V-MAX1200エンジン製作

2021年01月05日

V-MAX1200 エンジン修復作業開始

数年前の年末に作業を通してテレビ関係の方と知り合って話した際に、” 新年早々箱根駅伝の撮影なので正月なんて無いですよ〜 ” なんて話から ” 箱根駅伝は面白いから是非観てみてください! ” と言われて見始めて以来、毎年正月の日中は駅伝を見てから行動をするようになったのですが、毎年いろいろなドラマがありますが、今年の復路は天国と地獄が交錯する劇的な逆転劇で特に面白かったです^^
こんな事を言ったら大変失礼かもしれませんが、駅伝を観ているとトップグループの選手達はゴール後に皆倒れてガクガク痙攣をして担架で運ばれていくのですが、下位グループになるとゴール後に平然とスタスタ普通に歩いていたりで、強いチームと下位チームの差って体力面よりも自分を何処まで追いつめられるか?その辺りの気合いの差の方が大きいのかな?なんて現代社会で嫌われる根性論で考えてみたり。

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とりあえずチャレンジスピリットだけは学生さん達に負けちゃいられない!という事で、2月の下旬にセントラルサーキットでリベンジをするべく、前回のJD-STERでカムシャフトの破損が確認されたV-MAX1200のエンジンを今月中の復活を目指して作業を開始しているのですが、

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シリンダーヘッドを剥がしてみたところ、事前の内視鏡チェックで判明していた通り、ピストンとのソフトタッチは有ったようですが、致命的な痕も無く、

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ヘッドに関しても軽補修で再利用が出来そうで一安心です。

そして現在運用しているV-MAXのエンジンによるカムシャフトの破損は2回目となるのですが、
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原因は強化したバルブスプリングのレート(スプリング荷重)が高過ぎる事に由来していると思われるのですが、

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どの位レートを高くしているかというと、純正比で凡そ2倍強となり、それじゃ折れるわ・・・と思われるかもしれませんが、

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レートを強化して倍以上になっているとは言っても、その数値はV-MAX1700の純正のレートと同等レベルのレートでしかありませんので、ドラッグレースなど高回転でガンガンぶん回すにはV-MAX1200(FJ、XJR系)の純正バルブスプリングのレートでは低過ぎるとの判断からレートを強化した次第です。

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ただ、どうにもこうにもこのV-MAX1200のカムシャフトの注油口が大きく開いたデザインがネックとなって、その部分で毎回折れてしまうので、今回はプロフィールの派手なリフト量のあるハイカムを使用している訳では無いので、バルブとピストンがヒットするリスクよりもカムシャフトが折れるリスクを考慮して純正バルブスプリングに戻す事にしました。

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元々スプリングのレートを重くする=抵抗が増えて損失が生まれる構造ですので、やむを得ないとはいえ純正バルブスプリングに戻すのは気分的にはウェルカムでデメリットばかりでもなく、あとはシフトチェンジの際にオーバーレブをさせないなど、乗り方で上手く立ち回ってリスクを回避していただければという他力作戦ですw

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そして2月のアタックに向けて再度フルパワー化にするべく、部品取りのエンジンも準備しましたので、フロントバンクのヘッドを新規で作り直してチャンスをモノに出来るようリベンジを行っていただきたいと思います^^

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とりあえず今回、タイミング良く1200と1700のエンジンを並べる事が出来たので、記念に一枚撮っておきましたが、やはり1700のエンジンは断然大きかったです^^

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2020年12月07日

JD-STERダメでした!

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数年振りのJD-STER参戦でしたが、結果から先に申しますと全くダメでした。

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現地に着いて準備をしている頃には雪がチラつく位の冷え込みで、外気温0℃からのスタートとなったのですが、

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一、二本目の走行はタイヤが全く食わず、赤線の60ft区間の目標タイム<1.6秒台>からは程遠いタイムで問題外で、サスの設定などを変えて劇的に60ft区間のタイムが良くなったと思ったら後半の車速の伸びが全く無く、タイムも11秒台連発で明らかにエンジンに力が無いな・・・と、キャブのセッティングは地元で練習走行をしていた時には#185のジェットを使っていましたが、それでは燃料が足りずに#202で空燃比も安定して「今日はタイムも出るぞ!」なんて期待もしていたのに走る姿は完全にパワー不足。。。

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そして最後の一本を走る前にプラグをチェックしてみると3番のプラグがカブっていて、今まで3発だったのか・・・。と、普段の直4と違って180度クランクのV-MAXは常に片排サウンドなので、まさか一発死んでいるとは思わず、直ぐにプラグを洗浄して期待も込めて挑んだ最後の一本も同様にパワー感が無く終了しました。

そして、先ほど遠征から戻ってガレージにマシンを入れて何が原因だったのか探る為に圧縮を図ると圧縮が全く無い。
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バルブが曲がったのか?またコッターが飛び出したのか?と内視鏡でピストンを見てみると薄っすらバルブとヒットしたような痕が確認出来るものの、激しい事は起きていない。
そこでヘッドカバーを剥がして、まずはバルブクリアランスを確認してみようとクランクを回すと、隣で見ていたV-MAXのオーナーさんが ” カムが回ってないです ” とポツリ。

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またかよ。。。という事で、どうやらカムシャフトがまた折れていたようです。。。

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ちなみにこのカムシャフトがいつ折れたのか?を考えてみた結果、9月くらいに練習走行をした時に、エンジンから変な音が一瞬聞こえたような気がして、一緒に居た仲間に ” いまヘッドから変な音がしなかった? ” なんて話しつつ気に掛けたものの、直ぐに音がしなくなったので気のせいか・・と思っていましたが、実際にはあの時に折れたのだと理解しました。

そして不運な事に、何故カムシャフトが折れているのに気が付かなかったのか?ですが、
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一つは空燃比計のセンサーを以前に作業を行っていたショップさんがマフラーの集合後に設置をしていたのですが、集合部からの二次エア混入で正確な空燃比が測れなかったので、こちらで新規に1番のエキパイにセンサーを移動してしまったので1番シリンダーに異常がない限り空燃比計に症状が現れない事と、普段の練習ではスタートの練習しかしないので、3発と4発のパワー差の違いが分かるほどのパワーを掛けれないという条件もあり、間近で見ていても全く気が付きませんでした。

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それでも幸運な事にバルブとピストンが派手にヒットしなかった事と、吸気側が折れてくれたお陰で無負荷+無症状でいてくれたので致命傷には至りませんでしたが、これが排気側だったら破壊的なエンジンブローになり兼ねなかったので、いろいろ不幸中の幸いに助けられたようです。

と言う事で、今回は大失敗に終わりましたが、丁度シーズンも終了しましたのでエンジンを降ろして戦闘力を取り戻すべく、来シーズンに向けて引き続き頑張ります!




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2020年12月03日

年内最後のV-MAX9秒チャレンジ

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バタバタしていたら あっという間に12月ですが、先日、今週末の5日(土)に福島で開催されるJD-STER最終戦に向けて夜な夜なマシンの調整と、

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寒い福島に向けて人間の耐寒訓練を行ってきました・・・w

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前回11月にJD-STERが開催されると思って練習をしたのが一ヶ月前くらいでしたが、前回合わせたキャブレターのセッティングが既に合わなくなるほど季節が移り替わっていて、当日の福島は午前中の予想気温が4度前後、最高気温8度の予報で、スカイパークは山の上なのでもっと寒いとして更にセッティングが進みそうで何よりです。

とりあえずセッティング的には燃料が沢山入れられるのでパワー面で有利な条件ですが、気温が低すぎてバーンナウトを行ってタイヤを温めても直ぐにタイヤは冷え冷えだろうな・・と。
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そして案の定というか、昨晩の練習でも外気温10℃でもバーンナウト後は急速にタイヤが冷めてしまい予想以上に食いつかず、美味しい所を使い切ってしまったのか?スタート後に通常の5倍近くブラックマークを残す有様で、スタートが命なドラッグレースとしては少し致命的な環境の中でのチャレンジとなりそうですが、先日の練習走行でこのロードレース用のタイヤ( DUNLOP SPORTMAX Q4 )をドラッグレースで使用するに当たってネガティブなポイントも分かってきましたので、再度新品を奢っていただいて、今までのシンコータイヤとの使い方の違いなども含めて現場の状況に合わせて臨機応変に対応できる様、現場力高めにサポートを行ってきたいと思います。

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そして無し無し条件のV-MAX1200に対して来年からは全く違うアプローチで進めているもう一方の何でも有り有りなV-MAX1700も本格的に進めて、上手くいけば自分の12Rの復活計画も来年からスタート出来ればと思います^^

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2020年09月23日

目指せ!ゼロヨン(0-400m) 9秒台

という事で、こちらのブログでチョイチョイ記事にしているV-MAX1200での1/4mile ( ゼロヨン )目標 9秒台!の話の中で、ゼロヨンに興味の無い方からすると、9秒台を出すのって難しいのか?と思われるかもしれません。

そこで簡単に現在9秒入りチャレンジ中のV-MAX1200を紹介すると・・・
VMAX1200_data
今回求められている条件は、V-MAXを愛するオーナーさんの意向で、国内では今までに誰も成し遂げた事がないドラッグレースに必要な装備を一切使用せずに、V-MAX1200でゼロヨン9秒台に入れる事を目標として、以前に10年近くレースでお世話になったV-MAX専門店でエンジンを制作してもらった時と同じ排気量 ( ボア×ストローク ) のまま、シークレットベースレーシングとしてメニューを考えて9秒台を出せるエンジンを作れというチャレンジングなレギュレーションの中、トライ&エラーで評価を繰り返して仕様変更と修正を重ねて回を重ねる毎にタイムを刻んでいる状況です。


ヤングマシンさん参照データ
そしてこちらはヤングマシンさんの記事(ソース:https://young-machine.com/2020/04/08/87787/)を元に、最新型スーパースポーツバイクにおける純正でのゼロヨンタイムを上から速い順に表にしてみた物ですが、一先ず計測結果のタイムは伏せてありますが、果たしてこの200馬力が犇めく高性能な最新機種の中で、9秒入りの車種が何台あるでしょうか? そして現在自分達が挑戦しているV-MAX1200のタイムがこの最新スーパースポーツ勢と対峙した場合にどの位のポテンシャルがあるのか・・・。





その結果は・・・





ヤングマシンさん参照データ+VMAX
この様な感じで、最新のCBR1000RR-Rをもってしても純正では9秒台には辛うじて届かない。そんな領域がゼロヨン9秒台となります。 
そのような高い壁に対して古いV-MAXに無し無し条件で、専用のドラッグコースも無く、一般舗装路+エンジンの出力だけでこの目標に挑むのは当然厳しくやり甲斐があるのですが、流石に適当に乗って出せるタイムでも無く、こうなってくると当然ライダーに求められる技術も高い次元が要求されます。

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レースの世界は裏側を見れば作り手と乗り手のバトルでもあり、作り手はこちらが作るモノを高い次元で使いきってくれないと困り、乗り手は物足りなさを感じないモノを作り手に要求する、その技術のぶつかり合いの結果がタイムであり、勝負の世界でもあります。
そして現状ではV-MAXのエンジンは練習用に耐久性を持たせるべく、一番初めに制作した時の仕様から若干パワーを落としているのですが、現状の状態でタイムが何処まで出せるか自身の腕を試したいオーナーさんと、次のチャンスを最大限生かす為にもフルパワーに戻したい自分との意見がぶつかり、それならスタートのタイムが安定して良いタイムが出るようになればそのままの仕様で、ダメそうならスタートを捨てて、エンジンのパワーに賭ける方向で行きましょう。という話の流れで先週からスタートの練習を始めたのですが、先週はウイリーからの着地でヘッドライトが切れて中止となってしまい、先日再度集まってスタートの練習を行ったのですが、一つの方向性が見えたところで時間切れとなってしまい評価が出来ず・・・。


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ちなみに単純に400mをただ真っ直ぐ走るだけの競技と思われがちなドラッグレースですが、実際その通りですw
ですが、タイムを出すとなると非常に難しく、同一車両でドラッグレースでタイムを出す為に一番重要なポイントは、静止状態からスタートでどれだけのエンジンパワーを無駄なく路面に伝えて高い加速Gでスタート出来るか?に掛かっているのですが、上のグラフはいつも計測に使用しているDragy のアプリ画面で、右のスタートしてから60ft(約16m)の区間タイム1.66秒の良いタイムの時と、左の2.95秒の遅い時ではオレンジ色の加速Gの初動の値が異なるのが分かるかと思います。
この部分を如何に高いGでスタート出来るようになるか?が乗り手の技術と度胸が試される見所であり、ドラッグレースの楽しさだったりします。
ただこのスタートに関しては周回レースのスタートも同様の技術が求められますので、ドラッグレースに限った話ではなく、 俺なら何秒出せるんだろうか・・・?と気になった際には11月1日に福島県でJD-STERという2輪のドラッグレースが開催されますので、タイム計測がてら参加されてみては如何でしょうか。
ちなみに現在の国内の2輪ドラッグは参加車種の幅が非常に広く、最新機種だけではないので、ギャラリーとして参加されても楽しめると思います。
訂正とお詫び

こちらの記事で11月1日に福島県でJD-STERという2輪のドラッグレースが行われると紹介をさせて頂きましたが、11月のレースは当初の予定から開催未定となっていると教えていただきました。現状11月1日開催予定だったJD-STERは開催未定との事で訂正をさせていただきます。



先日のJD-STERの様子を見やすく紹介されている動画がありましたので、
こちらでご紹介させて頂きます。
念のため音量に注意してください。
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とりあえず11月のJD-STER参加で一番の楽しみはGo to な宿だったりするのは内緒ですw






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2020年09月10日

11月のJD-STERに向けて

先の台風10号の被害が経済的打撃を与えるような被害を生まなくて良かったですね。
今回の台風が過ぎたら少しは秋の空気が入ってくるのかなぁ・・・とか考えていましたが、全くもって連日の猛暑で作業が全く捗りません^^:

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そんな中、11月に福島で開催される予定の2輪ドラッグレースイベントのJD-STERに参戦するべく、オーナーさんにマシンをガレージに持ってきて頂いて早めにエンジンの調整と評価をする為に夜な夜なテスト走行の準備を開始しましたが、スロットルワークを扱い易くする為にキャブを分解して仕様変更後にキャブのリセッティングを行ってみて改めて異常気象なんだなぁ・・と感じる程に今年の春先のセットからかけ離れたジェッティングになりました。

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そして今回のV-MAX1200での目標「0-400m 9秒台!」に向けて、昨年の9月に兵庫県のセントラルサーキットでシェイクダウンをして、10.9秒台から始まって徐々にタイムを縮めて当日のベストが10.4秒台と、スタートが決まれば9秒は見えるな。と期待を残し、

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翌月にオーナーさんが一人気合いで北海道まで遠征して2本しか走行枠が無かった内の1本目で更にベスト更新の10.3秒を記録。

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そして今年の3月に行われたドラッグフェスティバルで更にコンマ1秒ベストを更新して10.2秒台と、走る毎に修正を重ねて常にタイムを縮めて目標に向かって前進中ですが、

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基本的にここまでエンジンにだけ手を加えて他の部分は一切ノータッチと言いますか、サスペンションに関しては前後オイル漏れをして走行毎にオイルを拭く始末で、次の走行までにはサスペンションもしっかりしときませんか・・・ということで、オーナーさんが前後のサスをオーバーホールに出してきてくれたので・・・、

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先ほどいつものホームコースでテスト走行を行ってきましたが、

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” とりあえず1本目は様子見で〜 ” などと話してラフにスタートした一本目で60ft区間のタイムが1.73秒と前回までの60ft区間の平均タイムよりも良い結果が出て好印象ですが、2速にシフトアップをして加速するも派手にフロントを上げてしまい、着地と同時にヘッドライトのフィラメントが折れて電気が付かなくなり終了・・・と残念な結果となりましたが、データ的には加速Gもシフトアップ後に更に増していて確実にパワー感は増しているので、電気を直して日を改めリアタイヤの使い方とサスのセッティングも含めてもっと煮詰めて行きたいと思いつつも、サスセッティングに関しては無知なんですよねぇ・・・w
サスペンションのスペシャリストならウイリーを抑制するようなサスセッティングが出来るモノなのかな・・・?とか気になりつつ、とりあえず11月のJD-STERでの目標達成を目指して出来るだけの事をやっていきたいと思います。




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2020年03月09日

ドラフェス

今年最初のセントラルサーキットで行われたドラッグフェスティバルに参加してきました。
結果はスタート時のウィリーとテールスライドを克服出来ず練習した60ft区間のタイムが詰められずに目標の9秒台には入りませんでしたが、とりあえず最後の一本(実際にはもう一本残っていましたが)で、もうこれで最後の走行なのでスタートに失敗しても何でもいいからアクセルを戻さず最後まで全開で走って高回転のログだけ取っておきましょう。と挑んだ一本で、スタートでリアを滑らせて失敗しつつも前回の10.3秒から更新して10.2秒を記録。
で、何だか無理に狙わず普通に走れば9秒台に届くんじゃないか?と、もう一本走行が残っている事も判明して期待が膨らみましたが、最終的にシフトミスで不発に終わりました。
で何で画像が無いんだ?って話ですが、驚いた事に今回撮影したカメラの記録メディアを現場の車の荷室に置いているタイミングでカメラから抜き取られ盗まれてしまいました。。。
とりあえずいつもの仲間の車で遠征していたのでドライブレコーダーが停車中も12時間記録を保存しているタイプの物で、家に帰ってすぐに気が付いたので仲間に即連絡をして確認をしてもらって特定も済んで何故に。。。って感じですが、今更メモリは戻って来なそうですので今後どうするかはこちらで考えます。
何だかどっと疲れたというか、今回のレース以外の直近の作業記録や完成画像なども全て失ってガッカリですが、PCで保存していた10.2秒の動画だけ貼っておきます。







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2020年03月04日

V-MAX1200 リトライ

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先月末にセントラルサーキットで開催されるドラッグレースイベントのドラフェスに参加する為に新たな計測装置のドラッギーを導入してスタートの練習を行ったV-MAX1200 ゼロヨン 9秒入りチャレンジですが、結果的にイベント当日の天気が雨予報との事で、イベントの2日前に2週間後の3月7日に延期が発表されたのですが、お陰で当日はイベント日が重なっていた筑波で開催されたAttack を観に行く事が出来たりで、主催者である長尾さんの早期判断は本当に助かりました^^
そしてもう一つ助かった事が有ったのですが、

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前回の練習時に最後の走行から2本目辺りからリアのタイヤ温度を測る際に近付くと、エンジンのリアバンク付近から排気音やエンジンのメカノイズの中に混じってほんの少しだけ微かに ” シ、シ、シ、シ、シ ” と異音が混ざって聞こえ始めて、バルブ周りに何か起こり始めたな・・・と察しつつ、まだ「シ」の段階だしそこまでのトラブルじゃないな。と、これが「チ、チ、チ、チ」や「タタタタ」の大きな音に変わると不味いけど、とりあえず2日後の夜に出発するので時間も無いし、今回はこのまま行って、戻って来てからエンジンを開けようと考えていたのですが、急遽イベントが延期になった事で時間が出来たため、直ぐに車両をオーナーに持ってきていただいてエンジンを開けてチェックをしてみると・・・

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自分の12Rでも散々悩まされたバルブコッター飛びの症状が又しても・・・。
で、自分の12Rの時にはバルブスプリングの変形と荷重を合わせる為の策が原因だったと判明したのですが、今回は何故・・・とリテーナーを確認してみると、

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お高いチタンリテーナーが無残に割れていて流石に自分の12Rでもこの症例は無いな。。。と。

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そして破損したリテーナーを観察してみると、本来凹に収まっているシムが‖Δ鉾瑤喀个靴銅个瓩砲覆辰燭箸海蹐鬟ムに押されて無理やり押し込まれた反動でリテーナーを割って、その反動で側に弾かれた所を再度カムが下りてきて押され、何度か打ち付けられたタイミングで運よく凹内に収まり、の欠け部分は,侶腓韻診吠劼リフター内から脱落する際に隙間に挟まって強い力が掛かった為に欠けた物と推測。
そしてその現象はエンジン始動時のクランキングで発生したと思われるのですが、今回のV-MAX1200では圧縮をかなり上げている事と、バルブスプリングを強化している事、そして元々セルモーターが弱い事が重なってセルの周りが悪く、バッテリーを2個並列で繋いで何とかセルを回している状態なのですが、ちょいちょいクランキング時にスターターギアが逃げてしまいその瞬間にカムのジャーナルがバルブスプリングの反力に負けて逃げてしまうような状態が稀に起こり、そのためにオーナーさんには「壊れるのでセルを回す際にラフに回さないでください」と、エンジンが掛かるまでボタンを押し続けて下さいと何度か注意をしたくらいにエンジン始動に気を遣う仕様なのですが、その勢いよくカムが押し戻ったほんの少しのクリアランスでリフターとシムが撃ち出されて一瞬宙に浮いてシムがズレたのだと思います。

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実際にシリンダー内を内視鏡で確認をしてみるとバルブとピストンの接触は軽度で、セルのクランキング程度のスピードだった事でシムが浮いてリフト量が増えた状態でもバルブが飛び出したシムとの隙間分カム側に飛び出す事でピストンとの接触もソフトになり損傷も最小限に抑えられ、そのタイミングでコッターがズレたものと考えられます。 これがエンジンが回っている高回転時だった場合には一発でバルブが打ち返されて致命傷が残るインパクトを与えていたと考えられますので、とりあえず全開走行時などに起こった事案ではないと判断をして問題無いとみてこのインナーシム+強化スプリングの仕様を継続していく事としました。

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そんなこんなで、今回のV-MAX1200は元々純正がアウターシムなところを海外ブランドの流用でインナーシム化をしているので、修正するとなると海外からの取り寄せとなるのですが、ヘッドガスケットとチタンリテーナーをそれぞれメーカーに発注したところ、チタンリテーナーだけ何とか先日入荷したので早速交換を・・・。

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で、ヘッドガスケットが間に合わなかったのでシリンダーヘッドを剥がさなくても作業出来る方法を・・・と考えて、燃焼室にコンプレッサーからの圧縮空気を送る事でリテーナーを外した際にバルブの脱落を防止する専用の工具が世の中に有る事を思い出して、とりあえずその真似で燃焼室に圧縮空気を送って・・・、

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専用の工具も無いし、治具を作る時間も勿体無いので、仲間に応援に来てもらって人力でバルブスプリングコンプレッサーの先端を押して貰って・・・とマンパワーで何とか無事に交換が完了♪
割れたリテーナーの破片はシリンダーヘッドのオイル溜まりの凹部分に取り残されている状態ですが、アルミのように削れるモノではないので今回はそのまま摘出せずに寝ていてもらいます。
あとは明日マフラーなどを組み付けて、金曜まで時間に余裕を持って仕上げられそうです^^


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ちなみに参考までに、圧縮空気をシリンダーに送ると言ってもプラグホールのネジ径と同じアダプターなんか無いぞ。。。と悩みつつ、以前にヤフオクで実験に使う用に2千円くらいで購入をして、使用一発目でゲージの針が壊れたシリンダーのリークテスターが有ったのを思い出し、それを使って今回圧縮空気を送る事が出来ましたので、自作で治具を作る場合には安価なヤフオク製を流用すると費用が抑えられるかもしれません^^

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そして今回のチェック時に昨年の走行でガスケットが抜けてしまった経緯があるので念のためにシリンダーの締付ボルトをチェックしたところ、前回同様真ん中の4本が緩んでいたので純正のスタッドボルトでは役不足な事も分かりました。
12Rなどだと強化品が売られていて比較的簡単に入手が出来るのですが、V-MAX用は出ていないようでARPなどで制作して貰うしか無いようです。。。

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ついでに分解時にアクセルのワイヤーを留めるステーのコの字部分が折れ掛かっているのを発見して溶接して補強。

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その後、ブラックにセラコートでコーティングをしてステーの対策も完了。

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そして前回手作業で加工をして少し段付きが残っていたインシュレーターの段差も旋盤を使って精度良く修正して、キャブと相談をして若干内径も拡大^^
とりあえずやれる事はやってみました的な感じですが、あとはオーナーさんが残りの0.3秒を詰めて9秒台に入れてくれるか結果は如何に・・・という事で、今年一発目のチャレンジ行ってきます♪



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2020年02月18日

Dragyでスタート練習

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待ちに待ったV-MAX1200のドラッグレース1/4mile 9秒台チャレンジが今年も幕を開けました^^

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前回のシェイクダウンでは5回の走行で10.9秒から10.4秒台までタイムを縮めて、最後はシリンダーのガスケット抜けでリタイアとなってしまったのですが、

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その後、シリンダーのガスケットを交換してオーナーさんが一人旅立って走ってきた北海道の地では10.3秒までタイムを縮めて、あと少しで目標の9秒台入り・・・というところでシーズンが終了したのですが、とりあえず来年(今年)の寒いセッティング的に一番パワーの出せる時期のセントラルで一気にタイムを狙う方向で進めて、一気にタイムを狙う作戦としてドラッグレースで一番肝心な60ft区間のタイムを詰めようと考えた訳ですが、

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上のタイムシートはどちらも自分の12Rで仙台を走った時の物ですが、1/4mile通過時の速度差は殆どありませんが、スタート後の60ft区間のタイムが0.1秒違うだけでゴール通過時の1/4mileのタイム差が0.25秒近く開いて、前半の0.1秒が後半のタイムに大きく影響しているのが分かるかと思います。
このスタート時の加速度を上げるためにレース前には練習をするのですが、正直今まで自分の時も含めて練習を行っても見た目や音、雰囲気的な判断だけで本当にタイムが良くなっているのか?などを知る事が出来ず、とりあえず練習したしなんとかなるだろう・・・というお守り的な感じでやってきました。

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そしてクラッチの仕様変更などでいよいよ効果や変化が詳細に分からないと辛くなってきた時に、電気関係の仕事をしている先輩が見かねて自作の計測装置を作ってくれてそれに合わせて簡易的なクリスマスツリーなども作ってみたりもしたのですが、最終的に作ってもらった基盤や電気回路の仕様を自分がはっきりと理解できずにインテリアとなって終了。。。と、なかなか上手く行かない事もありましたが、今は時代が進んで非常に良い製品があることを知りました^^

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それがこちらですが、富山のサブライブさんが2年ほど前から輸入し販売をしているGPSを利用したドラッグレース専用の計測システムで、その名も『 Dragy 』です。
現時点で昨年末からの在庫切れが続いて入荷待ちとなっておりますが、価格は19,800円(外税)で購入は下記専用の販売サイトから購入ができます。
販売専用サイト:http://dragy.jp/index.html

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製品の仕様はこのような物らしいです。

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そして本体のサイズは非常に小さく軽量で、

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専用のアプリが無料で配られていますので、ios端末かandroid端末を使用してアプリをインストール後にBluetoothで携帯などと接続してセットで使用します。
使用方法は非常にシンプルで電源ボタンすらなく、携帯などでアプリを立ち上げ、この2つをBluetoothで接続すると勝手に電源が入りますので、両者を持った状態でスタートボタンなどの操作を必要とせず、停止状態から走り出せばその都度自動的に計測を開始して、1/8mile以上走れば結果がスマホ側にその都度保存され、後で遡って確認が出来るといった内容です。
なのでバイクなどでグローブをしていてもポケットに入れておけば自動的に計測を開始してくれますので、「アプリを立ち上げて接続する⇒ポケットに入れて走る⇒結果を見る」だけの動作しか要りませんので非常にシンプルです。
※ その他にスマホのカメラと連動した動画撮影モードもあるようですが、そちらはまだ試していませんので省略します。

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そして計測出来る項目は距離だけでなく、それぞれのスピードへの到達時間など選択して希望する項目の計測が可能です。

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そしてこちらが計測結果の画面ですが、下記に表示されるタイムの他に加速Gや速度、気温や高低差なども同時に記録されます。

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そしてそれらのデータはこのように保存されていきますので、後から仕様の違いによる加速Gの変化などを比較検討をする事が可能です。

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という事で説明が長くなりましたが、先ずはシーズンオフの間眠っていたマシンの調子を見る為、シュアショットさんにお邪魔してシャシ台上で吹け上りのテストなどを行って、

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その足でいつもの地元の練習場に移動をして早速Dragyを使って練習開始ですが、

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当初、目指せ1.6秒台!なんて話で始めたものの、走行時のタイムを比較出来るようになると残酷なもので、いろいろ試しても全然タイムが縮まらない現実を突きつけられ、結果は詳しく知らない方が良かったのかも・・・とか考えてしまったりで「兵庫まで遠征遠いなぁ・・・」なんて希望が見えない状況に軽く凹んで足が重くなってみたりw
で、流石にこれはマズイですよ・・・ということで、数日後にまたオーナーさんに時間を作って貰って補習をしたのですが、今回はスタートの苦手な自分に代わって特別講師として遊心のコーイチさんを誘ってオーナーさんにアドバイスなどを頂いて、タイヤの空気圧やリアサスのセッティングなど自分の苦手な部分をいろいろ教えて頂き、それにオーナーさんも頑張って応えた結果・・・、

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やっとコンスタントに60ft区間のタイムが1.6秒台に入るようになって、なんと加速Gが一般舗装路で2Gを超えるまでにw
これはイケるぞ!と希望をもたらす良い機械にDragyはなりました^^
このように仕様や走り方などの変化を比較検討をするのに非常に有効なアイテムですので、エンジンやクラッチを消費しながら無闇やたらと走って練習するくらいなら買っても損は無いかと思います。
特に今回のように片道600勸幣紊發△0泊3日な修業のような過酷な遠征の場合は希望があるのと無いのとでは精神的な面も非常に大きいので・・・w
ということで、今週末のセントラルサーキット周辺の天気が今のところ非常に微妙ですが、出来れば走りたい、でも雨なら・・・

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筑波で開催されるAttackを観に行きたいw
どうして予定が被ってしまっているのか・・・w
関東も天気が微妙ですが、関東も関西も晴れる事を願って、走れば結果は出ると信じて行ってきます^^

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2019年11月03日

V-MAX1200 Oリング対策

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前回3度目の正直でやっとOリングの飛び出しを抑え込む事に成功したこちらの油圧部分ですが、経緯を紹介するのを忘れていたので追記しておきます。

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とその前に先週の日曜日にV-MAX1200のオーナーさんが北海道に遠征してきた結果ですが、前回のセントラルで10"479 秒まで縮めたタイムを一気に9秒台に入れてくれるか?という事で結果ですが、

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当日一発目の走行でセントラルの10.4秒から更に10”371 秒とタイムを更新。
で、2本目の走行はシフトミスをしたとの事で途中でアクセルオフでNOアタック。
そして3本目と思いきや当日は時間の関係で全車2本のみの走行だけだったとの事でここで終了と、本当に今の国内ドラッグ環境はキツイな・・・と率直に感じつつ、とりあえずコース状況もスタート地点が上り勾配でスタート後に坂を上って後半に下るというタイムを正確に測る最低限のイコールコンディションとは言えない状況だったと後に判明したのでV-MAX1200チャレンジとしては今回のタイムは個人的に無効かと。。。
とりあえず3年前にエンジンを壊した北海道でリベンジをするのがオーナーさんの今回の一番の目的だったようなので、来年のセントラルまで挑戦はお預けですね^^:

そして本題に戻りまして今回の記事は今回このV-MAX1200を担当させて頂くに当たって問題点として浮かび上がったネガティブポイントのご紹介ですが、
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今まで触ったことの無かったV-MAX1200エンジンの作業を任させて頂いて、

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当初エンジンを分解した際に、オイルフィルターからクランクシャフトのメインジャーナル軸受け部分に油圧を送るという非常に大事な部分のOリングがご覧のように切れてシール不良を起こして油圧漏れを起こしており、これは前任者の組み方による作業ミスなのか?設計的な問題なのか? と疑問になりまして、他にもいろいろと何でこんな事になってるんだ?という部分なども多かった事から、

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今回このV-MAX1200のエンジンはV-MAXの専門店さんでエンジンをイジられた車両という事+個人的に初めて触るエンジンなので比較と検証を行う為に部品取り用にノーマルのV-MAX1200エンジンを一機用意しまして、

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そちらの中古エンジンを分解した際にも同様にオイルパイプ部分のOリングに異常が見られたのでここはV-MAXのネガティブポイントっぽいな・・・と判断して対策を練る事に。

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今回使用されていたこのシリコン製のOリングですが、耐熱性、耐潤滑油性には優れるものの、材質的に柔らかいので耐圧性が悪く、今回のようにオイルポンプから3kg近い力で油圧が掛かり、差し込み部分のクリアランスが広いこのような部分に使用すれば今回のように油圧に負けてはみ出してしまったり、摩耗して切れてしまったり・・・で見事にご覧の有様で・・・。
ちなみに寸法取りの為に用意した新品との比較ですが、使用後のOリングは劣化は当然のことながら、線径も細くなってしまっていたりで、28年前の設計ということでここは対策として現代の代物に交換したいと思います。
それにしても当時のヤマハの設計は何故ここにわざわざ高価なシリコン材を採用したのでしょうか・・・。
高価なシリコンを選択できるコストが許されたならもっと高性能でシリコンよりも安価なフッ素ゴムを選択しても良かったような気がするのですが、柔らかいシリコンで振動対策か・・・? と考えてみたり・・・。

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ちなみに同一部品内で一方はNBR材のOリングを使用していて一方はシリコン材を採用していますが、これが余計に「何故こんなチョイスを設計で行ったのか?」の謎の種に。。。

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例えばミクニのTMRキャブもシリコン製のOリングを使用していますが、これも以前に何でここにガソリンに弱いシリコンをチョイスしているんだ?と調べてみたところ、シリコンはガソリンに浸すとガソリンを吸って50%近く膨張するらしいのですが、膨潤するだけで溶けたりはせず、乾燥させると吸い込んだガソリンが抜けて元の状態に戻る性質を逆に利用して膨張させて密閉度を上げているのだと理解しました。
なので分解直後はふやけたようにデレデレになっていてOリングダメになってるじゃん!って思っても時間を置けば元通りになる・・・と。
こうゆう風に仮説立てが出来ると納得も出来てモヤモヤが消えるのですが^^:
とは言っても理由がどうであれネガティブポイントに変わりはないので高耐久なフッ素系のOリングに代えてしまいます。

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そしてオイルパイプとギャラリーの差し込み部分がズコズコだったので見てみたところ、変形していて更にシール性が落ちてしまって使い物にならない事が判明^^:

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物自体は消耗品でもないので部品取りE/g から取ったデリバリーパイプに交換しようと実物を持ってきてみると、驚きの新事実が・・・。

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こちらはZX12Rのオイルパンですが、オイルパンはオイルを受ける受け皿の役目以外に他の部品を抑える役目も兼ねる事が多々あるのですが、矢印の突起部分が・・・

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このようにオイルパイプなどに当たってオイルパンを組んだ際に差し込んだ部品が脱落しないように押さえる役目を果たすのですが、

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当初このオイルパイプ裏の凹みにオイルパン側から凸の押さえが当たるのだと思っていたところ、

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部品取りE/g から持ってきたオイルパイプを見てみると凹の部分にゴムダンパーが付いており、

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なぬ?っとオイルパン側を見てみると有ると思っていた凸状の突起が無い・・・。

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どうやらV-MAXは振動や磨耗を気にしてか?直に突起で押さえるのではなくダンパーを介して押さえるよう作られているようで、赤丸で印した座面に・・・

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本来正常に組まれていれば、画像左のように黒いゴムダンパーがオイルパンに押し付けられて押さえが働くのですが、今回バラしたエンジンは画像右のように抑えのゴムダンパーが無い・・・。

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そりゃこれだけ浮いて差込み部分が変形してズコズコでは一番油圧の掛かる部分としては致命的ですね。。。
今回のように他の作業者さんが制作したエンジンの修理や改造で一番怖いのがこの前任者が残した組付け不良箇所で、言い換えれば地雷ですが、これをミスと気付けないと同じ過ちを繰り返してしまうので組付け不良なのか仕様なのか?を一つ一つ検証して気になる部分に対しては何故ここにこれが?とか何故こんな事に?という理由探しに非常に時間が掛かります^^:
ましてや数十年前の設計だと見直せる部分も多いので本当に時間が掛かりますが、その分、現代の考えで見直せるので良い部分も有ったりするのですが。

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とりあえず対策品のOリングの準備と前回の不具合の原因が単純なヒューマンエラーも絡んでいたということが分かったので、一度対策的にシリコンゴムからフッ素系のOリングに交換して試してみる事に。

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ちなみにこのオイルパイプはオイルパンを剥がせば簡単に脱着が出来る部分ですのでオイル交換のついでに状態の確認や交換も簡単に行えます。
缶ジュース一本分ほどのコストで安心感が得られますので、検索などでこちらの記事に辿り着いて交換してみようという際に、国内規格に類似規格があり自分も一度間違えて取り寄せてしまったりと少し探しにくい規格のOリングを使用していますので、気になる方は画像の品番を参考にしていただければと思います。

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そしてOリングの対策も完了してゴムダンパーもしっかりと組み付けてこれでOリングのトラブルが再発しなければ安心出来るな・・・

とエンジンを組んで車体に載せて、慣らしで100劼曚描行して、SBR_0888
その後にシャシ台で10本ほど全開にしてから再度エンジンを降ろした際にオイルパンを剥ぐってチェックした結果・・・

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対策も空しく見事にはみ出しておりますw
とりあえずこうなるとダンパーのゴムが柔らかすぎて油圧が掛かった際に潰れてしまい、それでOリングが飛び出せる状況を作ってしまうのかも・・・、

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ということで、ゴムダンパーの座面部分の嵩上げを行うべく、3个1个離好據璽機爾鮴作して、

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仮合わせを行った結果、3亳のスペーサーの方がしっかりダンパー部分に当たって押し上げていたので3亳のスペーサーを採用する事にして、固定方法を溶接で止めようか悩んだのですが、ここを見てくれた人が簡単に真似出来るよう耐油性の液体ガスケットで貼り付けて固定して完成。
※ 3亳のスペーサーはホームセンターで3亳のアルミ板を買って来てセコセコと切り出せば簡単に制作可能かと思います。

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そして先日のセントラルでの全開走行後に再度エンジンを降ろすタイミングでオイルパンを剥ぐってOリングの状態を確認した結果、やっと飛び出しの症状が治まって不安箇所を払拭する事が出来ました^^
上でも書きましたが、この部分のOリングの確認はエンジンを車体から降ろさなくてもオイルパンを留めている8估のネジを16本前後緩めてオイルパンを外せば簡単に確認をする事が出来ますので、オイル交換などのタイミングで気になる方は是非チェックをしてみてください。

※ ヤマハのガスケットはペラペラで直ぐに切れてしまいますのでオイルパンを剥ぐる時には事前にオイルパンのガスケットを用意しておくことをお勧めします。

V-MAX1200 オイルパンガスケット部品番号
部品名称 : ガスケツト,ストレーナーカバー
1990年〜1991年 ( 3UF1、3UF2 ) 
部品番号 : 26H-13414-00
1992年〜 ( 3UF3〜 )
部品番号 : 3JP-13414-01


追記

この部分の油圧が漏れる事によるリスクをご紹介しておきます。
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今回の油圧パイプから圧送されたオイルはクランクのジャーナル(軸受け)部分にオイルを送っていますが、そこの油圧が低下をすると冷却不足を伴うばかりかクランクメインジャーナル及びクランクピン(コンロッドベアリング部分)+ピストンピン周辺が油膜切れを起こし、画像のようにジャーナルやピン部分の焼き付きを起こすリスクが非常に高く、損傷を受ければエンジンが壊れます。
ただ、V-MAX1200であまりクランクの焼き付きなどの話は聞かないので、もしかすると本来オイルポンプで発生した過剰な圧力を逃がすリリーフバルブから排出する分の余剰圧力をこのOリング漏れ部分から垂れ流して上手い事帳尻が合ってしまい乗り切れているのかもしれません^^:
油圧は人間でいう血圧ですので、人間もマシンも圧が下がれば非常に具合が悪く、圧が完全に抜ければ数分で・・・です。
画像は今回のV-MAX1200のエンジンに入庫時に組まれていたクランクシャフトでピン部分が損傷を受けてエンジンが壊れた物ですが、Oリングが抜けてしまっている場合に高回転高負荷を多用されるような走りをされる場合にはこのようなリスクがある事を実例としてご紹介しておきます。




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2019年10月26日

V-MAX1200 リトライ

前回のドラッグフェスティバルでガスケット抜けの症状でリタイアしたV-MAX1200ですが、SBR_2437
現地に発注したメタルガスケットの入荷がギリギリになってしまったので、エンジンを降ろすのも大事を取って先日の台風通過を待ってから車体から降ろしまして、

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分解点検の結果、あらかたの予想通りリアバンクのガスケット抜けでした。
とりあえず症状からして最後の一本で抜けた訳ではなく、もっと前から圧縮が抜けてしまっていたようです^^:
前回、燃焼室の仕様を変更してリスクを若干減らす方向で作業をした事と、直4と違ってV型は常にバラけた排気音な事が相まって正常時をまだ把握出来ていなかったので全く症状に気が付いていませんでした・・・。

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とりあえずガスケットトラブルは自分の12Rでも散々経験をしましたが、V-MAXのエンジンでは初めての症状なので、原因と思わしき部分に焦点を合わせて消去法で対策を練って組み方を変えトライ&エラーで信頼性を上げるべく対応してみます。

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そして圧縮漏れを起こしていないフロントバンク側の燃焼具合ですが、純正の時はボアを7个盥げた事との相性か?燃焼具合にバラけが出ていた燃焼跡も、修正後は外側にしっかりと燃焼ガスが広がって形も左右対称と非常に好印象な結果で、今回施した燃焼室の成形が悪くはない方向に向かったようでホッと一安心^^

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多分、現行マシンのエンジンをバラす方がこの燃焼跡を見て「は?普通じゃん」って感じられると思うのですが、30年前の設計の古いV-MAXがそうなったんです・・・。と理解して頂ければと。
ちなみにこのピストンにも耐爆セラコートを施工しておいたのですが、900℃近くまで耐えられるコーティングの外周部分が燃えて無くなっているので、セッティングの安全マージンをもう少し増やす事にしました^^:

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また、今回このV-MAX1200のエンジンを組む際に、新調したシリンダーライナーと再利用するピストンの初期馴染みを助ける為に、ライナー表面にリン酸マンガン処理という黒い結晶性のリン酸マンガン系の皮膜を形成する化成処理を施していたのですが、

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100卅行時にエンジンをバラした際にオイルを抜いてチェックをしたところ、削られたリン酸マンガンの結晶で真っ黒でドロドロになったオイルが出てきたのですが、

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エンジン内部を洗浄してフィルターも交換してオイルも新品に入れ替えて組み付けて再度今回バラした結果、今回は一切リン酸マンガンの結晶が出てこなかったので、次回からリン酸マンガン処理をした一発目のオイルは安モノのオイルにしようと心に誓いました。。。

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そしてV-MAX1200のネガティブポイントであろうオイルフィルターからクランクの潤滑に向かう油圧配管部分のOリング抜けもやっと前回の対策が功をなしてOリングも飛び出さなくなったので、これでやっと安心して全開にして貰えます^^

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そしてエンジンを組んで車体に載せて・・・

セッティング
夜半から雨で明日にはオーナーさんが日曜に北海道で開催されるキングオブザストリップというドラッグイベントにこのV-MAXを持って行くという事で、人伝手に知り合ったチーバ君とかいう人の私有地をお借りして各部のチェックとセッティングを見直して、最終的に今回落ち着いたメインジェットのサイズが#195で今回のV-MAXのエンジンを作って一番初めに多分この位だろうと見積もって準備したものの、結局#188止まりで使用する事がなかった#195なのですが、気温が下がった要因もありますが、各部の見直しと修正が効いて燃料も更に入るようになってやっと#195が普通に使えるようになりました。
とりあえず不運な事に今回の台風の影響で大洗からのフェリーが出なくなったという事で八戸まで走り、そこからフェリーで北海道に渡るということで今頃東北道を爆走中かと思いますが、とりあえず予定していた地元での練習走行も行えずでしたので、とりあえずはイベントを楽しんで今年最後のテスト走行なので、シーズン終了前にタイムを残すかエンジンを壊すかのどちらかで戻って来て頂ければと思います^^



それにしても何だか今年は天候が荒ぶって千葉が試される大地と化してますね・・・。
これからの季節はツーリングなんかで千葉の山道を抜けて太平洋側の外房の海まで走ると、途中の山道で金木犀の香りなんかもして非常に気持ちのいい季節なんですが、今年はお気に入りのルートが土砂崩れでやられてしまったりと大変な一年になってしまいました。。。iphone_IMG_2352
そして、前回の台風と前々回の台風でいつも行くご飯屋さんとか大丈夫だったんだろうか?と被害が気になっていつも気晴らしに行く外房に様子を見に行き、結果、いつも立ち寄るところは既に被害も無くなって良かった良かった・・・。と、ご飯をご馳走になって帰る前に海に寄ってボーっとしていたのですが、ルアー釣りをしている釣りキチが何か大物を釣ったらしく竿をしならせて何がヒットしたんだろうか・・・と見ていたらエイを釣って、「なんだエイが引っ掛かったのか・・・」と何気なく見ているとリリースせずに近くの小さな潮だまりに引っ張り上げてそこに入れてルアーを外している様子で、そこまで意識する事も無く 「 アカエイ持って帰るのか・・・」 程度に捉えてまたボーっとしていたのですが、少ししたらその釣りキチが自分の後ろを通って帰って行き、「あれ?エイは?」と、気になってその釣りキチがエイを入れたであろう潮だまりに行くと普通に横幅で60僂らいのアカエイがバチャバチャと暴れていてあの釣りキチはアホなのか?と。
こんな小さな潮だまりに放置して小さな子供たちが見つけて興味を持って触ったりしたら毒のある棘で危険だし、そもそもこのままじゃこのエイ苦しんで死ぬだろ?と。
釣り人なら釣った魚は食べるなり逃がすなり異常繁殖しているならしっかりとトドメを刺して駆除すなり責任持てアホンダラ。などとイラつきつつ、いつか釣りに行って使おうと1年前に買った袋に入ったままの新品のタモ(網)が車に釣り道具と共に積みっぱなしだったので、その新品のタモですくって助けてやった結果・・・

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これぞド素人!と言わんばかりに初めて使うもんでw、まぁ純粋にエイをすくい上げてしまった瞬間、バキっという音と共に新品のタモが折れましたw
そういえば釣り番組なんかでもすくい上げるんじゃなく垂直に手繰り寄せるように引き上げてたなぁ。。。なんて考えるも後の祭りで、とりあえずお高かった新品のタモを他人の釣った魚でド素人がへし折るという・・・w
多分、あの釣りキチがド素人で実践デビューの機会がない自分にタモの使い方を教えてくれたんだなぁ。。。と殺意を沸かせながら感謝しつつ、エイもその後折れた状態で海に戻せたし、まぁ良かったのかな・・・ということで、生き物を大切にしましょうね。というお願いでしたw




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