燃焼室の容積測定

2021年05月27日

燃焼室容積の測り方

今回は以前からアップしておきたかった燃焼室容積の作業内容をアップします。

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極稀に個人で燃焼室の容積測定を行ったところ、毎回計測値が異なるというような話を聞きますが、今回は燃焼室の容積測定の流れとポイントをご紹介します。


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まず使用する器具ですが・・・

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使用するビューレットは倒しても割れる心配が無く、一年ほど使うとビューレット内に洗浄で取りきれなかった油分などが凝固して容積が変わって正確性に欠けてしまうので、年一で買い換えられる安価なサンプラテック製のPPビュレットの一目盛りが0.2佞離皀里鮖藩僂靴討い泙垢、ガラス製と違って絶対的な正確性は劣りますが、圧縮比の計算に使用するだけで研究所レベルの作業を求めている訳ではありませんので数%の誤差は許容範囲としています。


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メスシリンダーは有っても無くても構いませんが、ビューレットに溶液を移す際に楽なので使用していますが、無ければ適当な紙コップなどでも構いません。

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ちなみにオイルなどをブレンドする時や正確な数値を必要とする時にはガラス製のメスシリンダーを使いますが、ガラス製なので非常に気を遣い、倒して割れたらショックなので基本代替え出来るような不要な場では使いません。

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そして蓋の役目をする材質もガラスではなくアクリル板を切り出したモノを使用しています。
この時に薄いアクリル板を使用するとペコペコ撓んで正確な容積が測れませんので、5舒幣紊慮みの物を使用します。

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そして有ると便利なのが、測る容積に合わせた注射器ですが、流し終わった溶液の回収に使用します。

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まず作業前の準備ですが、計測には灯油やパーツクリーナーなど石油製品を使用しますので、何度も繰り返して使う内に文字が消えて読み取れなくなってしまいますので、

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計測の際には透明なテープを貼って保護をしています。

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そして目盛りから上の余計な部分をカットして手返し良く計測が行えるようにしています。

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密閉する為のアクリル板には溶液が入り易く、尚且つ空気が抜けやすいよう2か所に穴を開けておきます。

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測定液ですが、測定後に油面が変化してしまう水やガソリンのような揮発性の高いモノは使わず、蓋にしているアクリルの隙間から漏れ出ない浸透性の悪いほんの少し粘度がある液体を使用したいので、自分は普段測定液は適当に余っているエンジンオイル2:灯油1くらいの若干シャバシャバな混合液を使用しています。
測定専用の溶剤も売っていますが、計測誤差±0.2ccを目標としているのでウチでは使用しません。

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画像は一人で撮影した関係でビューレットが垂直ですが、本来測定液となる溶液を入れる際にはなるべくエアーの混入が無いようにビューレットを少し寝かせて(飲食店で見るビールをジョッキに注ぐ光景のような感じで)入れるとエアーの混入が少なく、補充後の脱泡待ちの時間が短縮できます。

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補充後にビューレット内に気泡が入って入ると正確な数値が測れませんので、測定液の粘度に合わせて補充後は直ぐに使わず、脱泡するまで一定時間放置すると脱泡されてビューレット内の油面が安定しますので、

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そうしたらビューレットの栓を緩めて先端部分のエアー抜きを行いつつ、

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油面の位置を目盛りの ” 0 ” に合わせればビューレットの準備は完了です。

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次に測る対象の準備ですが、注入した溶液が栓の間から漏れ出てしまわない様に薄くグリースを塗って、

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アクリル板を密着させます。

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もし燃焼室の容積合わせ中などでバルブを取り外している場合はいちいちバルブを本組していると途方もない時間が掛かりますので、

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こちらも薄くグリスを塗って密着させれば問題ありません。

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そして全ての準備が整ったら測定液の注入ですが、エアの抜けが良くなるようにエア抜き穴側が上になるように角度を付けておくとストレスなく測定液が注入出来ます。

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画像ではエアーが完全に抜けきっていませんが、完全にエアが抜けたタイミングでビューレットの栓を締めて計測値を読み取りますが、

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実はこの注入が終わってすぐの数値は正解ではありません。
オイルの粘度によってビューレットの壁面に着いてじわじわと下がって来る分の測定液がありますので、測定液の粘度にもよりますが、一番初めは小一時間ほどこの状態で放置をして、どの位初期値から増えるかを把握して癖を掴むと作業効率が上がると思います。

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先ほどの状態から10分ほど放置をした状態ですが、ビューレット内の壁面から垂れてきた溶液によって0.2ccほど計測結果に変化が現れました。
こちらの数値が正確な数値となりますので、次からは計測結果の速報値+0.2ccと考えて計測を繰り返していきます。

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ちなみに初めに紹介した不要な部分をカットしたのもこの壁面の液垂れを待つ時間を短縮する為で、これだけでも手返しよく作業が出来て、作業効率はかなり良くなります。

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そしてオイルの注入が済んだらビューレットの油面が落ち着く間に後片付けですが、

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注入穴から注射器で吸い出すと測定液が再利用出来て掃除も簡単です。

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そして一回一回、パーツクリーナーで綺麗に洗浄を行って、プラグ内の溶液などもしっかりとエアブローをして取り除きます。

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ちなみに今回一番初めに形状を決める際に、想定する圧縮比を元に目標の容積は決まっていたのでその容積ジャストの時に理想の燃焼室形状になるよう、少し削っては容積を確認して、少し削っては容積を確認して・・・と、最初の一気筒目の形状を決めるのに朝の9時に作業を始めて決まったのが23時頃と、ぶっ通しで14時間も掛かりますが、容積合わせは根気の要る作業なので、とにかく手返し良く行う事が大事かと思います。
※ NA車両の場合には単純に容積を増やしてしまうと馬力の低下に繋がりますので、総合的な計画の組み立てが必要です。

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ちなみにこちらは1佞陵得僂鯤かり易くしたモノですが、

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ピストンやコンロッドの1gを削る作業も大変ですが、燃焼室などの1佞鮑錣觝邏箸發覆なか大変だったりします。
作業を行う場合にはそれぞれの容積やサイズ感をしっかりと把握しておくとその先の展望が見やすくなるかと思います。

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ポート内の容積合わせの際も1番&4番、2番&3番で同じように計測を行いますが、

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4Vなどの場合には分岐した各容積も相反した気筒間で合わせるように計測を行います。
非常に地道な作業で精神力が試されますが、このような一連の作業が結果に繋がりますので、コツコツと地道に作業を行います。

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そして計測した各容積を元に圧縮比の計算ですが、ここに計算式を記載するよりもグーグル先生に「圧縮比 計算」などと打ち込めば色々な自動計算サイトが出てきますので、そちらに各数値を打ち込んでご自身の圧縮比を調べてみてください^^

という事で、個人レベルで燃焼室容積を測る際のポイントですが、
・測定液の粘度に気をつける(エンジンオイル2:灯油1)
・ビューレットの脱泡や油垂れによる油面の変化を意識する
・栓となる材質はペコペコと撓まないモノを使用する
・目盛りの細かいビューレットを使用する 
・数をこなして作業に慣れる


です。





akane380 at 03:16|PermalinkComments(6)