FCRキャブレター オーバーホール

2022年06月10日

日々感謝

バイクブームの影響か、年々作業に関するお問い合わせが増えていまして、気が付いたらとんでもない量の受注を受けていて必死に納期との格闘をしていました^^:SBR_6260
O/hに関しては一気に纏めて洗浄などが行えるのでペースアップも可能なのですが、

SBR_6464
セラコート処理などのキャブレター製作は細かな部品を1点1点仕上げますのでどうしても時間が掛かってしまうのですが、何とか努力すれば一回に何機分かを纏めて作業できるのではないか?と試したところ、個別の仕様による制作の違いなどで何がなんだか分からなくなってしまい、余計に効率が悪化したので地道に進めています関係で新規のお問い合わせの納期が日に日に延びてしまい申し訳ありません。

SBR_6446
その他の作業依頼も沖縄から北海道のオーナー様まで全国から沢山いただいて置き場が無くなるほどで本当に有難い限りですが、ここ最近の円安も追い風になってか?某SNSで海外向けにキャブレターの製作事例などを紹介していたらついに海外からもお問い合わせが来るようになりました^^

SBR_6452
そして最近はバイク部品だけでなく四輪やボートなどの部品のご依頼も増えてきて、セラコートの特徴を活かして需要を作りだしていただけて本当に有難いです^^

IMG_7864
ボートといえば、某マリーナにてとんでもない物が・・・。

SBR_6514
いろいろな経験をさせて頂けることに日々感謝し、とりあえず今までの常識を打ち壊すべくジャンジャンバリバリ頑張ります^^




akane380 at 03:08|PermalinkComments(2)

2022年03月28日

人と違ってなんぼな性分

SBR_7426
前回の記事で三者三様のキャブレター製作の内容を紹介させて頂きましたが、その作業と入れ違いで・・・、

SBR_7542
今回はこちらのAE86に搭載されている4AGに取り付けるFCRキャブレターの製作をご依頼いただきました。

SBR_6296
今回ご依頼をいただいたのは以前にもAE86に搭載された4AG用のFCRキャブレターを製作させていただいたイナズマワークスの池田さんからのご依頼で、

weboption
weboption.
最近の池田さんの作品ではV8を積んだ拘り満載のAE86(https://motor-fan.jp/weboption/article/15220/01_ad4i0355/)も話題になるなど、池田さんはShow car制作のスペシャリストですが、今回ご依頼を頂いた際の希望色は「赤」で、果たしてどんな仕上がりになるのか作業前から楽しみで仕方なかったです^^

SBR_7566
という事で作業開始ですが、以前にも書きましたが、4輪で使用されていたFCRキャブレターはエンジンからの熱害がバイクの比ではないようで、今のところ非分解部分のOリングが生きていた個体は見た事がないくらいに全て遣られてしまっています。

SBR_7807
なので、例によって今回も非分解部分まで分解してOリングを交換しますが、うちのオリジナル製作した非分解箇所用のOリングは熱にも強いフッ素ゴムで製作していますので、当面非分解部分のトラブルは発生しないかと思います^^

で、今回は細かな作業内容は省略して一気に完成形のご紹介ですが、
SBR_7969
赤ベースにシルバーでこのような感じにド派手に製作させて頂きました♪

SBR_7964
SBR_7968
普段はやはり黒系でのご依頼が多いので久しぶりのド派手仕様の製作で楽しく作業をさせていただきましたが、やはりショーカスタムなどで人を惹きつけるマシンを作る人の感性は違うなと、このド派手な仕様をオーダーしてくださった池田さんは本当に凄いなと感じました^^
車両の完成はまだまだ先になるのかもしれませんが、イナズマワークスさんの作る新たな車両の完成が今から楽しみです♪

SBR_7808
そしてイナズマワークスさんのFCRキャブレターと同時進行で制作を進めさせて頂いた存在自体が個性的なKZ1300用の直6FCRキャブレターですが、

SBR_7823
エンジンの排気量が1300佞任1気筒辺りの排気量が小さいのでスモールキャブレターベースで作られているのが非常に可愛い個体です。

SBR_7853
そして全分解からのオーダー仕様にて細かく1点ずつセラコート処理をして、

SBR_8153
組み上げ後にオーバーフローと加速ポンプのチェックを行なったら・・・

SBR_8033
真っ黒が逆に個性的なKZ1300用6連FCRキャブレターの完成です^^

SBR_7978
SBR_7988
SBR_8093
今回も全てセラコート処理で仕上げさせて頂きましたが、やはり6発は迫力が有って良いですね^^


SBR_8014
という事で、2つの個性的なキャブレターが完成しました♪
この度はFCR製作のご依頼を頂きまして誠にありがとう御座いました^^



話のついでに過去いちド派手なFCRキャブレターのご紹介も・・・



過去いちド派手な仕様はこちらのSR20DE用のFCRキャブレターですが、
SBR_3059
SBR_3052
SBR_3067
SBR_3076
組み付けの際に目が痛くなったのを未だに覚えているくらいド派手でした^^

ちなみに以前までは迷彩色がメインだったセラコートもここ最近外資系のブランドなどとの絡みで派手な色も多くリリースしていますので、
hunter-orange-h-128lollypop-purple-c-163
parakeet-green-h-331prison-pink-h-141
車両に合わせて周りと一味違ったド派手な仕様をチャレンジしたい方は製作依頼を楽しみにお待ちしております^^

こちらも以前に紹介したかどうか忘れてしまいましたが、派手仕様ということで、
SBR_0582
SBR_0795
SBR_0802
SBR_0816
SBR_0824
ヨシムラFCR-MJNベースで製作させて頂いた、たぶん世界で一番派手なヨシムラFCR-MJNですが、個性を出す事って楽しいですよね^^

SBR_1438
昨日同オーナー様からヨシムラ製のオイルクーラーガードのセラコート処理もご依頼いただきまして、車両の派手渋なヨシムラ化がより一層進んでおられるようです^^

ただ、周りと一緒じゃないと不安なんて方も世の中には居るので個性個性言ってんじゃねーよ!って話ですが、ちなみに自分の12Rのスロットルボディも個性を出しておりまして、
My ZX12R
My ZX12R.
以前にも紹介しておりますが、絶対に他人と被らない金ピカ仕様となっておりますw
誰もやらない事を創意工夫してやるのが楽しい性分なもので・・・。

SBR_1325
誰もやらない事。

SBR_1520
やっちゃう的なw
というか、個性を追い求めていたらKLX製作でやらかしてしまったので、次回はその辺を書こうと思います。。。



akane380 at 04:35|PermalinkComments(4)

2022年03月16日

三者三様のFCRキャブレター作業

昨年までキャブレター関係の記事が多かったので、またキャブかよ!と思われるのが嫌で少し書くのを止めようと思ったら、あっという間に3月も中盤に入ってしまいました。。。

今回は昨年末に作業をご依頼頂いた3機のFCRキャブレターの紹介ですが、
SBR_6877
1機目はこちらのブラックボディのFCRキャブレターで、

SBR_6890
作業内容はブラックボディのFCRキャブレターをセラコート処理にて派手渋な真のブラック仕様に変更をする作業をご依頼いただきました。

SBR_7003
そして残すもう2機のうちの一機は、同じくセラコート処理によるブラック仕様のオーダーと、もう一機はほぼレストアを兼ねたオーバーホールの作業メニューにてご依頼をいただきました。

SBR_7011
で、まずはオーバーホールをご依頼いただきましたこちらの25年近く前に販売された初期ロッドのFCRキャブレターですが、某有名ショップさんで以前にオーバーホールをお願いするも、オーバーホール作業から戻ってきたら、作業を依頼する前の状態よりもキャブレターの状態が悪くなって戻ってきた・・という事でお問い合わせを頂いての入庫ですが、

mail
FCRキャブレターに限って言えば、オーバーホール作業で入庫する個体の一定数が以前にショップさんでオーバーホール作業を行った個体で、作業から戻ってきて車体に付けてエンジンを掛けたら絶不調になっていた・・・。という話ですが、記載されているショップ名を見るとキャブレターのオーバーホール作業を売りにしているショップさんの名前も有ったりで、純正キャブレターと同じノリでキャブレタークリーナーなどを吹き掛けてしまっているのかな・・・と。
FCRキャブレターに限って言えば、非分解部分を分解した事が無いとあそこに重要なOリングが入っているなんて想像もしませんのでショップさんも悪気は無いんですよね、むしろお客さんに喜んでもらおうとしっかりと綺麗に洗浄をしようとして、エア通路などにケミカルを入れているわけであって、決して不調になる事が故意ではないのが悲しいところです。。。
ちなみにたまぁに洗浄剤は何を使っているのか?と聞かれますが、アルマイトなどの掛かっていない素地のFCRキャブレターや純正キャブレターに関しては、基本的にウェットブラストと超音波洗浄機を使って汚れを落として、最後にママレモンで洗う程度でケミカル類は一切使っていません。

SBR_1297
こちらのTDMR( TMR)キャブレターのように独特な肌の質感を持っているキャブレターの場合にはウェットブラストは当てられないので、

SBR_1402
そのような場合にはこのようなキャブレタークリーナーを使用して、

SBR_1396
ドボンと漬け込み洗浄をしますが、

SBR_1394
ご覧のようにOリングを侵しますのでOリングなどが取りきれないFCRキャブレターやTMRには不向きでお勧めは出来ませんが・・・洗浄に関してこの辺はあまり深く書くと他の方の作業にケチをつけてしまうような話になってしまうので話を戻しまして、

SBR_7000
で、こちらのキャブレターは20年以上使われているだけあって、錆、腐食、ゴムの劣化など、外見は非常にヤレていて、

SBR_5025
キャブレター自体も漏れ出していたガソリンでベタベタです。。。

SBR_6911
ただ中身は一度オーバーホール作業を実施しているだけあって非常に綺麗だったのですが、

SBR_7145
リップシールが本来の右の丸い状態からガソリンによってベロベロに溶けて見るも無残な状態になっていました。

SBR_7116
という事で、こちらのキャブレターは非分解部分のメンテナンスを行う為、非分解部分まで分解を行いました。

SBR_7138
ちなみに初期のワンウェイバルブの栓はジュラコンのような素材で出来ているのですが、製造から20年以上が経過し、経年劣化でクリアランスが緩くなり栓が内部で動いてしまっていたようで、このように綺麗な状態で取り出す事が出来ましたが、ワンウェイバルブが内部で自由に動いてしまっては意味が無いので、この辺も不調の一因だったようです。

SBR_0335
とりあえず抜けてしまった加速ポンプのワンウェイバルブは、オリジナルの真鍮製に打ち換えてリペアをいたします。

SBR_6973
そしてお次は沖縄からご依頼を頂きましたこちらのFCRキャブレターですが、ありがたい事に沖縄のオーナー様からご依頼を頂く機会が結構多く、

SBR_6943
沖縄=綺麗な海=潮風=錆? となってしまうのか、沖縄からご依頼を頂く個体の殆どが錆びや腐食に侵されてしまっています。

SBR_6944
そして今回の個体はキャブレター内部にも結構な錆の混入が見られ、オーナー様に車両側のタンク内の錆びのご確認をお願いしたのですが、

SBR_7515
ここで問題ですが、一番左のフロートバルブが新品で左4つが今回取り出したものですが、異常のある個体は含まれていますでしょうか?なんていきなり問題を出してみたり・・・。



正解は・・・






SBR_7499
全て異常ありで要交換です。理由は慢性的な錆の流入によってフロートバルブが偏摩耗していましたので、今回はフロートバルブも要交換となりました。※画像左が新品で右が当該部品です
個人的に視力が悪く、この手の偏摩耗は肉眼では見抜けないので電子顕微鏡で確認して初めて気が付きます^^:

SBR_7513
ちなみにこのフロートバルブに付ける特殊クリップも右の新品に対して左のクリップは変形をしており、フロートバルブが自由に回転出来ない状態でしたので、細かな部分で結構見逃しがちなポイントですが、要交換です。

SBR_7148
そして今回はキャブレターを分解して各Oリングの状態の悪さが分かったので、現時点では問題ありませんでしたが、綺麗に施工した後も長く良い状態で乗って頂く為、予防的に非分解部分のOリングも交換するご判断をオーナー様からいただきました。

SBR_7218
という事でオーバーホール作業の個体とセラコート処理の個体をそれぞれ分解して、

SBR_7155
オーバーホール作業の個体はボディなどが年式相応に汚れているので、どの程度綺麗に仕上げるか磨き仕上げのチェックを行って、

SBR_7206
新品以上に綺麗な状態に(願望)なるように3日かけて各部品をクリーニングして、錆や腐食を可能な限り除去。

SBR_7262
そして残りの2機はセラコート処理にてそれぞれご希望の仕様へと変貌をさせて・・・、

SBR_7302
あとは淡々と組み付けです。

SBR_7489
そしてオーバーホール作業のFCRキャブレターには、当時初期型には付いていなかったFCRのステッカーをサービスで貼らせていただいて、

SBR_7406
三者三様のFCRキャブレターの作業が完了しました^^

まずはオーバーホール作業のFCRキャブレターですが、
SBR_7477
SBR_7481
SBR_7487
25年近く前に販売された当時よりも綺麗に!を目指してオーバーホール作業というよりもレストアをさせて頂きました。
また、細かな初期型と現行の相違点などを現行タイプに変更させていただいて、お返しして車体に取り付けて試乗インプレを頂いたところ、気になっていた不調箇所も解消し「久しぶりに乗ってて楽しい」とのお言葉も頂けて嬉しかったです^^

そしてお次は沖縄県からご依頼を頂きましたFCRキャブレターですが、
SBR_7551
SBR_7556
SBR_7561
元々有った錆や腐食を磨き落として、表面に露出する真鍮部品以外の金属面はほぼセラコート処理にて2色のブラックを使い分けて仕上げさせて頂きました。
今回使用したセラコートは密着性に優れているので、錆や腐食の発生を通常時よりも抑える効果もありますので、塩害の多い環境でも良い状態をキープしてくれると思います^^
こちらのオーナー様にも仕上がりを喜んでいただけたので心の中でガッツポーズをして良い年末になりました^^

そして最後はFCRキャブレターのブラックボディベースのブラック仕様ですが、
SBR_7434
SBR_7439
SBR_7461
こちらのFCRキャブレターも真鍮以外の露出する金属面は全て施工対象とさせて頂いて、派手シブな艶有ブラック×ゴールドで仕上げさせていただきました^^
こちらの施工対象として渦巻ファンネルの施工が何気に大変でしたが、苦労した甲斐も有って渦巻ファンネルの艶感が個性的で凄く良い作品が完成しました♪
そしてオーナー様にも「最高の仕上がり」と満足して頂けたので、ホッとすると同時に職人冥利に尽きるなぁ・・・としみじみと感謝をさせていただきました^^

SBR_7426
余談ですが、完成画像を撮っているこの時が一番幸せです^^
この度はご依頼を頂きまして誠にありがとう御座いました。

SBR_7542
そして入れ替えでその次に控えているこちらの4AG用のFCRキャブレターですが、以前にもFCRキャブレターを一機製作させていただいた業界では有名な四輪のカスタムビルダー様からのリピート製作でのご依頼ですが、ド派手に変身します^^
その仕上がりは次回に・・・。




akane380 at 02:03|PermalinkComments(4)

2021年12月13日

FCRキャブレター 非分解部分のネジを取るコツ

SBR_7041
FCRキャブレターの非分解部分のOリングをご購入頂いたオーナー様から非分解部分のネジを舐めてしまったとたまーにSOSのご連絡を頂くのですが、極力ネジを舐めるリスクを減らして安心して取るコツをご紹介しておきます。

SBR_7047
自分は普段塗装で使用するシンナーを使っていますが、一般の方はシンナーなど持ち合わせていないと思いますので、今回は一般の方でも入手がし易い代用物として、近所のダイソーで除光液を購入し、壁に刺さっていた画鋲を使ってご説明します。
※ アセトンを主成分とした除光液の場合には引火性が高いので火気にご注意下さい。

SBR_7048
で、非分解部分のネジには ” ここは分解するなよ! ” とメーカーがネジ穴に栓をしているのですが、ここのネジを舐める原因はこの黄色い栓(塗料?)をしっかり取り除いていない事で工具がしっかり入らずに舐めてしまうケースが殆どだと思われます。

SBR_7050
という事で、この黄色い栓を取り除きますが、先ずは画鋲で大まかに取れる部分の栓をカリカリ引っ掻いて取り除きます。

SBR_7051
大体こんな感じでOKです。

SBR_7054
そうしたら除光液を爪楊枝に付けて、

SBR_7055
爪楊枝に付けた除光液を先ほどのネジの穴にちょんちょんと移します。
※ 誰でも用意できる簡易的な物として爪楊枝を使っているだけですので、スポイトや綿棒などもっと使いやすい物があればそれをご使用ください。

SBR_7056
何往復か爪楊枝を行き来させてネジの穴に除光液を満たしたら1分ほど放置をして、

SBR_7058
黄色い栓が柔らかく溶けたら画鋲でカリカリして穴を綺麗にします。

SBR_7059
こんな感じになりましたが、この小さな固形で残っている黄色いダストが工具との摩擦を邪魔してニュルっと舐める原因ですので、

SBR_7062
もう一度、穴の中を除光液で満たします。

SBR_7063
そしてまた1分ほど経ったら除光液を満たした状態のまま六角レンチを差し込んでグリグリと押し込み残っていたダストを潰してネジと六角レンチをしっかり嚙み合わせます。
※ 六角レンチを刺した際に除光液がプシュっと飛びますのでご注意下さい。

SBR_7031
しっかり六角レンチが嚙み合っていれば画像のように持ち上げてもネジの差し込み部分から六角が抜ける事はありません(もし簡単に抜けてしまう場合には黄色い栓の除去がしっかり行えていないか、六角レンチの摩耗が考えられますので、そのままネジを回すと舐めるリスクがあります)ので、このガッチリ食いついた状態で反時計回りにネジを回せば・・・、

SBR_7066
問題無く取り外せると思います。
非分解部分の分解で一番緊張するポイントがこのネジの取り外しですので、じっくりゆっくりと作業を行って、精度の高い作業を行ってください。


その他の非分解部分の一連の作業手順は下記URLにてご紹介しております。

FCRキャブ 非分解箇所+加速ポンプ オーバーホール手順
http://secretbase-racing.com/archives/2020-04-21.html





akane380 at 00:47|PermalinkComments(4)

2021年11月29日

KAWASAKI W1 FCRキャブレターのレストア

コロナの影響でいろいろな物資が世界的に不足していますが、先日FCRキャブレターの非分解部分のOリングの在庫が無くなってきたので追加制作を加工会社さんにお願をしたところ、材料となるフッ素ゴムが世界的に不足をしているようで、今年の2月に材料を発注したけど未だに入荷せずということで、残りのフッ素ゴムを企業が競り合うような状況が続き、現在フッ素ゴムの価格にプレミアがついて製作するとしたら大幅なコストアップになるとの返答が・・・。SBR_6129
とは言ってもこちらも無いと困ってしまうので非常に割高でしたが200セットのみ追加で製作。
この200セットが無くなる前にフッ素ゴムの流通が元通りになってくれると助かるのですが^^:
とりあえず趣味性の高いモノなのでコストアップ分は乗せずお値段据え置きで行きます。

SBR_1964
そしてこちらは少し前にオーバーホールのご依頼を頂いたKawasaki のW1用のFCRキャブレターですが、10年近く放置をして復活をさせる為にO/hのご依頼をいただきました。

SBR_2193
今回は長期保管によって非分解部分のOリングも劣化してダメになってしまっていたので全分解後にウェットブラストと超音波洗浄機で綺麗にクリーニングを行って、

SBR_2145
錆びていたボルト類は・・・

SBR_2198
セラコートで防錆効果も狙いつつリフレッシュさせて、

SBR_2204
調整しながら全ての部品を組み付けたらオーバーフローのチェックを行って、

SBR_2381
問題が無ければO/h作業の完成です^^
この度はご依頼頂き誠にありがとうございましたm(_ _)m

SBR_1495
お次に紹介するのがこちらのFCRキャブレターですが、オーナー様が大切に扱われているお陰で状態も良く、見た目も綺麗なのですが、最近になってオーバーフローをするとの事でご相談を頂き入庫していただきました。

SBR_1547
ガソリンのフューエルラインにはフィルターが付いており、分解後にフロートバルブの摩耗や変形などを細かくチェックするもオーバーフローを引き起こしそうな問題は無しでしたが、

SBR_1557
フロートバルブ以降に問題が。

SBR_1554
SBR_1553
SBR_1551
オーバーフローの原因はフロートバルブシートとキャブレターボディ部分の酸化による腐食とガソリンに含有している成分の固形化した物が原因でした。
今回の正確な原因は分かりませんが、湿気の多い季節に長期間乗らずに放置をしてしまったり、燃料ラインに水分が混入してもこのような症状を引き起こしてしまいますので注意が必要ですね。

SBR_1773
そして燃料ライン内部もウェットブラストで綺麗に研磨をして、消耗した部品を新品部品に組み換え、調整組み付けを経た後にオーバーフローのチェックを行って、漏れなどの問題もありませんでしたので一連のO/h作業は完了です^^
このように日頃よりキャブレターのO/h作業を多く頂く事で、自分一人ではとても再現しきれないようないろいろな事象に立ち会う事が出来て経験値をガンガン上げられている気がします^^
いろいろな症例を経験する事で頭の中のトラブルチャートの精度が向上するのでご依頼いただける皆様には本当に感謝です♪




akane380 at 02:30|PermalinkComments(4)

2021年08月11日

順次発送中です。

Tokyo2020 オリンピックが終わってしまいましたね。。。
ギリギリまで本当に開催するのか?ってくらい盛り上がりの無い雰囲気でしたが、結果的に己の肉体の限界に挑む選手達の活躍に感動して、己の利益追求の為に中間搾取の限界に挑んだ組織側に落胆する自国開催のオリンピックでしたが、中でも悲しかったのがオリンピックを迫力ある映像で観たくて65インチのテレビを買ったのに、1番楽しみだったサーフィンがネットのLIVE配信のみでテレビで観れなかったというw
SBR_1587
そんなこんなでオリンピック開催期間中は時間が有ればオリンピック中継を見ていたので作業の進みが若干悪かったのですが、

SBR_1788
何とかお盆休み前に納品予定だった分のキャブレターO/h作業最終組も順次チェック後に発送を行って参りますので、今しばらくお待ちください。

そして先日3機目のショーバイク用のBlack FCRキャブレターを製作させて頂いたBlack Paradeさんですが、8日のJOINTS CUSTOM BIKE SHOW で見事新作バイクが受賞をされたとの事でおめでとうございます♪
オリンピックにしてもショーにしても、皆さん挑戦する事があって本当に羨ましいです。
自分も早く次の目標目指してチャレンジャーに復帰したいですね^^





akane380 at 15:30|PermalinkComments(2)

2021年06月05日

FCRキャブレターのご先祖様救済

SBR_5056
こちらの画像は少し前にもアップさせて頂きました製作前のビフォーと、

SBR_6691
アフターの画像ですが、

SBR_6705
一機だけ見た目が変わっていないこちらのFCRキャブレターはオーバーホールのご依頼で入庫した個体で、


SBR_4899
加速ポンプのリンクレバーがデュアルで装備され、

SBR_4902
加速ポンプの噴出量をジェットの変更で調整出来るという非常に個性的な仕様をしているこちらのFCRキャブレターは、Kawasakiから25年前に発売されたZX-7RRに純正採用されたFCRキャブレター(FVKD41)となります。

SBR_7091
このZX-7RRで採用されたFCRキャブレターが改良されて現在の汎用FCRキャブレターへと進化していったはず(自信なし)ですが、当時はTPS的な開度センサーに単純なマイクロスイッチ(ON / OFF機能のみ)を採用していたり、現行のFCRキャブレターと寸法の違う箇所なども多々あり、普段作業をしているFCRキャブレターとの違いなどを探しながら興味津々に作業を行わせていただきましたが、微妙に寸法の違う部品の調達などで若干手こずってしまいました。

SBR_4896
そしてこちらのFCRキャブレターは今回ご依頼いただく前に、8耐などにも参戦している有名なショップさんで一度オーバーホールをして頂いたそうで、その作業から戻ってきたらアイドリングが不安定で元の状態より更に調子が悪くなってしまったとの事で、今回はセカンドオピニオン的な形で気になる症状などの話を聞いた上で、そのショップさんでの作業時に非分解部分のOリングを痛めつけた事が原因と踏んで、下記の方法にて非分解部分の状態を確認する作業からスタートとなりました。



非分解部分のOリングの確認方法は下記の動画で紹介をしています。
    ⇓             ⇓
     


SBR_5071
そしてチェックの結果、やはり非分解部分のOリングがダメになってしまっている事が確認出来たので、現状を動画にてオーナーさんに伝えた上で、改めて非分解部分の分解を行わせて頂きましたが、やはり前回のオーバーホール時に市販のキャブクリーナーなどを使用してしまった事で、逝きかけていた非分解部分のOリングにとどめを刺してシール性を失ってしまった事が不調の原因でした。

オリジナルOリングセット
という事で、貴重なZX-7RRの純正FCRキャブレターを救うべく、オリジナル製作してラインナップしている高耐久なOリングキットを投入して復活をさせますが、


SBR_6070
細かな作業内容は下記URLにて細かく紹介をさせていただいておりますので今回は端折ります。





SBR_6088
25年前に生産されたキャブレターを綺麗に復活させるべくウェットブラストなどを使用して綺麗に整えて、

SBR_7105
消耗部品などを交換して組み付けたらFCRキャブレターのご先祖様の復活です♪
組み付け後に新品のキャブレターと並べてみましたが、25年前の当時と遜色ないレベルで仕上げる事が出来たのではないかと思います^^

SBR_7069
そして納品からしばらくしてオーナー様よりご連絡を頂き、元々気になっていた部分や調子が悪くなった部分なども含めて全て快調に気持ちのいい乗り味になったとの事で、貴重なZX-7RRを蘇らせる事が出来て一安心すると共に、貴重な体験をさせて頂き誠に有難うございました^^





akane380 at 03:08|PermalinkComments(2)

2021年02月06日

FCRキャブレターのオーバーホール作業のご紹介

こちらの記事ではFCRキャブレターのオーバーホールに関する記事をお伝えしますが、DIYで作業をされる方の参考になれば良いかな?と、いざ記事にしようとしたところ、作業時に文章に合う画像を撮り忘れている部分が多々ありましたので、その部分にはイメージとして他の作業時の画像を使用しておりますのでややこしかったらすみません。

作業内容としましては、

工程1.分解
工程2.洗浄
工程3.交換部品の選定
工程4.交換、修正
工程5.調整、組み付け
工程6.作動チェック


という流れになります。

SBR_0018
今回はこちらの15年ほど使用されたFCRキャブレターに、ペイント作業(セラコート処理)とオーバーホール作業を同時にご依頼頂いた作業内容を中心にお伝えします。

SBR_0019
まずは分解ですが、セラコート処理の場合にも通常のオーバーホール作業のみの場合でも一度全ての連結をバラシて、割れ、欠け、曲がり、錆や腐食などが無いか、それぞれの状態を確認します。
この時に各スクリュー類のセッティングデータを記録しておき、組み付け時に元の状態のセッティングでお返し出来るようにします。
※ ただし、エア通路などの詰まりが解消した事でセッティングが変わる場合もあります。

SBR_3003
そして分解が終わったら消耗部品などの交換が必要かをチェックしますが、スロットルバルブ周りやボディの摩耗など大きな場所は肉眼でも確認が出来るのですが、細かなジェット類の片摩耗など肉眼では見落としがちな部分をしっかりとチェックできる様、簡易的な電子顕微鏡を使用して一点ずつ細かにチェックを行います。

SBR_6024
そして洗浄を行いますが、キャブレターをオーバーホールする際には一般的にはキャブレタークリーナーを使用しますが、うちでは余程な事が無い限りキャブレタークリーナーなどのケミカル類は使用せず、基本的に油落し用のハンドソープを使用して水洗い後に超音波洗浄機でクリーニングを行って、

SBR_8858
リンス後に焼き付け乾燥炉で水分を飛ばして洗浄を完了させます。

SBR_1307
仮にエア通路や燃料通路に強固な詰まりや固着が有った場合には、非分解箇所を分解して、その時々に合った対処方法で問題を解決します。

非分解箇所のオーバーホールの作業手順は下記URLの記事にて紹介しております。
http://secretbase-racing.com/archives/2020-04-21.html

SBR_Original
また、非分解箇所の分解時には非売品のOリングや加速ポンプのワンウェイバルブなどが必要となりますが、シークレットベースレーシングとして純正よりも良い素材でオリジナル制作したOリングキットを対策部品として用意し、それらを使用して純正よりも耐久性を上げた仕様で復活をさせます。

SBR_0103
そしてペイント作業を含む場合にはそれぞれご希望の仕様に合わせて1点ずつ細かな塗り分けなどを行い、

SBR_0360
洗浄やペイントが仕上がって組み付け作業に移りますが、スロットルシャフトのベアリングも状態が悪い場合には数百円と安い物なのでこの機会に交換をお勧めして、

SBR_0385
オーナー様の了承が得られれば新品に打ち換えをし、

SBR_0388
打ち換え後にメーカーが推奨しているフッ素グリスのバリエルタをベアリングに塗付けしておきます。

SBR_0366
そしてベアリングの交換が終わったら、スロットルシャフトを引き抜くと大抵このような残念な状態になってしまって役目を終えてしまうか、

SBR_0380
はたまた既に役目を終えてしまっている事の多いフェルトの防塵リングですが、

SBR_3025
こちらのフェルト製のOリングも非売品となる為、夜な夜なコツコツ打ち抜いて対策品を自作し、

SBR_0368
常に良い状態に戻せるよう対策をしています。

SBR_2449
このフェルトのOリングの交換方法ですが、マイナスドライバーなどで画像の金属リングを外して入れ替えをします。

SBR_0370
SBR_0383
こちらは交換後になりますが、スロットルシャフトを差し込む際に強く当たりをつけてしまうと直ぐに潰れてしまうので注意が必要です。

SBR_3043
そして基本的な消耗部品は再生に必要な定番処をメインに常に数セット分用意しており、

SBR_0375
これらの専用品はメーカー純正を使用しますが、

SBR_0377
規格物のOリングなどは、より耐久性を求めてフッ素系の材質のOリングを使用して組み付けを行います。

SBR_3093
また、最近ではFCRキャブレターのボディ自体も台湾製のコピー品が安価に出回っておりますが、そのグループ経由かは分かりませんが、ネット通販などで純正の1/5ほどの値段で売られているフロートパッキンなども一度試しに使用してみた所、材質が悪く一度の使用でガソリンに侵されてゴムが溶けてフロートからガソリンが滲んできてしまうなど、信頼性に乏しい仕様だったので割高でも純正のOリングを使用しております。

SBR_3111
また、悲しい事に社外の安価なOリングを純正として売っている場合もありますので、見分け方としましてはOリングの線径が若干太く、ゴムらしい弾力が少なく、画像のように一部をつまんで持った際にふにゃっと形が崩れない(硬い材質)のモノは偽物の可能性がありますので、注意が必要です。
※ 自分の購入した格安品は、ガソリンに侵される ⇒ デロデロに溶ける ⇒ フロートを分解してガソリンが気化するとパキパキに硬化してプラスチックのようになって再利用不可という代物でした。
薄利多売が基本だから仕方ないのかもしれませんが、折角高価な金型を作ってまで複製するなら良い材料で良い物を何故作らないのか? いつも中華系部品は謎です。

SBR_2946
こちらのラージボディ用のトップキャップのガスケットですが、パっと見はどちらも同じサイズ形となりますが、

SBR_2954
ボアサイズで2種類の厚みが用意されていますので、41亰造砲論賤僂離汽ぅ困諒を使用して組み付けます。
※ この41mm径のみ厚みの違う設定が用意されている理由ですが、元々FCRキャブレターの基本設計が確かカワサキのZXR750向けに開発されて、その後汎用レーシングキャブレターとしてバリエーションが増える中で、元の基本設計よりも大きな口径となる41亰造砲靴浸で、スロットルのリンクアームがセットする仕様によってはトップキャップと干渉してしまう恐れから、若干ガスケットの厚みを増して対策とした為だそうです。

SBR_3045
余談と言いますか、クイズですが、このトップキャップのシートガスケットには裏表(方向性)が有るでしょうか?

A. 画像左の色の濃い方が上を向く
B. 画像右の色の薄い方が上を向く
C. そんなの関係ねぇ〜!     


答えは・・・





Cの「そんなの関係ねぇ〜!」が正解ですが、今まで2回ほど組み付けの向きが逆とクレームを言われて困った事が有りますが、どうも色の濃い方に接着剤が塗られていると思われている印象でした。
※ 表裏関係無しはメーカーに確認を取っての見解ですが、一応組み付け時には濃い方を上向きに揃えて組んでいます。

SBR_0423
そして真鍮部品などの汚れは・・・

SBR_0425
ウェットブラストを使用して・・・

SBR_0428
綺麗にクリーニングを行います。

SBR_3057
話が長くて申し訳ないのですが、ジェット同様、バルブシートにも細かく種類があります

FCR-バルブシート
ヤマハのXJR1200用のFCRキャブレターの口径が41mm径の場合にはバルブシートは#3.8の物が使われているハズですが、同じヤマハのV-MAX1200の41mm径では画像のように#2.0と流量の小さい物が使用されています。
カタログ値98馬力のXJR1200よりもカタログ値で約1.5倍の145馬力を発生するV-MAX1200の方がバルブシートの穴径が小さい(流量が少ない)のは何故か?
これはV-MAXは燃料ポンプで燃料を圧送し、常に燃料に圧力が掛かっている為、ガソリンタンクから自然落下で供給されるキャブレターよりも流量を絞る設計になっているために#2.0と小さなバルブシートが採用されていますので、ここを闇雲に大きくしてしまうとフロートの浮力が負けてちょっとした振動やGなどでオーバーフローを引き起こし易くなってしまいますので、DIYなどで交換の際にはご注意ください。

SBR_3052
また、バルブシートに刺さるフロートバルブですが、こちらは大と小という画像の2種類がラインナップされていますが、この大と小とはキャブレターのボディサイズの事では無く、バルブシートの穴のサイズ(小:#1.4〜#2.6 大:#3.2〜#4.0 )を指しておりますので、量販店などで1種類しか置いていない時などにはそれが自分の欲しいサイズか注意が必要です。
ご自身のバルブシートが大なのか小なのかを調べるには、バルブシートをチェックして、画像の右側のように外形が六角形であれば「大」、円形であれば「小」となりますので、そこを見れば判別が可能です。

SBR_9497
そして交換部品の選定などが済んだらやっと組み付けの時間ですが、組み付け時の同調は機械同調(単純に各気筒を揃える)で揃えますが、エンジン側のコンディションによって同調のセットが変わってしまいますので、最終的な本調整は車体に取り付け後に行ってください。

SBR_3051
また、分解時にしか交換の出来ないリターントーションコイルスプリングは各荷重を用意しておりますので、ご希望の場合には部品代のみの追加で交換が行えます。

SBR_0392
SBR_6525
そして今回のキャブレターボディは15年選手という事で、オーナー様が用意をしてくださった共立工芸様のSEPベアリングガイドを組み付けて仕上げを行います。

SBR_2238
そして組み立てが完了しましたらオーバーフローなどの確認を行って、

SBR_2240
加速ポンプなどの動作確認も済んで問題が無ければ・・・

SBR_0679
作業終了で、完成写真を撮ってオーナー様の元にお返しです。
お問い合わせの多い費用についてですが、通常のオーバーホールで1気筒辺りのコストは7,000円となりますので、7,000円×気筒数+交換した部品代となります。
セラコート処理(ペイント)をご希望の場合には1気筒辺りのコストが仕様によって変動しますが、4気筒の場合に13,750円〜20,500円となります。
※ とんでもない仕様の場合にはこの限りでは御座いません。
部品などの持ち込みにも対応いたしますので、webikeなどでポイントを貯めておられる場合などには、こちらで選定した部品をオーナー様に購入していただいて、送り先住所をこちらにして頂くことで、ポイント分安く済ませる事が出来ますので、各ポイントなどをご利用いただきたい場合などにはその旨をお伝えください。

SBR_0654
ということで、次回は純正キャブレターのレストアの流れをご紹介したいと思います。





akane380 at 04:35|PermalinkComments(2)

2020年04月21日

FCRキャブ 非分解箇所+加速ポンプ オーバーホール手順

今回はFCRキャブレターの加速ポンプワンウェイバルブの交換手順の説明と、数をこなして個人的に確立したFCRキャブレター非分解部分の分解方法+失敗しやすい注意点をご紹介します。

SBR_SHOP
SBR_12842SBR_12821
数年前から消耗品扱いとなっていた高価なFCRキャブレターを再生させようとFCRキャブレターの非分解箇所のオーバーホールを目的にオリジナルで制作した高耐久なOリングのセットと加速ポンプ部分の補修用のワンウェイバルブの販売を行っているのですが、購入して頂いた方には発送の際のメールにて説明を添付しているのですが、ある程度の作業数をこなすうちに作業手順の精度も上がって作業難易度を下げる事が出来ましたので、

SBR_0379
これならD.I.Yで作業を楽しむ方でも難なく作業が行えるのではないか?という事と、以前からショップ様からもご依頼のお問い合わせを頂く事もあり、これらの作業をショップ様ご自身で行っていただくことでショップ様毎の利益性と作業の幅が広がるのではないか?ということで、こちらで試行錯誤して確立した作業手順と気を付けるべきポイントをシェアするべく作業手順をご紹介をしておきます。
※ あくまでも一個人の経験に基づいた内容ですので参考程度にお読み下さい。

SBR_0277
まず今回の話の元となる加速ポンプの不調ですが、症例として画像のように加速ポンプが不調で一か所だけ噴出しなかったり、噴出量に明らかなバラツキがあったり、
SBR_12812
青線で印した部分にステッカーが貼られる枠の無いタイプの初期型のFCRキャブレターではワンウェイバルブの栓に樹脂製の物が採用されているのですが(現在は真鍮製)、その樹脂の栓が中で動いて圧力損失を起こしていたり作動不良を起こしていたりと、気筒間でバラツキが生まれて燃焼具合に不具合をもたらしている個体が多く存在しています。

SBR_0379
そのような時に本来分解整備が行えないFCRキャブレターの非分解部分の分解とワンウェイバルブの交換を行う事で、高価なキャブレターを再利用する方向で分解修理をする内容をこちらに記載しておきます。

SBR_2166
まずOリングのセットを購入して頂いた際にお問い合わせをいただくこのネジ穴を塞いでいる黄色い物体ですが、

SBR_2167
マイナスドライバーなどでカリっとコジれば簡単に取れます。

※この黄色い栓をしっかりと取り除かないとネジを舐める確率が高まります。
このネジを舐めずに取り外すコツを下記URLにて新規に紹介しておりますのでご参考までに覗いてみてください。


FCRキャブレター 非分解部分のネジを取るコツ
http://secretbase-racing.com/archives/2021-12-13.html

↑    ↑
非常に重要です!


SBR_10388
そしてこの非分解箇所の分解で作業の成否を分けるのは六角レンチの使い方で、単純にネジを舐めずに緩められるか・・・に作業の全てが掛かっています。
そのネジを緩める際に失敗する原因の殆どは六角レンチのボールポイント側を使ってしまう事による部分が多いので、

SBR_3092
使用する六角のサイズは2mmと2.5mmの2種類なので、単品で購入しても差ほど高くはありませんので必要であればホームセンターでストレートタイプを用意して作業に挑んでください。

SBR_12803
ちなみにこの手の安くてお得工具は精度が出ていないものが多いのでお勧めしません。※ 経験談

SBR_12792
特にここのネジを舐めると本当に面倒くさいので注意してください。
舐めた場合には六角レンチを買っといた方が全然安上がりだった。。。と後悔するくらい費用と時間が掛かるかと思います。

SBR_2793
理想としてはショートタイプの六角レンチがあればベストですが、

SBR_12795
仮に通常の六角レンチを使用する場合に横着をして画像のようにネジ穴に対して斜めに六角レンチをセットして回そうとしないでください。

SBR_12796
必ずネジ穴に対して垂直に六角レンチを立てて緩めてください。

SBR_3040
念のため、非分解部分を分解するのに取り外す必要のあるボルトは2か所の計4本となります。
順番としまして2.5mmのボルトを先に緩め、非分解部分の分離後に2mmのボルトを外します。

SBR_12816
そして2.5mmの2か所のボルトを無事に外したら非分解部分を接着している金属パテの剥離ですが、以前まではフロート側を少しずつ叩いて剥離をしていましたが、稀に硬過ぎてフロートが割れてしまう大失敗を経験して頭を抱えたりで、もっと確実に安全な方法は無い物か?と考えてその都度試した結果、現在では剥離をする際に青マルで示しましたポイントを叩いて剥がすと比較的安全で簡単に剥がせる事が判明しました。

SBR_2825
イメージ的にはこのような状態で叩く感じで、

SBR_2822
インパクトを与えやすいように鉄の小さなハンマーでコンコン(力小)〜カンカン(力中)と左右を交互に叩いて、間違ってもガンガン(力大)で引っ叩かないでください。
また剥がれた際にフロート側が飛ばないように画像のように片手で支えておいてあげてください。

SBR_12826
ちなみに格子部分では絶対に叩かないでください。
格子が割れて一瞬でキャブがジャンクになって再起不能となりますので。。。

SBR_2810
そして接着部分が剥がれたらフロート側から格子を留めているボルトを2mmの六角レンチを使用して取り外しますが、こちらのボルトが本当に舐め易いのでボールポイントを使用せず、垂直に慎重に緩めるよう注意してください。

SBR_3098
もし指の力だけでは硬くて回らない場合には画像のようにプライヤーなどで六角レンチを掴んで、ネジ穴側に力を押し付けながら舐めないように時計の反対方向に回して緩めて下さい。

SBR_12895
こちらのボルトは仮に舐めてしまっても比較的簡単に取れますので、舐めてしまった場合にはドリルで頭を飛ばして、

SBR_12896
ネジを除去してください。

SBR_10295
そして加速ポンプワンウェイバルブの交換ですが、新しい栓に交換する前に旧式のFCRキャブレターに採用されている樹脂製の栓を抜く必要があるのですが、

SBR_0327
適当に先の尖った画鋲とライターなどを用意していただいて、画鋲などの先端をライターで炙って熱を持ったタイミングで・・・

SBR_0324
グサっと樹脂栓に突き刺してから冷めた頃にスポっと抜けば画像のように取れます。
※ 現行タイプの真鍮製の場合にはドリルで揉んで削り取る必要があります。

SBR_2836
※ ワンウェイバルブの構成部品は非常に細かい部品ですので一度見失うと探すのが困難とまります。 作業をされる場合には落としても見つけやすい室内などでの作業をお勧めいたします。
※ 当方がリリースしている真鍮栓の凸状の突起は差し込み方向を分かり易く示す為の物で、スプリング内径よりも細径仕上げとなっております。
凸部分にスプリングを刺して反対にすると脱落しますので、穴にセットする際には個別にセットをしてください。


SBR_0336
そして スチールボール ⇒ スプリング ⇒ 真鍮栓 の順でセットをしたら・・・

SBR_0339
ピンポンチなどを使用して打ち込みを行います。

SBR_0340
打ち込む深さは画像の線の位置まで入っていれば問題ありません。

SBR_3106
ちなみに非分解部分を剥離する時や栓を打ち込む際にピンポンチなど専用の工具が無い場合には適当なボルトなどで代用も出来るかと思います。

SBR_3107
あまりお勧めはしませんが、もし自分が何も無い状況なら使えるモノを代用して作業を行うと思います。

SBR_0355
そして非分解部分を分解した時にしか掃除の行えない加速ポンプジェットの清掃も忘れずに行って、

SBR_0353
穴の詰まりなどをチェックしますが、

SBR_0362
もし専用の道具が無い場合には画像のような配線の切れ端を使ってそれぞれの太さに合わせたモノを代用として作れますので、無ければ有るものを使って作業を行ってください。

SBR_2920
そして以前に非分解部分の分解記事を書いた際には接着されていた金属パテは触らずにそのまま液体ガスケットを少量塗って組み付けてくださいと書きましたが、この金属パテは画像のようにカッターの刃で削ぎ落すと綺麗に剥がれる事が分かりましたので、出来るだけ切れ味の良いカッターの刃を使用してキャブと金属パテの間にカッターの刃を切れ込むようにして金属パテを剥がしていってください。
※金属パテが綺麗に剥がされていても剥がされていなくても性能に変わりはありません。

SBR_2918
またボディ表面はウェットブラストなどが無くても、金属ブラシでゴシゴシ擦れば綺麗になります。

SBR_2925
ちなみに金属パテの除去ですが、ボディ側は凹状に詰まっている分は無理に除去しなくても良いと思います。

SBR_0373
ということで綺麗になったら・・・

SBR_0378
Oリングをセットして分解時の逆手順で組み付けを行いますが、

SBR_12785
ダウンドラフトとホリゾンタルではOリングの形状が若干異なりますので、

SBR_12843
ダウンドラフトで当方のオリジナルOリングを使用の場合には画像の点線部分でカットして使用してください。

SBR_2921
参考までに組み付け時に接合面に使用している液体ガスケットはパーマテックスのモトシール1という耐ガソリン性の強いモノを使用していますが、個人の方でそんなに大量に必要ないという場合にはバイク量販店で売っているDAYTONAから出ている「耐ガソリン液状ガスケットグレー10」という商品が中身はパーマテックスのモトシール1と同じだと思うので安くて少量で使い勝手が良いかと思います。

SBR_2929
そして綿棒などを使って薄く塗付けて組み付けを行い、

SBR_9608
全てのネジを締め付ければ完成です。
※余談ですが、ボディ内部のガイドローラー部分に摩耗が見られた場合には協立工芸様が販売しているSEPベアリングガイドを使う事で問題を回避する事が出来ます。


2020.4/26 補足1.

下記動画にて非分解箇所のOリングが劣化して傷んでいるかのチェックを簡易的に行う方法をご紹介しておりますので、非分解箇所の修理をご検討の際には一度ご確認をしてみてください。



補足2.

稀に非分解部分のOリングを交換後にアクセルをガバっと開けるとエンジンがストンと止まってしまうようになった事でトラブルや組み付けミスか?と心配になってご連絡を頂くことが御座います。
その現象はガソリンが漏れていたり滲みなどを起こしていたスロー系が正常に戻った事で低回転時のガソリンの供給量に変化が表れたためにセッティングにズレが生じた事によるセッティングの変化が原因です(多くの場合は燃料を薄くする方向で修正します)ので、スロー系のリセッティングをお願いします。


akane380 at 06:05|PermalinkComments(13)

2020年03月17日

FCRキャブレター 他 オーバーホールとペイントについて

SBR_0151
普段よりセラコート処理に関するお問い合わせを頂く中でキャブレター制作に関するお問い合わせも多く頂くので、よくある質問に答えつつ作業の流れなどを紹介する説明をアップしておきます。

SBR_8827
まず多いのが中古のキャブレターでも制作出来ますか?という内容と、個人でも作業の受付はしていますか?という内容ですが、キャブレター制作のオーダーはショップ様、個人オーナー様問わず、また中古ベースでも新品ベースでも画像のような分解ベースでも施工は可能です。

SBR_8848
キャブレター制作時には新品中古品関係なく、分解出来る部分は全て分解をした上で、一つ一つの細かな部品も全て施工対象として希望される仕様にてハンドメイドで個々に合わせて制作を行います。

SBR_8873SBR_8984
割れやクラック、致命的な欠けなどボディ自体の程度が悪くなければ新品ベースでも中古ベースでも仕上がり自体は基本的に変わりませんのでご安心ください。

SBR_1235
また中古のキャブレターをベースとした場合にこちらで施工前に各部のチェックをしまして、制作しても本来の性能を発揮出来ないような著しく状態の悪いキャブレターに置きましては施工費用が無駄となってしまいますので作業をお断りするか、当該箇所の修理が可能な場合にはオーナー様とご相談の上、修理等を行って再生などの作業を追加して行っております。

SBR_1245
実際の作業の流れとしまして、

SBR_1256
分解時には各部の変形や消耗具合を目検に頼らず電子顕微鏡を使用して状況診断を行い、

SBR_1434
分解後に洗浄と空焼きをして・・・

SBR_0395
消耗部品や変形などが見られた場合には・・・

SBR_0525
予算などを打ち合わせの上、許される場合には新品部品への交換を行います。
※消耗部品などパーツの持ち込みも歓迎ですので、交換パーツを既にお持ちの場合にはキャブレターと一緒にお送り頂ければ組み付け時に新品に交換をして組み付けを行います。

SBR_1268
また通常のO/hでは分解しないメーカー非分解部分も結構な割合で内部のOリングにダメージを受けている個体が存在するので、必要な場合には分解をして、

SBR_1307
不良個所の修正や長年の汚れをウェットブラストを使用して艶出しも兼ねた洗浄を行った上で、

SBR_0378
シーズンオフや定期的なメンテナンスの際に強力な洗浄剤を使用してガンガン洗浄しても純正のようにOリングがヘタレないよう高耐久な対策素材でオリジナル制作した専用のOリングKitを使用して組み付けを行い、純正よりも高耐久な仕様で復活させます。

SBR_1414
そして非分解部分の組み付けが完了しましたら・・・

SBR_1447
各キャブレターに合わせた専用のマスキングKit を使用してブラスト処理を行って、

SBR_1466
ブラスト後に超音波洗浄機にて入念に洗浄を行い、再度焼き付け乾燥後にコーティング作業へと移ります。

SBR_1497
そしてご希望の各仕様に合わせてセラコートやガンコートを駆使して細かな部品の一点一点にコーティング作業を済ませたら・・・

SBR_2238
各部を調節しながら元の状態のジェッティングにて組み付けを行い、組み付け後にオーバーフローのチェックと、

SBR_2240
加速ポンプの状態などをチェックして問題が無ければ完成です。

SBR_2198
そして先行しているキャブレターの作業が完了する頃合いに次の予定のキャブが入荷して作業を開始して、

SBR_2722
完成した頃に・・・

SBR_2712
また次の作業の入庫が・・・という感じで作業の受付は予約順となっております。

SBR_5716
また、キャブレター制作はFCRキャブレターやCRキャブレター以外にもハーレーで多く使われているHSRキャブレターなども全て分解のうえで、

SBR_6186
専用のマスキングKit を使用して一点ずつ塗分けを行って制作をします。

SBR_8411
FCRキャブレターなどに限らず他のキャブレターでも新品中古品関係なく施工対象となりますので、画像のようにヤレていても、

SBR_8718
施工後は新品ベースと同様外見の見た目は基本的には変わりませんので、機関が良好なら現在ご使用中のキャブレターベースで全く問題無いかと思います。

SBR_6194
またキャブレターの制作作業は全てハンドメイドで一品モノに近い作業となりますので、画像のような取り扱い実績の無い古いハーレーのショーバイク用のキャブレターでも、

SBR_6224
出来る限りご希望の仕様で仕上げられるよう作業を行っております。

SBR_2699
そして上で紹介しました古いハーレー用のキャブレターを装着したシュアショットさん力作のHRCSベストアワード賞獲得マシンが先日発売されたVIBES誌のカバー車両になっており、
SBR_0153
キャブレターと共に施工させて頂いたハブとブレーキが一体の非常に高価な足回りなども含め、詳細はVIBES 4月号にてご覧いただけますので宜しければ仕上がりの参考程度にご覧ください^^
という事でこの辺で終わりにして、次回はFCRキャブレターの加速ポンプの交換手順の説明記事を紹介しようかと思います。

SBR_2686
最後に各作業は完全予約制で常に予約順に作業を開始しておりますので、その都度作業に取り掛かれるタイミングや納期が異なります。
イベントなどが控えている場合にはお時間に余裕を持って事前に secretbase-racing@nifty.com までお問い合わせ頂ければと思いますのでよろしくお願いいたします。

akane380 at 04:00|PermalinkComments(4)