V-MAX1200エンジン製作

2022年03月02日

結果発表〜

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先週末、遠路はるばる兵庫県のセントラルサーキットにて行われたドラッグフェスティバルに参加させて頂き、いつものV-MAX1200を走らせに行って参りました。

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今回の遠征の目的は、セントラルサーキットのラバーの効いた強グリップの路面を活かして、スタートから全開で路面にパワーを伝えて更なる自己ベスト更新を狙う!
ただ、今までこのセントラルサーキットでは強いグリップ力に悩まされてスタートが決まらず、完璧な走りが一度も出来ずにいたりします。

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そんなセントラルサーキット遠征ですが、朝は車体がカチカチに凍る程の極寒からスタートして午後は4月上旬並みの陽気に強めな向かい風と、一日を通して条件を合わせるのが大変でタイムも狙えずでしたが、

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何度か仕様変更を繰り返して午後にはセッティングも合ってきて、残り少ない走行枠で何とかタイムを狙おうとオーナーさん渾身のスタート!

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で、スタートと同時にカメラのシャッターを切った途端にカメラの電池が切れてファインダー内の視界が真っ暗でその先の状況を見れなかったのですが、

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どうやらまたしても高々とフロントをリフトさせてしまったようで、着地の衝撃で?フロントホイールがぺにゃっと変形してしまい悲しい姿に、やっぱりサスペンションって重要なんだなぁ・・・としみじみ。

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その後、走りに支障は無さそうとのオーナーさん判断にて走行を開始するも、出番目前にてクラッシュ発生でコースクローズとなってしまい、自己ベスト更新は狙えませんでした。。。

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とは言え、あのまま走行を続けても今回の自己ベスト更新は狙えそうにありませんでしたので、セントラルの強グリップ克服の道のりは遠そうです。

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それにしても今回ドラフェスに参加して感じたのですが、色々な方達の頑張りでドラッグレース人口は着実に増えていますね^^
先日のレースでも女性が運転する古い車が決勝まで勝ち残って戦っていましたが、インデックスクラスという車両の性能差=勝敗とはならないクラス(仮に500馬力のマシンと100馬力のマシンが並んで勝負をしたとしても、ゴールラインを同時に通過するようにスタートのタイミングをずらす仕組みがインデックスクラスというものです)が設けられているので敷居も低く、ちょっと気になるから参加してみようかなぁ・・・なんて場合には車両はなんだってOK!ということで参加のハードルがかなり低くなっているのが参加人口の増加に繋がっているのでしょうね^^

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今回は「わ」ナンバーのカーシェアリングなのか?レンタカー?で参加されている猛者な方も見受けられましたw

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イベントとしては今回も100台近い色々な車両が参加されていましたので、先ずは観戦だけでも面白いかもしれませんよ^^
挑戦する勇気が大切で、やりたい事や気になる事を我慢して悔いを残す事ほど残念な事はありませんので・・・
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という事で、今回は個人的な悔いを残さない為に、昔から一度泊まってみたかったメリケンパークオリエンタルホテルに一泊して帰ってきました^^

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母親が神戸出身なので、小学生の頃は夏休みに毎年神戸に遊びに行って、三宮〜元町までぶらっと歩いて、最後にハーバーランドでゆっくりして婆ちゃんの家に戻るのが定番ルートだったのですが、いつかあのかまぼこみたいなホテルに泊まってみたいなぁ・・・と思っていまして、やっと念願が叶いました。

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そして朝早く起きて元町のアーケードや高架下なんかを散策してみましたが、ここだけは震災以降もあまり変わっていないような・・・部分的に耐震工事で閉鎖されている区間もありましたが、出来ればお店が開いている時間帯に散策したかったですね。

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そしてこちらもいつぞやのロングツーリング以来、久しぶりに見つけたもっこすw

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前日に興味本位で一度食べてみたかった1万円/100g超えのお高い神戸牛のステーキを頂いたのですが、朝っぱらから食べるもっこすの中華そばの方が全然美味しかったですw

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そして最後にこちらも以前から行ってみたかったメリケンパーク内にあるカワサキワールドに寄ってきたのですが、

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900円払ったのに展示バイクが十数台と殆ど見所が・・・無いw
川崎重工としての見所も薄く、バイク目当てに行くなら旧車専門の中古車屋さんに行った方が見所があるのでは・・・。

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ちなみに帰りに寄った鈴鹿パーキングの展示車両の方が見応えがありますた・・・。
ということで、V-MAXのオーナーさんは結果にガッカリ、自分は旅に満足な遠征でしたw




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2022年01月14日

V-MAX1200 高効率オリジナル燃焼室形状

昨年の5月にV-MAX1200でのゼロヨン9秒入りの目標達成以降、大変ありがたい事に何件かエンジン製作のお問い合わせを頂いております♪ ・・が、今後は一旦自分の車両製作をメインに活動を行いたいので、時間を要する新規のエンジン製作などは全てお断りをさせて頂いております。


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そこで、今回のV-MAX1200のエンジン製作で純正部品の応用で何処をどうやって純正から5割増し近くものパワーを出したのかを公開しますので、基本同じように作ればパワーは出ると思います!という事でオープンに記事にしてみます。

※注意
作業に関しては自己責任にてお願いします。
この記事の内容は効果を保証するものでは御座いません。


今回の記事の内容は経験則に基づいて独自の考えで取り組みを行った内容となっておりますので、一般的に世に出回っている考え方と違う部分などがあるかもしれませんが、ドラッグレースで一定の厳しい条件を元に国内記録を示した1つの結果を有効性有と捉えてご紹介させて頂きますのでご理解ください。



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V-MAX1200の記事の中でも何度も登場しているこちらのオリジナル整形を施した燃焼室ですが、今回のV-MAX1200のエンジン製作で重要視したのは
・充填効率の向上
・フリクションロスの低減

という基本的なもので、その中で一番の肝がこちらの燃焼室形状となります。
その他の詳細な仕様はこちらhttp://secretbase-racing.com/archives/2044373.htmlで紹介しています。

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画像向かって左が純正の燃焼室形状で、右側が今回オリジナルで整形し直した燃焼室形状となりますが、何となくパっと見は左の純正形状の方が圧縮も高くて性能が良さそうと感じられるかもしれませんが、

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一番初めに今まで触った事も無いV-MAX1200のエンジンを分解して画像の燃焼室と向き合って検証した際の個人的な印象として、

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35年前に設計されたVMAX1200において、このバルブ間のスキッシュエリアが張り出した燃焼室を採用したのはトルク型のエンジンに仕上げたかったからで、結果的に高回転は捨てているエンジンなのだろうなと。

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そしてタイムを狙うレース用のエンジンとして考えた時に酷く効率の悪い燃焼室形状をしているなぁ・・・と思うと同時に、経験的にこれはやり様によってはかなり化けるかも・・・。と、この時点で9秒台に入れて国内記録は残せそうだなぁとある程度結果が見えてきましたので、作業をお受けする際に以前のショップさんで散々な目に遭ったオーナーさんを安心させる為にも「9秒台に入れる事が出来なければ工賃など費用は要らない」と自信を持って作業オファーを受ける事が出来ました。

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そしてこの燃焼室形状の何が問題だったかというと、

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360°あるバルブの開口面積のうち半分近くが壁(一定のクリアランスが取れていないマスクエリア)に囲まれている事と、

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バルブ自体が燃焼室に陥没した形状をしているという点です。

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よくエンジンの性能を上げる際にリフト量の大きなカムシャフトなどを組み付けて吸入効率を良くしようと努力をしますが、

シリンダー加工
今回の取り組みでは単純にバルブが陥没しているシートリング付近の段差を削り取ってバルブのストローク面での開口面積の効率を上げる目的と、半周近くに渡る壁(マスクエリア)を無くしてバルブの効率の良い面積を稼ぐ目的の2つの取り組みを行いました。

バルブ説明
この燃焼室の加工を行う事で単純に純正対比でビッグバルブと同じ効果を生み、純正カムのままでリフト量を稼ぐハイカム効果を得る事が出来ます。

バルブ説明2
また、INTとEXHバルブ間の山を削る事でオーバーラップを開き始めから閉じ終まで効率的に使う事にもなりますので、充填効率が更に良くなりパワーも上がります。

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開き始め1丱螢侫隼の比較

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フルリフト時の比較

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フルリフト時別角度の比較
画像の加工後の燃焼室画像は加工テスト時の物なので本番用とは少し仕上がりが違うのですが、それでも何となく加工後の方がフロー効率が良さそうだと感じていただけるかと思います。
ここに更にハイカムやビッグバルブなどを組み合わせれば更に相乗効果が得られると思います。

※ちなみにいきなり削るのは危険です!
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画像は自分の12Rの燃焼室ですが、

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こちらは段差をそこまで積極的に削ってはいません。
理由はシリンダーと燃焼室のボア径がほぼ同じで外に広げられない事と、バルブとピストンの距離的な関係から面研が行えず、削って失った分の圧縮を回復する事が出来ないからです。
なので自分の12Rではハイカム+ビッグバルブ仕様にて充填効率の向上を狙っていました。
なので何でもかんでも削ってしまうとエンジン自体が使えなくなってしまう事もありますので、全体的なトータルバランスで加工の算段を立ててください。

燃焼室容積の測り方に関しましてはこちらで紹介しております。
http://secretbase-racing.com/archives/cat_50920.html
※ 燃焼室容積の計算方法はgoogle先生でお調べください。

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ベストなのは今回のように部品取りのエンジンを用意して、テスト機を作って確かめるのが一番かと思います。

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今回は事前にジャンクのヘッドを用意して、それを使ってどの位削れるか? またどの位削れば理想の形状になるか? 理想の形状になった場合に必要な全体の容積を粗方計算しておいて、その加工後の容積に合わせてピストントップ容積などを合わせていましたので、今回は可能な限り燃焼室形状をシンプルで一般的なレーシングエンジンで用いられるペントルーフ形状に変更しつつ、純正バルブにおいてバルブの有効面積を増やしつつ、圧縮比も元々の10:1から大幅に増やしています。

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燃焼室を整形すると当然、燃焼室内の容積が増えてしまうので圧縮比が落ちてしまいます。
自然吸気エンジンで圧縮比が落ちてしまう事は致命的な事ですので、失った分の圧縮比を回復させますが、一般的にはヘッド側を面研して圧縮比の調整を行いますが、燃焼室で失った圧縮+更に増やしたい分の圧縮を得る為に大きくヘッドを面研してしまうと最悪の場合にバルブとピストンの距離が近くなりぶつかってしまい使いモノになりませんので、今回はヘッド側の面研は最小限の0.1mmに抑えて、シリンダー上面を2.2mm面研する事で低下した圧縮比を回復させつつ、目標の圧縮比になるよう効率のよい方法を取っています。

面研
分かり易く図にするとこのような感じですが、直径の大きなシリンダー側を研磨する事で面研量を最小限に抑える事が出来ます。
※ バルブタイミングのズレ以外にもノックピン穴が浅くなってしまったりマウントの位置がズレるなど各部に対策が必要です。

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ポートに関しては、今回のVMAX1200のポートのように寝ていて内向きなポートは効率が良い訳ではないもののタンブル流が強い傾向があるイメージなので、

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純正のDポートを維持したまま分岐後の容積を合わせつつ断面積変化を意識して仕上げてありますが、

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流速の落ちる壁面付近の仕上げはコスパ重視なので簡単な仕上げに留めています。

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こちらの状態は1シーズンレースと練習走行などで使用した時の分解時の燃焼状態ですが、

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インマニを改造してセットしたFCRキャブレターのセッティングをしっかり取って燃焼室内でコンパクトな燃焼を行う事が出来ているので、一点集中で燃焼圧力も強く、力のあるエンジンに仕上がっています。

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ただ、その分負荷も強く掛かっているのでライフサイクルは極端に短くオーナーさんには長く持たない事は伝えてあり、既に許容範囲をオーバーしてそろそろブローするかもしれませんねと話してはいるのですが、それまでに更にベストを更新出来るのか?も楽しみです。

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何度か書いていますが、高額な部品をただ買って組んでも性能は活かせません。
サーキット走行でのタイムアップで必要な事はただ漠然とお金を掛けるのではなく、現状を分析してしっかり必要な所に対策を行う事が大切だと思います。
実際V-MAX1200で9秒台を目指してチャレンジを開始してからは、カムシャフトが折れてしまった一回を除いて、走る毎に分析と対策を行い頭打ちする事無くベストを更新し続けて、そのまま9秒台に突入させチャレンジを終えました。
趣味のレース活動ではお金が無くても不格好でも、乗り手、作り手共に愛情を込めて心折れず小さな調整の積み重ねこそが大切だと思います。
今回のこの燃焼室に対する考え方も、元々はお金が無くて高価な社外品が買えなかった修業時代に何とか純正部品の応用でパワーを出してやろうと小さな事の積み重ねで試行錯誤をしていた貧困時代に確立した考え方です。
貧乏は人を育てる、素材を生かして日々努力です。

念押しですが、
今回紹介した加工を生かすにはハイコンプ化が絶対条件です。
ノーマルの状態で燃焼室容積を上げてしまうと大きく出力が下がってしまいますので、
・燃焼室容積の測定
・圧縮比の計算
・圧縮比の調整
最低でもこの3点を行う技術が無いと、この加工は活かせませんのでご注意ください。



おまけ
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VMAX1200でのゼロヨン9秒チャレンジをしていた当時にオーナーさんがスタートに苦しんでいたので一旦スタートがし易いように20馬力ほどパワーダウンをさせましたが、内容的にはフロントバンク(2番、4番)とリアバンク(1番、3番)で圧縮比を変えてスタート時の瞬発的なトルクの出方を調整していました。
その状態で9秒入りこそ出来ませんでしたが、誰もやっていない事にチャレンジするのが面白いと思いますので、定番も良いですが、イレギュラーなチャレンジもお勧めします^^




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2021年10月22日

V-MAX1200 DRAG仕様 E/g詳細

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そう言えば、V-MAX1200のエンジンを作っていた頃に、ゼロヨンで9秒台に入れる目標を達成したらエンジンの詳細を記事にしようと、それぞれの画像を残していたのを思い出したのでこちらで記事に残しておきます。
以前にも紹介しましたが、基本的に純正部品で構成されていますのでシンプルな内容ですが、このような仕様でも出力及びタイムは出せるんだと感じてもらえればと思います。

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メーカー不明 中古83价誕ぅ團好肇 排気量:1428cc
・WPC処理
・リセス加工

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・ピストンピン軽量加工
・ピストンピンDLCコーティング
・1stリングDLCコーティング
・2ndリングWPC処理

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・オリジナル燃焼室形状+容積合わせ
・0.15mm面研
・バルブガイド純正打ち換え

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・ポート修正研磨+容積合わせ
・純正バルブ
・シートカット

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・ライナー打ち換えボーリング
・リン酸マンガン処理
・上面2mm面研

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・COMETIC製85丱瓮織襯悒奪疋スケット

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・純正クランクラッピング処理

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・コンロッド純正 ※画像は浸透探傷試験時の物

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・純正カムシャフト ジャーナルラッピング ※カムシャフトの画像が無かったので折れた時の物ですみません。
・カムホルダー研磨 ※一部ラインボーリング

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・親子メタル指定オイルクリアランス調整
・親子メタルWPC処理+ハイパーモリショット

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・シフトフォークWPC処理
・シフトシャフトDLCコーティング

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・インナーシム化
・流用チタンリテーナー
・流用リフターWPC処理
・※ バルブスプリングはカムシャフトが折れるリスクを減らす為、強化品から純正へ変更

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・使用オイル:Moty’s M152 10W-40 + 極圧添加剤

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・FCR41 オリジナルインマニマウント
・Vブースト常時開放

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・エンジン完成後の初期テスト時、損失補正前での後輪出力160馬力 
※同一条件で計測した際の純正ノーマル出力は100馬力前後

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・1/4mile加速( 0-400m )ベストタイム 9"823sec / 終速230

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チャレンジ内容

V-MAX1200ベースに於いて、

・クイックシフター
・エアシフター
・NOS
・ターボチャージャー&スーパーチャージャー
・フレーム補強(サブフレーム)
・トラクションコントロール等の電子制御
・チェーンドライブ化

上記装備一切無しの条件+車検付きの公道走行可能状態にて、
1/4mile (402m) 国内初の9秒入りを目標として挑戦。
結果、2021.5/3 日本自動車研究所 城里テストセンターにて
Record time : 9"823sec
を記録して無事に目標を達成いたしました。




ベストタイム更新時の走行の様子






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2021年08月29日

V-MAX1200 FCRセットアップ

今回の記事はFCRセットアップと題していますが、セッティングに関してではなく、ゼロヨン9秒入りを目標にV-MAX1200のエンジンを製作する上で、出力向上を目的にFCRキャブレターの取り付け位置を変更した際の作業内容となります。
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今回V-MAX1200に於いて、エンジンのパワーのみでゼロヨン9秒入りをさせるという目標を頂き、それに向けてエンジンの仕様などを検討する上で、純正キャブレターから置き換えただけのこのFCRキャブレターの取り付け位置が気に入らず変更したいなぁ・・・となりまして、

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気に入らない主な理由としまして、キャブレター同士のクリアランスが狭すぎて・・・、

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お互いのトップキャップのネジがめり込んで痕が付くほどキャブ同士がぶつかってしまい、

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そのお陰でインシュレーターをしっかりセットする事が出来ず、定期的に嵌り具合をチェックしないと二次エアを吸う恐れが有った事、それとセッティング時にトップキャップを外すのが非常に面倒臭いので手返しが悪いこと、Vブースト機構のお陰でせっかくのダウンドラフトのメリットが生かせないなら出来るだけフレッシュエアーを吸わせてあげたかった事など、直感的に良くない印象が多数だったので取り付け方法の変更を行う事にしました。

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そこで一発目に考えたのがVブースト機構を取り払ってRC30などに採用されているこのマウント方式の導入ですが、

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インシュレーターの取り付け面が上を向き過ぎているのでこのままの角度ではキャブレターのヘッド側がシリンダーにぶつかってしまい装着が出来ず、一旦前に押し出すにしても90度VバンクのRC30と違って前後シリンダー間のバンク角が70度と狭いV-MAXでは前後のキャブレターが入るスペースが無いので却下。
仮にこれが自分のマシンでの挑戦だったらV-MAX1200はインマニ長が長いので、インマニを取り外すべく、キャブレターから50仭宛紊離好蹈奪肇襯椒妊に変更して、高回転領域でどのような変化が得られるかを試してみたいところでした。

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という事で現実に戻って、先ずはインマニの向きを変更する為のパイプを旋盤で削り、

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位置を出したところで、いつもアルミの溶接を手伝ってくれる仲間に今回もヘルプで溶接をしてもらって、

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このような形でインマニが完成。

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インマニに角度を付けた事でインマニ長が長くなった分の帳尻を合わせるべくスピゴットを旋盤で加工して、

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取り付けに支障が無いレベルでショートに。

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こんな感じでセット。

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そしてそれぞれの部品をエンジンに組み付けて完成♪ と言いたい所でしたが、画像右側、3番シリンダーの吸気ファンネル上部にラジエターのホースが通っていて、このままでは3番だけ熱せられた空気を吸う事になり他の気筒と条件が変わってしまう。。。

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しかもよくよく見ると、右側のエアーダクトはダミーで中にはラジエターのサーモスタット部分が収められていてイメージしていたような風は通らず・・・、

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ちなみに反対側のダクトは内部が空で、これでは左右でも吸気の条件が変わってしまってこのままではバランス的にダメだ。。。と。

そこで水周りの取り回しを変更しますが、SBR_8113
今回はラジエターも以前までの純正から容量アップを果たすので、その辺の効率も考慮して、

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新規でラジエターホース類を製作。

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そして邪魔なサーモスタット関係はキャブレター間にセットをして、

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このようなオリジナルな感じでバランスを取って納まりました^^

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あとはエアーダクトの不要な部分をカットして・・・、

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これで4気筒全てが同一条件でエアーダクトからのフレッシュエアーをキャブレターに吸わせてあげられる仕様に変更できました^^

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結果論的な話になってしまいますが、結果的にエンジンの出力も大幅に向上する事が出来て、目標だったゼロヨン9秒入りも無事に果たす事が出来ましたので、このような細かな気配りの仕様変更もタイムアップの為には馬鹿には出来ないのかもしれません。





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2021年06月15日

2021 JD-STER Rd.2

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先日行われたJD-STER Rd.2にてV-MAX1200のオーナーさんがスタートの練習がてら参加をするとの事で、日曜日に観戦がてら会場に足を運んでみました。

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朝方は空もどんよりしていて意外に涼しい一日になるんじゃない?なんて思いましたが、

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日が昇り始めると気温がグングン上昇して、アスファルトに囲まれている事も有り、外気温も30度を超えてマシンにとっても人間にとってもかなり厳しい一日でした。

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そして今回も前回同様、こちらは指示を出さずにオーナーさん自身でセッティングなどを考えてもらい、現場の状況に合わせる現場力を養ってもらう方向で頑張って頂きました。

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という事でオーナーさんは土曜日の前日練習日から参加して走り込んで感覚を掴んできたとの事で、フロントを軽くリフトしての加速も慣れてきたようで、

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イベントの後半で60ftの区間タイムを1.6秒台前半まで詰める事が出来たようです^^
そして今回の参戦はスタートの練習が目的で気温的にもタイムは狙えないだろうなと、そんなつもりだったのですが、トーナメントでターボやNOSが付いた車両達が犇めくBクラスに入れたようで結果的に上出来だったのではないでしょうか^^


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ちなみに前日の練習走行日に自己ベスト更新とまではいかなかったようですが、R/T=リアクションタイム(反応速度)を加算したR/T+ETのタイムでも9秒台に入れる事が出来たようで、中にはこのR/T+ETが真のゼロヨンタイムだ!と拘る方もいるので、これで文句を言わさず完全な形での9秒入り達成ですね^^





二輪のドラッグレースに興味のある方向けに参考程度に当日参加をされていた車両の一部を貼り付けておきます。
※画像に関しまして、被写体のご本人様はご自由にお持ちいただいて、何かに使えそうなら好きなようにお使いください。



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2021年05月12日

「結果を出せ」の難しさ

「先ずは結果を出した方が良いんじゃない?」
「結果を出さなきゃ信じてもらえないだろ」
「結果を出してから書いた方が良い」

上記は数年前によく仲の良いショップさんや先輩から言われていた言葉です。


このブログでエンジンの事やメカ的な事をよく書いていましたが、そのような専門的な事を書くなら結果を出して技術力を示した方が良いんじゃない?というアドバイスとして言って頂けたのだと感謝しておりますが、結果を出すと言っても何をすれば結果を出した事になるのだろうか・・・と、この言葉を言われるたびによく考えていました。

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例えば12Rで1/4mile( ゼロヨン ) 8秒台を目指してやっていましたが、あの活動の目的は色々な仕様を試しながら8秒台に近付けて行く実験がメインな活動だったので、じゃあ一気にすっ飛ばして8秒台を出します!と言って単純に8秒台を出しても他の人も既に8秒台で走っている以上、他の人が出来る事を行った所で難易度として結果を出したとは言えないよなぁ・・・と考えたりで、相手を納得させるだけの結果を出すって難しいな。。。と考えていました。

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そのような事を心の中にずっと持ったままの頃に、V-MAX1200のオーナーさんからドラッグレースで9秒台に入れたい!との相談を受けて話を聞くと、V-MAX専門店で長い事お世話になっても成し得ず、今までそれなりの数のV-MAXがドラッグレースに参戦して誰も成し得た事が無いという厳しい条件下での1/4mile 9秒入りという目標を掲げた挑戦で、仮にその挑戦を受けて無事にクリアーすればエンジニアとして結果を出す事になるのではないか?と。

その条件とは前回も書きましたがV-MAX1200ベースに於いて、
・クイックシフター
・エアシフター
・NOS
・ターボチャージャー&スーパーチャージャー
・フレーム補強(サブフレーム)
・トラクションコントロール等の電子制御
・チェーンドライブ化

上記装備一切無しの条件で、簡単に言ってしまえばエンジンのパワーだけで今まで誰も成し得なかった1/4mile タイムアタックでの9秒入り、

それにプラスして更に厳しい条件となる、

・個人的に一度も触った事の無い未知数なV-MAX1200のV型エンジンでの挑戦

・製作したエンジン性能の比較がし易いよう、以前にこのエンジンを制作したショップさんがチョイスした10年物の骨董品のような中古ピストンを再利用して、排気量を変えてはいけないという条件付きでのエンジン制作。

・仙台ハイランドのような条件の良い専用コースが無い事による不利。

・オーナーさんのライダーとしての技術的側面

・車検を所得した状態でのナンバー付き車両である事 ←個人的な拘り


これら自分にとってのぬるま湯となる好条件が一切無いこの挑戦を受けて結果を残せたなら

「結果を出す」

になるのではないだろうか?と。

ただ、当時V-MAXでのドラッグレースで有名な専門店さんが制作したエンジンでもクリアー出来なかった事を、V-MAXを触った事の無い自分が果たしてクリアーする事が出来るのか?という疑問も当然あったので、出来ない事を出来ると言う訳にもいかず、先ずは一度も触った事の無いV-MAX1200のV型エンジンを分解して可能性を探る事にしました。

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他の作業の合間に夜な夜な部品を検証して、計算して・・で、何だかんだで一年近く検証などをして、このエンジンって結構パワーが出せるかも・・・。という事で、

決して金儲けの為に受けた仕事ではないので時間が掛かる分、信頼してもらう為にも個人的なオーナーさんとの約束として、
・万が一、9秒台が出せなかった場合には、部品代と内燃機加工代以外の全ての費用や諸経費を一切請求しないと事前に約束。

・責任を持ってやりきる為にもV-MAX1200とV-MAX1700を走らせるまで自分だけレースを楽しまぬよう個人的なレース活動の自粛も約束。


更にオーナーさんにプレッシャーとなるので伝えてはいませんでしたが、個人的な決め事として、
・9秒台に入って記録を残すまではこのブログでメカ的な詳細や専門的な内容の持論の自粛。

この条件を更に追加して挑戦を開始する事としたので、このV-MAX1200のエンジン製作の詳細や、もう一台のV-MAX1700ターボの製作内容の作業記事も書かないようにしていました。

そして作業を開始して直ぐにJD-STERさんが1/8mile(200m)競技に変更となってしまい、1/4mileで9秒入りをさせるというチャレンジをする場所が無くなった事によって先行きが見えない中、作業を進めればそれだけコストが掛かりますので、オーナーさんの負担を減らす為にも一年近く作業を中断する事もありました。
その当時には「出来もしないのに金目当てで作業を受けたんじゃないか。」とか、まぁ色々陰で言われていたようですが、結果を出す自信は有ったので、とりあえず結果を出せば噂好きな人達も黙るだろうと、寧ろそのような事を聞かされたオーナーさんに申し訳ないと感じていました。

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ちなみに今回9秒台を記録したV-MAX1200のエンジンの仕様ですが、純正から50馬力以上出力を上げてありますが、内容としまして・・・

ピストン:再利用の社外品 83 1428cc
クランクシャフト:ノーマル
カムシャフト:ノーマル
コンロッド:ノーマル
ミッション:ノーマル
シム:インナーシム化
INTバルブ:ノーマル
EXHバルブ:ノーマル
シートリング:ノーマル
バルブガイド:ノーマル
バルブリフター:社外流用
バルブスプリング:ノーマル
リテーナー:チタンリテーナー


嘘のような本当の話、実は殆どの部品が中古純正部品の再利用でお安く出来てます^^:
高価な社外の強化パーツをこれでもか!! と列挙して書ければワクワクしてもらえたかもしれませんが、好奇心のままにこの業界に入って27年間ずっとエンジンの事ばかり考えてきた結果、料理と一緒で素材を生かせば素朴な材料でも良い物は作れると証明した方がチャレンジ難易度もより一層上がるかな?という考えもあっての事ですが。
それをオーナーさんに知ってもらう為にもオーナーさんにも手伝って貰ってセコセコ磨いて、実際に磨く前との違いを体感して驚いてもらったりもしました。
このように殆どの部品がノーマルですが、それぞれの部品には経験を元に下記のような独自の考えで味付けをしています。

ピストン:WPC処理+リング1st DLC 2nd WPC オイルクリアランス独自
ピストンピン:軽量化 DLC
クランクシャフト:ジャーナルラッピング メタルWPC オイルクリアランス独自
カムシャフト:ジャーナルラッピング オイルクリアランス独自
コンロッド:メタルWPC オイルクリアランス独自
ミッション:シャフトWPC シフトフォークWPC フォークシャフトDLC
シム:インナーシム化
INTバルブ:ノーマル 有効面積拡大
EXHバルブ:ノーマル 有効面積拡大
シートリング:当たり変更
バルブガイド:リーマー修正
バルブスプリング:セット荷重合わせ
バルブタイミング:独自
リテーナー:チタンリテーナー
リフター:WPC オイルクリアランス独自
燃焼室:オリジナル形状 容積合わせ
シリンダー:指定面研
ヘッド:指定面研
ポート:オリジナル形状 容積合わせ
各部締め付けトルク:独自
インマニ:オリジナル加工D/D
キャブレターセッティング:独自


このような内容で、基本的にはフリクションロスの低減を主目的に個人的な経験則に基づいてV-MAX1200では誰もやっていないであろう独自の考えに基づいたポート〜燃焼室の整形を行い、充填効率と燃焼効率の向上を狙った味付けを行って、今回の記録達成という結果に繋げてみました。
なので今回のエンジンはあくまでも基本ベースであり、ここから更に今風の軽量なピストンに変えつつボアを広げたり、カムシャフトの変更などでもう一段上が目指せる保険を掛けた仕様となっています。

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そんなこんなで・・36年前に生産されたV-MAX1200をベースに当時のままの部品を使用して、エンジンのパワーのみでオーナーさんと共に国内初となるゼロヨン 9秒台入りという結果をもってブログを観て頂いている方に技術的な面を信用して頂けるかは分かりませんが、公の場でのブログを書くいちエンジニアとして誠に勝手では御座いますが、一つの技術的な ” 結果を示した ” とさせて頂ければと思います。

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という事で、目標を達成して自主規制的な縛りも無くなったので、ちょうど3年前の2018年の5月11日から止まっている自分の12Rの作業記事も近々再開して、とりあえず心機一転もっと明確な結果を示す為にも国内最速を狙おうかとゴソゴソ寸法取り用のフレームも引っぱり出してきました^^
年内は厳しいかもしれませんが、冗談か本気か?国内で二度と誰にも更新されないようなタイムを目指して来年からアタックを開始出来るよう頑張ります^^





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2021年05月06日

V-MAX1200 9秒チャレンジ 何度目の正直?

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先日、茨城県の日本自動車研究所 城里テストセンターで開催されたJD-STERにて、以前から行っているV-MAX1200 9秒チャレンジの続きを行ってきました。

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この時期にこんな事を書くのもアレですが、関東での開催という事もあって、前日の練習走行からかなりの数の参加台数があり、

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立地も環境も素晴らしく、あとはコロナさえ無くなってくれればもっと沢山の方が気兼ねなく遊びに来れるであろう凄く良い場所でした。

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というか、先日のお客さんの入もかなり多かったので、今後の盛り上がりと展開が益々楽しみです^^


それにしても今回のJD-STERさんは仕事が早いようで、先日のリザルトがSNSの方に既にアップされたようで、結果を確認した方数名から ” またダメだったの? ” というメールが・・・w_F2A2024
んなわきゃないだろ!? by オーナー、という事で、初めての環境での続・V-MAX1200 9秒チャレンジをお伝えします。

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内心、ここまでカムシャフトが折れていた回を除けば走る毎にベストを更新していたので、今回くらいで9秒入り達成かな?と、逆に今回のチャンスで9秒入り出来なければ当面無理だろうな・・・とも考えていた中でのチャレンジでしたが、

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前回急激に立ち上がるトルクカーブを解消するべく行ったセッティング変更の様子見の走行1本目はスタートをミスってアタック中止で、2本目に安定の10"2秒台で、とりあえずエンジンの状態をA/F計を録画したGoproの映像を元に確認して、キャブのセッティングを変更した3本目の走行で・・・

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自己ベスト更新の10"044秒と9秒入り目前。

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これなら9秒入りは間違いないだろうと簡単なアドバイスだけ伝えて4本目の走行へ。

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キャブのセッティングが功を奏したようで、フロントのリフト量も上がり過ぎず接地せずで最大限ロスの無い走りで、

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2速に入れてもフロントを綺麗に上げたままグングンと加速して・・・

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そして遂に目標の9秒入り達成^^
やっと達成してくれた感で感動よりもどっと疲れがw

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とりあえず9秒入りはオーナーさんの目標ですが、個人的には9.7〜9.6は狙えると考えているので、ここで満足せずに更に上を狙う事に。

そして挑んだ5本目の走行で・・・


SBR_7936更にベスト更新の9"823秒までタイムを更新^^


という事で・・・



ヤングマシンさん参照データ+V-MAX2
以前にこのV-MAX1200改のパワーチェックを行った際に損失補正後の馬力が225馬力と紹介しましたが、今回タイムも残せた事でしっかりとした裏付けを立証する事が出来ました。


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そしてレース当日は朝一の走行でセッティングの様子を見て以降は全てオーナーさんの自己判断で色々試しながら走ってもらう事にしたのですが、

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前日の多くの練習走行で路面にラバーが乗ってグリップ感が上がった事でフロントのリフト量が増えてしまい、またしてもアクセルを開けきれない現象で60ftの区間タイムが上がらず10.1秒台連発。

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そういえば以前にフロントフォークに付いているオレンジ色のは何? と聞かれた事があるのですが、矢印のオレンジ色の帯は、フロントフォークが伸縮してしまうとスタート時に余計にフロントがリフトしてしまうので、荷締め用のラッシングでガチガチにフォークをボトムさせて伸縮しないようにする為に付いています。
なので、200勸幣紊梁度でフロントブレーキを掛けるとタイヤが逃げて死に目をみますので、真似をされる場合には注意してください。

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その後も何本かアタックするも、最高速が本調子の時から平均5%ほど落ちてしまい、

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不調の兆候が出ていないかエンジンの圧縮圧力などのチェックを行うも全く問題無しで、当日の気温が高過ぎる事によるパワーダウンが原因と判断。

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チェーン駆動であればスプロケットを交換してファイナルを変更する事で乗り方を変えて何とか更に上を目指す事も可能なのですが、シャフトドライブ車ではそのような変更は出来ませんので非常に難しい所です^^:

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そして結果的にレース当日には一度も9秒台に入れる事は出来ませんでしたが、オーナーさんは楽しかったようなのでまぁ良いか・・と^^


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とりあえずオーナーさんには9秒入りしたら後は自由にレースやイベントなどに出て楽しんでくださいと言っており、自分の役目はロケットのブースターと同じで目的の領域まで連れて行く事が仕事ですので、ここから先の運用はオーナーさん自身のチャレンジとして新たな一歩を踏み出して頂ければと思います^^
間違ってもどこぞの国のように制御不能になって墜落しないようにしてくださいw


そんなこんなで・・・
計画期間1年半、挑戦2年半の結果・・・



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V-MAX1200ベースに於いて、
・クイックシフター
・エアシフター
・NOS
・ターボチャージャー&スーパーチャージャー
・フレーム補強(サブフレーム)
・トラクションコントロール等の電子制御
・チェーンドライブ化

上記装備一切無しの条件にて、
1/4mile (402m) 国内初の9秒入りを無事に達成。

Record time : 9"823sec
2021.5/3 日本自動車研究所 城里テストセンターにて



そして目標達成でこのブログも自主規制を解除して自由に・・・
その辺りの事は次回にでも。




ドラッグレースに興味のある方へ

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ドラッグレースと言うと、最新のハイパワーで高額なマシンが必要と考えてしまうかもしれませんが、JD-STERさんであればそんな事は全くなく、手持ちのバイクでも十分に楽しむ事が出来ます。

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まさか口が裂けてもこちらの車両にうちのV-MAX1200がトーナメントで全開で競って負けたなんて言えませんがw、車両の性能差が有ってもゴール地点で同時にゴールするようスタートのタイミングを調整して競うようになっていますので、極端な話、モンキーでフルチューンの大排気量に勝つ事も可能です。


1/4mileを14秒で走るマシン vs 1/4mileを10秒で走るマシンの場合には、
14秒で走るマシンがスタートした4秒後に10秒で走るマシンがスタートをするので、ミスなく走ればゴール地点で同時にゴールをする事になりますが、そうは上手く行かないので如何にミス無く走るか?相手との戦いというよりは、自分の腕との戦いとなります。
自分の周りにも興味があるけど敷居が高いと勝手に思い込んで尻込みをしている人が居ますが、先ずは走ってみて、ご自身の全開のタイムを確認して、そこから自己目標などを設定して楽しむのも一つの楽しみ方かと思います。
レースに参加するのは緊張するという場合には、前日の練習走行の場であればお客さんも少ないと思いますので、人目を気にせず無理をせず自分のペースで何本でも走れるので気になっているのであれば考えるよりも行動した方が人生楽しめると思います。

今回のレースでも複数のクラスに色々なタイプのマシンが参戦していましたので、参考までに参加していたバイクの紹介までに下記に貼っておきます。
JD-STERさんは次回6月13日に今回と同じ茨城県の日本自動車研究所 城里テストセンターで開催との事ですので、興味のある方は是非^^
とりあえず自分も復帰目指してマシン制作頑張ります!
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2021年03月03日

目標は近いようで遠いようで・・・

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先週末に兵庫県のセントラルサーキットで行われたドラッグフェスティバルに遠征をしてきました。

今回からエンジンの出力をフルパワー化して初の挑戦でしたが、9:30からレースがスタートとなりましたが、数台のマシントラブルによってコース上に撒かれたオイル処理などでレースが何度か中断された影響で、時間的に余裕が無くなり予選本数が1本になってしまい、1日を通して走行本数が少なそうなので1本目から普段通りのスタートで全開でアタックして行きましょう!といつも通りに挑んだ一本目で、SBR_3762
派手にフロントを上げてしまい、今までと明らかにパワーの出方が違うとオーナーさんが喜んでくれるもタイムは当然ダメダメ・・・。

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昼休憩を挟んだ午後の走行1本目は先ほどフロントを派手に上げてしまったので少し抑え気味にスタートをして恐怖心を払拭してもらう作戦でアタックし、タイムが10"233と今までのベスト10"261を僅差で更新するも、

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終速などが今までと違う事で勝手が違ったのか・・フロントタイヤのグリップを失い、止まりきれずに最終コーナーのグラベルに突っ込み転倒と踏んだり蹴ったり・・・。

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エンジンやキャブにグラベルの砂が吸い込まれていない事を確認して挑んだ当日最後の一本となる3回目もスタートからフロントが浮いてしまいフルスロットルに移行出来ず、10”3秒台でこの日は終了。

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とりあえずまともに走れた午後の2本のタイムですが、スタートを捨ててフルパワー化の後伸びでタイムを詰める作戦が裏目に出てしまい、スタートが更に遅くなってしまっているという悲しい結果に。。。

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前回までのベストタイム(左)と今回僅かに更新したベストタイム(右)ですが、抑え気味にスタートした事も有って330ft の区間タイムはベストを更新した今回の方が0.1秒も遅いのですが、後半の伸びとトップスピードは同一タイムながらも今回の方が速いので、エンジンのパワーは目標に対して現状で充分として、とにかくスタートさえ決まればと言った感じですね。

2013.5.26
こちらは自分が12Rで走っていた時のタイムシートですが、今回と全く同じ終速227 で9.6秒台を出せていますので、とにかくパワーを使いこなしてスタートダッシュさえ決まれば余裕で9秒台に叩き込む条件は既に整っています。

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また、昨年末にカムシャフトの破損に気が付かず3気筒の状態で走っていた際には、1気筒分パワーが無い事で安心してアクセルを全開に出来た為にスタートも決まって60ftの区間タイムも1.6秒台まで詰める事が出来ていましたので、何とかパワーのある状態で同じようなスタートを決めてもらいたい・・・


という事で、



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今回スタートが決まらなかった一因は自分のエンジンの調整不足も原因なので、前回のパワーチェックで露呈した6千回転付近の谷をフラットなパワーカーブにして、もっと低回転域から安心してパワーを扱えるように調整し直して次回のアタックに挑んで頂きたいと思います。
乗り手、作り手、共にまだまだやれる事をやって、昭和の鉄フレームで目標の9秒入りを目指して進みたいと思います^^




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2021年02月25日

V-MAX1200 9秒チャレンジ再び

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昨年末に福島県で行われた2輪のドラッグレースイベントのJD-STERに参戦した際にカムシャフトの破損が見つかったV-MAX1200ですが、

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折れてしまったカムシャフトの破断面で傷が付いてしまったカムホルダー部分をナプレックさんにお願いをしてラインボーリングにて修正を行って頂き、無事に復活しました♪
このヘッドを一から作り直すとなるとコスト的にも作業的にも結構大変なので、ラインボーリングで対応出来てホッと一安心しました。

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そして今回からバルブスプリングは純正に戻しての挑戦という事で、前回分解時に何ヶ所かコッターが飛び掛かっていた箇所があったので少しリスキーですが、これでカムの破断が収まればと思います。

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そして時間の関係でバタバタと作業を行っていたらこんな画像しか撮っていなかったのですが、今回のエンジンの修正時に以前に若干下げた分のパワーを元に戻すべく、フロントバンクのシリンダーヘッドを新規で制作し直しました^^

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変な写真ですみません。
新規で作り直したのは画像奥のこちらのヘッドになります。

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そしてバルブの開口面積的にもう少し入らないかな?と、お祈り程度にポートの容積を実験的に今までよりほんの少しだけ拡大。

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そして組み上げ後にいつもシャーシダイナモでお世話になっているシュアショットさんに持ち込んでカムホルダーの軽い慣らしと最終調整を兼ねて回してみますが、このV-MAXを一番初めに制作した際に記録した後輪出力が162馬力で、前回の若干パワーを抑えた仕様時が後輪出力144馬力前後だったので、当然初期の162馬力越えを狙いますが、いざ回してみると140馬力前半しか出ていない・・・。

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いくらセッティングが合っていないからといって一発目からそんなに低い事ってある?と内心凹みましたが、どうやらこのウオタニという点火モジュールの設定次第でかなり特性に変化が現れる事が判明。
しかも点火マップがどうなっているのか内容が分からないので条件を変えながら各ジェットのサイズを変えてシャシ台のグラフがどう変化するかを何度も何度も仕様を変えて深夜まで・・・。
毎回長時間、深夜までシャシ台を貸していただけるシュアショットさんには感謝しかありません^^:

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そしてこちらのグラフはセッティングを煮詰めて後半の変化の様子ですが、

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上から下に向かって回を重ねてジェッティングを変えて点火マップを変えて走る度にパワーも上がって行き、あと一歩で160馬力目前という158.76馬力を境に垂れるというw
ただシャーシダイナモ室の室内温度が上がって吸気温度が上がってしまった事や、FCRキャブレターのボディ自体が熱を持ってしまって燃料温度などもかなり上がってしまったので158馬力でも仕方が無いのかなと。

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という事で当日の最大値158.76馬力(赤線)と最小値142.01馬力(青線)のグラフですが、トップエンドのパワーを求めるとVブースト機構を撤廃している関係で中間にドカンと谷が出来てしまうのですが、手持ちのジェットニードルでは対応しきれず、ここをフラットなパワーカーブに持っていけたらもう少し面白くなりそうなのでここはまた次の機会に。

また以前にこのV-MAXの記事で162馬力から144馬力にパワーを落とした際の記事で、何で純正カタログスペックで145馬力なのに排気量を上げて純正以下のパワーになってるの?と質問をされたのですが、それは計測方法の違いによって得られる出力が異なるからなのですが、カタログスペックはエンジン単体を計測機に繋げて馬力を測定されており、駆動系などで損失する分は考えられておりません。
対してシャーシダイナモではエンジンから出力された力が駆動系を通じてホイールを回す際に発生する抵抗やタイヤの摩擦抵抗などで出力した力の何割かが失われてしまいます。
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特にV-MAXのようなシャフトドライブ機構を持った車両の場合はエンジン側のミドルギアと後輪のデフの抵抗で30%ほど失うという話で、実際に145馬力のV-MAX1200をパワーチェックした際に得られる数値はネットを徘徊したところ平均100馬力前後が多かったようです。(100馬力 ÷ 損失補正0.7=143馬力となりカタログスペック145馬力とほぼ同じ)
なので前回の144馬力をシャフトドライブの損失補正30%として計算した場合にカタログスペックで数値化すると144馬力 ÷ 損失補正0.7=205馬力となります。
今回フルパワー化した後輪出力158馬力の場合には損失補正後は225馬力となります。
ターボもNOSも使用していないNAのV-MAX1200で225馬力とか言われても嘘くさいですよねw
実際、シャーシダイナモの数値を損失係数を変えて誤魔化しているようなモノや自称〇00馬力!なんて事も幾らでも出来ますので。

ヤングマシンさん参照データ+V-MAX
ただシャーシダイナモは仕様やセッティングの違いなどを評価し比較検討する機械ですので、今回のV-MAX1200に於いてはシャシ台上でいくら馬力が出ても意味がありません。
ですが、レースのタイムは誤魔化す事が出来ませんので、この馬力が嘘か本当かはタイムを出してこのランキングのトップを抜き去って立証して頂く必要がある!という事で、今週末のセントラルでオーナーさんには怖いなどと言わず死ぬ気で頑張って全開にしていただきたいと思います^^

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今回の計測で前回のフルパワー162馬力まで3馬力足りなかった分をいま思い出しました。
月曜日に伺った牧場に3馬力居たのを忘れて置いて来ちゃったみたいです・・・。


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2021年01月05日

V-MAX1200 エンジン修復作業開始

数年前の年末に作業を通してテレビ関係の方と知り合って話した際に、” 新年早々箱根駅伝の撮影なので正月なんて無いですよ〜 ” なんて話から ” 箱根駅伝は面白いから是非観てみてください! ” と言われて見始めて以来、毎年正月の日中は駅伝を見てから行動をするようになったのですが、毎年いろいろなドラマがありますが、今年の復路は天国と地獄が交錯する劇的な逆転劇で特に面白かったです^^
こんな事を言ったら大変失礼かもしれませんが、駅伝を観ているとトップグループの選手達はゴール後に皆倒れてガクガク痙攣をして担架で運ばれていくのですが、下位グループになるとゴール後に平然とスタスタ普通に歩いていたりで、強いチームと下位チームの差って体力面よりも自分を何処まで追いつめられるか?その辺りの気合いの差の方が大きいのかな?なんて現代社会で嫌われる根性論で考えてみたり。

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とりあえずチャレンジスピリットだけは学生さん達に負けちゃいられない!という事で、2月の下旬にセントラルサーキットでリベンジをするべく、前回のJD-STERでカムシャフトの破損が確認されたV-MAX1200のエンジンを今月中の復活を目指して作業を開始しているのですが、

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シリンダーヘッドを剥がしてみたところ、事前の内視鏡チェックで判明していた通り、ピストンとのソフトタッチは有ったようですが、致命的な痕も無く、

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ヘッドに関しても軽補修で再利用が出来そうで一安心です。

そして現在運用しているV-MAXのエンジンによるカムシャフトの破損は2回目となるのですが、
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原因は強化したバルブスプリングのレート(スプリング荷重)が高過ぎる事に由来していると思われるのですが、

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どの位レートを高くしているかというと、純正比で凡そ2倍強となり、それじゃ折れるわ・・・と思われるかもしれませんが、

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レートを強化して倍以上になっているとは言っても、その数値はV-MAX1700の純正のレートと同等レベルのレートでしかありませんので、ドラッグレースなど高回転でガンガンぶん回すにはV-MAX1200(FJ、XJR系)の純正バルブスプリングのレートでは低過ぎるとの判断からレートを強化した次第です。

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ただ、どうにもこうにもこのV-MAX1200のカムシャフトの注油口が大きく開いたデザインがネックとなって、その部分で毎回折れてしまうので、今回はプロフィールの派手なリフト量のあるハイカムを使用している訳では無いので、バルブとピストンがヒットするリスクよりもカムシャフトが折れるリスクを考慮して純正バルブスプリングに戻す事にしました。

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元々スプリングのレートを重くする=抵抗が増えて損失が生まれる構造ですので、やむを得ないとはいえ純正バルブスプリングに戻すのは気分的にはウェルカムでデメリットばかりでもなく、あとはシフトチェンジの際にオーバーレブをさせないなど、乗り方で上手く立ち回ってリスクを回避していただければという他力作戦ですw

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そして2月のアタックに向けて再度フルパワー化にするべく、部品取りのエンジンも準備しましたので、フロントバンクのヘッドを新規で作り直してチャンスをモノに出来るようリベンジを行っていただきたいと思います^^

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とりあえず今回、タイミング良く1200と1700のエンジンを並べる事が出来たので、記念に一枚撮っておきましたが、やはり1700のエンジンは断然大きかったです^^

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