VMAX1200エンジン製作

2017年02月28日

至上命題 9sec!! VMAX計画

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前回焼きついてしまったクランクのスペアを準備するために部品取りのエンジンをバラしたVMAX1200ですが、用意した部品取りエンジンから取り出したクランクも程度も良く一安心できたので、今度は今まで使用していたエンジンの仕様を把握して今後の仕様と対策を考えていきます。

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で、作業をする際にいつものようにエンジンスタンドを使用して・・・と行きたかったのですが、V型エンジンだとエンジンスタンドにセットした状態では水平が出せず、4輪のエンジンを整備する時のようにサイドからマウントさせようか・・・とか悩みつつ、エンジンブロックやクランク自体の重量があって下手にマウントするとケースが割れそうで怖いので上手いこと収穫箱にセットして圧縮比の計測を行いますが、このマウントのし難さという部分が後々ネックになる事に・・・。

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そしてシリンダー容積を測って

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燃焼室容積も測って現仕様での圧縮比を確認し、その後部品取りエンジンから取り外したシリンダーヘッドの燃焼室容積も測って圧縮比を算出して比較しつつ、以前のエンジンの大凡の仕様内容を確認したら・・・

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それぞれの部品をパーツクリーナーで洗浄して今度はピストントップに粘土をセットしたら、シリンダーヘッドやカムシャフトをサービスマニュアルを元に規定通りに組み付けて、クランクを回して実際にエンジンが動いている時のそれぞれのタイミングとクリアランスを押し潰された粘土の厚みを測り、その数値を元にどこまで余裕があるか?またその余裕の中で如何に効率を上げる仕様が出来るか?を検討していきます。
※ 前回製作時の仕様や内容など計測した各数値は伏せさせていただいております。

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で、今回10年近く今までの仕様で挑戦してきて成しえなかった0-400m 9秒台入りを達成させる為には清く正しく逞しくみたいな綺麗ごとじゃダメだろうな。と。
普段のオーバーホールとは違う考えでハイリスクでも記録を狙える可能性を求めたレース仕様で行く方向で考えが纏まり、オーナーさんの同意も得られたので早速作業を開始しました。

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で、まず問題となるのが自分はエンジンを作る時にヘッド側単体ではなくシリンダー側も面研する事が多いのですが、今回シリンダーの面研を行うに際してこのシリンダーのライナーの飛び出しが2箇所で0.2mmほどあり、前回製作した際にこの状態で組んだのか? それともエンジンが稼働中に動いてしまったが為に飛び出してしまったのか? が分からずちょっと参ったなぁ・・と。
もし以前の製作時にこの状態のまま組んでしまっていたのであれば、今回の加工自体に問題はなく指定量を面研してもらって終わりなのですが、仮にエンジンが稼働中に動いてしまって飛び出している場合に、エンジン始動後にまた動いてしまって飛び出しを削った分がマイナスとなってガスケットのシール不良を起こす恐れがあるので果たしてどっちだろうか・・・?と。。。
とりあえず内燃機屋さんに送って作業前に一度確認してもらう事にしたのですが、ここでまた問題発生で・・・

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仮にライナーの件がパスできても今度はシリンダー上面より上に突き出ているエンジンマウントが邪魔で面研が出来るか分からないと・・・。
ついでにエンジンケースが長くてライナーを上手くセット出来ずプレスが掛けられないから何とか別の方法で確認してみると^^:

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で、結果的に叩いても動かず、不安要素は残したくないので一度ライナーを抜いて確認してもらった結果、ライナーが専用のボンドで付いていたらしく、その余剰なボンドで若干浮いてしまっていたとの事で一件落着かと思いきや・・・今度は機械にセット出来ないからライナーを圧入出来ないかも・・・とVMAXエンジン恐るべし・・・。で、だから前回製作時に糊付けしたのかもな。と考えつつ、現在山あり谷あり何とか打開策も見つかり順調に高い精度で加工中です^^

akane380 at 04:17|PermalinkComments(12)TrackBack(0)

2017年01月19日

至上命題 9sec!! VMAX計画

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十人十色、人は人で人生いろいろというこちらのマシンですが、昨年の夏頃にずっと不調を引きずりながら騙し騙し挑戦を続け、いつか1/4mile のドラッグレースで9秒台を出したい!というオーナーさんの熱い話の流れからまずはまともな状態で走らせてみましょうとセッティングの依頼で入庫し作業をしたVMAXですが、

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不調箇所も直してセッティングも決まって昨年のアメフェスに一緒に参戦する予定が、ここはダメそうだなぁ・・と事前にオーナーさんに伝えていたウィークポイントにやはり問題が発生してしまい連鎖的にメタルトラブルも誘発して2016シーズンが終わってしまいました。
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で、このVMAXのオーナーさんは自分も参戦している2輪ドラッグのJD-STERに10年近くこのVMAXで参戦されている古株の方で、とにかくこのVMAXで9秒台を出したいんだ!と。しかも制約がありNOSやエアシフターに頼らず純粋なメカチューン+ライディングテクニックだけで9秒台に入れたいという志の高さ^^
自分も目標高く1/4mile での8秒入りを目指してやっているのでハードルは高いに越したことはありませんが、言うは易く行うは難しというやつで、実際10秒切りの壁は自分も12Rで乗り越えてきたので型落ちのマシンで10秒の壁を越えるその難しさは身にしみて分かっています^^:
しかも今回は12Rと同じ1200ccでも基本ベースで60馬力近くエンジンの基本パワーが少ないうえに馬力損失が大きく二次減速比の変更が出来ないシャフトドライブが特徴のVMAXベースでNOSもエアシフターも無しでの挑戦・・・とハードルガッツリ高めでやり応え十分です^^
ただし今回は自分の12Rと違いボアの変更が既にされていて約1400ccまで排気量が上がっていることと、自分のマシンじゃないので正攻法で実験的な作業は行わないので 、今回は今まで12Rで試してきた事の答え合わせ的な挑戦ということで、VMAX1200ベースでNOSもエアシフターも使わない単純にエンジンとライダーのテクだけで目指せ9秒台!こんな感じでオーナーさんと共にやって行きたいと思います^^


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ということで今回のエンジン製作は今までのエンジンを単純に分解して仕様変更をして組み直すにしても現状どこに手が入っているかが分からない事と、ウィークポイントだったシリンダーヘッドやメタルトラブルで死んでしまったクランクなど、それぞれの部品を新品で・・・なんてえげつない事も言えないので程度よりも精度優先で、安い中古エンジンを用意して部品を摘出し、それぞれの部品に必要な内燃機加工を施して部品代や加工費で嵩むコストを出来るだけ抑えて費用対効果が大きくなるよう回す事に。

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それにしてもVMAX1700のエンジンも死ぬほど重かったですが、この1200のエンジンもまぁ重いです^^:
配送伝票の重さが100kgとなっていただけあってハンドフォークが無いと自分には絶対持ち上げられませんw

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で、エンジンスタンドにセットしたら早々にバラしてしまいますが、こちらは部品取り用のエンジンなので詳細など記録せずひたすらバラします。

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で、分解も終わって軽く洗浄したら肝心なクランクシャフトのチェックをして程度も悪くなく一安心^^

そして分解が終わったら各部品の洗浄に入りますが、
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通常、エンジン部品を洗浄する際には始めに油汚れやカーボンを落とす為に洗浄液に漬けて炉の中で煮込んで頑固な汚れを取り除きますが、

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通常ならこのように綺麗になって次の作業へ・・・となるのですが、

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この時代のヤマハのエンジンって塗装の質が悪いというか塗膜が薄くて剥げやすく、既に塗膜がこうなってしまっている場合は確実に洗浄液によって塗装が侵されてダメになってしまうので事前にオーナーさんに了解を得てから洗浄を始めます。

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で、入浴完了の図ですが、やはり塗膜は殆ど侵されてしまいボロボロです。。。

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その後流水にて洗浄液と汚れを洗い流して完了です♪ と行きたいところですが、

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この洗浄時に侵された塗膜が曲者で乾くとパリパリになってしまい、

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少し手で擦っただけでもこれだけの塗膜が剥がれ落ちてきます。。。
なので、このまま使うとこの剥がれた塗膜がオイルに混ざって細かく粉砕されてオイルトラブルを惹き起こしかねないので、今度はこれをアルミ地肌を侵さない剥離剤を使って綺麗に剥がします・・・。

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このように一手間二手間掛けてやっと洗浄が完了です^^
それにしても最近この手の作業に時間を取られることが多いので真面目にウェットブラストを導入しようかと・・・。
キャブレターへのガンコートやセラコートの依頼も徐々に増えているのですが、やはり外側が綺麗になっても内側が経年劣化で汚れているままだと何か少し残念なんですよね^^:
なのでせっかくならトータルで綺麗にしたいなぁ・・・と。
まぁそんなことは追々考えるとして・・・
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固着していたスタッドボルトも抜いてやっと下準備完了です^^

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そして各部品が綺麗になったところで前回製作時にどこに何を行ったかの現状把握も兼ねて各部の計測を行いまして、とりあえず作業の方向性は決まったのですが、こちらのVMAXもあまり聞かない海外ブランドのピストンを使っている関係で部品供給の面で問題あり+内燃機加工の面で多少問題あり。。。と現在それぞれなんとか打開策が無いかと調査しつつ調整中です。
とりあえず作業の進捗状況は逐一オーナーさんに報告していますが、実際の進捗状況の経過報告も兼ねてこれからもちょくちょく記録をアップして行きたいと思います^^

akane380 at 03:54|PermalinkComments(6)TrackBack(0)