GPz900R

2014年09月01日

めでたく地雷踏むw

前回、ニンジャのFCRキャブのセッティングを行っていて、リアタイヤがズルズルでワイヤーが出てしまったので交換しなきゃ・・・。なんて話になって、タイヤ交換をすることになったのですが、車体からホイールを外して、ホイールからブレーキディスクを取り外して、さらにホイールのリムに貼り付けてあったバランスウェイトを何気なく剥がした結果・・・、
SBR_8685
ペキッという感覚が・・・。

SBR_8687
見てみると最低な事に下の塗装まで一緒に剥がれてしまうという地雷を踏んでしまいました。。。

SBR_8693
あ〜ららって感じですが、これが純正ホイールとかなら所詮自分のマシンですし作業も楽なのでそこまで凹まないのですが、今回のようなマグホイールの場合は材質の性質上、作業の難易度が非常に高い(面倒くさいw)ので、幾ら手抜き作業が出来る自分のマシンとはいえめっちゃショックですw

SBR_8694
しかもパウダーコートでこの程度でペリっと剥がれるということは当然密着性もシュッと一吹き・・・

SBR_8695
ですよね。。。って感じで、こうなったら普通なら剥離剤を使って塗装を落としたりサンドブラストを当てて塗膜を剥がしたり、もしくはペーパーを当てて部分的に研磨して修正したりするのですが、ことマグネシウム製品に限っては更なる地雷が潜んでいる場合があるのでそれらが出来ない事もしばしば・・・。
というのも、マグネシウムは鉄の1/6 の比重と軽く、強度(衝撃性能は低い)もあるので最近のバイクでは純正でもエンジンカバーなどに多く採用されていますが、その反面酸性や塩素に弱く、空気中の水分や塩分などに反応してすぐに表面が酸化して侵されてしまうので通常は陽極酸化処理や化成処理、エポキシ系のコーティングなど、直接外気と触れないような表面処理が施されているのですが、基本的にその表面の処理層を削ってしまうとマグネシウムが直接外気と触れてしまって酸化してサビたり腐食して強度が著しく低下してしまうので、どのような下地処理がなされているか解らない状況ではペーパー当てやサンドブラストなどでの研磨は基本NGで、ドライブラストに至ってはマグネシウムは粉塵爆発の危険性が高いので更にNGなどいろいろ厄介な材質です。。。
なので通常の酸性や塩素系の剥離剤を使用すると表面が溶けて急速に腐食してボロボロになってしまいますので特殊なアルカリ性の剥離剤を使用するのですが、これも濃度や温度によっては塗膜すら反応せず、逆に濃度や温度を上げるとマグネシウムも一緒に反応してしまうという気難しさw

なので作業的には・・・
SBR_8666
とりあえずコツコツと地道に塗膜を剥がして行くべし。。。 ちなみにリアもペキっと剥がれちゃったりなんかして・・・。

SBR_8701
で、黙々と作業を続け・・・

SBR_8714
主要部分を剥がし終わった頃には辺りは真っ暗w
ちなみに浮いた塗膜との間に結露などで水分が発生していたのか、部分的に軽く酸化して腐食が発生しておりましたが、こんな所に気前よく剥離剤を塗ってしまうと新たな地雷を踏む恐れがありますので、ほんとマグネシウムの剥離って厄介です^^:

SBR_8752
そして腐食部分をケアして綺麗に洗ったら、すぐに水分などを飛ばす為に焼付け乾燥炉の中に入れて高温で焼いて水分を完全に飛ばし・・・
SBR_8722
熱が程よく冷めたらマスキングして・・・
SBR_8762
防錆処理と密着処理をして色を塗って焼付け乾燥させたら任務完了です♪
今回はマグホイールということで本来ならパウダーコートやガンコートの方が良いのかもしれませんが、いつかこのホイールが「当時物マグホイール」として高値で売買されてレストアを受ける時の作業性を考慮して、今回は密着性の良い2液性のウレタン塗料を使用してちょっと変わった技法で仕上てみました^^


ちなみにこんな記事をかいてしまうと誤解を生みそうなので補足ですが、
先ほどマグネシウムはいろいろ面倒ということを書きましたが、マグネシウムにも他の金属同様いろいろな種類や特徴があります。
SBR_8754
こちらは12Rのマグネシウム製のヘッドカバーですが、半年以上前に塗装の各実験の為に半分を剥離剤、半分をブラスト処理で剥離し放置したもので、さらにそれらを塗装した別のモノが現在、自分の12Rに組み付けられて経過テストをしているわけですが、

SBR_8755
実験当初はマグネシウム製ということでもっと湿気などに反応して酸化してしまうかと思いましたが、市販車ということで品質が軽さよりも耐久性重視なのか?一般的なアルミ材よりも腐食は進行しませんでした。
逆に以前に仲間がカート用のマグホイールを塗り直そうと剥離剤をかけたらボロボロに腐食して、まるで海から引き上げた腐食だらけの財宝状態で再起不能になったなんて事もあります。
なので大丈夫なモノもあればダメなモノもありますしマグネシウムに対する作業も人それぞれで正解なんてありませんので、今回の記事はあくまでも自分の作業範囲のみでしかマグネシウムに関わった事のない一個人の考えと経験を元に書いた一つの取り組みとして見て頂ければと思います。
実際、このテスト結果を元に最近ではカワサキの純正カバーは普通にブラスト当ててしまいますしねw

SBR_8757
ちなみにマグネシウム部品の見分け方ですが、純正部品などであれば何処かに画像の「Mg」のリサイクルマークが入っているハズですのでそこで見分けることが出来ると思います。


akane380 at 14:50|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2014年08月25日

GPz900R キャブセッティング

購入してから一度だけ乗って、その時に乗りにくさを感じてから何だかんだそのままガレージ内で放置され、そろそろ車検が切れるよ〜。というタイミングで前回、湘南までの足として再度乗ってみたらやっぱり乗りづらかった・・・というか深夜の高速でキャブがカブって止まった900ニンジャですが、SBR_8489
乗りにくさを感じる原因は普段乗り慣れている12Rや250TRに比べてハンドルのポジションが遠くて普段の調子で乗れなかったり、コーナーで無意識に切れ込み過ぎて怖かったりするのもあるのですが、それ以上にスタート時にアクセルの開き具合とクラッチのリリース具合を意識して操作しないとカブって前に進まないどころか、エンジンが止まる・・・。アクセルを全開にして走ってもキャブがカブってエンジンが止まるw など全くキャブのセッティングが出ていないので辛うじて走れるパーシャル域を意識してアクセル操作を常に心がけるなどギクシャクして乗ってて非常に疲れる・・・。
こんな状態で乗ってニンジャって乗りづらいとか言ってたらニンジャ党の人達に怒られるな・・・。

ということで、キャブをしっかり調整して本来の走りを試そうということで・・・SBR_8540
まずはキャブセッティングを始める前にこのマシンの事をナニも知らない状態なので、コンディションのチェックも兼ねてバルブクリアランスの調整から・・・。

で、このGPZを譲って貰う時に「以前にヨシムラのカムなんかが組み込んであるというエンジンを購入して積み替えたんだけど・・・」との話で一応エンジンもやってます仕様な車両との事でしたが、前オーナーさんも実際にそのエンジンの中身を見て確認した訳ではないので実際にはどうなのか不安でちょっと自信無さ気で、基本的に ” 目に見えないものは無い物と思え ” と教えられているので実際にカムが入ってれば良いなぁ・・・くらいの気持ちで譲って頂いたのですが、実際にエンジンの中を覗いて確認してみると・・・jpg
ちゃんとカムにヨシムラの刻印が刻まれていました♪

SBR_8555
ということでカムの確認もして、とりあえずカムの状態も問題なしで、バルブクリアランスもカムを交換した際にしっかり調整されていたようで数カ所だけ修正程度に手直しをしてセット完了でついでに圧縮もOK。

SBR_8499
キャブに至っては自分のところに来てからも一度乗った時以外は放置期間中もガソリンを通していなかったので新品ポン付けか?って思うほど触られた形跡もなく内部はピカピカ^^

SBR_8523
そんな状態なので完全にセッティングがズレており、一から作業を進めてスロー系を煮詰めて・・・

SBR_8524
メインジェットの選択も煮詰まって、あのスタート時の面倒な気遣いもなく、ラフにクラッチを繋いでクイッとアクセルを開けてからの低速域のトルク感も、ガバっと開けて中速からトップエンドまでカムに乗って一気に吹け上がる加速感も格段に良くなって ” おぉ!速い速いw ” なんて思いながら朝方の産業道路を走り回っていたらどうもスタートでクラッチを繋いだ際や加速する度にホイルスピンが止まらない・・・。

で、幾らセッティングが出たからってニンジャってそんなにパワーあんの?って不思議に思って見てみたら、
SBR_8503
タイヤがめくれてワイヤーが出てますた。。。
とりあえずキャブのセットアップはひとまず完了したので、お次は足回りを見直さないとダメっぽいです^^:

akane380 at 11:24|PermalinkComments(4)TrackBack(0)

2014年08月20日

あれから一年・・・

でナニから一年?w って話ですがwSBR_8471
もうすぐでこのGPz900R Ninjaを買って一年が経とうとしています。
そして来月で車検が切れる・・・のに買ってから一度しか乗ってませんw

SBR_2715
普段、シャコタンで癖のある12Rに乗り慣れてしまっているので一度乗った時に12Rと対照的過ぎて何とも乗り難い印象が強く、さらに何となく気になったフロントフェンダーを個人的に好きなBE❍T風のデザインでオリジナル製作したいなぁ・・・なんてノリでオジリナルフェンダー製作を去年の暮あたりから開始してSBR_2641
あーでもない、こーでもないとやっているうちに12Rの準備とかですっかり忘れ去って未だに完成せず・・・w
ロンスイ用のカーボンチェーンケースもあれば欲しいと何名様かに頼まれてたのにすっとボケて着手してませんでした・・・。

P1140081
で、話が逸れましたが、この時期になると自分等の大将が湘南の方で海の家をやってまして、普段は海水浴シーズンには人混みを避けるように海には近づかないのですが、お盆も過ぎて平日だし夕方に行けばそんなに人も居ないだろう・・・と、アクアラインが出来たお陰で地元から湘南なら1時間もあれば行けてしまうので、距離的にも丁度いいから放ったらかしだったニンジャの様子見がてらプラっと乗って行ってみるか?と、バッテリーを付けて、燃料を入れて、必要最低限の点検をして向かったのですが、先日は風が強く、乗り慣れないニンジャ相手にアクアラインの海上部分で7mの横風に煽られ飛びそうになり、鶴見つばさ橋〜ベイブリッジに向かう湾岸線でも向かい風と横風に煽られて飛びそうになり・・・、ヘルメットの中は風切音で全く自分の排気音が聞こえない中、強風に打ち勝つべくアクセルを開けると、高回転のキャブセッティングがだいぶズレていてパワー感も無く、風が凄くて音が聞こえないけど感覚的にガボついてるんだろうなぁ・・・な感じで一瞬カブって一発死んだ・・・?という場面があったりで、乗り慣れずトロトロと低速域ばかり使っていたので高回転でのセッティングのズレにヒヤッとする場面もありましたが、まぁ止まったりもせずのらりくらり無事に目的地に到着♪

P1140091
で、チラホラとお客さん達が帰った後の静かな海でサンセットを見つつスローな時を過ごして、運良く江ノ島の花火大会なんかも見たりして・・・。今年の夏ももうすぐで終わりだなぁ・・・なんて地元から海の家を手伝いに来てる仲間なんかと話しながら23時頃までダラダラして、そろそろ地元に帰るかなぁ・・・と、なんか凄ぇー良い時間を過ごしたなぁ・・・と思ったその30分後・・・相変わらず横浜の海側が風が強くて走行中に自分の排気音が聞こえず、向かい風に打ち勝つようにアクセルを開けていたら気付いた時にはカブってアメリカンのようなドルルン、ドルルンという排気音になっててあれよあれよと症状が酷くなりエンジン停止w
セルを回しても直ぐにはカブリが取れず、下り勾配を利用して押し掛けしてなんとか弱いながらも点火させて慎重に慎重にカブりを取って排気音に注意して冷や冷やしながら帰ってきて、あの癒しのスローな時間は一体何だったのだろうか?という程のストレスを受けながら帰って参りました!というオチでしたw

akane380 at 04:11|PermalinkComments(4)TrackBack(0)