TMRキャブレター関係

2023年04月15日

創意工夫のその後。

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以前に創意工夫で制作しました・・・、

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このFCRキャブレターなどに使用するメーカーでは販売していないフエルトOリングを製作する為の型抜き治具ですが、

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今までFCRキャブレターの際にはフエルトのOリングは基本的に2つだけしか使用しなかったので、製作頻度もそんなに高くなく、一度に纏めて製作しておけばある程度の機数分は確保出来ていたのですが、

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このTMRキャブレターに関しては、

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なんとマルチを1機オーバーホールした場合に7個もフエルトOリングを使用するので消費サイクルが早く、

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毎回作るのが面倒くさいというか、深夜に必要になった際にカンカンとハンマーを振り下ろして甲高い音を立てるのが近所迷惑な気がしまして、正直作業がやり難い・・・。




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という事で、作業性の向上と品質の向上を目指して、向こう数年は困らない程度に量産をしてしまいましたw

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とりあえず折角なので若干寸法の違うFCRキャブレター用とTMRキャブレター用の2種類を製作しましたので、今後はそれぞれのオーバーホール作業も少し楽が出来そうです^^
オーバーホールのご依頼時以外、単品でこちらのフエルトOリングの販売予定は現状御座いませんが、FCRキャブレター用に関してはマルチ用の非分解部分のOリングセットをご購入いただいたオーナー様にはサービスでプレゼントしますので、どうぞご活用ください♪



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2023年03月20日

TMR-MJNキャブレターの不良率

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TMRキャブレターに関しては以前からメーカーに修理に出しても不調が治らないという話を聞いていて”ナゼ?”と興味が在りつつも、肝心な非分解部分のOリングやVシールが非売品扱いとされ本格的な分解などが出来なかった為に敬遠していましたが、昨年から色々なご縁が重なって当方でも非分解部分やVシールなどを交換できる体制が整ってやっと気になっていたTMRの謎を究明し始めた所で、TMRキャブレターのオーバーホール作業を行うようになって色々な事が解かって参りました。

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まず一番初めに感じた事は、ヨシムラTMR-MJNキャブレターのご依頼が圧倒的に多いという事。
それだけヨシムラTMR-MJNキャブレターが売れているからかな?と思って試しに「tmrキャブレター」で画像検索をすると通常のTMRキャブレターとヨシムラTMR-MJNキャブレターの比率は4:6程度で若干ヨシムラTMR-MJNキャブレターの方がユーザー数が多いかな?というレベルです。

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でも絶不調で入庫してくるTMRキャブレターの比率は9:1で圧倒的にヨシムラTMR-MJNキャブレターが多い。
それは何でなのか・・・?という話ですが、ある程度感覚的にこれが問題なんじゃないかな?という部分は有るものの、それを裏付ける確証を得ていませんので今回は別の部分に注目をして、

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こちらはヨシムラTMR-MJNから取り外した非分解部分のブロックですが、画像左から二番目のブロックだけ他の気筒と比較して煤汚れが酷く、明らかに他の気筒とセッティングがズレている事が解かります。

これは何故かと言いますと・・・
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非分解部分のブロックに組まれているメインエアジェットの通路をシールしているOリングが切れてこの気筒だけリークしてしまっているからでして、

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オーナーさんにお話を伺ったところ、新品で購入してから一度もオーバーホールは行っていないとの事ですので、メーカーでの製造時に雑な片締めなどをして、キャブレターボディとの間に挟まれたOリングを噛み切ってしまった言わば不良品だった可能性があります。
昨年絶不調なTMRキャブレターを募集して50機ほどオーバーホールをさせて頂きましたが、その際に今回と同じようにこの非分解部分のOリングが組み付けミスによって噛み切れている個体が3機ありました。
そして今回また同様な症状が見られる訳ですが、その全ての個体はヨシムラTMR-MJNで、昨年は絶不調なTMRキャブレターを集めたので少し偏りがあるのも事実ですが、それでも55機中4機が不良品と言う事で、うちで判明した個数のみで言えば不良率7%と精密部品とは思えぬ数値に。。。

ちなみに仮にこの組み付け不良を見つけた場合にメーカー(ヨシムラ)ではどう対応をしてくれるのでしょうか。
先ず前提としてこの非分解部分を分解した個体は保証やオーバーホールの対象外らしく、分解をした時点で悪い場所が有ろうが対象外と言われてしまう可能性が。
では分解した事を隠してそっと組み直した状態でメーカーに修理を依頼した際にメーカー側から製品不良でしたと正直に言って貰えるでしょうか?
昨年ヨシムラに誠意のない対応を取られて直接ヨシムラに伺って話をしてきた自分としては正直に非を認めるとは思えません。
合わせて最低な事にメーカーでは交換をした消耗部品の返却はいたしません。と後々こちらから異常が有った事を訴える為の証拠は残さない渡さないスタンスです。
改めてTMRキャブレターのオーバーホールをメーカーでしか行えないようにしている理由をじっくりと考える必要があるよね!って、コンビニのおねーさんが言ってました。

とりあえず調子がイマイチなんだよなぁ・・と不安を抱えているTMRのオーナー様はスロットルをパカッと開けて異常燃焼が無いかをチェックしてみては如何でしょうか。

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ちなみにこのように全気筒が満遍なく酷く煤汚れている場合は単なるセッティング不良ですので安心?してください。




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2023年03月13日

TMRキャブレターのFULLオーバーホール

現状他の作業で手一杯なのでまだ正式なアナウンスはしていないのですが、ありがたい事にそれでも毎月数機だけTMRキャブレターのオーバーホール作業のご依頼を頂いておりまして、今回は簡単な作業内容を紹介していきます。
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今回ご依頼頂いたの”は” ではなく、今回”も”ヨシムラTMR-MJNキャブレターのご依頼ですが、こちらのTMRキャブレターはレースで使用しているらしく、アイドリングや極低開度域の不調を訴えてレースシーズン入りに向けた調整も兼ねての入庫となりました。

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で、早速分解チェックですが、今回の個体はうちにご依頼を頂く前に不調を直そうと一度オーバーホール作業を行っているとの事で、こちらでは連結などを分解しないと交換が行えない部分のOリングなどを交換させて頂き、汚れている部分の洗浄を行わせて頂く事に。
で、このヨシムラTMR-MJNキャブレターのオーバーホール作業時の洗浄に関してですが、

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一般的なミクニTMRのこのホワイトボディの場合には通常通りの薬品を使用した徹底洗浄が行えるのですが、

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ヨシムラTMR-MJNキャブレターに関しては、普段使用している洗浄液を使用するとキャブレターサイドに貼ってあるヨシムラのコーションプレートのインクが剥げてしまったり・・・、

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ワイヤーステーの塗装が剥げてしまうので、基本的にしっかりとした洗浄が行えません。。。
FCRキャブレターの場合には汚れがキツイ場合にはウェットブラストなども併用しますが、アルマイト処理がなされているヨシムラTMR-MJNには当然不可で、汚れを落とす事を優先させていただけない場合には見た目を守る為に酷い汚れなどは落としきれない事も・・・。

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そして洗浄が終わって、全ての部品の組み付け準備が整った状態ですが、

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とりあえず磨ける物は磨いて、ボルト類などはFCRキャブレター同様、セラコート処理を行って錆びにくく見た目も綺麗な状態に仕上げてあります。

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そして組み付けですが、交換が必要なOリング類は全てメーカー純正品を使用して、Vシールなども全て必要な部品は新品に交換をします。

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TMRキャブレターはFCRキャブレターと違って組み付け時に計測や調整を行いながら黙々と組んでいくので、組み付け中のイメージ画像を撮り忘れてしまいましたが、とりあえずTMR-MJNキャブレターのFULLオーバーホール作業の完成です。

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キャブレターの返却後に車体に装着をして始動確認を行なって頂いたところ、問題となっていたアイドリングなどの不具合も姿を消して解消されたとの事で無事に作業終了です^^
次回はTMR-MJNキャブレターのネガティブな話を書こうと思います。




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2022年11月07日

創意工夫は大切

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FCRキャブレターのオーバーホールやペイント時に分解をすると必ずと言って良いほど解れてダメになってしまうスロットルシャフト部分のフェルトリングですが、こんなに脆いのに非売品の部品で、画像のように破損しても入手する事が出来ません。

仮にダメにしてしまっても・・・
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フエルトの生地からポンチで抜きさえすればいいだけの話なのですが、

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これが適当に打ち抜くとセンターがズレてしまって失敗作ばかりが生まれてしまうので、集中して一つ一つ打ち抜いて・・とやるものの、何気に不良率が高くてロスの多い作業だったりします。

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それでもFCRキャブレターの場合にはフエルト製のOリングは4気筒用でも2個しか使いませんので差ほど問題も無いのですが、

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ミクニのTMRも同じようにフエルト製のOリングが使用されていまして、

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その数なんと4気筒用で5つ。。。
そして例に漏れず、FCRキャブレター同様、ミクニのTMRキャブレターでもフェルトのOリングは非売品扱いで一般的には入手出来ず。※出来ても足元商売で意外に高い。。。

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そしてスロットルシャフトに錆が発生している個体などはスロットルシャフトの引き抜き時に引っ張り出されて再利用不可に^^:

それでも1機や2機であればまだ良いのですが、
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絶不調のTMRのモニター様の募集を掛けたところ、思いの外全国に沢山不調を抱えているTMRキャブレターが有るらしく、常に作業が詰まっている状態なので量産でもしないとダメかな・・・と。
※画像は9月下旬のモノでTMRキャブレターのモニター様募集は締め切っております。

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で、外注で量産=コスト増=オーナー様の負担増となるので、一先ず自分で何とか不良率を下げてコスト増に繋がらないように出来ないかな?と、ちょっと考えて工作開始。

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要はセンターさえ出てくれれば良いのでこんな感じで低レベルな工作をして、

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まずはポンチで外径を抜いて・・・、

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凹部分にペコっと嵌めて、

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真ん中に中抜きのポンチを入れて打ち抜いてみれば・・・、

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ばっちりセンターが出てあら良いじゃない♪ と^^

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という事で、量産化はせずハンドメイド続行でお値段据え置き1点100円ですw
※利益率無視のサービス商品ですので単品での販売はしておりません。オーバーホール作業のご依頼時のみ必要な際に交換をさせて頂いております。

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創意工夫で無い物は仕方が無いでは終わらせない。でも今後何百個も打ち抜くのかと思うと気が遠く。。。やっぱり外注で量産化してコスト増になったらすいませんw





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2022年04月30日

TMRキャブレターO/hのモニター様募集

2022.7.27更新

おかげさまをもちましてモニター様募集を締め切らせて頂きました。
多数のお問い合わせとご参加誠にありがとう御座いました。



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現在新しい作業メニューの構築としてTMR&TDMRキャブレターのオーバーホール作業を開始しようとテスト中なのですが、若干名のモニター様を追加で募集いたします。
少し条件が厳しいのですが、
・ご自身でキャブレターの脱着が行える事
・ご自身でセッティングが行える事
・車両に空燃比計が装着されている事
・” 現在ご使用中の ” TMR及びTDMRの調子(特にアイドリング付近)が非常に悪い状態の物
 ※ 既にシムリングなどを入れて改造をしていると最高です。
・必要に応じてシムリングの使用を承諾いただける方
・何度か仕様変更にお付き合いをいただける方(往復送料はこちらで負担します)
・100%不調が直る訳ではありませんので事前にその旨をご了承いただける方
・気筒数に制限無し
・ボアサイズはスモール、ラージどちらでも可

上記条件を満たしていて尚且つモニターになっても良いよという方が居られましたら、secretbase-racing@nifty.com までご連絡をお待ちしております。

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TMR及びTDMRのオーバーホールに際しまして、一般的に入手が不可能とされているVシールを含む消耗品は全てメーカー純正の新品を使用します。
※ 入手経路や入手方法などのお問い合わせには一切お答えできません。

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またTMR及びTDMRそれぞれ非分解箇所のOリングも新品に交換します。

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TMR-MJNにも対応しています。

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先行して数機ほど不調に陥ったTMR及びTDMRキャブレターをオーバーホールさせていただいたのですが、一度不調に陥ったTMRに新品の部品を組めば当然のように直るのか?という疑問の答えは、「直らない機体が存在する」という結果になりまして、ネットでもTMRが不調になったのでメーカーに修理を出したけど不調が直らなかったという書き込みもチラホラ見られ、詳細はまだ書けませんが、Vシールを調べると直らなくて当然な結果も有ったりで、もう少し多くのサンプルデータが欲しいのでこの度若干名の絶不調なTMR及びTDMRをお持ちの追加モニター様を募集させていただこうとなった次第です。
ただ現在ミクニさんの方がTMRキャブレター自体の売れ行きが好調なようで消耗部品の幾つかがバックオーダー状態となっておりますので、募集した作業の開始は6月頃からの予定となっております。
もし条件が一致してモニターになってもいいぞという方が居られましたらsecretbase-racing@nifty.com までご連絡をお待ちしております^^


※ 募集は必要数に達し次第終了とさせて頂きますので予めご了承ください。





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