関わらず無理してでも加工流用して使ってやろうかと・・・。
ちなみに08以降の新しいGSX1300Rも上に記載したバルブ径をIN / EX 共に採用していますが、素材は耐熱鋼からチタンへと変わっています。以前はEX側へのチタン素材の採用は純チタンの耐熱温度が600℃しかなく耐久性的に宜しくないと言われ、唯一ラインナップされていた数少ない社外チタン製EXバルブはぶっ飛び価格だったのに対し、今では普通にメーカーが採用。
ドゥカティーに限っては749Rでチタンバルブどころかチタンコンロッドを採用とチタン製品万歳ですw
昨年、新日鉄が開発した耐熱チタン合金は高強度、高耐熱性があり2輪、4輪事業も視野に入れた製品らしいです♪

ただ吸気バルブの変更で厄介なのが、12Rの燃焼室をいろいろ図ってみたところ純正83mmピストンを使用する場合、吸気バルブの一部とヘッドガスケットのリング部分のクリアランスがすでに2mmしかなく、効率を考えたら設計段階で理論的にはMAX付近なのかも知れない・・と、もしバルブ径を広げたとしてもマスクエリアが増え効率が変わらない、または最悪下がっては具合が悪いし、でも元々下面寄りで流速の緩い部分とメーカーが判断しての事なら行けそうな気も。。。でもはっきり言って12Rのようなここまでズドンと一本木なポート形状は初めてなので失敗しても成功してもどちらにせよ良し悪しの結果が出せればまずはOKですね^^
また先ほど記載したバルブ寸法ではZX14とZX12Rの吸気バルブの径が同じですが、ステムの寸法が微妙に違いますので何かの役に立てばとこれも記載しておきます。

車種            バルブ径      ステム径    チューリップ    全長    
ZX12R      IN   33.40mm      4.978mm      10°     97.79mm
          EX   28.24mm     4.958mm      15°     98.42mm
ZX14        IN   33.40mm      4.978mm      10°     90.80mm
          EX   28.25mm     4.965mm      10°     91.06mm
〜08'       IN   33.00mm      4.983mm      18°     94.99mm
GSX1300R   EX   28.50mm     4.960mm      19°     94.61mm

それにしてもZX12RとZX14の吸気バルブのステム長6.99mmの差でどれ位の重量差があるのか気になりますね。。。
そういえば自分の中ではIN側のチューリップの角度は多少あった方が抵抗にならないと考えていたので当初12Rのチューリップ角が10°なのは上から下まで抵抗の無いストレートなポート形状で流入には問題ないレベルと捕らえ、少しでも軽量化するための妥協部分なのかな?と思っていたところ、ポート形状の全く違うZX14でもまたまた採用されたということは結果が良かったということでしょうかね?
とりあえずピストンにバルブにとまだまだ他の部分も思考中ですが、先日NOSを噴射させるフォガーノズルを発注したので、その取り付け位置もまた問題になりそうですが、かなり長くなったのでまたそのうち続きます^^;





akane380 at 03:12│Comments(8)TrackBack(0)│ │DRAG RACE 製作記 

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この記事へのコメント

1. Posted by ベルボトム   2008年11月14日 05:23
Gabuさんこんなに知識が。。
すごい勉強してますね。
こんなに詳しいなんて尊敬、尊敬します!

パーツは日本で取り寄せですか?
2. Posted by Gabu   2008年11月15日 03:11
>ベルボトムさん

15でこの世界に飛び込んでから、かれこれ人生の半分をこれに費やしてますので少しだけ知識持ちですw
とりあえず自分は学が無いので人一倍頑張らないとダメなもので・・・。^^;
最近はネットで何でも調べられますが、この分野ってまずは結果を知るよりも過程が大切ですから、失敗を恐れず逆に失敗して当然くらいの気構えで挑戦して、その中で良かった経験を生かして結果を出して行かなきゃダメなので、そういった意味では来年は今までの経験でどこまで行けるかが非常に楽しみです^^
ちなみにパーツのオーダーは試験的な事が多いので殆どがそちらからの購入ですね♪
3. Posted by ゼロヨン大好き   2008年11月15日 22:32
はじめまして、度々、読まさせて頂いております。
面白いブログですね。。。
私もNOSを経験しておりますが、とても面白いですね。。
私の経験では圧縮比はどちらでもいいのかなぁーって思います。
ブローバイって結構出てますか?
私の経験ではその量によっても決められるかなぁーって思います。
なんだか口をだしてすいません。
私もまだまだ経験不足であまり意見をできないのですが、、
頑張ってタイム出してください。
4. Posted by Gabu   2008年11月16日 03:18
>ゼロヨン大好きさん

はじめまして♪
ありがたいお話で口をだしてなんてとんでもないです^^
しかもブローバイを気にするあたりかなり経験豊富とみましたが話方的にR・MのNさんだったりして・・・すいません何となくなので気にしないでくださいw

ブローバイですが、現状ではオイルの質が良いのか設計か現状のノーマル段階ではオイルの劣化やエアクリーナ側での吹き出しも気になるレベルではありません。(ノーマルE/gということでその程度でしか察知していませんが・・)
ただJEのピストンとのマッチング次第ではハイコンプにした際にブローバイが増えるかもしれません。
圧縮比の件ですが自分も今だ答えが出ないでいます。。。
ただNOSに対する圧縮比の考えは高くても燃料と点火である程度対応できると判断しました。
ただなんかこう内容的にイレギュラーな事をやってタイムを伸ばしたいかなぁ・・・と遊び心をプラスして真剣にふざけた内容を考えているので答えが難しいんです^^;
そんなふざけた若輩者ですが頑張ってタイムを出しますのでまた宜しくお願いします。
5. Posted by ゼロヨン大好き   2008年11月17日 11:39
影ながら応援してます。
ブローバイ等が吹いてないんだったらいいですね。
だったら圧縮はもっと上げられると思います。
私の場合は車種が違ったのでなんともいえませんが
高圧縮で、ある程度の回転になるとブローバイがかなり、、、、対処に大変でした。。。
イレギュラー的に、、いいですねー、
なんかカッコいいですね。最近そういう人がいないですーーー。。
ちなみにZX12Rの燃圧って高いんですか?
ノーマルポンプの燃圧ってなりですよねー。試しに
調整式のレギュレーターを入れてみたらどぅですかねぇーー。
多分やってますよね。。またまた余計な事をすいません。

6. Posted by Gabu   2008年11月17日 22:06
>ゼロヨン大好きさん

影ながらありがとうございます^^
カンフル剤となれるよう頑張りますw
それにしても高圧縮に高回転・・普通の人が言うそれとは次元が違う気がしますが、最終的にブローバイを吸引している・・なんて仕様じゃ・・・ないですよね。。。
またレギュレーターですが、現状はFUEL系統全てノーマルで汚れているであろうフィルターすら手を入れていません^^;
元々はターボ仕様にする際にFUEL周りもデリバリーを含め新設し直そうと考えていたので純正段階では完全無視でした。。
ただ前回純正の限界を感じた時までかなりキャパが有るように思えたので、とりあえずは一度NOS仕様のエンジンを作ってみて純正とのマッチングがどんなモノか、また高回転高負荷時に燃圧が垂れていないかなど燃圧を上げて霧化させて燃焼効率が上がるかポンプに負担が掛かり過ぎるかなどなど一気に手を付けてしまうと何が良くて何が悪いのかがデータに纏まらなくなってしまいそうなので、手を入れる部分と残す部分とを分けて、一定期間が過ぎる毎に少しずつの変化を調べていきたいと考えています。
ちなみにドラッグレースに興味があるけど所詮は掛かった金額=速さみたいなもんでしょ?と端から諦めモードな周りの敷居をどうにか下げたかったのでイレギュラーな格安仕様を作りたかったのですが、社外パーツでいくよりも高くなってしまう事が分かり高価な社外パーツを使わなくても速くなる事を証明したかった分、少しショックです・・・。
なので路線変更。。。 型遅れでも真ん中辺りで戦える事を証明出来るよう頑張ります!w
7. Posted by ゼロヨン大好き   2008年11月18日 00:27
どうも。
結構鋭いですねーーー。。
ってことはさて置き、、ポンプはインタンクですよねー。これが結構ぽん付け可能なのがありますよー。SARDさんを調べてみては。。。
ただアウトとインを造ってレギュレーターかまし
ですが、、、
ちゃんと管理できるのではないかと。。
ターボよりは燃圧かけなくても済むからニスモの
レギュレーターでもいけるかも。。
12Rが買えなくて、、、、自分がやりたい使用だったりして。。
またまた口を挟んですいません。
なんか出力やタイムがどれだけ行くか知りたいのも
あります。
かなりGabuさんが熱いので。。。
8. Posted by Gabu   2008年11月18日 04:11
>ゼロヨン大好きさん

情報提供ありがとうございます^^
自分も元々4輪もやっていたのでレギュレーターと燃料ポンプ(←これは容量的に多きすぎっぽいですがw)などは当時お客さんのを取り替えた程度の良い中古などを捨てずに多数あるのでその中からよさ気なモノを探してみます^^
また今回は燃料タンクもNOS用燃料ポンプの取り付けやNOSユニットのスペース確保で切った貼ったの加工、もしくは安全タンクを新規で作る予定なのでFUEL系の自由度はかなりありますのでゼロヨン大好きさんがやりたかった仕様も検討してみます♪
ちなみに出力は今回そんなに上げない方向なんです^^;
現状無駄のない使いきれる丁度良いパワーが欲しいのと高回転のパワーカーブの落ち込みを上げるのがメインなので奢るパーツも少なく一個人としてやれる事も限られますのでガッカリな結果にならなければ良いのですが。。。
とりあえず期待薄でお願いしますw
というか、今帰ってきて3時間後にまた一日が始まります・・・・。
レースまで身体が持つのでしょうか・・www

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